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2019/07/25
おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。
私は通勤に最寄りの駅から職場まで自転車を利用しています。最近この自転車の座り心地がよくないので調べてみると、サドルの後ろにある一対のコイルバネの片側が折損していました。今までに、何台もの自転車に乗ってきましたが、このようなサドルの損傷は初めてです。
一般に、機械製品のライフサイクルにおける故障率を経時的にグラフ化すると、お風呂の浴槽の形をしていることからバスタブ曲線と呼ばれています。製品を購入してほんの僅かな時間使用しただけで故障する時期を「初期故障期間」といいます。この原因は設計ミスや製造時の欠陥等によるもので、ほとんどはメーカーの保証期間の1年以内に発生します。次いで故障率が次第に減少し、やがて一定値に近づきます。この時期を「偶発故障期間」といいます。最後に、劣化が始まるために故障率が経時的に上昇します。この時期を「摩耗故障期間」といいます。
これらの故障を低減するには、次の方法が挙げられます。「初期故障」はメーカー側の責任として、新設計項目の設計検証や部品の品質管理を適切に行うことで低減できます。また、「偶発故障」や「摩耗故障」はユーザーが中心となりメーカーの知見を得ながら定期的な点検等により摩耗や老朽化している部品を取り換えていくことで低減でき、設備の長寿命化が可能となります。このように、機械の故障を低減することは、メーカー側にとっては顧客の信頼を得ることになり、ユーザー側にとっては設備の稼働率向上につながることから、収益拡大等の経営戦略的にも重要であるといえます。
私の自転車は約5年使用しており、保証期間も過ぎていますのでメーカーの責任にはなりません。自転車の耐用年数は約10年と言われていることから、今回の故障は「偶発故障」に相当します。コイルバネをよく見ると錆も発生しており、疲労折損の起点となった可能性もあります。時々点検して錆止剤等を塗布しておけば、もう少し長寿命化できたかも知れません。