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小さな会社の未来戦略
「地域・人材・AIで切り拓く3つの道」

(第2回) 外部人材とオープンイノベーションの実践

川本 真督 氏

株式会社BPL 代表取締役
総務省地域力創造アドバイザー

川本 真督(カワモト マサヨシ


外部人材が広げる地方の可能性

地方では、少子高齢化や人口減少が進む一方で、地域ならではの資源を活かした事業のチャンスが多くあります。とはいえ、社内だけで考えていると発想が限られてしまいます。
そこで注目されているのが、外部人材を受け入れ、新しい発想を取り込む「オープンイノベーション」です。弊社でも、徳島県在住の副業人材と協働し、地域とテクノロジーをつなぐ取り組みを進めています。異なる視点が加わることで、今までにない実験やチャレンジが次々に生まれています。


AIとデジタル活用の小さな実験

これまで、広報ページの整備やシステム選定が進まないといった課題に対して、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを活用し、記録やデータ管理を整えました。BIツールは、社内データを整理・可視化し、経営判断や業務改善を支援するツールです。専門知識がなくても使えるのが特長で、小規模組織でも成果を上げやすくなります。

こうした小さな実践を重ねることで、「課題解決」にとどまらず、地域に新しい価値を生み出す方向へ進むことができます。現在は、AIやデータ分析を取り入れながら、より実践的な仕組みづくりを検討しています。


学び続ける仕組みと知識の共有

AIの進化は早く、個人の学びだけでは追いつけません。そこで弊社では、毎月ディスカッションの場を設け、最新技術や活用事例を共有しています。

実例として、Google Geminiを使い、オープンデータと地図情報を組み合わせた飲食店検索アプリをメンバーが試作しました。QRコードでアクセスし、現在地から近くの店舗を探せます。小規模ながら「地域でもアプリを自分たちで作れる」手応えを得ました。AIを使えば、専門家でなくても新しいことに挑戦できる時代です。

参考記事:https://note.com/_cop/n/n07e509067b73?sub_rt=share_b

メンバーが試作したGoogle Geminiを使い、オープンデータと地図情報を組み合わせた飲食店検索アプリ

オープンイノベーションに欠かせない考え方

外部人材を入れるだけではうまくいきません。大切なのは、ルールづくりとコミュニケーションです。
まずは、

• 外部と内部の役割をどう分けるか
• 企画から実行まで、どう話し合い・決めていくか
• どんなツールで情報を管理するか

といった基本を最初に共有しておくことが重要です。
また、社内でも一定のITリテラシーを身につける必要があります。知識がないまま全てを外部に任せてしまうと成果が出ません。一緒に考え、一緒に動く関係をつくることこそ、オープンイノベーションの第一歩です。

メンバーが試作したGoogle Geminiを使い、オープンデータと地図情報を組み合わせた飲食店検索アプリ オープンイノベーションに欠かせない考え方

※上記のスライドはAIツール「Genspark」を活用して作成しました。

まとめ

副業人材との協働は、単なる業務支援ではなく、地域で新しい価値を生み出す実験の場になっています。小さな挑戦を積み重ね、外部の知恵と地域の資源をつなぐことで、地方だからこそできる事業づくりが少しずつ形になってきました。

そして今、私たち一人ひとりにもできることがあります。それは、「ひとつだけAIに任せる作業を選ぶ」ことです。

たとえば、日報の下書き、会議メモの要約、SNS投稿文のアイデアなど、ほんの小さなことで構いません。まずはAIに任せてみることからはじめてみませんか?その一歩が、組織に新しい風を吹かせ、次の学びや挑戦へとつながると、信じてます。


■<執筆者プロフィール>

株式会社BPL 代表取締役
総務省地域力創造アドバイザー

広島県廿日市市出身。
東京大学大学院 修了後、日立製作所に就職。
2012年に広告業として東京で起業。
2013年より、地域活動に興味を持ち、音楽・マルシェイベント"一縁祭"を4年間開催。
2016年 一般社団法人地域ブランドプロデューサー協会の立ち上げ、Uターンを決意。
2017年 地域ブランドとして、廿恋酒をリリースした。
2017年より、商工会議所・商工会などで、専門家活動をスタート、年間50-100回程度の中小企業支援を行う。
2019年から、広島県主催の人材育成事業 を受託し、中山間地域における、未来の担い手づくりも積極的に行っている。
2022年より、総務省 地域力創造アドバイザー就任。

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