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ひろしまグッドデザイン賞受賞企業!(6) ユニバーサル部門大賞及び技術賞奨励賞を受賞された「㈱オガワ」
代表取締役社長 小川 佳輝 さん
広島営業所長 石本 邦雄 さん |
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平成6年から始まったひろしまグッドデザイン賞も、平成21年で第11回を迎えます。過去のひろしまグッドデザイン賞受賞企業をご紹介し、その飛躍の秘密を探ります。
今回は、第10回ひろしまグッドデザイン賞でユニバーサル部門大賞及び技術賞奨励賞を受賞された「株式会社オガワ」代表取締役社長 小川 佳輝さん及び広島営業所長 藤田 昌明さんをご紹介します。自然環境の豊かな工場で、家族で始めた創業時代からこれまでの歩みについて語っていただきました。 左から藤田 昌明さん 小川 佳輝さん 創業は、私の父が金属銘鈑製造業を興し兄である会長の小川 芳範が有限会社小川銘鈑製作所として昭和52年に設立しました。私も、昨年11月に社長に就任し、1年を迎えようとしております。 設立時は、会長と私を含めて 7人からのスタートでした。その当時は、まだ皆若かったので能力以上の仕事を受注しても、全員で徹夜してでも納期に間に合わせ、仕事は決して断らないという姿勢でがむしゃらに取り組んでおりました。 気がつけば、会社は60名の規模になっていました。当時バブル時代の最中でしたので、次から次へと仕事を こなす度に実績や信用も付き会社も益々大きくなっていきました。工場も、手狭となり、平成元年には、毛木地区で3ヵ所となっていました。そこへ、バブルの崩壊の余波が襲ってきました。土地神話が崩れ、マンションは立たなくなり、公共工事は縮小、弊社も例外なく 受注減となり 3年連続の赤字計上となりました。 経費節減の必要性に迫られましたが、「人員を削減するだけがコスト削減の手段ではない。」として、3ヵ所に分散していた工場を 一ヵ所に集約して経費削減を図ることにしました。しかし、工場集約の事業計画を練るうちに、一ヵ所に集約できるのであれば、作業の効率性や合理性を持たせた設備投資を行い長期的な視野にたった経費の削減方法が出来るのではと思い、新しい工場の建設と機械設備の導入を盛り込んだ事業計画を手に持って金融機関に持って行きました。担当の方も かなり悩まれたみたいでありましたが、最終的には、快く 計画に同意してくださり、融資をして頂きました。その時の建物が、今の本社工場です。 新社屋は、平成6年に完成し、当時最新鋭の機械設備を取り揃え差別化を図りました。新社屋の完成竣工披露パーティーを企画し、日本全国から一流の企業様を招待し、オガワの意気込みを大々的に披露させて頂きました。おかげさまで、全国にオガワの名前を広めるきっかけとなりました。あの不景気の中、身の丈以上の事をやり遂げられたからこそ 今が、あるように感じます。 【サインとともに】 サイン事業は建築の最終仕上げ段階の隙間的な仕事で、きついいわゆる3Kの仕事です。サインの設置には、高いところ低いところ、風の強いところ昼と夜様々な状況を考えなければなりません。更に設置箇所の条件が先に決まっているので、それに合わせて表現方法を工夫し、耐候性、メンテナンスを考慮して設計していきます。 例えば自動車の様に寿命があり、モデルチェンジしながら量産する工業製品に対し、寿命が長くなくてはならず、一つ一つ違う一品一様の製品です。その都度新しく物を作って、次の依頼につなげ、そこで新しいものを作ることで、素材や設備についてまた勉強しアイデアを出す繰り返しです。 そうしたサインという商品の特質のため、依頼のあった時点での新しい、適切な技術と素材を組み合わせてベストなものを顧客に提案していきます。そこから需要が生まれ、さらに新しい商品提案が出来るようにと考えるのです。 先代はこの業界で「トップになる!」というビジョンを持っていました。リーダーには長・短期的に市場を見る目が必要です。オガワの売りはあくまで顧客が求めるカタチを具体化するための「技術」ですから、社員は全員がトップのビジョンを理解して共有し、常に意識して技術の開発に取り組むことが求められるのです。 これまでのサインは屋外設置が普通でしたが、将来的には屋内(ショッピングモール等)にもサインの設置が求められるようになるだろうとの市場変化は以前から考えていたことのひとつです。 例えばサインは従来建物のエクステリアに取り付けるものでインテリアに向いたものではありませんでした。サインを形作る金属は外部環境に強いが室内では危険な要素を持っていました。そこで、屋内で危険でないもの、視認性の良いものを考えていき、LEDの小さな光源と軽量で安全な樹脂とを組み合わせることで屋内での設置を飛躍的に拡大させようとしたのです。 当社のts LIGHT bt・ts LIGHT tr(第10回奨励賞受賞※図2)と様々な種類の樹脂に応じた切削技術や表面処理技術(第10回大賞受賞※図1で使用している技術)を組み合わせて出来たものが新製品であるハイブリッドサイン(※図3)です。 トップのビジョンを共有化するために社員は新しいものを常に見ておき、何か新しいことに関わるように、と言っています。社内でも家電など新商品が出たらとにかくまず買ってみます。どこかに関われないかを考えてみます。世の中がこういう方向に向いている、ということをキャッチする様にし、見逃さないようにしています。 サインは景気の変動がすぐには来ず、急激な落ち込みは無いですが、新しい事業展開をしなければ、という思いはずっとありました。そうして太陽光事業、コンピューターシステム事業などの新しい事業部門を始めていきました。太陽光電力でまかなえるサインができるなど、こういった繰り返しで、また魅力的な商品が次々開発できていくと思います。 図1 Braille ST(ブレイルエスティー) (第10回ひろしまグッドデザイン賞ユニバーサル部門大賞) 図2 tsLIGHTbt.tsLIGHTtr (第10回ひろしまグッドデザイン賞技術部門奨励賞) 図3彩シリーズ・ハイブリッド 花みどり工場(本社、工場) 【企業概要】 (住所等) 〒731-3351 広島県広島市安佐北区安佐町毛木535 TEL.082-837-1010㈹ FAX.082-837-0770 (HP) http://www.sign21.co.jp/ (資本金) 1億6,760万円 (社員数) 119名(2009年9月1日現在) (事業内容) ・金属装飾サイン・LEDサインおよびその関連製品の企画、設計、製作、施工 ・太陽光発電にかかる製品の製造・加工(ISO認証取得除外) ・コンピュータシステム開発(ISO認証取得除外) 広島県知事 許可(般-18)15879号 板金工事業 (沿革)抜粋
オガワ本社では、社員さん達はみんな鮮やかなオガワシンボルカラーであるレモンイエローの制服でお仕事をされています。そのシンボルカラーは、一説によると先代社長が映画「幸せの黄色いハンカチ」がお好きで、「あれこそサインではないか!」というお気持ちの表れとのことです。また、工場の暗いイメージを払拭したい気持ちなど、様々な願いが込められているそうです。実際に自然豊かな安佐町にある本社花みどり工場は、工場のイメージを塗り替えるクリーンで素敵な工場でした。
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