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2018/12/06
おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。
昼休みに散歩していると、思いもよらぬ光景に出くわすことがあります。11月5日(月)12時過ぎ、ミクシスビルの海側の上空にVの字をした飛行機雲が現れました。日本シリーズで破れたのにVはないだろうと思いつつ、滅多にみられない飛行機雲なので写真に収めました。「UFOの出現か!」とタイトルを付けたいところですが、そこは技術者の性で、なぜ?という疑問が湧いてきました。
なぜ飛行機雲がVの字になっているのか?それは、1機の飛行機では折れ曲がったVの字は描けず、2機の飛行機の仕業でしょう。だとすれば、なぜ飛行機雲が途中で消えるのか?それは、エンジンから噴出した水蒸気を含んだ燃焼ガスが大気に放出され、この水蒸気が水滴や氷滴になる温度・圧力(状態)では飛行機雲ができ、透明な水蒸気のままでいられる状態では飛行機雲ができません。つまり、上空に状態の分布があるからでしょう。それでは、なぜVの字の角がくっ付いているのか?それは近い時刻に2機の飛行機がねじれの位置で交わり、観察者から見えるその交点が偶然にも水蒸気の相変化の状態閾値と一致したのだろうと推定しています。
工業製品のトラブルや製造過程で問題が生じた場合の原因究明に、このような「なぜ?なぜ?」を繰り返しながらどんどん深堀し、真因に辿りつく手法があります。この手法は、過去の経験を組み合わせる帰納法であり、要因の中から原因を特定するのに有効です。
今回のVの字の飛行機雲では、まず発生メカニズムに関心が向きましたが、ごく素直に自然と人工物が演出した空のアートとしての見方も加えながら、心豊かな昼休みのひとときを過ごしました。
(写真の左建物はLECTの海側、2018年11月5日(月)12時44分筆者撮影)