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(137)食品事業者が知っておくべき誰でも取り組める「手引書対応のHACCP」(第2回)

広島惣研株式会社 代表取締役 光藤 清志 先生

成果を出す事が目的のHACCP

 

広島惣研株式会社 代表取締役

一般社団法人HACCPと経営 代表理事

光藤 清志(みつふじ きよし)


経営者の基本 食品を扱う企業の真理(使命=大儀)は何だと思いますか。

 経済環境やお客様の価値観がどう変化しようと決して変わる事のない「食品を扱う企業の真理」は、提供した商品が絶対に安全であり、提供した商品を一方的に100%信じてお召し上がり頂くお客様の信頼に応えなければならないこと、これが真理です。この「お客様の信頼に応える」手段が、HACCPに沿った衛生管理です。

 HACCPに沿った衛生管理の取組みのきっかけは、義務化で仕方なくでもバイイングパワーを持つ取引先からの要請でも構いませんが、食品を扱う企業の経営者は、成果を出す事を目的としてHACCPに取り組まなければなりません。

 

HACCPの成果

 では、HACCPの成果とは何でしょうか。

 HACCPの成果は、2つあると思います。1つは、食品を扱う企業の真理である「提供した商品が絶対に安全であり、提供した商品を一方的に100%信じてお召し上がり頂くお客様の信頼に応える。」こと、もう一つは、HACCPへの取組みが企業経営の安定・発展につながることではないでしょうか。

 HACCPシステムは、経営者が導入を決断し、コンサルタントや品質管理担当が整備しますが、実際は現場で働いている従業員の皆さんの実践で成り立っています。経営者が現場で働く従業員のHACCP維持活動に感謝をした時に、従業員の皆さんに創意工夫の気持ちと智恵が生まれた時に初めて、成果に結がる礎が出来上がります。

 HACCPの導入のきっかけは何でもいいのですが、従業員全体を集めて社長がHACCPに取り組む決意表明をすることでスタートし、従業員が楽しめるHACCPに取り組む事が重要です。

 

お客様の信頼に応えるHACCP

 HACCPに沿った衛生管理は、自社の現在位置を客観的に把握すること(何ができていて何をしなければならないのかを科学的な方法で客観的に把握すること)からスタートします。

そして、HACCPの導入を決断するのは経営者、衛生管理計画書を作成するのは品質管理担当者ですが、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を実行するのは現場の従業員ですので、HACCPを活かした成果目標を全従業員と一緒に決めます。その上で、

 ①業業界団体が作成した手引書を参考に衛生管理計画書を作成する。

 ②計画書に基づいて最低でも1か月は実施する。

 ③日々従業員の安全衛生維持のために実施したことを確認し記録する。

手順となります。

20240115-1-3.jpg

※小規模食品工場及び店舗安全振返り実施判定基準(クリックでPDF版が表示します。)

 

成果を出すHACCPこの手引書対応のHACCPは誰でもできる時代です。そのため、記録したことを従業員にフィードバックする、業界をよく知っている仲間による証明とする、従業員を顕彰する仕組みを作る、毎月振り返りをすることにより、従業員が楽しめるHACCP、成果を出して喜びを分かち合えるHACCPとなります。

他の人を真似たHACCPでは、成果は出ません。成果は、誰もしていないことにチャレンジした者にのみ与えられます。

 

■<執筆者プロフィール>

 

広島惣研株式会社 代表取締役

一般社団法人HACCPと経営 代表理事

光藤 清志(みつふじ きよし)

 

1970年広島大学水畜産学部食品工学科部卒業その後、食品メーカーに入社し企画営業を学ぶ。
1984年に広島市内垂直統合型惣菜企業(フレッシュセブン)の設立計画に参加。
企業成長に必要な危機管理の手法としてHACCPに出会う。
1997年に「ほっかほっか亭」ブランドを運営する株式会社ハークスレイの上場を機会に品質管理室の設立に参加し安全保障担当顧問に就任しHACCPの指導教育を行う。
2019年に「一般社団法人HACCPと経営」を設立し全国的に小規模事業者の特化したHACCP導入をサポートしている。(従業員が楽しめるHACCP)
2020年厚生労働省の依頼で玉子焼き協議会のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理手引書の作成指導に参画し手引書を作成する。

 

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