最初から質問です。
「なぜ創業したいのですか?」紙に書き出してみてみましょう!
好きなことを仕事にしたい
たくさん儲けたい
自分の信じたやり方を試したい
お客様の喜ぶ顔がいっぱいみたい
社長と呼ばれたい
自分も家族も幸せになりたい・・・・・・・・・・など
創業したいという気持ちはそれぞれ様々だと思いますが、その気持ちが事業推進の力になりますので、いつまでも大切にしたいものです。
さて、またまた質問です。
私は中小企業支援機関などで創業相談を受ける機会が多いわけですが、一番多い相談は、「『法人』と『個人』のどちらが良いでしょうか、どちらの方がメリットがあるのでしょうか。」です。言い換えますと、「どちらが「得」ですか。」というものです。
実はこれに対して、正解をお伝えすることができません。それぞれに一長一短がありますから、その内容をお伝えすることしかできません。
なぜだと思われますか?
なぜなら、ビジネスモデル、事業目的、将来ビジョンを総合的に判断して、最終的には、創業予定のご本人が判断するしかないからです。そして、ここでの正しい判断基準は単に「損得」ではありません。
創業後の存続について「2017年版中小企業白書」によりますと、創業から5年後に存続している割合は約81.7%となっています。
参照: 2017年版中小企業白書 コラム 2-1-2 ②図 起業後の企業生存率の国際比較
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap1_web.pdf
創業して20年経ても存続する会社と、5年以内に消滅する会社との差はどこにあるのでしょうか?
個人1人ひとりは社会の構成員です。会社ひとつひとつも社会の構成員です。
創業するということは、新たな構成員を社会に送り込むということだと思います。
となると、新たな構成員として、社会での役割を果たすことが求められます。
つまり、法人が良いのか個人が良いのかの判断に限らず、全ての判断の基準は「社会での役割」であり、その判断基準によるブレない経営姿勢が創業20年後でも存続する会社になるのだと思います。
最初に整理して頂きましたが、創業をしたいと思う理由は色々あります。
特に、「儲けたいから」という方は非常に多いです。
そのこと自体は間違いではありませんが、それを最終目的にしないことが大事だと思います。
社会をより良くするための役割を果たす過程で儲けることができ、また儲けられるから社会での役割を果たせるのではないでしょうか。
ですから、創業をしたいと思った時の強い気持ちを大切にするとともに、創業しようとする今、「社会でどう役割を果たし、社会にどう影響を与えたいのか」を突き詰め、確固たる判断基準(経営理念)に整理しておくことがとても重要となります。
最後の質問です。紙に書き出してみましょう!
ブレない経営のための基準(経営理念)があれば、どんな場面に遭遇しても慌てることなく、正しい判断ができます。そして、スタッフ全員が自信と誇りをもって、胸を張って仕事ができます。
ここで、私の会社をはじめ参考になる経営理念等を紹介します。
・株式会社藤井事務所の経営理念
http://www.yumegenki.com/factory.html
・京セラグループ(社是·経営理念)
https://www.kyocera.co.jp/company/philosophy/index.html
・味の素グループ理念
https://www.ajinomoto.com/jp/activity/environment/personnel/
・リコー電子デバイス株式会社(企業理念)
https://www.e-devices.ricoh.co.jp/employ/company/philosophy/
・FAST RETAILING WAY (FRグループ企業理念)
https://www.fastretailing.com/jp/about/frway/
・株式会社 タニタ(トップメッセージ/理念)
http://www.tanita.co.jp/company/message.html
・武田薬品工業株式会社(経営の基本精神)
https://www.takeda.com/jp/who-we-are/corporate-philosophy/
・株式会社 ゼンショーホールディングス(企業理念)
https://www.zensho.co.jp/jp/company/philosophy/
・ワタミグループ(経営理念)
https://www.watami.co.jp/corporate/idea/
・丸井グループ(経営理念・経営計画)
http://www.0101maruigroup.co.jp/ci/course.html
・アサヒビール・アサヒグループ(経営理念)
https://www.asahibeer.co.jp/aboutus/summary/
・株式会社ダスキン(経営理念)
https://www.duskin.co.jp/company/philosophy/index.html
ご覧になっていかがだったでしょうか。
どれもブレない経営姿勢と熱い思いが伝わってきます。
■<講師プロフィール>
株式会社藤井事務所
代表取締役 藤井 好宏
大学卒業後、損害保険会社勤務を経て、株式会社藤井事務所を設立。
「頑張る人の夢と元気をサポート!」を経営理念に、中小企業診断士として企業の経営サポートを行うとともに、商工会議所主催の創業塾の講師を務める。