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(86)戦略広報活動の「いろは」(第1回)

戦略広報活動の「いろは」(第1回)



有限会社ピーアール・デザイン・インク 代表取締役 吉益 直見(PRプランナー)

「はじまりはニュースリリース」


有限会社ピーアール・デザイン・インク
代表取締役 吉益 直見(PRプランナー)

広島市内に広報会社を立ち上げ早16年が過ぎました。IT時代の幕開けとともに社会の広報への理解度、実践度もめまぐるしく変化し、今や広報活動の戦略化が中小企業経営の重要な鍵を握っているとさえ言われています。
今回は事業推進の起爆剤となるマスコミ広報について、ご紹介して参りましょう。

報道現場で目に留めてもらえる第一歩がマスコミへのお手紙文、ニュースリリースです。25年程前、PR会社在職時に、大手新聞社デスクから新聞報道に至る約8割が外部からの情報提供によるもので、残り2割が記者の独自取材報道であると興味深い話を伺ったのを覚えています。インターネットがまだ存在しない環境下の8割ということは?と考えると、ニュースリリースを通し媒体露出を図ろうとする動きが今日に至っては、どれだけ激戦状態にあるか想像がつきます。

まずリリース情報は最新と言えるものでなくてはなりません。1媒体でもローカル紙や業界紙等で記事化されていたり、広告が出ていたり、自社ウェブサイト上にアップされていたのでは、もはや掲載対象として扱ってもらえません。リリースは簡潔明瞭な文体で、わかりやすい言葉を用い、事実だけを淡々と文章化していきます。情報量はA4で1~2枚が理想です。広告表現と違い装飾言葉は不要、新聞報道の元原稿風になっていればパーフェクトです。

リードは新聞で言う見出しです。この2~3行で本文まで目を通してもらえるかが決まります。ニュース性を盛り込むべく、発信タイトルを俯瞰した視点で考えると、インパクトのあるフレーズが見つかるでしょう。本文は発信情報に優先順位を付け、逆三角形のイメージでまとめていきます。4つの文節で「起承転結」に分けるとまとめやすいと思います。「起」では5W1Hが必須です。ベタ記事は「起」の導入部分で完結されることも少なくありません。そして最後に問合せ先を、ヘッドには必ずニュースリリース(報道発表資料)と明記し、日付を入れます。日付は発表日を意味しますので、流動的に変更してはいけません。ニュースリリースの作成テクニックを磨くには、新聞のナナメ読みがお薦めです。

報道発表資料「ニュースリリース」の作り方

さて、リリースが出来上がったら発表方法です。発表はマスコミ各社への郵送に始まり、記者クラブへの投函や会見等があります。影響力のあるテレビ東京「WBSトレンドたまご」や「ガイアの夜明け」、NHK「おはよう日本 まちかど情報室」等にはFAX送付してみるのも有効です。


記者発表風景


新聞媒体では日本経済新聞の支局から日経MJ本紙への掲載はあります。マスコミリリースする以上、多媒体で取り上げられてこそ大きな成果に繋がります。そのための戦術ツールがニュースリリースと言えるでしょう。一過性と思われがちな広報効果ですが、ツボを得たリリース、そして発信機会を軽やかに増やしていくことで、継続的な露出が期待できます。次回は広報のプランニング、戦略性に迫ります。


■<講師プロフィール>

有限会社ピーアール・デザイン・インク

代表取締役 吉益 直見(PRプランナー)

地元テレビ会社、在京大手PR会社を経て2002年に起業。地方企業が生み出す製品やサービス等の情報を、全国的・国際的見地から報道されるための戦略プランを策定し、広報活動において実現していく。

「地域から全国一斉に報じられること」の広報効果を、地方企業のマーケティングに直結、広報活動を通して販路開拓・ 拡大に向けた市場アプローチを展開。

コンサルティングを基本に企業広報、新商品開発やPRイベントの広報機会を逃すことなくマスコミ報道へと繋げ、シナジーの波及を経営にフィードバックする。中小企業の戦略広報モデルを探求し続ける。



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