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2009/12/24
おはようございます。がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のプロジェクトマネージャー・久保です。
(11月号からの続き)
(いそがばまわれ)
つまり前工程の情報を可能な限り先取りすることで後工程の作業を早めにスタートさせたり、逆に関連する検討・検証を早めにすることで品質の高い図面(実現性の高い図面)に熟成し、これによって開発期間を短縮するわけです。しかし、ここでは注意しなければならない大きな落とし穴があります。
試作の段階で実際に試作品を作った後、『評価・検証』を行いますがその結果として、当初の図面では狙い通りの機能が得られなかったり、性能が出ないということがわかり改善、変更が必要になるということが起こりうるのです。
従ってどんなに生産準備を急いだとしても、試作品の『評価、検証』によって図面の変更が必要かどうかを確認することを待たずして、見切り発車で量産用の型の手配や設備の手配に入ることは絶対にしてはならないということです。後から変更が必要になった場合に、見切り発車したが為に発生した費用はすべて無駄、すなわちドブに捨てたと同じことになってしまうからです。
(ICT発達の恩恵)
更に最近では、ICT技術の発達により、試作品の製作期間を大幅に短縮することが可能になりました(ラピッドプロトタイプ)。また設計時のデジタルデーターをもとに、実際には試作品を作らずに部品や装置の構造、作動、機能をコンピューター上で3次元確認できるバーチャルエンジニアリングがすでに実用段階に入っており、試作そのものを省略できるところまで技術が進歩してきています。このバーチャルエンジニアリングによって、開発期間はさらに短縮することが可能となりました。(次号へつづく)