創業に向けて(第4回)
「経営には計画書が不可欠(その1)」
藤井 好宏(ふじい よしひろ)
株式会社藤井事務所 代表取締役
経営の目的は、「社会の役に立ち続ける」ことです。
そのためには、会社が持続しなければなりません。
そのためには、利益とお金を確保し続けなければなりません。
そのためには、利益とお金を自ら確保し続けようとする経営(主体的経営)をしなければなりません。
そのためには、経営計画書が不可欠なのです。
そうなると、創業計画の策定は、「社会の役に立ち続ける」スタートとして不可欠なのです。
- 1.創業計画書の必要性を確認しましょう。
- 創業計画書は、目標とのずれを「検証する」ためにあるのです。
そのため経営の羅針盤と言ってもいいのです。
羅針盤となる、スタート時の「創業計画書」と、その後の長期持続化するための「経営計画書」を活用することで、木が毎年ひとつひとつ年輪を作る様に、事業年度ごと着実に経営基盤を築いていくことが不可欠です。
計画書があれば、「軌道修正」、「共有」、「対外説明」ができます。以下、少し詳しく説明します。
- (1)「軌道修正」
- 適切な方向に進んでいるかどうかの検証と、軌道修正ができます。
創業計画書・経営計画書が「羅針盤」となるため、「今どこにいるのか」、「実際の進路から目標まで、どれだけずれているのか」、「何が問題なのか」について把握できることから、軌道修正が容易になります。
- (2)「共有」
- 「方向性や取り組み」が明確となり、それが「計画書」として「見える化」されると、社員全員が同じ認識で共有でき、一丸となった事業推進ができます。
- (3)「対外説明」
- 経営者が自ら策定した「計画書」があれば、取引先、金融機関等の関係先に「方向性や取り組み」について容易に説明ができ、さらに主体的経営姿勢が伝わるため信頼を得られやすくなり、支援も得られやすくなります。
- 2.創業計画書の構成
- (1)大まかな構成は以下のとおりです。詳細については、次回で説明します。
- ●予定している会社概要(会社の自己紹介)
- ●事業コンセプト(事業におけるポジションや領域を明確にする項目)
- ●商品サービスの内容(セールスポイントなども整理)
- ●数値計画(売上計画、仕入計画、収支計画、資金計画、返済計画)
- ●アクションプラン(行動計画)
- (2)重要なポイントは、会社としての「あり方」と「やり方」です。
- 「あり方」
動機、目的(経営理念)、目標(経営ビジョン)が、長期持続化に繋げていくための、筋の通ったブレない経営方針になります。
- ●動機 ・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜ事業をはじめるのか?
- ●目的(経営理念) ・・・・・・・事業は何のためにするのか?
- ●目標(経営ビジョン) ・・・・・どういう成功像を目指すのか?
- 「やり方」
アクション(行動計画)の成果がそのまま数値として表れますので、アクションプラン(行動計画)に基づく取り組み推進が重要になります。
■<講師プロフィール>
株式会社藤井事務所
代表取締役 藤井 好宏
大学卒業後、損害保険会社勤務を経て、株式会社藤井事務所を設立。
「頑張る人の夢と元気をサポート!」を経営理念に、中小企業診断士として企業の経営サポートを行うとともに、商工会議所主催の創業塾の講師を務める。