公益財団法人広島市産業振興センター広島市中小企業支援センター

閲覧補助
文字サイズ
標準
拡大
検索
お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

技術支援アラカルト

広島市産業振興センターNEWS
 技術支援アラカルト
    第8回 「バイナリー発電による省エネ促進」

 技術振興部長の國司(くにし)です。今年も早1ヶ月半が過ぎ、暦の上ではもう春ですが、遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします。
 東京都知事選ではエネルギー政策が争点の一つとなっていましたが、火力発電の燃料費の大幅な増加等により電気料金は上がっており、エネルギーコストの生産額に占める割合の多い中小製造業にとって省エネ促進によるコストダウンは重要な経営課題となっています。そこで今回は、その有力な解決策として政府が導入支援を積極的に展開しようとしているバイナリー発電について紹介したいと思います。

 バイナリー発電とは、低温の熱源を使ってタービンを回して発電するシステム(下図参照)であり、熱エネルギーのカスケード利用を促進するものです。バイナリー発電では、水より沸点の低い低沸点媒体を利用することにより、媒体を加熱・蒸発させる加熱源として工場排熱や温泉水など、今まで未利用だった200度以下の低温の蒸気・熱水を有効に活用することができます。国内で製品化が始まったのは2010年で、当初は地熱を利用した発電方式が主流でしたが、最近では、100度前後の工場排熱や温泉水で発電する小型のバイナリー発電装置に注目が集まっており、その普及が期待されています。

小型バイナリー発電システムの概念図

小型バイナリー発電システムの概念図


 普及を推進するためには、規制緩和や設備投資に対する補助制度の充実などが必要です。経済産業省は現在、100度以下の蒸気などで発電する小型のバイナリー発電設備は、以下の条件を全て満たせばボイラー・タービン主任技術者の選任、工事計画の届出、溶接事業者検査及び定期事業者検査といった義務を免除しています。

 ・熱源(1次系)が専ら輻射熱又は大気圧相当の熱水・蒸気
 ・媒体が不活性ガス
 ・一般公衆が窒息(酸欠)しないための構造
 ・出力300kW未満等

 ただ、工場では広い温度域の未利用熱エネルギーがあるにもかかわらず、現状では有効に活用されているとは言い難く、経済産業省は2014年度、100度以上の排熱を使う小型のバイナリー発電設備の導入が容易になるように、規制緩和対象を150~200度程度の温度域にまで拡大する方向で調整することにしています。また、設備投資の補助金についても、省エネ設備の導入を支援するため「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」として410億円の予算措置が講じられています。

 以上、バイナリー発電について簡単に説明させていただきましたが、省エネ対策の参考となれば幸いです。


◆問い合わせ先  技術振興部(広島市工業技術センター内)
   TEL 082-242-4170(代表)   E-mail  kougi@itc.city.hiroshima.jp
HOME

このページのトップへ