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事業報告「新素材技術講習会」

広島市産業振興センターNEWS

 事業報告「新素材技術講習会」


 工業技術センターでは、技術力・競争力の向上を目指しておられる各企業様に、業界の最新情報をお届けできるよう、様々な講習会・研修会を開催しています。今回は、令和3年度から開催することとなった新規事業の「新素材技術講習会」について紹介します。

 近年、自動車部品をはじめ、機械関連部品の高性能化のため、新素材への期待が高まっています。現在、新素材の研究、開発成果は著しいものがありますが、積極的に利用・活用され実用化したというような事例は少ないように思われます。この理由の1つとして、実際の製造現場に、開発された新素材の情報が届いていないのではないかということが考えられます。そこで、こうした点を解消するため、本講習会では、実際に部品製造を行っている市域の中小製造業者の方を対象に、競争力強化に貢献できる新素材、新材料に関する情報提供を行っています。

 

 令和3年度は、任意の形状に変形させても、ある温度以上に加熱すると、元の形状に戻る特徴を有する「形状記憶合金」をテーマとして、以下の講演を行いました。形状回復の原理の解説や、その特徴を活用した機械装置等への最新応用事例を多数紹介いただきました。

 

  • ■開 催 日令和4年1月28日(金)
  • ■開催方法Microsoft Teamsによるオンライン開催
  • ■参加者数26名
  • ■講演内容
  • 1 講演名:「形状記憶合金、超弾性合金の基礎と応用-血管から宇宙まで-」
  • 講 師 :国立研究開発法人物質・材料研究機構 若手国際研究センター・センター長、構造材料研究拠点・NIMS特別研究員 土谷 浩一 氏
  • 概 要 :形状記憶効果による形状回復の原理を中心に説明して頂き、加えて様々な分野での応用事例について紹介して頂きました。形状回復の原理は、温度変化に伴う材料の内部構造(組織)の変化(マルテンサイト変態)を利用したものであるとのことでした。形状記憶合金の代表的な合金は、Ti(チタン)と Ni(ニッケル)の合金でニチノールと呼ばれるもので、医療分野・宇宙分野等での応用が期待されており、実用化の事例も増えてきているとのことでした。
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  • 2 講演名:「形状記憶合金を使用した熱エンジン、アクチュエータおよび除振装置の研究開発」
  • 講 師 :北九州市立大学 国際環境工学部 機械システム工学科 准教授 長 弘基 氏
  • 概 要 :形状記憶合金の特性を利用した熱エンジン、アクチュエータ、除震装置の研究、開発事例を紹介して頂きました。熱エンジンは、形状記憶合金に加熱と冷却を繰り返し加えるようにすることで、往復運動の動きを発生させ、この運動エネルギーを動力として活用するというものでした。例えば、通常捨てられている工場廃熱を利用し、形状記憶合金で動力に変換し、これによって発電を行うということでした。他にも、形状記憶合金の熱による回復現象を利用し、モーターを使用しないで稼働させることができる小型のロボットアームや合金の超弾性の特性を活かして開発した除震装置について説明して頂きました。

     

     形状記憶合金は、家庭用品・輸送機器分野・宇宙分野・医療分野・建設分野等での応用が期待されています。本講習会に対するアンケート結果での参加者の満足度も高く、今後の製品の高付加価値化や新分野展開を検討するうえで、参考にしていただけたのではないかと思います。

     

     新素材技術講習会では、企業の技術力向上を支援するため、今年度も新素材・新材料に関する基礎から応用事例までの情報を提供する予定ですので、ご期待ください。多数の企業の皆様のご参加をお待ちしております。

     

    ■問合せ先

    • 工業技術センター 材料技術室
    • TEL 082-242-4170(代表)
    • E-mail:kougi@itc.city.hiroshima.jp

     

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