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2024/11/20
おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
中小企業白書によると、中小企業での課題として常に上位に顔を出しているのが「販路拡大」です。
販路拡大は自社の製品やサービスを新しい市場や顧客層に広げることを指しますが、これにより、売上や利益を増加させることを目的としています。
具体的には、新しい地域への進出、新しい販売チャネルの開拓、既存の製品ラインナップの拡充、また、新製品の開発や導入なども含まれます。
そして、新しい市場や顧客層に進出することを「市場拡大」といいます。
既存の市場にない新しい製品やサービスを提供することで、新たな需要を生み出すことを一般的には「新市場の開拓」と言われますが、私はあえて「市場を創る」つまり、「新たな市場の創出」と言っています。
そしてその先は「文化創造」となります。
そうです、タイトルの「究極の販路拡大は○○を創ること」の○○は「市場」でした。
もし、市場を創れれば、企業は競争の少ない環境で成長する機会を得ることができます。
「姫野さん、単に販路拡大ではなく、市場を創るのだよ。できれば文化にしてしまう。そうでないと、大手に勝てない」。
これは20年前は小さな企業でしたが、その時開発した製品サービスで「新しい市場」を開拓し、その後上場までもっていった広島では有名な起業家でもある経営者から、当時言われた一言でしたが、それが今でも頭に残っています。
その方に最近お目にかかりましたが、当の本人は「そんなこと言ったっけ」とけろっとしていました(笑)。
それでは、身近に「市場を創って文化にしてしまった」のはあるのでしょうか。
あります。例えば「ウォシュレット」
ウォシュレットはTOTOの商標名ですので一般的には「温水洗浄便座」となりますが、今や「なくてはならない製品」になり、もはや文化として根付いてしまったのはご存じの通りです。
ウォシュレットのアイデアは、1960年代にアメリカから輸入された医療用の温水洗浄便座で、当初は病院や福祉施設向けに導入されていましたが、TOTOはこれを一般家庭向けに改良し、1980年に「ウォシュレットG」として発売しました。
今でも強烈に覚えているのが、女優の戸川純さんが登場し「おしりだって、洗ってほしい」というキャッチフレーズが衝撃のCMでした。
あれから40年以上が経って、各社から製品がでてコストも下がり、家庭や企業だけでなく公衆のトイレにも採用されており、普及率は今や80%となり、本当に文化を創り出した製品となっています。
※図引用:日本レストルーム工業会
でも、中小企業でそんなことが出来るのでしょうか。答えは「やろうとおもえば出来ます」。
もちろん、各社が持っている強みや技術ともう1つなにかが加わらなければいけないでしょうし、狭い範囲での市場にて創造することもあるでしょう。それが、新規性であったり、独創性であると思います。
常識にとらわれていては新しい市場は創造できません。「何らかの課題」を解決することから始まるのだと思います。
中小企業支援センターでは、新しい市場を創り出す事業者を応援しています。ご相談ください。