お電話でお問い合わせ
082-278-8032
メールでお問い合わせ
2024/12/25
おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
先日の衆議院や兵庫県の選挙において、SNSによる情報発信が票に影響をおよぼし、テレビや新聞が"オールドメディア"と揶揄される状況となりました。
今まで選挙で勝つには、いかに組織を作りあげるかに注力していたかと思います。
しかし、SNSの成熟により共感を得るような情報をいかに発信するかということに変わってきましたが、偽や過激な情報など真実とは限らないものまでが含まれており、判断に迷うという新たな課題が出てきました。
さて、そうはいっても事業者にとっては、自社の製品やサービスの情報発信を行い購買や利用に繋げていきたいという想いからSNSで情報発信していることと思います。
しかし、多くの事業者でSNSの本質を誤って利活用している印象があります。
SNSの本質はテレビや新聞と同じように「情報」により顧客を引きつけ、「広告収入」により収益を得るという"メディア"の一種であり、そこには「広報」と「広告」を実現する機能が提供されており、それぞれ異なる「目的」があります。
広報 (PR=Public Relations)の「目的」は、ブランドの認知度向上や信頼性の構築を目指します。つまり、長期的な関係構築を重視し、ユーザーとのエンゲージメントを高めることです。具体的には、定期的な投稿などでブランドのストーリーや価値観を伝えシェアすることでコミュニティ感を醸成するなど"共感"を得ることを「目的」としており、コストが比較的低い(無料が多い)のも特長です。
広告 (AD=Advertising)の「目的」は、獲得した顧客情報を元に、それを有償で提供することで、特定のターゲット層に対して迅速にリーチし、短期間での成果を目指します。
つまりダイレクトに製品やサービスの"販売促進"を「目的」としています。
SNSにより多少異なりますが、高度なターゲティング(例えば20代の女性で犬が好きそうだとか)が可能で、狙っている特定のユーザー層に効率的にリーチできます。
また、効果測定も可能であり、しかもリアルタイムの調整ができるなど、上手に活用すると短期間での認知度向上や売上増加が期待できます。
まとめると、「広報」は、ブランドの信頼性や長期的な関係構築を重視し、コストが低い一方で、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。
「広告」は、迅速に狙っているターゲット層にリーチし、短期間での成果を目指すため、コストがかかるものの、即効性が高いです。
事業者の製品やサービスを拡販するのに、「広報」だけを頼ることはコストは安くても必要な人に必要な情報が早く届かないことも考えられます。
SNSはタダだと思っていても"知り合いだけ"にリーチしてしまうのでは、結果として拡散範囲が限られ、広く認知するまでに時間がかかることになります。
「フォロワーがいっぱいいるのに売り上げにつながらない」ということがありませんでしょうか。それは恐らく貴事業者を既に知っているからで、新しい情報でないと"いいね"だけで終わってしまうからです。
広く、早く貴事業者の製品やサービスを認知してもらうためには、「SNS広告」の活用を検討する必要があります。
SNSは原則無料で使えるツールですが、SNS事業者は"広告で収益を得ている"ため、無料で使わせて情報を得ているということを肝に銘じて、SNSの広報と広告を上手く使い分けることを考える必要があるのです。
中小企業支援センターでは、窓口相談などで専門家によるSNSに関する相談もお受けしております。ご相談ください。