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支援センター職員によるブログ

存在意義(レゾンデートル)

2020/05/13

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

以前取材した社長さんが「レゾンデートル(存在意義)がない会社は生き残れない」と言われた言葉をことあるごとに思い出します。私の存在意義ってなんだろう、と新しい仕事に取り組むときには考えるようにしています。

2年前、創業支援コーディネータとしての仕事がスタートしたとき、夢をかなえるために創業という道を選んだ方を後方支援できる仕事、創業者の皆さんの発展のどこかに少しでも私が役に立てるならこんな有意義な仕事はないな、と日々、商品開発や事業展開のご相談、補助金の申請サポート、営業のマッチング・・・と、自分なりに考え、動いてきました。

今回のコロナ危機で、そんな毎日がいきなり変わり、相談内容も資金繰りや目の前の支出を減らす、前に進むための補助金ではなく、雇用を守るための助成金や休業に対する協力金の申請、、、と、ゼロからプラスを生み出す仕事よりも、マイナスをゼロに近づける仕事が増えて、それがこんなにしんどいとは思いませんでした。

日々、皆さんの夢から力を与えてもらっていたんだなあ、と改めて感じます。夢をもって社会のため、誰かのために創業した事業がいきなり「不要不急」といわれることがどれだけつらいか。

創業のときに掲げた夢やみなさんの存在意義は決して「不要不急」ではないと信じ、今日もまたコーディネータ業務に励むのが私の存在意義、でしょうか。


ピンチをチャンスに

2020/03/11

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

今年はオリンピックイヤー、インバウンドもこのまま順調に伸びる、と思っていたところに年明け早々まさかのコロナ危機勃発。事業者の皆様も思わぬ影響を受けていることと思います。外国人だけでなく国内旅行も控える動きですし、イベントも軒並み中止。これだけグローバル化が進めば、全業種に何らかの影響があり、もちろん株価やGDPも悪影響が予想されます。

従業員の健康を守るために通勤方法や会議、出張などを見直す企業も多いでしょう。豪雨災害などと違って、全世界的な影響は今までなかったこと。まさに、広い意味でのBCP(事業継続計画)の必要性を感じています。

一方、中国での生産活動が止まっているため、「刺繍の加工3万点を急遽お願いできないか」などの問い合わせがあった、ともお聞きしました。中国産の農産物も供給が止まり、外食産業などが困っているそうです。今こそ、国産に切り替えるチャンス!?ここ数十年で国外へ流出してしまった市場を取り戻すことはできないのでしょうか。

いつ収束するのか、まったく先の見えない状況ですが、在宅勤務を試してみる、出張をやめてオンラインで会議してみる、など働き方改革につなげる機会にもできそうです。マスク以外にも免疫力をあげる食事や生活習慣など新しい市場も生まれるのではないでしょうか。

直接的に影響を受ける事業者の方も多い中でこんな呑気なことを書いている場合ではない!とはわかっているのですが、騒動が終わってみたら世の中がよくなっていた、という形になることを願っています。


ニューラルネットワークと幼児教育

2020/02/12

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 お正月に娘が二歳の孫を連れて帰省したので、お年玉に立体パズルをプレゼントしました。大きなアンパンマンに切り欠いた〇△☐等の穴に、同じ形状のブロックを挿入していくものです。二歳児にとってはかなり難しそうで、結局、帰省中にはクリアできませんでした。

 

 その約二週間後に動画が送られてきました。それを見ると、いとも簡単に形合わせができるようになっていて、親子ともに得意満面の笑顔が映っていました。わずか二週間で何度も試行錯誤して学習し、コツをつかんだのでしょう。

 

 人間の脳を数理モデルにしたのがニューラルネットワーク(NN)です。そのため、NNのアルゴリズムや学習プロセスから、逆に人の学習はどうあるべきか、客観的に見えてきます。NNではネットワークの構成が決まれば、次に上層のニューロンから下層のニューロンへ信号を伝達するための重み係数を初期化するプロセスがあります。初期化のポイントは、全てのニューロンの対称性を破り、早く学習できるよう乱数を与えることです。そこから目的に合った適切なデータを使って深層学習がスタートします。

 

 重み係数に乱数が入った直後の状態は、人にあてはめると赤ん坊に相当します。当然、入力と出力の間に秩序ができていません。そのため、赤ん坊におもちゃを握らせるとそのおもちゃを振り回し、時々自分の顔や頭を叩いて泣き出すこともあります。しかし、しばらくすると、次第に学習していき、知らないうちに上手に遊ぶようになっていることもよく理解できます。

 

 難しいことは、幼児の予測できない行動に気をつけながら、偏りのないよい情報を与えることです。とはいえ、安全面だけを重視し過ぎて、情報を制約すると、偏ったニューロン結合となり、バランスのとれた思考ができなくなる可能性もあります。この時期には、幼児が今何を学ぼうとしているのか、よく見極めながら接してあげる必要があると思います。NNも幼児も学習する上で大事なことは啐啄同時ということでしょうか。

 

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ITシステム「2025年の崖」

2020/01/22

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 経済産業省(以下、経産省)が2019年3月にレポートとして発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』(以下、DXレポート)がIT業界に衝撃を与えていますが、IT業界における「2025年の崖」とは何でしょうか。※DXレポートはこちらからご覧になれます。

 
 IT業界における「2025年の崖」とは、「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に想定される国際競争への遅れや我が国の経済の停滞となる」と定義されています。

 
2025年の崖

 

 つまり、2025年までに予想されるIT人材の引退やサポート終了などによるリスクの高まりなどにより経済全体が「停滞」を引きおこすということです。

 
 具体的には2025年に21年以上稼働しているレガシーシステム(時代遅れになってしまった古いコンピューターシステムのこと)がシステム全体の6割を占めると予測されていることから、今後、これらのシステムを刷新する必要があり、この刷新の波に乗り遅れた企業は多くの事業機会を失うことからこれを「崖」と呼んでいるのです。

 
 では「2025年の崖」が生まれた背景はなんでしょう。
 
 一番の原因は、企業のレガシーシステムの問題の本質として、自社システムの中身がブラックボックス化している、つまり、ユーザー企業は自社のシステムの内部構造が複雑化し、自分自身で修正できない状況に陥っている状態が原因と言われています。
 
既存システム問題点の背景

 
 それを解決する方法として、まずは「見える化」指標による診断と仕分けや「DX推進システムガイドライン」を踏まえたプランニングや体制構築、さらにはシステム刷新計画策定、共通プラットフォームの検討などの必要性を説いています。

 

 それをわかりやすく書いた本が『IT負債 基幹系システム「2025年の崖」を飛び越えろ』(室脇慶彦:著)ですので、是非、読んでみてください。
 

IT負債












 国としてもそれは「重大なこと」と捉えており、今年度もIT導入補助金などの政策でIT化を後押ししていくようですので、これからのシステム更新やITベンダーとの関わりが、果たしてこれで良いのか、今のうちに検証していく必要があると思います。

 当支援センターでも、ご相談に応じますので御利用ください。


ビジネスエコシステムと中小・ベンチャーの時代

2019/11/27

若本コーディネータ.jpg おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。

 

 最近、ITやベンチャー育成の分野で耳にするようになってきた『エコシステム』という言葉。概念はそれほど新しくはなく1990年代前半、シリコンバレーのスタートアップ企業が、ベンチャーキャピタルや他の起業家などの協力を得ながら、事業を立ち上げ成功していく環境に用いられていた言葉です。自然界の生態系(生育環境や生物多様性・食物連鎖等)をイメージすれば、ビジネスの世界で多くの企業体が複雑に絡み合いながら、継続的に生存・進化していく"生態系"は、人口減少が進む日本にとっても理想形です。

 

 この"エコシステム"と対立軸にある概念が、従来製造業を中心とした大企業で見られる"垂直統合"。製品の研究開発から製造・流通・販売まで、自社のグループ内で完結する「閉鎖系システム」です。日本の企業が、今や"ガラパゴス化している"と言われるのは、特定の地域やマーケットに特化した、独自の製品やシステムを、機密情報が守れるグループ企業内だけで開発し、結果的に他のエリアやマーケットへの汎用性がなく、コスト高となって、グローバル企業に比べて小さな市場にしかリーチできなくなってきたからだとも考えられます。つまり、少し環境が変わり、気候変動のような状況となれば、硬直化した大量生産型モデルでは、社会環境の変化や、非連続的なコスト競争力についていくことが困難になったということです。

 

 人口減少や技術の急速な変化は、地球環境の大変化の時代と同じく、小回りが利き、変化の兆しをキャッチして自らが柔軟に変わることが出来るベンチャーや中小企業にとっては大きなチャンスです。そのためには、環境変化に"耐える"のではなく、いち早く変化の兆しを感じ取る情報感度を高め、致命傷を負わない程度に具体的な行動に移していくことです。私たちも、広島市でこの「ビジネスエコシステム構築」のために、しっかりと情報収集・情報発信・企業支援をしていきます。


消費税増税とキャッシュレス

2019/10/16

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

いよいよ消費税増税がスタート。9月末の駆け込み買いだめ報道を見ていると、食料品の軽減税率や、キャッシュレス消費者還元事業、プレミアム商品券のことをよくわからず買い物されている方も多いのかも?そんなにあせらなくても10月以降のほうがお得な場合もあるのに。。。といいながら私も、10月以降に予定している出張のチケットや、眼鏡のレンズの入れ替えなど、小さな節約で少しばかり駆け込みました。


事業者側もいち早くキャッシュレスを導入し、ポイント還元対象事業者としてアプリにも9月中に登録されたところと、まったく意に介せず、というところと対応が分かれたようです。政府もあれだけ広報費や補助金を使って、実需的にどのくらいの効果があるのかははなはだ疑問です。が、これまで手数料がかかるから、とキャッシュレスを敬遠してきたお店にとってはいいきっかけになったようです。

私のご支援している事業者のみなさんも、各キャッシュレスサービス事業者のキャンペーンをうまく使って機器をお得に導入したり、ランチタイムに20%ポイント還元など自分の懐は痛まない販促につながったのではないでしょうか。自分でもQR決済を使ってみて、ポイント付与率もなのですが、クレジットのポイントなどと違って、タイムラグはあってもそのまま残高にポイントがチャージされるのは使いやすいと感じました。

あとは、このポイント還元が終わる来年6月以降に各事業者さんがどうするか、手数料を上回るメリットを感じられるか、本格的なキャッシュレス時代が来るかどうかの分かれ目ですね。


スーパーコンピュータ京と富岳

2019/09/26

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 今年の8月をもって理化学研究所のスーパーコンピュータ(以下、スパコン)京が運用を終了しました。私は計算機を使った数値解析やエネルギ機器に関わってきたこともあり、京とポスト京の富岳をエネルギの切り口から探ってみたいと思います。

 

 京の計算速度は、名前の通り浮動小数点の計算を1秒間に1京回こなす能力としてよく知られていますが、この計算に最大約1万3千kW(一般家庭の約3万世帯分相当)もの電力が使われていることはあまり知られていません。ここで消費した電力の殆どは中央演算装置CPUで熱に変換され、その発熱密度(単位面積当たりの発熱量)は、ホットプレートの約5倍に達しています。この環境から半導体を守るためには、パソコンのようなファンによる空冷では不十分であり、冷凍機を用いた水冷構造を採用してCPUの温度を30℃以下に抑えています。これらの電力供給と冷却は、主としてガスタービン発電機とその排熱を利用した吸収式冷凍機のコージェネレーションシステムによって支えられています。このように、京は電気電子の技術だけでなく、機械をはじめ土木建築等の各技術部門の粋を結集した巨大計算機工場といえます。(写真は2012年4月30日筆者撮影の京計算機建屋、正面オブジェの算盤玉は桁数を表し、下から順番に一、十、百・・・一番上が京)

 

 次期スパコンの富岳は、京のDNAを引き継ぎつつ、さらに消費電力の課題にも配慮しています。つまり、今までの単位時間当たりの計算能力(Flops)だけでなく、単位エネルギ当たりの計算能力(Flops/W)を重視した設計となっています。これを反映し、計算速度は京の約100倍ですが、消費電力は京の3倍程度の上昇に抑え、単位エネルギ当たりの計算能力は約30倍の向上となるそうです。これを実現するための詳細はよく分かりませんが、CPUの集積度と冷却能力の向上が技術ポイントだろうと思っています。

 

 スパコンの使用環境も時代とともにどんどん変化しています。いくら電力を使っても速ければ評価されるという時代は過去のこと。古い物差しを捨て、効率重視(持続可能な開発目標SDGsとも関連)の新しい物差しで開発した富岳の2021年運用開始を楽しみにしています。今度は心置きなく新しい物差しで1位を目指し、人々の幸せのために活用してほしいと思っています。

 

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機械装置が電子基板に置き換わる時代

2019/08/22

若本コーディネータ.jpg おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。

 
 広島市内の中心市街地に拡がるコインパーキングに少しずつ異変が訪れています。それはこれまでのような『ロック板』と呼ばれる車止めがなくなり、月ぎめ駐車場のように停車スペースの枠線だけが示されたコインパーキングの登場です。

 

 よく観察してみると、駐車スペースの後ろにポールが立っていて、カメラによるナンバーの認証がなされているようです。ロック板があることで発生していたトラブルが回避できるだけでなく、設置工事の時間やコストも圧縮でき、恐らく利回りも高くなるのでしょう。

ロック板レスコインパーキング

 

 ロック板自体は、複雑な構造ではないものの、それほど大量生産によってコストダウンできるほどの市場規模でもないでしょうから、機械装置は大手が扱うようなものではなく、人件費の安い海外でも十分生産可能だと思えます。時代は運搬も取り付けも大変な機械装置の設置から、次第にIoT化が進み、カメラと基板、そしてそれを取り付けるカバーだけで済む時代に進んでいます。ハードを製造するメーカーは、海外との競争だけでなく目の前から急に機械装置自体が不要な、電子制御・デジタルに置き換わり、市場自体が消えていく予測不能の時代になりました。

  

 コインパーキング自体も、その名の通りの「コインを投入する」精算機から、キャッシュレスに移行し、硬貨を回収することもなくなります。その分、これまで現金売上だったお金は、一部をキャッシュレス業者に奪われ、締め日と代金振り込みまでのタイムラグも、恐らくキャッシュレス業者の資金運用に使われるのでしょう。商売は正直で信頼が大切なことはいうまでもありませんが、先行きの見えない難しい時代になりました。未来予測は容易ではありませんが、目の前で起こっている現象を、ビジネスに置き換えて興味深く観察されることで、自分の業界で起こる未来のリスクとチャンスに備えることが出来るのではないでしょうか?


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