公益財団法人広島市産業振興センター広島市中小企業支援センター

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マネージャーが語る「これが私の支援事例!」

広島市産業振興センターNEWS
マネージャーが語る「これが私の支援事例!」
(マネージャー 免出 幸雄  有限会社ファミーユ)


免出マネージャー
 当センターのマネージャーが企業を支援している事例をご紹介します。

1 対象企業

 支援対象企業は、厨房設備機器の製造及び販売を主業務とする有限会社ファミーユです。平成14年2月に「フライ油の劣化度測定方法の基礎研究」を進めておられた広島大学大学院の羽倉教授と共同研究のために、資本金800万円で設立された会社です。「食用油の劣化程度評価方法、および食用油の劣化程度評価装置」という名称で、平成17年2月には、特許を出願し、現在審査請求中です。
 同社は、当財団の「新技術産学公共同研究開発助成金」を活用して研究を進め、製品化に成功し、「レッカミール」という商品名で発売しております。


2 支援のきっかけと支援の内容:アドバイザーとの共同作業

 同社は、まず平成19年度にちゅうごく産業創造センターの支援を受けてフライ油の劣化度測定用実験機を作りました。しかしそれでは不十分で、事業化に向けた研究開発が必要でした。そこで同社は、平成20年度と平成21年度の2年間にわたり、当財団の新技術産学官共同研究開発助成金に応募され、承認を受けて、試作装置の開発(モニター機他)に取り組まれました。
 そのモニター機は、大手食品メーカー・大手製菓メーカーに設置され、貴重なデータ採取とお客様の好評を勝ち取ることができました。結果として、社長他皆さんのご尽力が実り、「レッカミール」として製品化されました。

 現在製品化された「レッカミール」です。


循環式(ビルトインタイプ)

バッチ式(ポータブルタイプ)


 助成金を受けられた2年間は、現地確認を何度か行いながら、支援をして参りました。モニター機の結果も出て、かつ研究課題が解決されていく中で、平成21年度が終わるころ、量産化への対応が、具体的な課題として出て参りました。また、実際にお客様に問い合わせると、基本的な性能は満足するものの、製品としては、使い勝手にまだ問題があるということがわかりました。たとえば、計測機ですので、タッチパネルにエンボス加工が欲しい、表記の文字を日本語にして欲しい、懇切丁寧なわかりやすい取扱説明書が欲しい等々の要望事項がありました。

 そこで、まず、量産化のための資金調達を支援しました。量産化体制を整えることより、価格を下げ、また受注に即座に対応していくことができます。さてどこに資金調達を頼むかとなると、まだ新製品で実績が出ていない製品ですので簡単には受け付けて頂けません。そこで、広島市中小企業協同組合融資を利用してはどうかということになりました。その融資の条件は、未だ実績がなくても将来性のある事業に優先的に融資していく、担保は普通取らないというものです。本案件は、その融資に合致するものであり、早速資料作成の支援を行い応募しました。その結果無事承認されました。これで一つの階段をステップアップできることになりました。

 次に、やることは、実際の商品化・製品化でのお客様の要望にかなうデザイン設計です。広島市の開発助成金は、2年間実施し実質終了しました。しかし、まだ商品化一歩手前です。そこで、県が公募している「新事業創出チャレンジ企業支援事業助成金」の「事業化促進事業」に応募することにしました。

 まず応募書類作りです。書類作りでアドバイザーと共同でアドバイスを行いながら、応募した結果、審査によって助成金交付が認められました。その後の県の説明会にも出席しながら、今年9月に商品化が終了するように、支援させて頂いています。大手食品メーカー、大手製菓メーカーへの販路はすでに確立しています。また、最後に残された商品化への事業も資金の手当てができました。次には、販路拡大です。このため、県の交流サロンを活用することとし、必要とされる資料作成のアドバイスも行うことになりました。


3 今後の支援について

 今後は、商品化後の販路拡大、資金融資、人材確保等で支援して行きたいと思います。その一つの手段として、現在同社がホームページとリンクする形で、広島市内の製造業等の優れた技術を紹介する「ひろしまの企業情報」の登録支援を行っていきます。これをお勧めする理由は、無料ということもありますが、広島市が運営するサイトで、情報ソースの信頼性が高いこと、検索上位ヒットのチャンスが増えること、同社のホームページとリンクすることより、さらに検索上位に来やすいこと、日本語版だけでなく英語版をセットで掲載されるために、海外からのコンタクト数アップにつながっていくこと、が期待されるためです。

 この他、経営革新計画の承認の支援をして行きたいと思います。広島市の緊急経営アドバイザー派遣事業を活用して、引き続き、同計画の承認申請の書類作成アドバイスをアドバイザーと行いながら、承認を取得して参りたいと思います。この計画の承認を得ると様々な支援策メニューがあり、中小企業にとってはメリットがいろいろ出て来ます。特に、融資への恩典、販路開拓の支援、中小企業総合展出展の優先権取得等の活用が考えられます。


4 その他

 有限会社ファミーユは、「レッカミール」のほか、油煙除去装置「イオレス」(特許申請中)や冷却沈殿型濾過装置「クールフィルタ」を販売しています。フライ油などを扱われている企業のお悩みは、油臭気や油煙による熱気の他に室内の汚れがあります。現在環境問題がクローズアップされていますが、油臭気が外部に流れ出ると、近隣の皆様から苦情が出ますし、ダクトを含むフード設備に汚れをもたらします。一方、熱気を伴った油煙が室内に立ち込めると、作業環境が悪くなりますし、周辺の機器の汚れの基にもなります。油汚れの除去はとてもやっかいです。
 「イオレス」は、熱気を伴った油煙を、水の泡で分解し温度を下げて油を除去して、油臭気を外部に排出しないと同時に、フード設備も不要となり、かつ周辺機器の汚れを防止する優れものです。


■問い合わせ先中小企業支援センター経営革新担当 TEL 082-278-8032


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