ものづくり現場における生産性の向上と効率化(第3回)
機械化・省人化を進める
株式会社ゼロプラス 代表取締役
大場 正樹(おおば まさき)
今回は、「③ 機械化・省人化を進める」について考えます。
- 生産性の向上のための3つのステップ
- ① 付加価値率を上げる
- ② 作業方法の効率化
- ③ 機械化・省人化を進める
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機械の効率は、設備のスペックと、設備稼働率の掛け算です。
そのため、機械の効率向上には根本的には新たな投資で設備スペックを上げることが必要です。また適切な保守作業で設備稼働率を維持することも重要です。
- 1.設備投資の重要性
- 設備導入には、少なくとも数百万円、場合によっては1億円を超える資金が必要です。近年の消費税増税やコロナ禍による景気悪化など厳しい経営環境が続く中では、積極的な設備投資をためらう経営者も多いと思います。しかし設備のスペックは導入した時点が最高でその後徐々に低下してき、同様に経年劣化で稼働率も低下してきます。
一方設備メーカーは、拡販のために技術革新を重ねてモデルチェンジのたびにスペックや耐久性は向上していきます。
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- 2.設備投資実績と労働生産性の変化
- 設備投資実績は車を例に考えると解りやすいです。例えば、某ハイブリット自動車の場合、10年で燃費スペックは1.56倍に向上。ランニングコストは36%低減。もちろん乗り心地や安全性は10年経過した車と比較にならないほど進化しています。
もし競合他社がこのような最新鋭の設備導入を実施した場合、高品質な製品を、低コスト・低価格で販売してくるかもしれません。
こうした設備導入を競合他社に先駆け実施できれば良いですが、そうでない場合も情報収集は重要ですから、業界動向は注視する必要があります。
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- 下図は、中小企業庁の中小企業白書から抜粋した資料です。設備導入が生産性向上に繋がる可能性が高いことが示されています。
※出展:中小企業庁ウェブサイト 2018年版「中小企業白書」
- 第2部 深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命
第5章:設備投資による労働生産性の向上(平成30年7月3日更新)
- https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap5_web.pdf
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- 3.設備投資補助金の活用
- 適切な設備投資には、生産性向上ひいては企業業績向上に好影響を与える可能性が高いといえますが、多額の資金を投入する必要があるため、想定している販売数量を確保できないと資金繰りに窮することになりかねません。こうしたリスクを軽減する方法として設備投資補助金の活用をおすすめします。
- 生産性向上を目指した補助金としては、「ものづくり補助金」が予算、採択件数ともに規模が大きく利用しやすい補助金です。詳しくは「ものづくり補助金総合サイト」をご覧ください。
- https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html
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- 4.新技術 ロボット活用
- 少子高齢化の影響により従業員採用が困難になりつつあります。こうした課題を技術的に解決することがロボット化と言われています。私自身、ロボットシステムの販売を行う会社を経営していますので、ロボットの現状と課題を紹介します。
様々な情報化技術が進展する現代においても、人の仕事を完璧に代替するAIロボット(アニメの鉄腕アトムやドラえもんなど)は、まだまだ未来の話です。現在実用化しているのは教示再現方式(テーチングプレイバック方式)と呼ばれる方法で制御されたロボットです。この方式のロボットは、やらせる仕事を事前にプログラミング言語などでロボットに教示(テーチング)して同じ動きをさせることで作動します。そのため、仕事ごとに教示コストがかかるため、リピートがない仕事には向きません。こうしたロボット特有の特性を理解したうえで、業務分析を行い、ロボット導入範囲の選定を行ったうえでロボット導入を推進する必要があります。
実用化されているロボット技術では、検査工程及び搬送工程がロボット化に向いています。
■<講師プロフィール>
株式会社ゼロプラス 代表取締役
大場 正樹(おおば まさき)
大学卒業後、大手専門商社で14年間、営業、工場管理、海外子会社経営を経験し、製造業を中心とした経営コンサルタントとして2012年に独立。
主に中小製造業を支援する経営コンサルタントとして2014年7月10日に株式会社ゼロプラスを設立。 2020年現在、兵庫県、群馬県、東京都、愛知県、岡山県の5拠点、従業員20名体制で、約700社の中小企業に専門コンサルティングサービスを提供してる。
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