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支援センター職員によるブログ

「モノづくり事はじめ‐11」

2009/09/08

  kubo.jpg おはようございます。がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のプロジェクトマネージャー・久保です。

 

8月号からの続き)


 今月はいよいよ設計の段階の説明です。 とはいっても本稿では具体的な設計の技術については触れません。 これについては良い専門書がたくさん出されているので、そちらをご覧ください。


 本稿では、実際に設計図面に線を描いてゆく時に、これと同時にどういうことを考えておかねばならないかについて、取り上げてみましょう。


2 設計

2-1) 全体構想 (構造を決めましょう)


 前項までで"機能的目標"が得られたわけですが、次に考えることは、これらの狙い、開発目標を実現するためにはどういう構造であったら良いのか、その構造は商品全体をバランスよくまとめ上げる上で最適なものかどうかを考えることです。 ここでは工学的知識を持った設計者に創造的活動が求められます。


 「機能的目標」 + 「工学的知識体系」 → 「創造的活動」


 その商品を構成する装置・部品の全体構造/形式、形状、材質等をきめてゆくことになるのですが、ここで最終的に得られる解答は一つとは限りません。ユーザーの要求、会社がこれまで蓄積してきた技術的な財産、設計者のセンス、コスト、重量、関連法規等々。関連する種々の要因の捉え方、優先度の置き方等により、得られる解答は様々に異なります。

 
 たとえば、解りやすい例として自動車のエンジンについて見てみましょう。


 自動車のエンジンを設計するということは、"自動車を動かすために、化石燃料を燃焼させることによって、機械的エネルギーすなわち駆動力を発生させる、車両に搭載する装置"を設計するということになります。自動車用エンジンはこのために設計・開発された機械装置ですが、このエンジン一つとってみても、すでにおなじみの通り、I型エンジン、V型エンジン、水平対向エンジン等の往復内燃機関、更にはロータリーエンジン等、数多くの形式のエンジンが市場に存在していることからも分かります。


 どういう構想、構造が正解かということは、その商品を実際に発売して結果として販売実績が出てくるまでは誰にもわからないことですし、更には正解が一つしかないかというと、必ずしもそうとは限りません。しかし、だからと言って単なる"勘"や"ひらめき"だけを頼りに開発することは、たまたまヒットする可能性があるかもしれませんが、大きな失敗のリスクも同時に出てくるのです。


 何が正解で、何が間違いかを思い悩むのではなく、どういう価値を創造しようとしているのか(開発・設計の狙いはなにか)、入手可能な技術は何か、自社の置かれた立場でその狙いを実現するとしたらどういう姿が最も合理的なのかを徹底して考え抜くことです。

 
 いわゆるものづくりの考え方に"筋が通っていること"そして、これが"お客様に理解しやすいこと"がヒット商品につながる重要な要因となります。(次号に続く)

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