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~クラウドファンディングのメリット~
株式会社ケーズパートナーズ 代表取締役中小企業診断士岸本 圭祐(きしもと けいすけ) |
前回はクラウドファンディング(以下、CF)の三類型をご紹介しましたが、今回は三類型のメリットをご紹介します。
金融型のメリットは、1口1万円から、高くても10万円から投資が始められることです。
ファンドに設けられている利回りも、相場値は4~6%前後で設定されており、業者によって8~10%以上の数値で設定されているものもあります。
さらに、金融型CFのファンドに投資を行った後の運用・管理は、すべて業者側が行ってくれます。
寄付型のメリットは、支援者に分配するリターンを用意する必要がありません。
そのため、リターンを準備する時間や費用をかけることがなく、社会貢献できる公益性のあるプロジェクトの立案ができます。活動報告などをリターンとします。
商品PRやプロモーションの一環として、新製品の発売前や新店舗の出店前にCFをワンクッション挟むという試みをすることで、事前に販促活動を行うことができ、見込み顧客の開拓や自社のファンづくりに活かすことができます。また、透明性の高いCFを活用し、多くの支援者が集まることで、信用やブランド力が高まります。さらに、CFで話題になった商品やサービスはメディアや企業も注目しています。最近のニュースメディアでは、CFをテーマとして扱うことも多いため、新聞社等の各メディアに対して戦略的にプロモーション活動ができます。
既に開発決定した商品や発売前の試作段階の商品でプロジェクトを起案し、どういったユーザーが反応を示すかといった調査ができます。調査結果を生産計画に活かすことで、見込み違いの大量生産による在庫リスクを最小限に抑えることが可能です。また、ユーザーの反応がよくない場合、「撤退」という合理的な経営判断を下すことができます。
個人的な見解ですが、CFは販促活動や認知度向上等の補足的手段として活用されることが中小企業経営にとってはベターであると考えます。やはり設備投資であったり、新規事業に対するまとまった金額の資金調達は、融資等で行うことが最善と考えます。最近では信用金庫をはじめとした金融機関もCFサイトとの提携に続々と乗り出しています。過去に融資を断られた場合でも、CFでプロジェクトが成功すれば、その信頼・実績を元に事業性評価の観点から融資を検討してもらえる金融機関も増えつつあります。
次回は、クラウドファンディングを活用した成功事例についてご紹介します。
■<講師プロフィール>
株式会社ケーズパートナーズ 代表取締役 中小企業診断士 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)
兵庫県神戸市出身。関西学院大学卒業後、東証一部上場専門商社で5年間、法人営業を担当。 その後、税理士法人で経営支援に従事。毎月20人の金融機関渉外担当者との面談や関与先企業への資金調達支援や銀行同行の経験により、銀行員の考え方・特性を理解している。 2017年5月中小企業診断士事務所K's Partnersを創業。 2019年1月株式会社ケーズパートナーズを法人化し、代表取締役に就任。 資金調達、経営計画作成・実行支援、営業力強化を軸に中小企業支援を行っている。 また、経済産業大臣認定 経営革新等支援機関として、補助金申請・公的支援制度活用支援にも積極的に取り組んでいる。特に、ものづくり補助金、事業再構築補助金等の申請支援では高い採択率を維持している。
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