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創業時のポイントの紹介! 第1回「事業計画書」

広島市産業振興センターNEWS臨時増刊号
創業時のポイントの紹介! 第1回「事業計画書」 「NEW」
創業アカデミーの講師 西原 裕さんが語る創業の鉄則
 平成20年度創業アカデミーの講師 ㈱創研 代表取締役 西原 裕さんによる研修会の内容を踏まえた創業時のポイントやアドバイスを紹介します。

西原 裕さん
西原 裕さん
□事業計画書を書く前の段取りが重要
 夢を実現する事業計画を策定したものの売上高が低く利益率が悪化して、創業プア(創業してもその事業だけでは生活が出来ない)に陥る事例が多くあります。
 特に現代の変化の時代においては、少ない投資のコンパクト創業でありながら高い利益率を確保できるビジネスが経済環境への対応力と柔軟性のある事業展開として期待できます。
 今回は、創業プアに陥らないために、計画を書く前の段取りに関して提案します。

 事業計画を策定する前の段取りとして3つのポイントがあります。
(1)事業計画はリアルな話、「私はいくら欲しい?」からスタートする。
① 多くの事業計画書は夢やビジョンから記入している。もちろん間違いではないが、夢やビジョンは立派でも最後の収支計画で利益を創出できないのであれば意味がない。あなたは、創業することで月々いくらの報酬が欲しいの?
【例】手作り雑貨を中心としたカフェ併設のお店
        →お客様でお店に行くのと、経営するのは大違いである。
② 月々の報酬が明確になると、報酬が確保できる営業利益が具体化できる。多くの創業者はここでギャップ「今のやりたいこと(夢)ではこの報酬は確保できない」と感じる。このギャップが大変重要であり、事業アイディアをステップアップさせるチャンスと言える。
【例】手作り雑貨が一番やりたかったのに、売上計画がカフェ売上主体に
        →あれ?なんだかぶれている私の夢
③ 事業アイディアのステップアップの手法として、「どうすれば計画している投資額で必要な利益を確保できるのか?」と考えると、アイディアがイメージできる。

(2)計画はリアルな話、「資金はいくら出すの?」からスタートする。
① 自己資金があまりにも少ない人に限って、壮大な夢を語るケースがある。夢を語るのは大いに結構であるが、リアルな「事業への想い」とは、これまで、倹約して貯めたあなたの通帳が語っている。
② 自己資金が充実していれば返済財源の確保を気にすることなく、ビジネスに専念できる。本来ビジネスは、お客様の満足を考え最適な提案をすることであるが、返済財源確保のため必要以上に押し売りや、売上高の確保のために事業コンセプトとは異なる商品を在庫してしまうことがある。
③ 豊富な自己資金の人は、初期投資の支出にシビアである。しかし、借入金依存の人は衝動買いの過剰投資の傾向が多い。貨幣価値は同じでも借入金は軽いお金。

(3)計画はリアルに考えれば、計画修正してステップアップできる。
① 事業アイディアが不足している人は、利益を創出できる事業アイディアを考えて修正を加えれば良い。
② 自己資金が不足している人は、何も今すぐに創業する必要はない。自己資金が増えればテコの原理で、借入金可能額も広がる。事業規模もステップアップできる。
③ 自己資金が不足している人で創業までに猶予のない方は、借入金を圧縮して事業規模の縮小を目指して頂きたい。事業規模は小さくなっても、利益率を高める事業内容に修正ステップアップすれば良い。

□今回の鉄則
 ・ 夢をそのまま事業計画書に記入すると、夢は実現できてもビジネスに至らない。
 ・ こつこつ貯めた通帳は、創業に対する想いが現れる。(通帳は妄想では増えない。)
 ・ 仕事も事業計画書もいきなり始めるのではなく、段取りが大切

 みなさん!夢を持つことは大切です。そして、夢と現実のギャップを明確に認識すれば、実現する方法がリアルに見えてきます。
 経営者とは、理想を描き、現実を直視できる人でなければならない。



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