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2025/05/21
おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
米国との関税問題が主に自動車業界を中心に悪影響を及ぼしています。
製品の価格競争力が低下し、製造コストが上昇することで、企業の財務状況が悪化し、雇用にも影響が出る可能性があります。
国としてはどのような対応をしていくのか、今後注目されるところではありますが、待ったなしの状況変化に中小企業経営者は頭を悩ませていることでしょう。
そこで思い出したのが、今回の表題にある「一倉定(いちくらさだむ)」という方です。
この方は社長専門のコンサルタントとして知られ、5,000社を超える企業を指導し、多くの赤字企業を立て直したことで「社長の教祖」「炎のコンサルタント」との異名を持っています。
彼の基本方針は「ダメな会社はトップがすべて悪い、人のせいにするな、部下のせいにするな、環境のせいにするな」というもので、社長に対して厳しく指導する姿勢が特徴です。
残念ながら1999年に他界されましたが、いまでも書籍などが復刻として販売されています。
その一部は私の手元にもあり、「経営のバイブル」となっています。
※姫野所有の書籍
・あなたの会社は原価計算で損をする 復刻版 (一倉 定/著 日経ビジネス人文庫)
・マネジメントへの挑戦 復刻版 (一倉 定/著 日経ビジネス人文庫)
・ゆがめられた目標管理 復刻版 (一倉 定/著 日経ビジネス人文庫)
・一倉定の経営心得 (日本経営合理化協会 出版局)
・一倉定の社長学 (日本経営合理化協会 主席コンサルタント 作間 信司/著 プレジデント社刊)
・社長学マップでわかる!図解 一倉定の実践社長学 (一倉定研究家 伊藤 彰彦/著 あさ出版)
様々なコンサルタントや専門家に聞いてもドラッカーは知っているが、一倉定は知らないという方が多いです。
なぜ私が彼を知っているのか気になるのではないでしょうか。
実は20代の頃、勤めていた企業で年に数回研修を受けていたことがあります。
その中の1つの研修で、彼のセミナービデオを見せて頂いたことがあります。
当時、彼のセミナーを受けようと思ったら1名数百万なのに1年待ちだったそうで、そのビデオも1本数十万だったと言われていました。
そのビデオは衝撃的な内容でした。
強い口調と、暴言に近い発言、そして受講者にチョークを投げつけるなど、今ではパワハラと認定されそうな状況ではありましたが、情熱があふれた熱い口調て、経営者の弱い考え方や迷いを一蹴し、そして、共に悩み、共に対応策を考えていく姿勢がありました。
彼の経営哲学の最初に出てくる言葉は「会社の真の支配者はお客様である」です。
儲かっていない、経営が上手くいっていない企業には「自身の好みをお客様に押しつけている」「技術を1番に考えている」「社員の管理が大切だと考えている」「能率とコストと品質だけで経営が上手くいくと思っている」という勘違いを犯しているからだというのです。
そして、この言葉も衝撃的でした。
「いい会社とか悪い会社とかはない。あるのは、いい社長と悪い社長である」「会社の赤字は、お客様を忘れたのが原因である」と言い切っています。
その上で、「社長は何をしたらいいかを見つけ出す最良の方法は、経営計画を自ら立てることである」と言っています。
私もさまざまな企業とその経営者とお話しすることがありますが、経営計画を自ら立てることができる社長は、社員のせいにせず、未来志向であり、そして業績も伸びて、社内も明るいです。
その他、彼の語録については紹介したいことは山ほどありますが、紙面が限られていますので、この辺とさせて頂きます。
興味があれば、彼の書籍を購入されて読まれることをおすすめします。もし、もっと聞きたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。
※書籍は絶版もあり手に入らない可能性もあります。
中小企業支援センターでは、窓口相談などで専門家による経営計画策定に関する相談もお受けしております。ご相談ください。