公益財団法人広島市産業振興センター広島市中小企業支援センター

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支援センター職員によるブログ

インボイス制度に係る経過措置(今年10月以降)について

2026/01/21

創業支援担当・児玉主査

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・児玉です。

 インボイス制度が始まって2年が経過しましたが、今年10月から一部の経過措置について変更・終了があります。制度開始の当初とは取り扱いが変わる部分がありますので、該当する事業者の方はご注意ください。

1 免税事業者からの仕入について
 課税事業者が免税事業者から仕入を行う場合、インボイスが発行されないため、仕入税額控除(注1)に制限があります。 今年9月までの仕入分は「80%」控除できますが、10月以降は「70%」に引き下げられます(注2)。
 控除率が下がるため、同じ仕入価格でも課税事業者側の消費税負担が増える可能性があります。免税事業者の売上にも影響が出ることが想定されます。

注1 仕入時に支払った消費税を、納税額から差し引く仕組み。
注2 従来は50%に引き下げる予定でしたが、令和8年度税制改正大綱で、令和10年9月末までの2年間は70%とされています。

2 2割特例の終了
 2割特例は、インボイス登録により免税事業者から課税事業者になった場合に使える簡易な計算方法で、売上にかかる消費税の「2割」を納税する制度です(注3)。 この特例は 令和8年9月30日を含む課税期間までで終了します。
 ただし個人事業者については、令和8年度税制改正大綱により、納税額が「3割」となる特例が令和10年まで延長される方向です。

 特例終了後は、本則課税(通常の計算方法)または簡易課税(売上高を基準に計算) のいずれかで申告することになります。
 本則課税は仕入に係る消費税額も計算するので、事務負担が増えます。簡易課税は売上高のみで計算できるため、事務負担は比較的軽くなります(注5)。

注3 基準期間(注4)の課税売上が1,000万円を超える場合など、インボイス登録の有無に関係なく課税事業者となる期間には適用できません。
注4 基準期間は、個人事業者の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度(事業年度が1年の場合)
注5 簡易課税を選択できるのは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合です。

3 届出の必要性について
 2割特例は届出不要で利用できましたが、簡易課税で申告する場合は事前の届出が必要です。 特例終了後の翌課税期間から簡易課税を使いたい場合は、その翌課税期間中に「簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。 なお、簡易課税を選択すると、2年間は本則課税で申告することはできません。

※参照:国税庁HP
 2割特例を適用した課税期間後の簡易課税制度の選択について https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/117.pdf

4 納税額の違いについて
 2割特例は業種に関係なく控除率が一律8割でしたが、簡易課税は業種ごとに控除率(みなし仕入率)が異なります。 卸売・小売など一部を除き、簡易課税では控除率が7割以下となる業種もあるため、同じ売上でも納税額が増える場合があります。
 個人事業者の場合、令和9年以降は特例の納税額が2割から3割に増えます。 小売業では簡易課税の控除率が8割であるため、簡易課税の方が有利になるケースもあります。(卸売業の場合は控除率が9割なので、今の時点でも控除率では簡易課税の方が有利です)
 本則課税、簡易課税、特例のうちどの方法が有利かは一概には言えません。業種・仕入の状況・設備投資の予定などにより異なってきます。

5 専門家への相談をおすすめします
 経過措置の終了に伴う対応について、税理士や中小企業診断士などの専門家がご相談に応じます。当センターの支援制度をご利用ください。

広島市中小企業支援センターHP(窓口相談)
広島市中小企業支援センターHP(経営支援アドバイザー派遣)
広島市中小企業支援センターHP(トップページ)

※事業承継税制に関する以前のブログで、「事業承継計画」の提出期限を今年3月末と記載していましたが、令和8年度税制改正大綱により、計画の提出期限は法人版(特例措置)は令和9年9月末まで、個人版は令和10年9月までとなる方向です。

※このブログは、令和7年12月末時点の法令及び令和8年度税制改正大綱に基づき記載しています。また、インボイス制度に係る経過措置に関する一般的な例について記載しており、例外的なものや細かい説明等については省略しています。個別の状況に基づく税務については、税理士・税務署に確認されることをお勧めします。

クラウドファンディングによる資金調達に関する税金

2025/09/17

創業支援担当・児玉主査

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・児玉です。

 資金調達の方法として、近年クラウドファンディングをよく耳にするようになりました。今回はこのクラウドファンディングによる資金調達について、税金の取り扱い(資金調達側)を見てみます。

クラウドファンディングは、①購入型、②投資型、③寄付型の3つの型がありますが、それぞれで取り扱いは異なります。
1 購入型
 購入型については、売上と同様に考えることができます。調達した資金は、資金調達時には「前受金」となり、商品・サービス等のリターンを行った時点で「売上」となり、益金又は収入に算入されます。なお、クラウドファンディングの手数料はその発生時点で損金又は経費に算入されます。また、「売上」となった時点で消費税が課せられます。

2 投資型
 投資型クラウドファンディングは「融資型」、「株式型」が主なものですが、融資型は借入金、株式型は資本金と同様に考えることができます。調達した資金については、負債又は資本金なので法人税、所得税、消費税は発生しません。クラウドファンディングに係る手数料や(融資型の場合の)支払利息については、損金又は経費に算入できます。

3 寄付型
 寄付型では、資金調達者が個人か法人か、資金提供者が個人か法人かにより、税務上の取り扱いが変わってきます。以下、それぞれの場合について見てみます。

(1)資金調達者が個人の場合
  資金調達者が個人の場合、資金の提供者が個人か法人により関係する税目が変わります。
 ①資金提供者が個人の場合
  この場合は贈与税が適用されます。資金調達額とその年中に受けた他の贈与額とを合算した金額をもとに贈与税額が計算されます。なお、資金調達額(贈与額)からクラウドファンディングに係る手数料は控除できません。

 ②資金提供者が法人の場合
  この場合は所得税(一時所得)が適用されます。一時所得なので次の算式により計算した金額が、所得金額に加算され所得税が計算されます。
  (調達額―手数料等の経費―50万円(特別控除額))×1/2
  ※他に一時所得及びその所得に係る経費があれば、それぞれ調達額、経費に合算されます。

(2)資金調達者が法人の場合
  この場合は法人税が適用され、資金調達額は受贈益として益金に算入されます。手数料等の経費は損金に算入されます。

 ここでは一般的な例で記載しており、詳細や特別な場合等については省略しております。個別の事情により税務上の取り扱いが変わる可能性もありますので、実際にクラウドファンディングで資金を調達される際には、税務署や税理士に確認されることをお勧めします。

 当センターでは税理士等の専門家が皆様からのご相談にお答えします。皆様のご利用をお待ちしております。

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※当ブログは令和7年9月1日時点の法令等をもとに記載しております。

来年3月末が期限!「事業承継税制」活用のための事業承継計画の提出

2025/06/04

創業支援担当・児玉主査

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・児玉です。

 「事業承継に係る贈与税・相続税の優遇措置」(事業承継税制)について、以前のブログで紹介したところですが、この制度を活用して円滑に事業を承継し発展に結びつけた事例が、中小企業庁のHPに掲載されています。

〇法人版事業承継税制(特例措置)活用事例(中小企業庁HP)
 URL:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/pamphlet/shoukei_zeisei_jirei.pdf

 この事業承継税制(法人版の特例措置及び個人版)を活用するためには、その前段階として、事業承継に関する計画書を作成して都道府県(注1)に提出する必要があり、その提出期限は令和8年3月末です。
 事業承継に係る後継者への贈与や相続の期限は、非上場株式(法人版特例措置)については令和9年12月末、事業用資産(個人版)については令和10年12月末ですが、事業承継計画の提出期限はそれらより前に設定されています。(注2)

注1:広島県の提出先は商工労働局イノベーション推進チーム
注2:事業承継計画の提出については次のHP(中小企業庁)をご参照ください
  ・法人版事業承継税制(特例措置)
   URL:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_zouyo_souzoku.html
  ・個人版事業承継税制
   URL:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_kojin_ninntei.html

 計画書には、後継者の氏名、事業承継の予定時期、承継まで及び承継後の事業計画等を記載し、「認定経営革新等支援機関」(注3)の指導・助言を受けておく必要があります。これらの事業承継税制を活用しようと考えているのであれば、今すぐ事業承継計画の作成に取り掛かるべきでしょう。

注3:公的支援機関、商工会議所、商工会、金融機関又は専門家等のうち、当該支援機関として認定を受けたもので、
  次の検索システム(中小企業庁)で調べられます。
  URL:https://www.ninteishien.go.jp/NSK_CertificationArea

 事業承継については各社それぞれ適切な時期があり、無理やり上記のタイミングに合わせる必要はありませんが、会社の今後のあり方や後継者の育成も含めて、将来の事業承継について考えておくことは悪いことではないと思います。

 事業承継につきましては、広島県事業承継・引継ぎ支援センターが相談を受けています。

〇広島県事業承継・引継ぎ支援センターHP
 URL:https://hkthiroshima.go.jp

 また、将来に向けた経営方針や計画の策定、その他経営の課題や税務について、当センターでは中小企業診断士や税理士など各分野の専門家がご相談に応じます。皆様のご利用をお待ちしております。

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※当ブログは令和7年5月1日時点の法令等をもとに記載しております。またリンク切れ等についてはご了承いただきますようお願いします。

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