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2019/02/05
おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。
昨年12月に「SDGs(持続可能な開発目標)時代の環境と社会、そして未来へ」をテーマに東京ビッグサイトでエコプロ2018が開催され、見学する機会がありました。出展内容は大学サークルのリサイクル活動から大規模な火力発電プラントの排ガス中のCO2を回収するCCS(CO2回収貯留技術)まで、参加者も小学生の社会見学から企業や大学の専門家まで一堂に会した一大イベントでした。会場内の食事処も食材や容器等にエコを意識したもので、身近なところまでエコ活動が浸透しつつあることを感じました。
その余韻も冷めやらぬある休日に、自宅で焼いたホットケーキを味わうことになりました。甘いのがいいということになり、家内が冷蔵庫から取り出してきたスプレー缶のノズルから簡単にふわふわしたホイップクリームを出しました。こんな便利なものがあるのだと驚きましたが、表示を見てまたびっくり。なんとスプレーガスに亜酸化窒素(N2O、別名笑気ガス)が使われていました。亜酸化窒素の地球温暖化係数はCO2の約300倍(メタン:25倍)あります。
そこで、この欧州から輸入したスプレー缶のホイップクリームと、地元中国地方の生クリームを入手して自宅で泡立てた場合の2つのケースについて、輸送時と泡立時のCO2排出換算量を試算し、それにクリームの利便性を下の表1にまとめてみました。スプレー缶のホイップクリームのCO2排出換算量は688gとかなり高くなりますが、いつでもどこでも必要な量だけ利用でき利便性に優れています。一方、生クリームの場合はその逆で、CO2排出換算量は25g(スプレー缶タイプの約1/30)になりますが、調理に時間を要し、少量の使用に不向きで利便性に難があります。これらを見比べると、どちらを選択すればよいのか悩んでしまいます。
温暖化対策は、このように本質を理解した上で、つくる責任つかう責任を念頭におき、消費者はかしこい選択を、生産者は持続可能性(社会・環境)と性能利便性(経済価値)の両立を目指すことが重要です。今年は「SDGs経営」の元年といわれています。