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(21)元気な商店街を目指して(第2回)



元気な商店街を目指して(第2回)

-近隣型商店街活性化の取り組み事例-

森信 秀樹さん

森信 秀樹(もりのぶ ひでき)

中小企業支援センター登録専門家
中小企業診断士、一級建築士


 前回は近隣型商店街が置かれている厳しい内外の状況について述べてきましたが、そんな中、派手さはなくとも街や店前のにぎわい創出に汗を流している商店街について私がこれまでに関わってきた事例を紹介し、何か活性化のヒントを掴んでいただきたいと思います。


1 ハード事業での取り組み

 中区大手町5丁目に位置する「広島市タカノ橋商店街」は、商店街振興組合として、広島市では最も早く法人化された商店街です。
 現在のアーケードは、私の設計監理で平成11年3月に完成しました。アーケード下の空間は、格好のイベント空間となり、近くの千田小学校の総合学習や広商デパート、比治山大学など「学生のイベント企画」や「給食祭り」などに利用されています。
「ふれあいYOUプラザ」

 通常商店街のイベントと言えば、商店主が店を空けて夜店を出したり、休業の日曜日に開催するなど「店の売り上げにはあまり貢献しないボランティア」と化している事例が多いのですが、ここでは商店街は「場所の提供」を優先しています。
 平成22年10月からは、空き店舗を商店街が借上げて、授乳など子育て支援と高齢者などの休憩の場として「ふれあいYOUプラザ」を開設しました。その開設には「地域商店街活性化事業」(中小企業庁)の補助金を得ています。
 この施設の有効活用を図るため、一般に貸出しを行っております。広島市中小企業支援センターの「商店街等活性化支援アドバイザー派遣制度」で派遣されたアドバイザーとして、私自身も、「ふれあいYOUプラザ」の貸出方法などを組合にアドバイスしており、組合では、ホームページや店頭ポスターなどで施設の利用を一般に呼びかけています。
 このように当商店街では、公的支援策を、商店街の活性化に上手に活用しております。
 商店街ホームページは、
 http://takanobashishoutengai.com/です。



2 ソフト事業での取り組み

「白島商店会」のみなさん
出典:白島商店会ホームページ
 広電白島線終点からアストラムライン白島駅周辺までの広い範囲をとりまく「白島商店会」は、平成7年から「中小商業活性化推進事業」に取組み、アドバイザーとして派遣された私は、商店街の人たちとの会合などを通じて「ちょっとオシャレなガーデンタウン」を街 のイメージとし、環境に配慮した街づくりを提案しました。
 以降、商店街では「白島エコロジー祭り」の開催や、「マイバック持参運動」、「不要割り箸回収事業」「アルミ缶プルトップ回収事業」など地道に今日まで取り組まれています。
 町内清掃活動は毎月第一日曜日に、早朝から商店街役員や地域の子供たちなどで一斉清掃をされる今日まで15年も継続されており頭の下がる思いです。
 多くの商店街は、これまで商店街診断や商店街活性化推進事業など、公的支援の下で「商店街活性化構想」など何らかの形で今後の商店街の方向性などの提案を受けられていると思われます。しかしながら、そのほとんどが「絵に描いたもち」化しているのではないでしょうか。
 白島商店会では、この活性化プランを基に、環境問題に熱心に取組み、地域にすっかり定着しています。
 飲食店からの割り箸は、製紙会社に運ばれ「着火用の炭」としてリユースされています。アルミの空き缶プルトップを回収をした原資で、地元の小学校に車椅子を毎年送られてもいます。
 地元の酒造会社と連携して、酒米の田植えから収穫までを地元の小学生たちと行う一方、新年度からJR白島新駅開設を機に商店街や地元の声を集めて新しい街づくりへの取組みをされるとお聞きしています。
 ホームページは、http://www1.megaegg.ne.jp/~katoh/index.htmlです。


 
最後は、私の地元「じぞう通り振興会」です。

「じぞう通り振興会」
昭和62年から「じぞう通り」という名称を公募で選定し、活動を始めた商店街ですが、平成12年以降休眠状態でした。平成19年に振興会誕生20年を機に商店街活動が再興されました。
 それまでの活動で集めた貴重な資金を基に、年末のイルミネーション事業とホームページの開設・更新が今の主な事業です。事務局は文化教室等を運営する責任者が受け、「GZO」というフリーペーパーを季刊で発行し地元情報を発信してもらっています。
 役員の中でなり手がなかったのは、会長と会計でした。やむなく私が通帳を預かることになりましたが、未だに会長は空席のままです。
 ライトアップ事業には、通りの店舗や事業所など66店が協賛し、その資金の一部でホームページの維持・更新を行っています。
 明確な組織や会則も年会費徴収もありませんが、通りに面したお店や町内会、幼なじみが「緩やかな近隣関係」でつながっています。これも近隣型商店街として長生きの秘訣かもしれません。
 ホームページは、http://www.jizodori.com/です。


  次回は、近隣型商店街の今後のあり方についてお話します。

  このセミナーの内容は、当財団のホームページに「Webセミナー」として公開していますので、いつでも見ることができます

■筆者紹介

森信秀樹
アーバンリファイン株式会社 代表取締役
中小企業支援センター登録専門家
中小企業診断士、一級建築士
中小企業基盤整備機構 商業活性化アドバイザー

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