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(87)戦略広報活動の「いろは」(第2回)

戦略広報活動の「いろは」(第2回)



有限会社ピーアール・デザイン・インク 代表取締役 吉益 直見(PRプランナー)

「ニュースバリューの探し方&作り方」


有限会社ピーアール・デザイン・インク
代表取締役 吉益 直見(PRプランナー)

マスコミ広報戦略の目的の一つに、報道露出の継続性があります。企業の広報部は社内の各部署からニュースネタになる情報を収集し、リリースにまとめ発信します。ニュース性に応じ発表手法を変えていきますが、メディアへの露出を常にキープするには二ケ月に1本程度のリリース活動が必要と言われています。

ニュースネタ、いわゆる広報素材は一番身近なところで商品。製造している企業や開発者。製品が生まれた背景や環境。扱っている店舗等、これらを取り巻くニュースの源となる発信機会は意外と多く、一つの広報素材から周辺に及ぶ波及効果が期待できます。例えば、新製品をリリースしたら別部門の売上げが連動して上がったという事象はごく普通に起こります。しかし、そのためにはニュース性について知ることが大事です。報道現場で喜ばれるのは広告料ではなくニュース性の高い情報、社会の関心事です。


我々広報マンはまず企業ニーズを把握するとともに、ヒアリングから情報のニュース性を探ります。ニュース性が薄ければ社内外から関連情報を掘り起し、脚色はしませんが付加価値を引き出し、無ければ演出策を練る等、ニュースバリューを高めるための立案に入ります。広報の仕掛けには、市場や業界動向、世相を見据えたプランニング力が求められます。マスコミ報道されるための要素、ニュースバリューと報道特性について列記しました。

 広報素材

広報素材

縦線

ニュース性

 ①〇〇初

 ②最大、最小、最高、最長、最短、最新 等

 ③数値、データ、エビデンス

 ④歳時記

 ⑤公共性

 ⑥公益性

 ⑦経済波及効果

 ⑧政策に沿ったもの

 ⑨アニバーサリー

 ⑩トレンド

 

発信機会

① 新商品

② PRイベント 

③ 施設オープン

④ 新サービス

⑤ 人(社長、社員、家族)

⑥ 起業、新店舗

⑦ 新技術

⑧ 新ブランド 等



開発商品や新規事業の構想段階で、これらのテーマを盛り込みながらプランニングしていくことが、自ずと話題を生む市場創出への近道と言っても過言ではありません。マスコミ発信の先は社会、つまり私たち生活者なのです。良いものを作ると売れるプロダクトアウトの時代から世の中は成熟期を通りこし飽和状態、マーケットインの視点がモノづくりや企業経営に求められるのも、こうした広報ロジックから読み取れます。そして、広報策定の背景にあるものが計画です。


 広報とは、①「計算」

 発信情報のニュース性を見極め・・・

情報を追加する。

ニュース性を上げる。

情報を一点に集中する。

方向性を定める。

×

情報を掛け合わせる。

波及・相乗効果を狙う。

÷

情報を段階的に分ける

露出の継続を狙う。


 そして、②「計画」

 発表スタイルを検討し、タイミングを図る。

 ☛ニュースをからへと、年間を通し繋いでいくこと。


リリースプランニング


私は常々広報とは「計算」であると捉えています。ニュース性に乏しかったら情報を追加して話題性を上げる。PRイベント連動等を例に挙げるとわかりやすいかと思います。一方、内容が分散し特長が無ければ方向性を定める、ストーリー性を重視した一極集中です。思い切って情報を整理しましょう。また、情報の掛け合わせ、経営手法のトレンドとなっているコラボ事業等がまさにこれです。異分野コラボとなると話題性も有り、戦略的でシナジーが狙えます。そして、同一時期に話題がテンコ盛り状態では、発信したい情報を段階的に分けましょう。露出時期を調整し継続的報道を図ります。情報がニュースの芽だとしたら「+」「-」「×」「÷」を頭に入れ、タイムリー性を考慮し広報の計画を策定します。リリースプランニングは経営戦略そのもの、トップマネージメントを含め広報機能が担う役割は事業規模を問わず年々大きくなっています。次回は、広報に重要なマーケティング思考についてご紹介します。


■<講師プロフィール>

有限会社ピーアール・デザイン・インク

代表取締役 吉益 直見(PRプランナー)

地元テレビ会社、在京大手PR会社を経て2002年に起業。地方企業が生み出す製品やサービス等の情報を、全国的・国際的見地から報道されるための戦略プランを策定し、広報活動において実現していく。

「地域から全国一斉に報じられること」の広報効果を、地方企業のマーケティングに直結、広報活動を通して販路開拓・ 拡大に向けた市場アプローチを展開。

コンサルティングを基本に企業広報、新商品開発やPRイベントの広報機会を逃すことなくマスコミ報道へと繋げ、シナジーの波及を経営にフィードバックする。中小企業の戦略広報モデルを探求し続ける。

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