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(73)6次産業化に「喝!」と「あっぱれ!」(第3回)

6次産業化に「喝!」と「あっぱれ!」(第3回)


 中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。
 なお、このセミナーの内容は、当財団のホームページに「Webセミナー」として公開していますので、いつでも見ることができます。

吉田 光宏さん

文章化がすべての始まり






吉田 光宏 (よしだ みつひろ)

PRパートナーシップ広島 代表



 6次産業化の情報発信の実情を見ますと、内容が素晴らしいのにもかかわらず、十分にその魅力を発信できていない事例が多くあります。

 第1~2回で示した情報発信、ニュース化を効果的にするためには、その情報が分かりやすく、しっかり伝わることが条件です。さらにインパクトを持たせようとすると、やはり文章力が必要になります。最近はワープロがあり、コピペも簡単にできるので、文章を書くのがずいぶん楽になりました。スマホは使いこなせるし、ネット上で文章はいくらでも読めます。ところが、いざ自分で書いてみると、その難しさを改めて知る人が多いのではないでしょうか。

 PR支援の一環として、企業や個人を対象に文章の書き方を指導しています。簡潔で伝わる「あっぱれ」な文章の大切さ、実践的なノウハウを紹介するものです。ものごとを論理的に考える習慣がつき知識も増えるので、企画書や報告書の作成といったビジネスシーンだけでなく、多くの場面でメリットがあります。私的「人生必須科目」にも、語学、歴史とともに文章力がしっかり入っています。

 書き方の指導の中で最も力をいれているのは、新聞のスタイルに見られる見出しとリード文です。リード文とは、見出しに続いて全体のエッセンスをまとめた文章です。大切な情報を先に示す逆三角形の構成にし、無駄がなく正確な表現などにも心がけます。残念ながらこうした文章の書き方は学校では、まず教えてくれません。

 私が普段やっているのは、書き始める前に設計図を考える方法です。多くの人が同じようにやっていると思いますが、まず考えをまとめる作業をし、次に書く作業をするのです。これは見出しとリードを考える作業に他なりません。アップルの創始者でプレゼンテーションでも伝説的な才能を見せた故スティーブ・ジョブズ氏は、プロット(筋書き)を考えるとき、紙にアイデアなどを手書きしていたそうです。

 こうしたやり方からみると、試験などの作文で「始め!」の合図とともに書き始める人は、書き慣れていないことを無言のうちに白状しているようなものです。制限時間の半分あるいは、それ以上「何を書くか」を考えることに費やし、その後一気に書き進めるのが定石です。考えを文字にすることは日ごろのトレーニングが必要でしょう。書く人の数だけスタイルがありますが、正確に伝わる文章にすることを忘れないでください。

 「文章道」があるとすれば、「正解の文章」ではなく、「ベターな文章」を追い求める孤独な作業のように思います。日々の気付きと鍛錬あるのみ。マラソンや登山と同じで、うんうん苦しみながら、頭の中で汗をかき、文を書(か)き...。仕上げた文章を読み返すと「なかなかいいじゃないか」と自身で快感を覚えるはずです。こうして文章力がアップすれば、6次産業化に頼もしい助っ人を得たようなものです。

文章の書き方セミナーチラシ(見本) 文章を書く前の「設計図」
 写真:文章の書き方セミナーチラシ(見本) 文章を書く前の「設計図」




■<講師プロフィール>

吉田 光宏 (よしだ みつひろ)

PR&ビジネスプランナー/メディアコーディネーター/ジャーナリスト。

新聞社勤務の後、1999年独立。

環境問題、農林水産業などを中心に幅広く取材、執筆活動をしている。

並行して企業や団体などのPR広報の支援、文章作成やプレゼンテーションの指導にも取り組んでいる。

日本環境ジャーナリストの会、農政ジャーナリストの会会員。

著書に『農業・環境・地域が蘇る 放牧維新』(家の光協会)、『広島県の農業を知るとカープを応援したくなる』(PRPH)など多数。

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