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工業技術支援アドバイザーの紹介 「産業廃棄物を利用した遮熱塗料の試作と実用性評価」 「爆砕竹繊維とオカラを利用した板材の試作」 |
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技術振興部 技術振興室(広島市工業技術センター内)では、地元中小企業に対する支援施策として、企業からの相談内容に応じ、企業や大学などで実績豊富なアドバイザーを製造現場へ派遣し、指導・助言を行っています。自社製品の品質向上・保有技術の新分野展開等にぜひご活用ください。 このコーナーでは、現在アドバイザーとして登録いただいている大学の先生方に、大学での研究内容についてご紹介していただきます。
広島国際学院大学工学部総合工学科 准教授 山嵜 勝弘(やまさき かつひろ) さん
山嵜 勝弘さん 塗装やめっきなどの表面処理技術は、輸送機械、金属製品、建築構造物、家具、プラスチック製品などの多種多様な産業分野で、製品の保護と美装を目的とした最終仕上げとして必要不可欠な技術分野です。 しかし、有機溶剤や薬品などを使用することから、作業環境などの問題もあって、優秀な技術者・技能者が確保しにくい分野の一つです。このため、企業内下請けにまかせたり、塗装専業者に外注する企業も多く、表面技術に関係するトラブルが発生した場合に、その対応に困ることも多いようです。 表面処理技術は、使用されている素材(金属・木材・プラスチックなど)によって、施工方法も大きく異なり、材料、化学、物理、電気、機械、設備、廃水・廃棄物処理、品質管理、環境対策など、幅広い知識と経験を必要としています。 私は広島市工芸指導所(現広島市工業技術センター)時代から現在まで、40年以上に渡り、塗装を中心とした表面処理技術に関わって、広島地域の関連企業の技術者の方々と依頼試験、技術相談、研究開発などに取り組んできた経験がありますので、技術的な問題や、塗装技能士の養成など人材育成の相談に応じることで、お役に立てれば幸いと思っております。 【研究内容のご紹介】 「産業廃棄物を利用した遮熱塗料の試作と実用性評価 」 近年、環境問題が深刻化するなか、屋根や壁面に施工し、建物の冷房率向上や居住性向上を果たす遮熱塗料が注目されています。 この研究では、安価な壁用の水性塗料に各種の断熱・遮熱効果が期待できる顔料として、発泡ガラス、発泡スチロール、シラスバルーン、特殊セラミックスを混合した塗料4種類を試作するとともに、市販されている4メーカーの遮熱塗料と、直射日光における温度の経時変化や分光反射率を比較して、その実用性を評価しました。 試験結果に興味のある方は直接お問い合わせください。 「爆砕竹繊維とオカラを利用した板材の試作」 爆砕とは、素材を高圧の水蒸気によって短時間蒸煮し、活性な水による化学反応を起こした後、瞬時に圧力を開放し、凝縮水の気化に伴う爆発的な体積膨張による機械的な破壊によって粉砕する方法です。 竹は昔から日本人の生活の中で、食料、日用品の材料として様々な形で利用されてきましたが、プラスチックの登場などにより、その利用は激減しています。 また、豆腐の製造過程で排出されるオカラは年間80万トン弱といわれていますが、その多くが焼却や埋め立て処分されています。 これらのバイオマスを活用する試みとして、爆砕した竹繊維と乾燥させたオカラ粉末を熱圧成形して板状材料を試作し、機械的強度を測定することで工業材料としての実用性を評価しました。その結果、以下の知見を得ました。 ①試験試料の外観等からホットプレスの熱圧条件として、温度180℃、圧力16MPa、圧縮時間4分間が適切です。 ②竹繊維と乾燥オカラ粉末の配合比7種類の中では、竹繊維の含有量が多い程、引張り強度が高くなる傾向となります。竹繊維100%が一番強度が高く、乾燥オカラ粉末100%が一番低くなります。 ③竹繊維だけでは整形しにくいものとの前提で、バインダーの役割としてオカラを混合しましたが、竹繊維単独でも熱圧成形が可能です。 ④竹繊維100%の試験片は黒褐色で落ち着いた色合いですが、「青竹」のイメージは無く、見た目には竹が原料とは思えない色調です。その原因は、爆砕竹繊維そのものが焦げた褐色をしていることにあります。 ■問い合わせ先 技術振興部 技術振興室(広島市工業技術センター内) TEL 082-242-4170(代表) |