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2012/01/11
おはようございます。がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のマネージャー免出です。
東方見聞録に記述された「黄金の国ジパング」で、「日本は資源豊かな黄金の国」と紹介されました。
その影響もあり、大航海時代には、コロンブスを始め、多くの航海士が、その金を求めて、ヨーロッパからアジアへと船出をしたともいわれています。
しかし今の日本には資源がないと言われます。
石油はほぼ100%輸入していますし、レアメタル・レアアース他の鉱物資源もほぼ輸入に頼っています。その中にあって最近叫ばれてきたのが日本にある都市鉱山です。
「都市鉱山」とは、廃棄される家電製品等に金属資源が多く含まれることから、それらを鉱山と考えてリサイクルしていこうとする考え方です。
その日本の都市鉱山に存在する金は7千トン近く世界最大の埋蔵量です。
その他にも鉛、銀、銅、プラチナ、アンチモン他があります。
資源がないないといわれた日本がいつの間にか、世界に冠たる鉱物資源埋蔵量を誇る国になっています。
その都市鉱山に埋もれている様々な資源を再利用してみてはどうでしょうか。
金等の鉱物を採掘するとき、猛烈な環境汚染を引起す場合があります。その点リサイクル品であれば、はるかに小さい環境負荷の中で、資源の再利用ができます。例えば、金5gを抽出するのに、鉱石1tonが必要です。一方、携帯電話であれば、僅か17kgで同じ金の量を集めることができます。環境負荷を比較すれば、比べようもありません。
そのリサイクル品の一つに、ハイテン材があります。
自動車の軽量化を図るために、車体構造体にハイテン材が多く使用されて来ています。ハイテン材には、日本にとって貴重な鉱物資源も数多く含まれています。
マンガン、モリブデン、クロム等々です。これらは国家備蓄対象の鉱物資源になっています。
このリサイクル品であるハイテン材からマンガンを取り除き、鋳鉄用主原料に再使用しようという取り組みがあります。
資源の有効利用だけでなく、鋳造メーカーにとっては経済的効果の大きい取り組みです。
何故ならば、マンガンを取り除いた原料は、銑鉄原材料よりはるかに低廉に鋳造原材料に再利用できるからです。
(株)木下製作所は、(財)広島市産業振興センターの平成23年度共同研究開発助成金の交付決定を受けて、【取鍋式による鋳鉄溶湯中のマンガン除去装置の実用化開発】というテーマで研究開発を行っています。
現在、本件の進捗度を見ながら、支援できることを行い、今年中に成果が得られるように目指しています。
鉱物資源等をリサイクルから見つめ直していく、そんな新たな取り組みが今後より一層日本で求められて来ているとはいえないでしょうか。