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中小企業が生き延びるための命錢と、どんぶり勘定だから伸びしろいっぱい

(第2回) 「どんぶり勘定」見方を変えれば、伸びしろいっぱい

立石 裕明 専門家

株式会社アテーナソリューション 代表取締役
一般社団法人小規模企業経営支援協会 代表理事
経済産業省中小企業庁 政策ブレーン

立石 裕明(タテイシ ヒロアキ)


小規模企業振興基本法制定時、有識者会議でこう言われた。
「立石さん、中小企業・小規模事業者はどんぶり勘定だからダメになったのですね」
心の中がザラザラした。
なぜ、そんな風に考えるのだろう?確かに、多くの小規模企業は、永年にわたり数値把握していない「どんぶり勘定」であり、経営計画書のない「成り行き経営」だろう。しかしこれは、大企業では出来るはずもない凄いことではないのか?
しかも地域に根ざし雇用を支え貢献し今ここにそのお店は存在している。
この経営者がほんの少し意識を変え、もうちょっとしっかり数値管理をしたら利益を増やせるのは間違いない。そう、伸びしろ一杯の企業である。

現場の実例
〇居酒屋の親父との会話
 「原価率はいくらですか?」と尋ねると、「だいたい3割から4割くらい」
 3割から4割という原価率は無い。どんぶり勘定である。
 30%と決めると、今まで20切れに切っていた食材を工夫して22切れに切るようにしたり、目分量で盛り付けていたのをグラム数を計るようになった。
 数値管理したら、売上は変わらないが利益が増えた。
〇毎月棚卸しを行い、数値把握をすすめたら、在庫が半分になった製造業。700万のキャッシュが生まれた。
〇利益が出ない原因は見積書段階からどんぶり勘定だった。
 「もったいない!」と本心から思う。
 多くの経営者に、「もったいない!から、もうちょっときちんとやりましょう」と言い続けている。この「もったいない」で変わってくれた経営者は多い。

どんぶり勘定経営者が「もったいない」という言葉で意識を変え、利益を増やした実例を多く見てきた。
みなさん同じ言葉を私にくれる。
「立石さん、言われたようにきちんとやったら利益が増えた」

高く売る努力
 30年間のデフレで経営者は安く売る努力を余儀なくされた。しかし、インフレ局面となった今、意識を変えて高く売る努力に切り替えて欲しい。桐箱に入れる、金箔使う、限定商品化する、シリアル番号入れる、ネーミング(「極」「匠」「献上」「元祖」「伝承」)でカッコ良く見せる等々。
方法はいくらでもある。そう、もったいないから高く売ってほしい。

日本は世界最大の中小企業・小規模事業者支援国家
 小規模基本法制定以来十数年、世界中で最も支援しているということ。
 広島には、商工会、商工会議所、広島市中小企業支援センター、(公財)ひろしま産業振興機構、よろず支援拠点、中小機構等々公的支援機関は数多くある。
 経営者と一緒になって考えてくれる。この環境を使わねばもったいない。

 売上拡大、資金繰り相談、人手不足等労働問題、経営改善、生産性向上、海外展開、知的財産権等々すべて何らかの形で対応可能である。
 苦しい相談で心のハードルが高くなる気持ちは痛いほど分かる。しかし苦しいことほど早く相談に行ってほしい。早く行けば行くほど解決方法の処方箋は増えることは間違いない。 すべての支援者の言葉「もっと早く来て欲しい!」
 どうぞ、これらの支援機関を訪ねて欲しい。ひとりで悩まず相談しに行くことが最も大事な解決方法です。


■<執筆者プロフィール>

株式会社アテーナソリューション 代表取締役
一般社団法人小規模企業経営支援協会 代表理事
経済産業省中小企業庁 政策ブレーン

1963年  淡路島の温泉旅館の3代目として生まれる。
1988年  広告代理店、専門学校講師を務めた後、故郷・淡路島に戻り、第二創業として家業の温泉旅館を承継する。
1995年  阪神淡路大震災にて被災し自ら事業再生を実体験する。
2004年  事業拡大と株式公開を目指して株式会社アテーナホテルズを設立するも、2011年に自ら倒産を経験。
2011年  兵庫県商工会青年部連合会会長として、「承継・再生」を調査研究した経験から「経営者の気持ちは、経営者でなければわからない」と、自身の震災経験から「被災者の気持ちは、被災しなければわからない」を活かすべく「東日本大震災復興支援プロジェクト」に参画。
2012年  小規模企業振興基本法制定プロジェクトに参画。
以降、「経験を、貢献に。」を信条とし、10年以上経済産業省中小企業庁の政策ブレーンとして活躍している。

OFFCIAL SITE https://www.tateishi-hiroaki.jp/

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