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支援センター職員によるブログ

レガシーで儲ける

2023/12/27

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 さて、「レガシーで儲ける」、このタイトルを見た方々には、「ハリーポッターでの「ホグワーツレガシー(金策の効率的なやり方)」や、スバルの名車「レガシー」のことかと思われた方もいるかもしれませんが、違います。


 日本語で「レガシー」とは「過去から引き継いだもの」「未来へと引き継いでゆくもの」の意味で使われています。また、「時代遅れの」といったマイナスの意味もあります。

 

 事業で捉えれば「衰退産業」と言えるかもしれません。

 例として「アナログレコード(以下、レコード)」も「レガシー」といわれるのではないかと思います。

 「レコード」と言えば、音楽を聴くため、蓄音機の時代から販売されている薄い円盤状のもので、アナログ方式で音楽を記録しています。


 その後、デジタル方式で音楽を記録でき、小形で取り扱いも楽な「CD(コンパクトディスク)」に置き換わり、その後衰退していきました。
 80年代の終わり頃にはアナログレコードは衰退の一途をたどり、そのまま絶滅するのでは、と見る向きもありました。

 しかし、ここに来て「レコード」は見直されてきており、拡大傾向となっています。

 最近、広島で結成された5人組バンド「ユニコーン」のアルバム「クロスロード」も「レコード」で発売されるなど、ここに来て新譜も発売されています。


 その「レコード」ですが、2009年に売上最小となりましたが、その後、V字回復と言うよりU字回復しています。
 ※グラフ参照graph2.jpg


 理由としては音楽のデジタル化が進むなかでアナログが新鮮に受け止められ、さらにジャケット面積が広いことを生かして見えるようにして楽しんでいるなど、ここに来てレコードブームが巻き起こったからです。

 日本では2021年のレコードの生産枚数が前年比174%の伸びとなっています。


 そうなると、厳しかった「レコード」に関する事業を行なっている事業者の栄枯衰退です。


 「レコード」全盛期には全国各地にあったレコード製造工場でしたが、「CD」が発売されるとその数は減少し、現在は東洋化成株式会社の末広工場のみが稼働しているそうです。
 同社のレポートではここにきて「レコード」の製造量は年々上がっていて、今年度の売り上げは20~30%(昨年度比)のアップを見込んでいるそうです。


 つまり衰退産業であった「レコード」の復活で独占的に儲かっているのです。
 ちなみに衰退産業と呼ばれる業界は以下の7業界と言われています。

出版業界
製造業界
アパレル業界
ブライダル業界
テレビ業界
旅行業界
士業


 この7業界は「レガシー」な業界でもあることがわかります。


 事業としては右肩下がりであるため、勝ち残るためには「そのままではいけない」のです。


 「レコード」の製造会社である、東洋化成株式会社は最後までレコード生産の火を消さず、CDのパッケージ生産なども手がけて生き残ったからこそ、唯一の生産会社として今のブーム再燃で儲けているのです。


 コロナ禍もなんとなく過ぎ、戦争や気候変動と社会情勢は不安定ではありますが、それでも日本には大切な中小企業が沢山あります。


 厳しい今だからこそ、レガシーであっても儲ける方法がきっとあるはずです。
 いや、むしろ「レガシー」だから儲けるネタがあるのではないでしょうか。


 中小企業支援センターでは、厳しい状況でも、前向きにがんばっている事業者を応援しています。
 何かしら「糸口」を見つけられるかもしれません。是非、ご相談ください。


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