公益財団法人広島市産業振興センター広島市中小企業支援センター

閲覧補助
文字サイズ
標準
拡大
検索
お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

支援センター職員によるブログ

山中漆器と九谷焼

2022/10/26

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 コロナがある程度落ち着いたこともあり、父の日にもらった体験ギフトを使い、サンダーバードに乗って金沢方面に旅行しました。今回の旅行の狙いは、漆塗りの体験と九谷焼のぐい飲みを探すことでした。ここでは、山中漆器について得られた興味深い情報を紹介します。

 

 加賀温泉駅で降り、山中温泉街の奥まった工房で漆塗りを体験しました。漆器を作るには大きく3工程あって、木材の塊を器の形にする「木地挽き」、それに漆を塗る「塗り」、さらにその上から漆で模様を描く「加飾」を経て完成します。この山中温泉地区には有名な木地師が何人もおられるようで、写真左に示したように壁厚さがシャープペンシルの芯と同程度の薄い漆器に仕上げる加工技術に強い関心を持ちました。

 

 職人さんに、代表的な漆器であるお椀の加工方法について聞いてみました。欅や桜の木の塊から轆轤と刃物を使って削り出しますが、はじめに厚さ20mm程度のお椀を作り、この状態から乾燥と削りを繰り返しながら長い日数をかけて薄くしていくのがポイントだそうです。このことから、乾燥収縮の異方性による歪を緩和し、構造物としての剛性や強度を維持しながら薄肉のお椀に仕上げていくのだろうと想像しました。当然、個々に木目の繊維方向や硬さの違いがあり、その状態に応じて挽物にかかる切削抵抗を少なくするよう自ら工夫した様々な刃物を使って削っているそうです。まさに職人技です。

 

 次の工程では、この挽物に漆を塗ります。天然の漆は化学的に主成分のウルシオール、水、多糖類、糖蛋白、ラッカーゼ酵素からなるエマルション(水相に脂質の微粒子が分散した牛乳の様な状態)です。漆を塗った後のウルシオールは、ラッカーゼ酵素の働きにより室温で多湿の環境下において酸化重合して網目構造の高分子被膜を形成し、薄肉の挽物を補強した山中漆器となります。この木地挽きと漆によって造形美と機能美を引き出している気がします。この漆に関わる化学は、化石資源に依存しない栽培型の天然資源であり、グリーンケミストリーやサステナブルケミストリーとして最近見直されています。

 

 最後は、その漆器に模様や蒔絵を施し仕上げます。今回の旅行では、既に仕上がった漆器に顔料を混ぜた色付き漆液を使いました。保護具によるかぶれ予防をしながら、細筆で模様を描き、その後から金粉を蒔くといった加飾技術を経験しました。画竜点睛、加飾により見た目が決まるので本番では緊張しましたが、重合するまではアルコールで消せるということが分かり、大胆に試行錯誤しながら作品を完成させました。それを漆室(室温多湿槽)で処理して後日送ってもらうことになっています。

 
 旅行から帰り、10月8日(旧暦9月13日)の十三夜にお月さんを見ながら、写真に示した山中漆器と九谷焼のぐいのみでお酒をいただきました。モノからコトへ、先人の築き上げた伝統工芸に触れ、余韻に浸るいい旅となりました。

 

山中漆器と九谷焼.jpg

単独草刈裏山登山

2022/10/19

河石主事.jpg おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の経営革新担当・河石(かわいし)です。

 

経営革新担当はチームを組んで「可部連山トレイルラン」に出場しますが、私は祖父母の家の裏山に登って草刈りをしています(笑)。

山道は地面がむき出しなので田んぼの畦道同様に定期的に草刈りをしないといけません。幸い、畦道よりは日当たりが悪いので草刈りの頻度は低く、草の成長も遅いです。素人なので草刈りが終わった道を眺めると刈り揃えられなかったのか、縞々の道になっています(笑)。

 

競争相手もいない単独アタックですが、強いて言えば自然が相手でしょうか。

( ^ω^)・・・、とても勝てる相手ではないので黙々と草刈りをすることにしましょう。

抹茶だけは飲めます

2022/10/12

創業支援担当・工藤主事

おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当の工藤です。
 

突然ですが、私は苦いものが苦手です。

コーヒーもビールも、同じ理由で美味しく飲めません・・・

  

ですが、なぜか抹茶だけは何杯でも飲めます。

むしろ甘い抹茶が苦手で飲めません。

 

そして最近、家で抹茶を点てて飲み始めました。

学生時代は茶道部で、毎週のように飲んでいたことを思い出します。

(茶道部に入った理由は お茶菓子が魅力的だったから です)

 

茶道にはたくさんの作法があることを皆さんご存じでしょうか?

お茶碗を回す回数、道具の向き、歩くときの歩数、道具の運び方・・・

同じ道具を扱うのに、タイミングによっては持ち方が違うということもあります。

 

当時はそれを覚えるのが大変だったことを覚えています。

右だっけ?左だっけ?など悩みながらでした。

 

ですが、「すべての作法に理由や目的がある」とわかった後、体が自然に動くようになりました。

 

仕事でも理由や目的を理解していれば、やり方を思い出したり作業を効率化したりできます。

この考え方はとても大事にしています。

 

茶道の作法、もうほとんど忘れてしまいましたが、また機会があれば習いたいものですね。

今なら昔よりもうちょっと上手にできそうです。

 

投入堂

2022/10/05

中小企業支援センター・中平福所長 おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」副所長の中平です。

 

 暑さも和らぎ行楽のシーズンとなりました。

 先日、家族で鳥取県の三朝温泉近くにある三徳山三佛寺投入堂(なげいれどう)に行って来ました。垂直に切り立った絶壁の窪みに建てられたお堂で、国宝に指定されています。昔は修験道の修験者(山伏)が修行する場で「日本一危険な国宝」とも言われており、修験道の開祖「役小角(えんのおづぬ)」が法力で建物ごと平地から投げ入れたという伝承から名付けられたそうです。

 建設重機やドローンなどもない時代に、よじ登るだけでも困難な絶壁に投入堂をどうやって建てたのかは今も謎とされています。

 

 投入堂を間近で見られる場所に行くだけでも非常に険しい山道を登っていく必要があり、所々に設置されている鎖に頼って登るなど険しい箇所が沢山あります。途中で滑落して亡くなった方もいるそうです。

 なので入山前に靴をチェックされて、靴底がフラットなスニーカーなどでは登ることができません。そういう人はわら草履を購入して登ります。

しかし、かなり高齢の方や幼児まで登っているのにはびっくりします。

 

 途中の斜面に建てられた2箇所のお堂には周囲に縁側があり、歩いて景色を眺めることができるのですが、手すりも柵もなく落ちたら怪我するほどの高さがあるので、これもスリル満点です。

 

 険しい山道を修験者の気分で苦労して登って、やっと貴重な国宝を見ることができるので、登山の達成感と充実感を一層味わうことができます。

 

 

投入堂(建物)横.jpg投入堂(岩場).jpg投入堂(縁側)②.jpg

カテゴリ

最近のブログ記事

月別の記事

リンク集

このページのトップへ