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(90)創業に向けて(第2回)

創業に向けて(第2回)

藤井  好宏さん

「事業スタートの可能性を確認」

藤井 好宏(ふじい よしひろ)

株式会社藤井事務所 代表取締役

「事業のスタートの可能性」

つまり事業のスタートがスムーズに切れるかどうかは、次の2点にかかっています。

① 「事業スタートの日を決めること」
② 「最低限必要なヒト、モノ、カネを確保すること」


①「事業スタートの日を決めること」について

創業の相談に来られる人の多くの共通点は、「創業したい」とは思っていても、「創業する」と決断できていないことです。

「いつ頃なら創業できそうですか?」という私の質問に対して、「まだ準備ができていないので」と回答する相談者は多いです。それは「創業する」決断がまだできていないということと同じだと思います。


確かに創業に対する不安は大きいでしょう。


でも、「創業したい」気持ちが強いなら、その思いに従って進めるべきだと思いますし、創業することを決断しないと具体的な検討、準備はできず、いつまでたっても創業のスタートは切れないのではないでしょうか。


その際の私から相談者への投げかけは、「事業スタートの日を決めませんか」です。


創業時期は様々な要素を考慮しないといけないですが、そのうえで予定でもいいので「○年○月からスタート」と決めれば、自ずと次のステップに進みます。


スタート日が決まれば、そこから逆算して、やるべきことを整理し、スケジューリングせざるを得ません。


スケジュールの例


そして、策定したスケジュールに基づいてひとつひとつ確実に着実に行動していけば、スムーズに事業スタートとなるのです。

万が一、何かクリアできない問題が出てきて創業が難しいとなれば、事業スタート前に問題が分かって良かったとプラスに考え、創業に向けた新たな方向を検討すればいいのではないでしょうか。


②「最低限必要なヒト、モノ、カネを確保すること」について

②「最低限必要なヒト、モノ、カネを確保すること」について。

創業する事業内容によって異なりますが、事業スタートのために最低必要な「ヒト、モノ、カネ」は確保できるでしょうか。

  • ◆「ヒト」とは・・・

  •  わたしというヒト
  •  従業員というヒト
  •  家族というヒト
  •  お客様というヒト
  •  友人というヒト
  •  先輩・後輩というヒト
  •  仕入先、外注先というヒト
  •  協力者・アドバイザーというヒト
  •  金融機関・・・など


必要な「ヒト」を書き出してみましょう。

特に重要な「ヒト」は?
必要な「ヒト」がいなかったら、早急に確保しましょう。

(ポイント)
商売する上で、なくてはならない取り引き先、協力関係先の確保はとっても重要になります。
例えば、新鮮で最高品質の食材を使った、こだわりの食事を提供する飲食店の場合、
それに相応しい本物の食材を、安定的に供給してもらえる仕入先の確保が必要です。
例えば、安全安心の建設を徹底する建設会社の場合、
自社が施工できない部分について、同様に徹底した安全安心の姿勢で施工する外注先の確保が必要です。
そして、それらの先を大切にする姿勢が自社の持続化を可能にすると言っても言い過ぎではありません。


  • ◆「モノ」とは・・・

  •  車というモノ
  •  事務所というモノ
  •  店舗というモノ
  •  パソコン・コピー機というモノ
  •  机やテーブルというモノ
  •  原料・材料というモノ
  •  機械というモノ・・・・・など

必要な「モノ」を書き出してみましょう。
特に重要な「モノ」は?
必要な「モノ」がなかったら、早急に確保しましょう。


(ポイント)

創業となると、どうしても気が大きくなります。
つい、あれこれ買い揃えてしまいがちです。
とにかく最初は、資金的余裕を第一に考え、必要最低限のモノだけ揃えましょう。
事業がうまく進んで行く過程で必要を感じたら、その都度購入すれば良いと思います。
その場合でも費用対効果をしっかり検証のうえ判断しましょう。

  • ◆「カネ」とは・・・

  •  創業に必要なカネ
  • ・事務所・店舗を借りる際の契約関係の費用
  • ・事務所・店舗を改装するための費用
  • ・機械設備・什器備品を購入するための費用
  •  創業から3ヶ月分程度の事業運営に必要なカネ
  • ・家賃
  • ・給与(自分の生活費相当分も)
  • ・仕入
  • ・消耗品、リース料その他

「どんな事に、どんな時に、いくら資金が必要なのか、そしてどうやって調達するのか」を確認する「資金計画」を策定することは非常に重要です。

資金計画のフォーマットの例


もし、(A)>(B)となるようだったら、「資金計画」の再検討が必要です。

(ポイント)
金融機関から借入しないと創業資金が足りない場合、しっかりした創業計画書があれば借入はしやすいですが、あまりに自己資金が少ないと借入ができないこともあります。せめて、必要資金の半分以上は自己資金で賄えるよう蓄えておきましょう。
また、創業当初は「売上」「利益」がすぐ確保できるとは限りません。その上、帳簿上売上が計上できても、売却代金の回収は2か月後といったこともよくあり、「資金繰り」も不安定になる危険性があります。
そのことを想定して、以下の2点を重要視して資金の計画を立てたいものです。
① できる限り資金(特に自己資金)に余裕を持たせる資金計画にしておく。
② 「モノ」のところで触れましたが、最低限必要なものをできる限り安く購入する資金計画にしておく。(中古品で十分です。見栄はスムーズな走り出しの邪魔になります。)



創業時の資金・税金を支援する制度も様々にありますので、事前に申請時期等の内容を確認して有効に活用しましょう。


参考

・ミラサポのホームページ

https://www.mirasapo.jp/starting/index.html

・創業チャレンジ・ベンチャー支援事業

https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/sougyou/sougyou05.html




■<講師プロフィール>

株式会社藤井事務所

代表取締役 藤井 好宏

大学卒業後、損害保険会社勤務を経て、株式会社藤井事務所を設立。
「頑張る人の夢と元気をサポート!」を経営理念に、中小企業診断士として企業の経営サポートを行うとともに、商工会議所主催の創業塾の講師を務める。



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