公益財団法人広島市産業振興センター広島市中小企業支援センター

閲覧補助
文字サイズ
標準
拡大
検索
お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

支援センター職員によるブログ

相続により店舗、工場などの敷地を承継した場合には(小規模宅地等の特例)

2024/06/12

創業支援担当・児玉主査

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・児玉です。

 事業承継に関して活用できる相続税・贈与税の制度について、以前のブログ(「事業継承に係る贈与税・相続税の優遇措置について」、「相続税、贈与税の改正について」)でも取り上げたところですが、今回は小規模宅地等の特例について見てみます。

 先代(被相続人)の所有していた事業用建物等(店舗、事務所、工場、賃貸用建物など)の敷地(注1)の承継については、小規模宅地等の特例が設けられており、この特例が適用できれば、相続税額計算の際、適用する敷地について評価額の80%(または50%)が減額され、納付すべき相続税額が減少することになります。
 なお、この特例を適用した場合には、当該宅地等を引き継いだ者の相続税額だけでなく、他の相続人等についても相続税額が減少することが期待できます。(注2)

注1 土地の他、借地権なども含みます。
注2 相続税額の計算は、相続財産の総額(各相続人等の取得した財産、未分割財産の合計額。みなし相続財産も含まれます)に基づいて相続税の総額を算出し、その後、その相続税の総額を各相続人等の取得額等に基づき按分して計算します。(按分した後、各人ごとに加算・控除を行い、それぞれの納付すべき税額が算出されます。)
 この計算方法と税率(超過累進税率)の関係で、多くの場合、他の相続人等についても税額が減少します。また、特例適用により相続財産の総額が基礎控除額以下になった場合には、相続人等全員について相続税の納付額はありません。(基礎控除額以下になる場合でも、特例の適用のためには相続税の申告が必要です。)

 事業に関して、この特例の適用対象である敷地は次のもので、一定の要件を満たす場合、特例を適用することができます。
〇特定事業用宅地等(不動産貸付業等に係るものを除く)
  被相続人が営んでいた事業の事務所や工場などの敷地
 被相続人と同一生計の親族の営んでいる事業の事務所や工場などの敷地
〇特定同族会社事業用宅地等(不動産貸付業等に係るものを除く)
 被相続人とその親族等で保有する株式(出資)の割合が50%超の会社の事務所や工場などの敷地(その同族会社に有償で貸し付けているもの)
〇貸付事業用宅地等(不動産貸付業等に係る宅地等)
 被相続人の営んでいた不動産貸付業等に係る建物などの敷地
 被相続人と同一生計の親族の営んでいる不動産貸付業等に係る建物などの敷地
※上記の特定同族会社の不動産貸付業等に係る建物などの敷地(その同族会社に有償で貸し付けているもの)については、貸付事業用宅地等に該当します

 上記の他、被相続人等の自宅の敷地についても、一定の要件を満たせば特例の適用があります。事業に関係ない財産でも上記の財産と同様に、相続財産の総額に算入する価額を減額すると相続税額を減らすことが期待でき、事業承継に有利に働きます。

 ここでは細かな適用要件については説明を省いています。また、その敷地を承継したのは誰か、敷地上の建物等の所有者は誰か、敷地の貸借が無償か有償か、その敷地で行っている事業の開始時期など、個別の事情によっては特例が適用できない、あるいは減額率が異なる場合があります。
 適用できる敷地の面積には限度があり、適用可能な敷地が複数ある場合には、どの敷地に適用するかという話も出てきます。相続財産の中に、この特例が適用できそうな敷地がある場合には、「特例の適用が可能か否か」、「特例を適用するための条件」、「どの敷地について適用させるか」などについて、税理士や税務署に相談・確認されるのがよいと思います。

 なお、この特例は相続(又は遺贈)により取得した敷地に関する特例です。生前贈与加算や相続時精算課税(注3)の規定により、贈与によって取得した敷地の価額が相続税額の計算に算入される場合もありますが、その際にはこの特例は適用されません。贈与による事業承継をお考えの場合には、このことにも留意する必要があります。

注3 生前贈与加算や相続時精算課税については、以前のブログ「相続税、贈与税の改正について」をご参照ください。

 当センターでは税理士など各分野の専門家が、皆様の個別の事情に応じてご相談にお答えします。ご利用をお待ちしています。

広島市中小企業支援センターHP(窓口相談)
広島市中小企業支援センターHP(経営支援アドバイザー派遣)
広島市中小企業支援センターHP(トップページ)

※以上の内容は令和6年4月1日現在の法令に基づき記載しています。

 

 

対価を受け取らなくても税金がかかる⁉

2023/05/31

創業支援担当・児玉主査

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・児玉です。

 

 オーナー社長が自分の所有する建物や土地を会社の事業で使用し、会社からは対価を受け取らないこともあるかもしれませんが、その場合の法人税、所得税及び将来の相続税等について考えてみました。

 

1 無償譲渡の場合

  保有する建物や土地を事業で使用するため会社へ無償で譲渡したとします。その場合には、無償であってもその建物や土地は時価で譲渡されたものとみなされます。これにより法人税については、その時価相当額が受増益として益金に算入され(再建時などの特殊な場合を除きます)、所得税については、その時価から建物や土地の取得価格・譲渡費用を差し引いた額が譲渡所得となります。なお法人税について、建物の減価償却費を損金に算入することができます。

 土地や建物の無償譲渡を受けた会社について、その贈与によりその会社の株式の評価額が高くなることが考えられますが、社長(無償譲渡者)以外の株主がいる場合には、その株主は、その高くなった分についてその社長から間接的に贈与を受けたことになり、贈与税が課せられる場合もあります。

  (将来発生する社長に係る)相続税については、その建物や土地は既に社長個人の財産ではないので、相続税の課税対象にはなりません。ただし、社長が保有する当該会社の株式については相続税の課税対象となります。なお一定の要件を満たす場合、非上場株式についての相続税の納税猶予及び免除の規定の適用があります。(非上場株式についての相続税の納税猶予及び免除については当ブログ「事業継承に係る贈与税・相続税の優遇措置について」をご参照ください。)

 

2 無償貸与の場合

  建物や土地の所有権を社長個人に残したまま会社に貸付け、会社からは使用料を受け取らない場合(無償貸与)ですが、無償で使用する会社について益金(及び損金)、無償で貸与した社長の賃貸収入はいずれも発生しないこととなり、この貸与に関して、法人税、所得税は発生しません。(ここでは借地権に係る権利金の認定課税については発生しないものとします。)

 ただし、(将来の)相続税については、資産が社長個人に残っているので、当然ながらその建物や土地について相続税の課税対象となります。また、それらの資産は無償で貸与されているため、有償貸与の場合と違ってその評価額は下がらず(賃貸借に係る資産の評価減や小規模宅地等の特例の適用はありません)、相続税額は大きくなることが考えられます。

 

3 現物出資の場合

  「無償」ではありませんが、金銭での支払いがないという点では現物出資という方法もあります。建物や土地を会社に渡し、それらの財産の時価相当額で同社の株式を取得する方法です。(増資に関する諸手続き、資本金が増加することによる影響についてはここでは考えないこととします。)

  この取引については、損益は発生せず法人税には影響しませんが(決算の際には減価償却費が損金算入されます)、所得税については取得した株式の金額から建物や土地の取得価格・譲渡費用を差し引いた額が、社長の譲渡所得に算入されます。相続税については1の場合と同様に株式が課税対象となります。

  なお、無償譲渡や無償貸与は消費税の課税対象とはなりませんが、現物出資は有償取引なので、状況によっては消費税が課税される場合もあります。

 

  法人成りの際にも、個人から会社への事業用資産の引継等があり、上記のような話も出てくるかもしれません。また、上記の内容は「無償(現物出資は時価相当額)」の場合に限定したもので、事業用資産の引継については時価での譲渡や相場での賃貸が一般的だとは思います。それ以外の方法では税務的に分かりにくい場合もありますので、税理士等の専門家に相談することをお勧めします。

 当センターでは税理士など各分野の専門家が、皆様の個別の事情に応じてご相談にお答えします。ご利用をお待ちしています。

 

広島市中小企業支援センターHP(窓口相談

広島市中小企業支援センターHP(経営支援アドバイザー派遣)

広島市中小企業支援センターHP(トップページ)

 

 ※以上の内容は、令和5年4月1日現在の法令に基づき記載しています。

 

カテゴリ

最近のブログ記事

月別の記事

リンク集

このページのトップへ