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(85)「女性視点企画」を地域活性化及び企業活性化に活かす(第3回)

「女性視点企画」を地域活性化及び企業活性化に活かす(第3回)


 中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。
 なお、このセミナーの内容は、当財団のホームページに「Webセミナー」として公開していますので、いつでも見ることができます。

中川 佳美さん

「女性視点企画」による地域活性化事業事例


中川 佳美(なかがわ よしみ)
株式会社パーティ・フー 西日本支社長


 首都圏と地域の経済格差が問われている一方、多様な価値観が生まれ、地域の暮らし、文化、歴史等への憧憬が高まっています。地域に於いても女性達に響く魅力要素を検証したブランディング構想が大きな動きや流れをつくり地域貢献へ繋がっています。

 依頼者から「主要ターゲットとなる女性達に来て欲しい、買って欲しいがどうすれば良いか分からない。」という相談があった時、女性視点による検証を踏まえた提案を実践しています。

ここでは、4つの事例をご紹介致します。

① 宮島夜の動員企画 
 当時、宮島は宿泊せずに立ち寄るだけの観光地化により、来島者数の減少が問題になっていました。来島者の増大、夜の滞在(宿泊)を目的に、「あかり」をテーマとした動員企画を実施しました。

 <女性視点企画ポイント>
 まだ宮島へ行った事がない女性達が行ってみたくなるようなテーマ設定が重要となるため、東京在住の女性達に「宮島の魅力」についてリサーチをかけました。厳島神社に3姫が祀られている事から「宮島三女神(さんひめ)物語」というコンセプトを提案。ブランドマーク作成展開、島のみなさんと創った、籠と花を用いたおしゃれな「宮島ひめあかり」を夜の町の回遊の目印として、中心地全体に設置しました。オープニングイベントでは主催者の皆様にも着物で参加頂き、男女皆で「着物ウェルカム」を!明確なコンセプトを基本とした取り組みは多くのマスコミに取り上げられ、大きな情報発信となり、宮島の来島者数が過去10年間で2番目になる結果となりました。

宮島夜の動員企画-1 宮島夜の動員企画-2

宮島夜の動員企画-3



②六次産業化、夢共有構想企画(大竹特産ゆめ倶楽部)
生七味DSC-1 異業種の事業主らが集まり、休耕田の開拓、栽培〜加工〜販売迄を一貫した取り組みによる、六次産業化を目指す農業法人が立ち上がりました。背景となる地域の夢を共有し、その視点を商品企画や情報発信企画に活かしています。

生七味DSC-2

 <女性視点企画ポイント>
 東京駅構内の食セレクト店舗にて人気N0.1となった「生七味」が注目され、販路拡大しています。地域の畑地で栽培した主原料や、ものづくりへのこだわりが、リアル感ある情報として女性達と夢を共有します。素材をダイレクトに写真で掲載したポップやHP等でのわかりやすい紹介も効果的な情報発信につながっています。また、生七味のパッケージに「ちょこっと贅沢」という女性達に「分かりやすく、納得!」のキーワードを取り入れたり、さりげなくゴールドのポイントデザインで本物感を演出したり、時代のニーズに合わせた、いきすぎないおしゃれ感あるパッケージデザインにも女性視点企画を取り入れました。

③福島県の道の駅
 復興支援事業の一連として震災後すぐに道の駅づくりを管轄している地方自治体に係り「女性視点」を導入しました。人口1万人弱の町に半年で100万人を超える来場者となり、現在も順調に増やし、注目されています。

 <女性視点企画ポイント>
 「女性が来やすい道の駅づくり」の事業構想からコンセプト構築、ブランディングや女性達が好きなおしゃれ感まで、その地域らしさを基本に検討、表現提案しました。地方自治体ではとかく男性だけの志向になりがちですが、女性視点マーケットに合わせた調整が必要になってきます。地域の特徴を出しながら、「そこにしかない宝」をどのように表現するか、他の周辺駅との優位性をどうだしていくか、主催者と充分に吟味しながら係っています。

福島県 道の駅づくり-1 福島県 道の駅づくり-2



④肉まん専門メーカー

 店舗の外観に於いては、何の専門店かよく分からず、閉鎖的でかたい感じで入りにくいという女性達の意見が大半を占めました。何が特徴の店なのか、わかりやすく入り易い様に外観イメージをおしゃれにリニューアルしました。
 <女性視点企画ポイント>
 広島産の原料にこだわった商品作りが魅力的ですが、従来はほとんどアピールされておらず、特徴が伝わっていませんでした。しっかり情報収集した上で、「広島肉まん」をコンセプトに展開する事を提案し、ロゴマークを制作し、店舗看板など含めた外装リニューアル、パッケージ、HPでの統一展開にて、ブランド力を引き上げました。これら全てのデザイン、カラーを女性達が検証し、「これなら行ってみたい。」、「買ってみたい。」というものに具現化しました。

 広島のマスコミからも注目され、テレビ番組でもたびたび紹介され効果的な販売促進へ繋がりました。


■<講師プロフィール>


中川 佳美(なかがわ よしみ)
株式会社パーティ・フー 西日本支社長
女子美術大学 芸術学部絵画科洋画専攻 卒業
ECOLE DES TROIS PONTS(エコール・デ・トア・ボン/フランス・ロアンヌ)卒業

1986年、株式会社パーティ・フー東京本社に入社。キリンビール新規事業に関わり、その後西日本支社長となり、広島にて開催の緑化フェア・テーマ館の企画運営、アジア大会に向けた金座街の空間演出、国営備北丘陵公園の広報演出、宮島動員企画など手がける。
現在は、道の駅プロデュース、広島市や商工会に於ける地域産業活性化や特産品開発事業にかかわる。

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