公益財団法人広島市産業振興センター広島市中小企業支援センター

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支援センター職員によるブログ

アクセラレーションブーム?

2024/03/06

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

創業支援の担当なので、国や他の自治体の支援策もできるだけ最新情報を仕入れるようにしています。

当センターの創業支援で一番大きな事業は「創業チャレンジ・ベンチャー支援事業」ですが、ここ最近は「ベンチャー」という言葉があまり使われなくなり、「スタートアップ」と言われるようになりました。

現段階では、「ベンチャー」=持続的イノベーション=既にあるビジネスモデルに工夫を加える、「スタートアップ」=破壊的イノベーション=革新的なアイデアでこれまでになかった新しいビジネスモデルを作り出す、という意味合いで使われることが多いようです。ベンチャーという言葉も使われ始めたころは、革新的アイデアを指していたような気もしますが、なんでも使い続けられると既視感で意味合いが変わってくるのかもしれません。また、ITベンチャーという言葉もあったように、スタートアップもIT系の起業家、という意味にとらえることも多いように感じています。

そしてスタートアップ企業に対する支援事業を「アクセラレーションプログラム」と呼ぶケースが増えてきています。本来のアクセラレーションは、アクセル=加速、であって、誕生したビジネスを加速させるための支援、ということのようですが、最近は、アイデアベースのものを形にするところにもアクセラレートが使われているようです(それは確かインキュベーションって呼んでいたはず)。

世の中がどんどん変わっていく中で、創業の環境も変化しているし、世の中に求められるビジネスの在り方も当然激変しています。その中で、創業支援をうたうのであれば、サポートする側も日々アップデートし、できることとできないこと(私にZ世代の思考を理解することは不可能)を認識しながら、私にできること、創業者の役に立てることを磨いていかなければ。
そういう意味では、創業支援する側も支援のアクセラレート(加速)が必要かもしれません。

カオスな時代

2024/02/07

西村コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・西村です。

 

今回は、「バタフライエフェクト」という言葉について考えてみたいと思います。

 

「バタフライエフェクト」とは、「微小な変化が連鎖的に大きな変化を引き起こすことがあり、その影響が予測困難かつ複雑なものとなる」ことを指す言葉です。例えば、「ブラジルのアマゾン地域で蝶が羽ばたくことが、アメリカのテキサス州で竜巻を引き起こす可能性がある」と表現されることがあります。この言葉は元々、気象の長期予測の難しさを表現するために使われていましたが、今では科学の世界だけでなく、社会的状況の変化など幅広い分野で利用されています。

 

そして、最近の出来事の中で「バタフライエフェクト」が顕著に現れている事例があります。それが、新型コロナウイルスのパンデミックです。初期の発生は小さな地域から始まりましたが、その拡大は国境を越え、世界中で大流行となりました。これにより、国際的な貿易や観光、物流などが大きな影響を受けました。小さな変化が国際的な経済に波及し、多くの産業が影響を受けました。

 

特に注目すべきは、パンデミック後の世界の変化です。まず挙げられるのが「リモートワークの普及」です。多くの企業が新型コロナの拡大により、リモートワークを導入せざるを得なくなりました。この状況は、情報技術やコミュニケーションツールの進化という小さな要素が、働き方やビジネスモデルに革新的な変化をもたらすきっかけとなりました。

 

次に挙げられるのが「医療システムへの圧力と医療技術の進化」です。コロナパンデミックにより、各国の医療システムが大きな圧力にさらされました。しかし、この状況から医療技術や医療のデジタル化が急速に進展し、小さなウイルスの発生が医療分野全体における変革を促すきっかけとなりました。

 

最後に「気候変動への注目と再評価」があります。ロックダウンや交通機関の制限により、一時的に大気汚染が減少し、自然が回復する姿が見られました。これが世界中で気候変動への意識を高め、再評価を促すきっかけとなりました。小さな変化が大きな社会的な議論となり、政策の方針にも影響を与えました。

 

新型コロナウイルスによる世界的な影響は、私たちの生活だけでなく考え方にも大きな影響を与えました。コロナ前とコロナ後ではモノごとに対する価値観が変化しているように感じます。まさに「バタフライエフェクト」として、小さな出来事が世界を大きく揺るがす力を垣間見た感じがあります。

 

新型コロナウイルスに続く次の「バタフライエフェクト」も、世界のどこかで密かに生まれているかもしれません。まさに、「カオスな時代」に突入した今、私たちは未知の未来に向かって進んでいるのではないでしょうか。この時代の中で、私たち自身も変化し、成長していけることを願っています。

レガシーで儲ける

2023/12/27

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 さて、「レガシーで儲ける」、このタイトルを見た方々には、「ハリーポッターでの「ホグワーツレガシー(金策の効率的なやり方)」や、スバルの名車「レガシー」のことかと思われた方もいるかもしれませんが、違います。


 日本語で「レガシー」とは「過去から引き継いだもの」「未来へと引き継いでゆくもの」の意味で使われています。また、「時代遅れの」といったマイナスの意味もあります。

 

 事業で捉えれば「衰退産業」と言えるかもしれません。

 例として「アナログレコード(以下、レコード)」も「レガシー」といわれるのではないかと思います。

 「レコード」と言えば、音楽を聴くため、蓄音機の時代から販売されている薄い円盤状のもので、アナログ方式で音楽を記録しています。


 その後、デジタル方式で音楽を記録でき、小形で取り扱いも楽な「CD(コンパクトディスク)」に置き換わり、その後衰退していきました。
 80年代の終わり頃にはアナログレコードは衰退の一途をたどり、そのまま絶滅するのでは、と見る向きもありました。

 しかし、ここに来て「レコード」は見直されてきており、拡大傾向となっています。

 最近、広島で結成された5人組バンド「ユニコーン」のアルバム「クロスロード」も「レコード」で発売されるなど、ここに来て新譜も発売されています。


 その「レコード」ですが、2009年に売上最小となりましたが、その後、V字回復と言うよりU字回復しています。
 ※グラフ参照graph2.jpg


 理由としては音楽のデジタル化が進むなかでアナログが新鮮に受け止められ、さらにジャケット面積が広いことを生かして見えるようにして楽しんでいるなど、ここに来てレコードブームが巻き起こったからです。

 日本では2021年のレコードの生産枚数が前年比174%の伸びとなっています。


 そうなると、厳しかった「レコード」に関する事業を行なっている事業者の栄枯衰退です。


 「レコード」全盛期には全国各地にあったレコード製造工場でしたが、「CD」が発売されるとその数は減少し、現在は東洋化成株式会社の末広工場のみが稼働しているそうです。
 同社のレポートではここにきて「レコード」の製造量は年々上がっていて、今年度の売り上げは20~30%(昨年度比)のアップを見込んでいるそうです。


 つまり衰退産業であった「レコード」の復活で独占的に儲かっているのです。
 ちなみに衰退産業と呼ばれる業界は以下の7業界と言われています。

出版業界
製造業界
アパレル業界
ブライダル業界
テレビ業界
旅行業界
士業


 この7業界は「レガシー」な業界でもあることがわかります。


 事業としては右肩下がりであるため、勝ち残るためには「そのままではいけない」のです。


 「レコード」の製造会社である、東洋化成株式会社は最後までレコード生産の火を消さず、CDのパッケージ生産なども手がけて生き残ったからこそ、唯一の生産会社として今のブーム再燃で儲けているのです。


 コロナ禍もなんとなく過ぎ、戦争や気候変動と社会情勢は不安定ではありますが、それでも日本には大切な中小企業が沢山あります。


 厳しい今だからこそ、レガシーであっても儲ける方法がきっとあるはずです。
 いや、むしろ「レガシー」だから儲けるネタがあるのではないでしょうか。


 中小企業支援センターでは、厳しい状況でも、前向きにがんばっている事業者を応援しています。
 何かしら「糸口」を見つけられるかもしれません。是非、ご相談ください。


コンプラ違反警察

2023/11/29

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

創業支援の担当なので、新しい事業にチャレンジする方とユニークなビジネスプランについてお話しすることが多いのですが、未来への夢の前に、細かいことがいろいろ気になる職業病にかかってしまったようです。

 まず多いのが、屋号や商品名、サービスの名称の商標確認。これは最初の段階ではまず検索すればいいので少しは気が楽ですが、区分のことや以前に他の人が申請して拒絶された事例など深く調べることも必要なので、相談窓口を紹介します。

 加工食品は、中級食品表示診断士(※よく間違われますが中小企業診断士ではない)の資格を持っているので「添加物不使用」表記は確か指針出てたよね、とか、栄養成分表示や原産地表記大丈夫?と知らず知らずのうちにチェックしている自分がいます。

 さらに、生徒を集めていろんなレッスンを企画する方がお茶とケーキを出したいといえば、「飲食業にあたらない形態?」、シニアターゲットのサービス事業者さんが送迎付きにしたい、と言われたら「白タクにならないようご注意を」、「古い着物のリメイクをして小物販売する」「もらった着物をレンタルに」という方には「古物商取ってくださいね」。エステ開業だと、首から上の施術は美容所登録などの謎ルールが書いてあることがあり、基準はどこなのか厚労省サイトなど検索して悩む羽目に。

 細かいことを言い出すと、体操教室でかける曲は、JASRACに申請が必要?有償で撮影を請け負うのに、公共の公園を使う場合は使用許可がいるの?お金をもらって実施する野外体験教室を公共の公園やキャンプ場で開催可能?などなど、いろんな疑問が次から次へ。

 事業者ご自身では気づいておられないことも多く、お話しするたびにまず心配ごとからお伝えすることになって、まるでコンプライアンス警察、小姑のような性格になりそうです。とはいえ、大手企業であれば、社内に法令を調べる部署がありますが、中小企業支援の大事な役割のひとつだと考えています。

 自分で全部規制や法令を把握しておくことは不可能だと思うので、私の役割は問題点の事前の発見と、専門の相談機関へつなぐこと、と割り切って、小姑を貫こうと思いますが、できればもっと夢の話に時間を割きたい!です。

吹きガラス体験記

2023/11/01

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 ガラス素材は紀元前2300年以前にメソポタミアやエジプトで作られ、ガラス容器等が作られるようになったのは、メソポタミアでは紀元前16世紀頃とされています。このことは、広島市内のトーホー(株)の著書「SEED BEADS BIBLE」※)に詳しく紹介されています。その後、ガラスはどこにでもあるケイ酸塩で作られることから安く、透明で衛生的という特徴から、身近なところに普及しました。今日ではガラスの組成や成形法を工夫しながら、Low-E複層窓ガラス等の省エネ分野や、薄くて可撓性のある透明導電ガラス基板を使った次世代太陽電池の素材等の再エネ分野にも発展しています。このように、ガラスは古くて新しい素材であり、今後も機能材料としての進化が期待されています。

 9月末に、このようなガラスの基本的な性質を楽しみながら体得しようと思い、山梨県大月市に出向き、吹きガラスによるぐい呑みの作製に挑戦しました。

 

 吹きガラスの成形プロセスは次のようになります。坩堝に入れたガラスを1200℃程度まで加熱し軟化させ、吹き竿を回転させながら先端に溶融ガラスを巻き取り、炉から取り出します。この水あめ状のガラスに息を吹き込みながら膨らましたり、色つきガラスを付着させたり、再加熱してガラスを柔らかくしながら成形していきます。吹きガラスの場合は、吹き竿の先端が容器の底となり、陶芸のような轆轤に乗った粘土の先端上部が容器の口になるのと大きく異なるところです。

 

 私が感じた吹きガラス特有の難しい点は次の通りです。

(1)ガラスの粘度は温度に依存:ガラスを炉から取り出した時点で放熱が始まり、徐々に温度低下することから、温度に依存したガラスの粘度を考慮しながら時々炉内に戻し、程よい外力で成形することです。

(2) 間接的な外力で成形:熱いので素手が使えず、道具や間接的な外力で成形します。口で吹いて膨らます、重力を利用する、吹き竿の回転による周方向の遠心力や吹き竿を振り子のように振りながら長手方向の遠心力を利用する方法があり、(1)のガラスの粘度に応じてこれらの力を加減することです。

(3) 溶融ガラスはニュートン流体的性状(温度一定の場合、生クリーム状でなく、水あめ状で、微小の力でも時間が経てば変形する):色付けの場合は色ガラス片を表面に散りばめ、炉内で加熱し溶け込ませます。その後、硬化するまでこのまま吹き竿を一方向に回転し続けると軸対称の形状は維持されますがガラスが捩じれ、色もそれによって流れます。まるい模様に仕上げるには、時々逆回転させることです。

 

 いろいろ理屈を並べましたが、体験中の写真と出来上がった作品を以下に示します。後から製作中の画像を見ると、炉から取り出すときに放射熱の熱さに緊張が加わり、肩に力が入っているのが分かります。作品のぐい呑みは、寒い夜に熱燗を注いでいただくように暖色系にしました。形状が少しいびつになっているところや、口に当たるところが厚くてつるつるしていて何とも言えないガラスの味が出ています。今回の体験を通して、溶融ガラスの変形・流動特性(レオロジー)を体得したことと、ものづくりの喜びを感じることができました。

 

※)水野久美子/TOHO CO.,LTD、SEED BEADS BIBLE シードビーズガわかる本、株式会社パッチワーク通信社(2014)

 

吹きガラス体験(成形状況).jpg吹きガラス体験(作品).jpg

AIから学ぶ

2023/10/04

西村コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・西村です。

 

 コーディネーターとして、日々の業務の中で感じることがあります。それは、質問の仕方の重要性です。

 私たちコーディネーターは、限られた時間内で企業ニーズや課題を正確に把握し、解決策を検討する必要があります。そのため相談者様とのスムーズなコミュニケーションとともに、ニーズや課題を上手に引き出す質問力が求められます。

 

 ところで、私たちの日常生活やビジネスの場面でのコミュニケーションは、言葉だけでなく、表情や声のトーン、動作などのノンバーバルな要素も含め、マルチモーダル(複合的)に構成されています。質問力でいうと言葉だけでないマルチモーダルな質問力、これが人間の強みといえるところですが、同時に言葉による質問力が高まらない一因ともなっています。

     

 世間に目を向けると、大規模言語モデルが注目されています。これらのAIモデルは、膨大なデータを基に学習を行い、人間のような回答を生成することができます。 しかし、AIモデルに人間相手の質問と同じような質問を入力しても、必ずしも良い回答が得られないことがあります。この問題を解決するためのキーが「プロンプトエンジニアリング」です。

 「プロンプトエンジニアリング」とは、質問の仕方や言葉の選び方を工夫することで、AIモデルからより適切な答えを引き出す技術です。具体的には、質問に際し明確な表現や異なる言い回し、異なる視点での問いかけ、質問の背景等に関する説明等を行うことです。この技術を習得することで、大規模言語モデルからの回答の質を大幅に向上させることができます。「プロンプトエンジニアリング」を意識することで、人間に対する質問力も高めることができます。

                     

 AI技術の進化により、マルチモーダルなプロンプトも実現可能となり、人間が持つノンバーバルなコミュニケーションの優位性も相対的に低下する時代がすぐにやって来るでしょう。AIとの共存する未来を迎えるため、AIから学べるところは積極的に採り入れて行きたいと考える今日この頃です。

デジタル(DX)化が遅れている本当の理由

2023/09/06

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 20年前、日本は世界でも屈指のデジタル化社会だったことはご存じでしょうか。

 例えば、デジタルカメラ、カーナビ、インターネットが利用できる携帯電話、カメラが搭載された携帯電話などを最初につくったのも日本だったのを覚えていますか。

 電卓や、いまではデジタル分野では欠かせないアイテムのSDカードをつくったのも実は日本なんです。

 どこの企業にもオフオンやパソコンが入り、音楽もCDなどに置き換わり、世の中、デジタルばやりでしたね。

 それが今やデジタル競争力は世界29位とは・・・ 画像はこちら
 出所:Yahoo!ニュース「日本の競争力は世界29位 デジタル分野、過去最低に」より

 どうしてこうなったかは、ここでは割愛しますが、DX化にとって致命傷なのは「古いやり方を捨てられない」ことだと思っています。


 例えば、未だにFAXで受発注していませんか。

 また、Excel(エクセル)を業務システムとしていませんか。

 確かにExcelのデータは「デジタル」ですが、それを入力するデータそのものは「紙=すなわちアナログ」だったりしますよね。

 しかも、Excelは自由に入力を変えられますので、データベースとしては貧弱です。

 Excelは本質的に「タテヨコ計算を自動化する表計算」を行なうソフトウェアなのです。

 個人的にはDX化を阻む一番の原因は社内にいらっしゃる「エクセルの達人」ではないかと思っています。

 「どうにでもなるExcel」ですが、「どうにもならないITツール」であるという現実を見ながら、本当のDX化、本質的なIT化をすすめなければ、益々、世界から取り残されると思います。

 中小企業支援センターでは、企業のDX化に関しての助言、支援も行なっています。ご相談ください。

G7広島サミットをビジネスチャンスに

2023/08/02

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

思えば2022年6月に、被爆地広島でG7首脳会議が行われることが発表されてから2023年5月に実際に開催されるまで、あっという間の一年でした。

中小企業支援や産業振興の視点からもビッグイベントであり、このチャンスを逃してなるものか、という事業者の皆さんの意気込みを感じた一年でもありました。

全体像がなかなか見えず、県と市で合同の県民会議が立ち上がりましたが決めるのは外務省、情報統制も機能し(関わった事業者さんから後日談をいろいろお聞きしました)、首脳がどこへいくとか何を食べるとかお土産は何、など本番までわからないこともたくさんあり、当日をドキドキしながら迎えました。

見たこともないような全国各地の県警のパトカーがホテルの駐車場を埋め尽くし、報道陣と警備のヘリコプターが終始飛び続け、テレビに映っている光景が今目の前の街で起こっている、という不思議な感覚でした。

その宴が終わり、サミット効果がどのくらいあったのか、検証はこれからだと思いますが、サミットをきっかけにいろんなアイデアが形になって誕生した商品もあり、目に見えないいろんな効果も感じています。そして今、広島には海外からたくさんの方が訪れているようです。皆さん、もうしばらくはこれでもか、というくらいに乗っかっていきましょう!

くせものを手なずけたウォータージェットピーニング

2023/07/05

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 最近の衝撃的な話題に、潜水艇「タイタン」の爆縮事故があります。高圧に耐えていた空間が、その限界を超えると一瞬にして押しつぶされる爆縮が起こり、それによって衝撃波が伝播していく現象です。流体機械では、これに近いキャビテーション(以下CTと略記)という現象があります。

 

 CTのメカニズムを以下に示します。流体ではエネルギー保存則が成立し、局所的に流速が早いところでは運動エネルギーが大きく、それによって圧力エネルギーが低下します。この圧力が飽和蒸気圧より低くなると蒸気の泡が発生します。その泡が崩壊する際に大きな衝撃圧を引き起こし(局所的に数百MPa、自動車タイヤの空気圧の約1,000倍)、近くの金属面の壊食(破壊・摩耗)につながることがあります。1999年にHⅡロケットの燃料ポンプの羽根車(インペラー)周りでCTが発生し羽根が破損しました。また、2001年にニュートリノの研究施設で知られるスーパカミオカンデにおいて、一つの光電子増倍管の破損による衝撃圧が発生し、それが伝播して光電子増倍管の全数破損事故に繋がった例が知られています。

 

 このように、流体を扱う技術者にとっては、CTは厄介な現象であり、絶対に避けなければなりません。一方、材料屋から見ると、CTで発生する衝撃圧を巧妙に活用できないかという考えが起こり、ウォータージェットピーニング(WJP)といった技術にまで発展しました。このWJPは、水中においてノズルから噴射された水噴流中のCTが、金属表面で崩壊する際に生じる衝撃圧によって表面を圧密化(表面に圧縮応力)するものです。 

 例えば、原子力の圧力容器は高級なステンレス鋼が使われていますが、材料/環境/応力(引張)の3要素が重なったところでの応力腐食割れ(SCC)が知られています。そこで、このWJPを使って表面を処理し、応力(引張)条件を排除して圧縮応力を付与することによりSCCを防止する技術が生まれました。また、疲労強度も大きく改善し、ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からも優れた技術といえます。(図1~4参照)

 

 この5月の国会でGX電源法が成立しました。その中に原発の運転期間を60年超えに延長することも含まれます。今回取り上げたような優れた技術を駆使しながら信頼性をさらに上げ、欧米とはエネルギー事情が異なる日本に合ったカーボンニュートラルに発展して欲しいと思っています。

 

キャビテーション図表修正①.jpgキャビテーション図表②.jpgキャビテーション図表③.jpg

「先行者利益」と「後発者利益」

2023/06/07

西村コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・西村です。

 

「汎用目的技術」とは、国家レベル、地球レベルで社会・経済に影響を与える技術のことを言います。 「汎用目的技術」の例として、蒸気機関、鉄道、電力、内燃機関、コンピューター、インターネット技術などがあり、そこから「補完的発明品」と呼ばれる自動車、テレビ等の発明品が生まれています。「補完的発明品」が広く普及・拡散されることで、私たちの社会は大きく変化して来ました。これまで登場した「補完的発明品」が全人口の半分まで普及する期間(ディフュージョン期間)を見てみると

自動車 80年 テレビ 30年 携帯電話 10年 インターネット 7年 スマートフォン 5年 となってます。

ここに「汎用目的技術」としてAI技術、「補完的発明品」としてChatGPTに代表される「大規模言語モデル」や「画像生成モデル」が加わるかと思います。ディフュージョン期間もこれまでの「補完的発明品」に比べ格段に短くなり、社会が変化するスピードも速まっています。変化が当たり前の社会が到来したと言えます。

このような状況に、私たちはどう対応すれば良いのでしょうか? 変化に対応するため、絶えずアクセクしないといけないのでしょうか?

 

競合他者よりも早く新しい市場に参入したり、新製品を市場に導入したりすることで得られるメリットを「先行者利益」と呼びます。先行者は、ブランド力の獲得、顧客の獲得、価格競争の回避、技術優位性、価格決定力等のメリットを得ることが出来ます。

今、ChatGPTの出現でいち早くこの技術を導入し「先行者利益」を得ようとする企業が多数出現しています。

それでは、先行者でなければメリットは得られないのでしょうか。先行者ではない、いわゆる後発者には「後発者利益」と呼ばれる別のメリットがあります。

「後発者利益」とは、後発者が先行者の失敗や間違いから学び、より良い製品やサービスを提供することで得られる利益です。後発者は、先行者の失敗から学ぶことで、開発コストやマーケティングコストを削減するだけではなく、より良い製品やサービスを提供することもでき、時には先行者よりも大きな利益を得る可能性もあります。

今回のChatGPTの例では、先行企業は「先行者利益」を得ることができるでしょう。しかしながら、新技術の急激な拡散等により予期せぬ問題が発生する危険性も抱えています。

私たち後発者は、今の状況を良く観察し、そこから賢く学び、得られる良いところだけを生活に活かし「後発者利益」を得て行きたいものです。

 

 

ChatGPTの衝撃とこれからどうなるの

2023/05/10

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 最近、毎日のようにニュースを賑わしています「ChatGPT(チャットジーピーティー)」ですが、その名前が記号のようで、なんだか難解ではありますが、簡単に言えばAIの一種で「自然言語処理」で今までにない、抜きんでた性能と情報量のため、もしかしたら仕事や生活が変るのではないかと言われています。
 
 そのChatGPTとは何か、今後はどうなるのかを、ChatGPTに質問してみました。
 
■Q:質問「CharGPTって何ですか」

●A:CharGPTの返答:「ChatGPTは、OpenAIが開発したGPT-3.5アーキテクチャに基づく大規模な言語モデルです。ChatGPTは、自然言語処理の分野で使用されるAIアシスタントの一つで、文章生成、対話システム、文章要約、翻訳などのタスクを実行することができます。ChatGPTは、様々な情報源から学習しており、世界中の様々な言語に対応することができます。」

■Q:質問「ChatGPTのGPTという名前の由来は」

●A:CharGPTの返答:「ChatGPTの「GPT」という名前は、「Generative Pre-trained Transformer」の略語です。この名前には・・・【長いので中略】・・・長い文章の処理に優れた性能を発揮します。ChatGPTは、GPT-3.5アーキテクチャを採用しており、これは、GPT-3から派生した改良版であることを示しています。」


■Q:質問「ChatGPTは今後どうなっていくの」

●A:CharGPTの返答:「ChatGPTは、自然言語処理の分野でますます重要な役割を果たしており、今後も進化し続けることが期待されています。ChatGPTの開発者たちは、モデルの改善や拡張に取り組んでおり、より高度な自然言語処理タスクへの対応や、より多様な言語のサポートなどが見込まれています。


また、ChatGPTは、今後ますます多くの分野での応用が期待されています。例えば、ChatGPTは、医療や法律、金融、教育などの分野での自然言語処理タスクに応用されることが考えられています。ChatGPTがこれらの分野での課題解決に貢献することが期待されています。」


というような答えが返ってきます。
その上で、以下の質問をしてみました。


■Q:質問「ChatGPTの情報源はなに。また、その情報の件数はどのぐらい。」

●A:CharGPTの返答:「ChatGPTの情報源は、インターネット上の巨大なコーパスと呼ばれる大量のテキストデータです。具体的には、ウェブページ、ニュース記事、書籍、ブログなど、様々な形式のテキストデータを収集し、学習に使用されています。また、ChatGPTは、Wikipediaなどのオンライン百科事典からの情報も学習しています。


ChatGPTが使用する情報源の件数は非常に膨大であり、公式発表では数千億のトークンを含む数十テラバイトのテキストデータが使用されているとされています。具体的な件数については明確にされていないため、推定するしかありませんが、数千億から数千兆にも及ぶとされています。」


 つまり、ChatGPTの正体はインターネット上にあふれる膨大な情報をできる限り収集し、それを各言語モデルとして組み合わせ生成しているのです。
 そのため、インターネットで流れている「間違った情報」までも扱うことから、時々、それは違うだろうという答えが返ってくることがあります。
 その他、個人情報や著作権のある情報などもあり、今後のあり方を検討することが、国を中心に行なわれています。
 
 AIはあくまで「道具」です。便利ではありますが、使い方を間違えないように、AIだから間違いないと思わないで、上手に付き合うことをおすすめします。

赤ちゃんの沐浴時間

2023/03/01

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 

 年明けに末娘が里帰り出産し、4人目の孫が誕生しました。子ども3人を含めると7人の赤ちゃんの沐浴に関わったことになり、さしずめ沐浴の風呂フェッショナルといったところでしょうか。沐浴していているときの赤ちゃんの共通のしぐさは、湯につけた瞬間は少しびっくりするのですが、そのうちおちょぼ口をして気持ちよさそうな表情をします。最近、これを見る度に幸せを感じています。ただ、赤ちゃんの心地よい状態がどこまで続き、どこから長湯で不快に感じてくるのか、気になっていました。今回、赤ちゃんの程よい沐浴時間について考えてみることにしました。

 

 このような解を導く方法として、相似則があります。1)すなわち、母親の程よい入浴時間が分かれば、それを基に同じプロポーションで大きさの異なる赤ちゃんが、同じ湯温のベビーバスに浸かり、同じ物理法則に従って体内に熱が流入し、それが蓄熱され、同じような温度分布になった時点を程よい沐浴時間と考えることができます。その相似則の考えを以下に示します。

 

 表面から入る熱量をQλ、その熱量が体内に溜まる蓄熱量をQcとすれば次式となります。

 入熱(皮膚内側近傍の熱伝導):Qλ=λ・θ/L・L2・t ・・(1)

 蓄熱(体全体の蓄熱量):Qc=ρ・c・L3・θ  ・・・(2)

   λ:熱伝導率、θ:温度差・温度上昇、L:代表長さ、θ/L:温度勾配、t:時間、

   ρ:密度、c:比熱、L2:面積、L3:体積

  (それぞれの記号で添字なしは母親、添字 ' は赤ちゃんとします。

   また、記号の後の数字はべき数とします。)

 この(1)と(2)の熱の比Qc/Qλが母親と赤ちゃんで等しく、(3)式となれば、両者は熱的に相似となります。

これを詳細に示せば(4)式となります。

   Qc/Qλ=Q'c/Q'λ ・・・(3)

   ρ・c・L2/(λ・t)=ρ'・c'・L'2/(λ'・t') ・・・(4)

 

ここで、母親と赤ちゃんの体の物性値は全て等しい(c=c'、ρ=ρ'、λ=λ')とすれば簡単な(5)式となります。

   t/t'=(L/L')2 ・・・(5)

 

さらに、母親と赤ちゃんは幾何学的に相似としているので、代表長さとLと体重Mの関係は、L/L'=(M/M')1/3となり、体重比に対する時間の比は(6)式となります。

 

   t/t'=(L/L')2=(M/M')2/3 ・・・(6)

 

 

 この(6)式から、赤ちゃんの沐浴時間に対するお母さんの入浴時間比は、赤ちゃんの体重に対するお母さんの体重比の2/3乗に比例するという解が得られました。例えば、母親の体重が55kgで湯の温度が両者等しく40℃、母親が湯船に浸かり、程よく温まるまでの入浴時間を15分とすれば、体重3kgの赤ちゃんの沐浴時間は2.16分(2分10秒)となり、意外と短い値となりました。(図1参照)

 

 この値が妥当であるか、検証する必要があります。赤ちゃんの沐浴時間を一般的な子育ての書物、雑誌、インターネット、文献等で調査してみると、3分~4分、5分~10分、10分~15分という記載があり、最短と最長で5倍もの開きがあります。ちなみに、我が家では、バスに浸かり、一通り体を洗ってから直ぐに上るようにし、沐浴時間は約4分となっています。結局、赤ちゃんから程よい沐浴時間を直接聞き出せた母親がいなく、分かっているようで意外と分かっていないのでしょうね。

 

 そこで、検証するための一つ妙案があります。少し会話ができるようになり、体重が12kg~15kg程度になる2~4歳頃を見計らって一緒にお風呂に入り、入浴時間の確な情報を得たいと思っています。このように帰納的に検証できれば、世の中の沐浴時間のスタンダードとして受け容れられ、赤ちゃんに感謝されるかもしれません。ただ、どんどん成長していけば、赤ちゃん時代の心地よかった沐浴のことはすっかり頭から消え去り、記憶に残らないのでしょうね。

 

 1)江守一郎、(第二版)模型実験の実験の理論と応用,(1985-7),技報堂

 

沐浴時間の図6.jpg

 

非日常な体験

2023/02/15

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。
  

昨年のクリスマス寒波の大雪の日、どうしてもはずせない会議があり、早々に車をあきらめて公共交通機関で会場に向かいました。路面電車とJR、どの駅からどちらを選択するか必死で考えながら予定より1時間も早く家を出て向かいましたが結果は15分遅れて到着。他のメンバーは全員時間通りに来られていて大反省でした。

年が明けて1月の大雪の日は、急遽センターには向かわず自宅からのリモート対応で難なく切り抜けました。コロナでオンラインが日常になっていたからこそですね。

どちらも早くから積雪の予報が出ていたにもかかわらず、時代の流れに逆行するリアルな出席が必要(試食などがあったので仕方ないけど)で、そのうえ瞬間の判断ミスが重なるとなかなかうまくいかないものだと実感。もう少し事前のシミュレーションなどしておくべきでした。

そして2月に入り、なんでもないところで足を取られてけっこうひどい捻挫をしてしまい、車の運転はできるのに乗降時に体重がかかると痛かったり、今まで意識もしていなかったちょっとした段差がひびいたり、おふろでよろけて突き指してさらにできないことが増えたり。

これまで普通に暮らしていた時には気づかないことをいろいろと感じています。

日々順調にいくことが当たり前になっている中で、こうやって時々不自由な体験をすることも発想の転換には必要なのかもしれませんね。

久々の旅行

2022/12/28

西村コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・西村です。

 

10月某日兵庫県の淡路島に旅行に行ってきました。淡路島を縦断し、特産の玉ねぎ料理を食べながら鳴門の渦潮を見て帰ってくるというコースです。

神戸から車で淡路島に渡り、大阪湾が一望できるパーキングで途中下車しました。

展望台からの眺望は素晴らしく、明石海峡から和歌山県まで眼下に広がるスケールの大きさに圧倒されました。

当日は風が強く、流れる雲や波立つ海が一体となりダイナミックに動いている様にどこか異国にいる錯覚にも囚われ、早くも旅行のテンションが高まってきました。

六甲山の夜景が日本三大夜景と言われますが、淡路島からの大阪湾の眺望も素晴らしいものです。

その後、島内の観光地を巡りながら、徳島県鳴門市にある大塚美術館に到着しました。

大塚美術館は世界26カ国の古代から現代までの西洋名画約1000点が陶板を使って原寸大で展示されており、人気の観光スポットです。

教科書や美術書で見た世界の名画ばかりですので、ついつい立ち止まって見入ってしまい予定の時間を大幅に超過し、最後は駆け足で見て回る始末でした。結局、鳴門の渦潮は時間が無く断念しました。

今回は短い旅行でしたが、2年ぶりの旅行でもあり、壮大な景色と世界の名画に触れ、世界一周名画の旅をした気持ちに浸ることが出来大満足でした。

玉ねぎ料理も美味しかったです。

 

 

こんなプレゼンは嫌だ!上手くいくプレゼンの話

2022/12/07

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 コーディネータの業務として、様々な機会に事業者様のプレゼンを拝見したり、練習に付き合ったりしております。
 普段はプレゼン内容にツッコミを入れる方ではありますが、今回は聞く方の視点としています。参考にしていただければと思います。
 
【聞いていて嫌になるプレゼン】
 プレゼンをする機会は、補助金などの審査や認定なども

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ありますが、金融機関での事業計画やピッチ(短いプレゼン)など多岐にわたります。
 そのような時に聞いていて「嫌だな」と思うプレゼンは以下となります。

 ・やたらと企業や既存事業の説明が長く肝心な製品や事業の説明が少ない。

 ・なぜか自慢話ばかりで主体が何かわからなくなる。 
 ・気がつけば審査要項と異なる内容が多い。

 聞いていて「???」ばかりで、気分が悪くなります。
 更に・・・

 ・表示しているプレゼンシートの内容を読んでいるだけ。
 ・しかも字ばっかりで写真や表が無いか少ない。
 ・写真があっても同じ写真の使い回しや意味不明の写真。
 ・本当にこの製品、サービスが存在しているのかわからない説明。

 ・市場などが的外れで、途中で意味がわからなくなる。
 ・色合いが背景に溶け込んで読みづらい。
 ・ついでに専門用語ばかりで意味不明。(説明もない)


 過去で一番酷かったと感じたのは、パワーポイントなどのツールを使わず、オール口頭だけのプレゼンでした。(実物もない)
 申請書だけしか資料がなく、聞いていて疲れます。


【上手くいくプレゼン】

 逆に「これは応援したくなる!」「この製品欲しい」「このサービス受けたい」と思うプレゼンにはおおよそ、以下の要素が入っています。
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 ・起承転結が明確で「なるほど」と思わせる。
 ・文字が少なく、写真や表、グラフが多い。
 ・実際の製品やサービスが明確であり、写真や表がある。
 ・感覚ではなく数値で定量的に記載している。
 ・審査項目で必要な内容は盛込まれている。
 ・申請書で質問したいと思われる部分が記載されていたり説明がある。
  (専門用語も説明がある)
 ・事例などがあり、利用イメージが沸きやすい。
 ・全てが明確でごまかされ感が少ない。


 ・・・沢山書きましたが、とても良い製品、サービスなので、プレゼン聞いていると欲しくなったり、応援したくなることがあります。
 プレゼンは短い時間で聴衆を引き込むことが大切です。
 
 余談ですが、昨今の大学のゼミが主体となったプレゼンは素晴らしいものが多いです。
 聞いてみると授業などでも行なっているそうで、良い傾向だと思います。
 
 ちなみに、海外と較べて日本のプレゼンはダメだという話はよく聞きます。
 何が異なるかと言えば、ビジュアル主体か文字主体かの違いだと言われます。
 また、発表者の説明が簡潔かつ明確であることのようです。

 数字(グラフなど)もふんだんに使われ、ライバル商品との違いも明確です。

 そして、なにより美しい!そして楽しい!
 
 是非、皆様もいろいろなプレゼンを見て、聞いて、体験されるとよいかと思います。
 そうすることで、自身のプレゼンがどうかを明確にしていくことが出来ると思います。
 
 尚、広島市中小企業支援センターではプレゼンなどの相談も受けておりますので、御利用ください。

山中漆器と九谷焼

2022/10/26

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 コロナがある程度落ち着いたこともあり、父の日にもらった体験ギフトを使い、サンダーバードに乗って金沢方面に旅行しました。今回の旅行の狙いは、漆塗りの体験と九谷焼のぐい飲みを探すことでした。ここでは、山中漆器について得られた興味深い情報を紹介します。

 

 加賀温泉駅で降り、山中温泉街の奥まった工房で漆塗りを体験しました。漆器を作るには大きく3工程あって、木材の塊を器の形にする「木地挽き」、それに漆を塗る「塗り」、さらにその上から漆で模様を描く「加飾」を経て完成します。この山中温泉地区には有名な木地師が何人もおられるようで、写真左に示したように壁厚さがシャープペンシルの芯と同程度の薄い漆器に仕上げる加工技術に強い関心を持ちました。

 

 職人さんに、代表的な漆器であるお椀の加工方法について聞いてみました。欅や桜の木の塊から轆轤と刃物を使って削り出しますが、はじめに厚さ20mm程度のお椀を作り、この状態から乾燥と削りを繰り返しながら長い日数をかけて薄くしていくのがポイントだそうです。このことから、乾燥収縮の異方性による歪を緩和し、構造物としての剛性や強度を維持しながら薄肉のお椀に仕上げていくのだろうと想像しました。当然、個々に木目の繊維方向や硬さの違いがあり、その状態に応じて挽物にかかる切削抵抗を少なくするよう自ら工夫した様々な刃物を使って削っているそうです。まさに職人技です。

 

 次の工程では、この挽物に漆を塗ります。天然の漆は化学的に主成分のウルシオール、水、多糖類、糖蛋白、ラッカーゼ酵素からなるエマルション(水相に脂質の微粒子が分散した牛乳の様な状態)です。漆を塗った後のウルシオールは、ラッカーゼ酵素の働きにより室温で多湿の環境下において酸化重合して網目構造の高分子被膜を形成し、薄肉の挽物を補強した山中漆器となります。この木地挽きと漆によって造形美と機能美を引き出している気がします。この漆に関わる化学は、化石資源に依存しない栽培型の天然資源であり、グリーンケミストリーやサステナブルケミストリーとして最近見直されています。

 

 最後は、その漆器に模様や蒔絵を施し仕上げます。今回の旅行では、既に仕上がった漆器に顔料を混ぜた色付き漆液を使いました。保護具によるかぶれ予防をしながら、細筆で模様を描き、その後から金粉を蒔くといった加飾技術を経験しました。画竜点睛、加飾により見た目が決まるので本番では緊張しましたが、重合するまではアルコールで消せるということが分かり、大胆に試行錯誤しながら作品を完成させました。それを漆室(室温多湿槽)で処理して後日送ってもらうことになっています。

 
 旅行から帰り、10月8日(旧暦9月13日)の十三夜にお月さんを見ながら、写真に示した山中漆器と九谷焼のぐいのみでお酒をいただきました。モノからコトへ、先人の築き上げた伝統工芸に触れ、余韻に浸るいい旅となりました。

 

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ディズニー三昧

2022/09/21

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

この夏から秋は、ディズニー映画のテーマソングをアカペラで歌う「ディカペラ」というコンサートに誘われ、その2週間後には思いがけずディズニーオンアイスも鑑賞しました。これから劇団四季のリトルマーメイドも見に行くことになっていて、そんなにディズニー大好きというわけではないのにディズニー三昧な日々を過ごしています。

世界観の作り方、誰もが知っている昔話をモチーフにしたストーリー、一流の音楽とアニメーション、グッズ展開から観客のディズニーフリークぶりまで、なぜこんなに人を惹きつけるのか、やはり学ぶ点は多いですね。

日本発のキャラクターといえばサンリオやウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラ、スーパーマリオ、少年ジャンプのドラゴンボールやワンピース、NARUTOなどでしょうか。世界を魅了するキャラクターもたくさんありますし、中でもジブリは音楽も一流でテーマパークも世界観がしっかりしていて、ディズニーに対抗しうる唯一のコンテンツかも?とも思いますが、やはり音楽やショーへの展開は、ディズニーが圧倒的に幅広く充実していると改めて感心しました。

ハリウッドキャラクターなどをモチーフにしたUSJも、ハリーポッターと呪いの子は舞台化されていましたが、テーマパークの外への展開、という形にはなかなかなっていませんね。

ところで、広島に住んでいれば、このくらいのディズニーコンテンツは毎年のように楽しめますが、たとえば劇団四季の常設劇場とか、歌舞伎やミュージカル、話題の舞台などは、福岡や大阪まで行かないと見れないことも多々あります。広島駅ビルや、旧市民球場跡地、サッカースタジアム、などいろんな新しい施設がこれから目白押しにオープンしていきますが、本格的な劇場はできないのでしょうか。文化的にはちょっと残念な街からまだまだ脱却できないみたいですね。

10年前に描いた未来とは

2022/08/24

西村コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・西村です。

 

 先日、机を整理していたところ「10年後の未来」と題した原稿が出て来ました。2010年に行われた「10年後の未来を予想した論文」に応募したもので採用には至りませんでしたが、興味深いので紹介します。先端技術を軸に10年後の日常生活を6つのシーンで予想しました。

 ・カープ8度目のリーグ優勝を自宅の3Dテレビで観戦 

 ・市内の野菜工場に電気自動車で買い物 

 ・太陽光パネルが敷き詰められた「しまなみ海道」を電動自転車でサイクリング 

 ・アシストスーツを着た介護職員の活躍 

 ・TV電話、データ送信機能付き携帯端末を使った在宅での健康診断 

 ・翻訳機能付携帯電話を使って外国人旅行客と会話

 2010年のスマホの世帯保有率が9.7%であったことや20年近く優勝から遠ざかっていたカープが2度優勝すると予想したところは、相当楽観的な見通しを立てたのだと思います。振り返るとAI技術の飛躍的な進歩、スマホの急速な普及、カープの3連覇等現実は想像をはるかに超える状況で推移して来ました。また、東日本大震災や西日本豪雨災害、新型コロナの感染拡大、ロシアのウクライナ侵攻等大きな社会変動も発生しています。

 これから10年先を予想することは難しいですが、今後も荒波の中を猛スピードで滑走して行く私たちの姿が想像されます。 

 

「デジタル田園都市国家構想」とは何だろう

2022/08/10

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 さて、政府は2022年6月1日に「第6回デジタル田園都市国家構想実現会議」を開催し、地方における官民のデジタル投資を大胆に増加させるデジタル投資倍増に取り組む「デジタル田園都市国家構想基本方針(案)」を公表しました。

 その上で、2021年度補正予算と2022年度予算案を合わせて総額5.7兆円を投じる予定です。


 元々、デジタル田園都市国家構想は2021年に岸田文雄内閣総理大臣の目玉政策として発表された「デジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されずすべての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する」という構想です。


20211206_01.png


 















 これを読んで・・・「なんだか、難しい」「パソコンやスマホさえ使えこなせないのに」など思われて方も多くいることでしょう。
 
 しかし、新型コロナが蔓延し始めた2020年5月に「緊急事態宣言」が発出され、各自に10万円の給付金が支給がされたときに、アメリカでは3週間程度で入金があったのにもかかわらず、国内では数ヶ月かかっても入金されないという事態が発生しました。

 さらに、区役所などでマイナンバーカード発行で行列ができるなど、「デジタル化されていない弊害」が、特に地方で顕著になりました。
 
 そのようなことがなくなり、誰でも、どこにいても、デジタルのメリットを享受できるようにというのが、「デジタル田園都市国家構想」の基本であり、そのスケジュールにあたるのが、「デジタル日本改造ロードマップ」なのです。
 
 基本的には地方自治体(広島市など)が、国から交付金を受けて、実現していくもので、はたして上手くいくかどうかが気になるところですが、個人的には「いよいよ本気で進めて行くんだろう」とわくわくしています。
 
 「デジタルは苦手」というのは、そろそろ通用しなくなりますので、今のうちに「デジタルに慣れる」ことを考えておく必要があると思います。

雪室と風穴

2022/06/29

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 夏場に涼をとるにはクーラーや冷凍・冷蔵庫が欠かせません。暑いところで低温を得るには、熱力学の第2法則がたちはだかり、外部からエネルギーを与えずに、熱を温度の低い方から高い方に移動させることはできません。したがって、エネルギーを使わないクーラーはあり得ません。ただ、エネルギーを殆ど使わず、夏場に涼を得る別の方法として、冬場の冷熱を閉じ込めて夏に使う手があります。それには、断熱や蓄熱技術を利用することになります。

 

 その例が庄原市高野にある雪室です。冬に降った雪(相変化を利用した潜熱蓄熱)とそれを保管する断熱の効いた建物で構成され、中に入ると夏場でもひんやりして、りんごなどの食材の保管に使われています。その外観を図1に示します。

 

 また、出雲市にある天然の八雲風穴もその一つです。これは、傾斜地の地下構造が蓄熱槽となり冬場の冷気を地中に蓄熱(岩を利用した顕熱蓄熱)し、それを夏場に取り出すもので、天然の冷蔵庫となっています。その冷風の発生メカニズムを図2に示します。重要なことは、斜面空隙の空気温度は年間通して10℃程度であるのに対して、外気は季節によって変化することです。外気温より斜面空隙温度が相対的に高くなる冬場は、斜面上部から暖かくて密度の低い空気が噴き出し、それによって斜面下部から冷たい外気が誘引されます。夏場はその逆で、斜面下部から密度の高い冷風が噴き出し、それによって温度の高い外気が斜面上部から誘引されます。ファンや切換弁は一切使わず、自然対流だけで蓄熱再生を繰り返す優れた冷暖房設備を形成しています。

 

 このような風穴は、明治の終わりごろには全国に240ケ所もあったそうです。当時重要な産業であった生糸の生産過程において、かいこの卵を風穴に保管し、取り出しのタイミングで孵化をずらし、生糸を春から秋まで生産できるようにしていました。世界遺産の富岡製糸場と絹産業遺産群の構成要素となっている荒船風穴も電力を使わない天然の巨大冷蔵庫として、日本の近代化や絹産業の発展に貢献しました。

 

 今年の夏は、電力需給がひっ迫するとの予測が出ています。少し産業革命前にタイムスリップしたつもりで天然の涼を求めて彷徨ってみたいと思っています。

 

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コーディネータ5年目

2022/05/25

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

早いもので、当センターの創業支援担当コーディネータに就任して5年目、ここ2年はウイズコロナの中で創業される皆さんのご支援をしてきました。コロナ対策での補助金や応援金もものすごい勢いで出てきたので、日々、何をしたいかをお聞きして、それをどう申請書に落とし込むか、をひたすらやってきたような気がします。(おかげさまで採択率8割越え!)

コロナになって創業する人は増えましたか、減りましたか?と聞かれることも多いのですが、世の中が変わるタイミングで新しいことを始めたい、という人は増えているような気がします。もちろん、空き物件が出ていることもあるでしょう。

ただ、一つ言えるのは、長く続く事業をやっていくには、目の前の世の中の変化に適応するアダプタビリティはもちろん必要なんですが、「これを世の中に提供したい」という自分軸があることが大事な気がします。その軸と、社会情勢とをうまく組み合わせながら、その時その時に求められるものを提供し続けられるかどうか。そこを日々申請書にも落とし込んでいます。

創業することが目的じゃなくて、世の中の誰に喜んで欲しいのかが本来の目的であるはずだし、補助金をもらうことが目的じゃなくて、それをどう使ってどんな価値を提供し、利益という形で社会に還していくのかが大事なのかな、と。

今年は、5年目の集大成として、私もコーディネータとしての新たなチャレンジをやってみたいな~なんていろいろ妄想しながら、実際には毎日皆さんの申請書添削に追われています。

どうぞよろしくお願いいたします。

2022/04/20

西村コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・西村です。

 

 今年度から経営分野のコーディネータを務めさせて頂くことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 2年前から若くして退団したプロ野球選手のセカンドキャリアに興味があり仲間と研究しています。

 当初、プロ野球選手が退団後に就く仕事として飲食中心かと思い調べてみると、外資系企業、公認会計士等野球とは懸け離れた分野で活躍されている方もおられることに驚かされました。

 

 昨年、タクシー会社経営者となった元プロ野球選手にインタビューする機会がありましたが、その方も保険業、FP等を経て経営者になっています。話を聞く中で強く感じたのは「一流の選手(元プロ野球選手等)の中には経営者としての優れた資質(目標設定、創意工夫、継続力、実行力、人材活用力等)を有する方が一定数おられるのではないか」という事です。

 

 コロナウイルスの感染拡大は第5波、第6波と依然終息の気配が見られません。社会には閉塞感も漂っていますが、しっかりとした次世代経営者候補がおられる事が分かり、少し明るい気分になった今日この頃です。

 

 少しでも中小企業の皆様のお力になれるよう尽力いたしますので、よろしくお願いいたします。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

2022/04/13

創業支援担当・児玉主査

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・児玉です。

 

 この4月に当センターに配属となり、経営セミナーの開催等について担当させていただきます。当センターには3回目の配属となりますが、前回勤務していた時から8年が経過しており、その間、中小企業を巡る経済状況は大きく変わり、新たな経営課題も発生していると思います。皆様の直面する経営環境や課題について勉強し直し、お役に立てますよう頑張って参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

荘川桜

2022/03/16

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 今年の冬は特に寒かったのと、オミクロン株の蔓延もあり、この春はいつもより桜の開花が待ち遠しい気がします。私の印象に残っている桜のひとつに岐阜県の荘川桜があり、今回それを紹介したいと思います。

 

 左下の写真は、筆者が撮影した荘川桜です(当日雨天、奥はダム)。庄川の御母衣ダムの湖畔にある樹齢約500年のエドヒガン桜で、ソメイヨシノより開花は少し遅く、真っ白い花弁です。この桜に関わる物語に触れてみます。1952年、戦後の電力不足を解消するため、国により電源開発株式会社(現J-POWER)が設立されました。その最初の開発がこの岐阜県にある御母衣水力発電所計画でした。今までにない巨大なダムに沈む地域住民は、先祖伝来の広大な土地や生活が奪われることから熾烈な反対運動を展開しましたが、7年間の交渉の末、電源開発の初代総裁高崎達之助氏の誠意ある説得により合意しました。その反対派の解散会に招かれた高崎氏は、水没する集落を回り、お寺の境内に老桜のあることを知り、水没移住する人々の心のよりどころとしてこの桜を移植することを約束しました。このような大規模な桜の移植は世界にも例がなく、当時無謀と思われましたが、高崎氏の熱意のこもった要請に、桜博士の笹部新太郎氏の協力が得られました。その後、1960年に移植した桜は奇跡的に活着しました。

 

 電源開発も地域住民もお互い苦渋の決断だったと思いますが、住民に寄り添った誠意ある高崎氏の対応に心温まる気がします。人々の世代交代も進みましたが、荘川桜はJ-POWER御母衣発電所の所員や桜を愛する人たちに引き継がれ、春になると元気に花を咲かせています。桜の横の石碑には高崎氏の言葉が刻まれています。「進歩の名のもとに、古き姿が次第に失われてゆく。だが、人の力で救えるものは、何とか残してゆきたい。古きものは古きがゆえに尊いのである。」これらは、今日の環境倫理やCSR(企業の社会的責任)、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の活動に繋がっています。

 

 荘川桜ゆかりの桜はあちこちにあります。環境教育等のために荘川桜二世を広げる活動も進められており、広島県竹原市のバンブージョイハイランドで見ることができます(右下の写真)。また、移植を成功させた桜博士の笹部氏の住居跡(神戸市東灘区岡本)が桜守公園となっており、エドヒガン桜をはじめ、いろいろな種類の桜が鑑賞できます。先人の本物の足跡を辿るのも迫力があります。

 

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「普通」であることの難しさ

2022/01/12

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 私事ですが、昨年(2021年)の9月に急病で倒れ、救急車で病院に運ばれ、緊急入院しました。

 1ヶ月近くの入院後、退院はしましたが、ずっとベッドで寝ていたことや、長く絶食したこと、多量の出血で輸血したことなどから自宅療養も長引き、結局、11月中ぐらいまで、まともに生活や仕事などが出来ない状態でした。
 
 お陰様で体重も10kg近く落ち、恐らく高校生時代の体重になりました。

 救急車のお世話になるのも初めてですし、こんなに長い入院も初めての経験です。
 
 家族や知人、支援センターの職員、そして支援させていただいている事業者様など多くの方にご心配とご迷惑をおかけしてしまいました。
 
 それで痛感したのが、普通の生活が出来ないことの苦しさです。
 
 普通に歩き、普通に食べ、普通に・・・普通に・・・
 
 病気は仕方ないのですが、早く復帰しなければと焦る気持ちがある中、日常的に「普通」にしていたことができないこと、何気ないこと、それらがいかに難しいことかがわかりました。
 
 仕事も時間を区切らなければ、直ぐに疲れてしまいます・・・。
 
 その後、かなりの部分で「普通」のことが出来るようになりましたが、まだ、幾つか課題を抱えています。
 
 本当に「普通」であることは難しいです・・・が、これも長い人生の「試練」と思って戦っていきたいと思います。
 
 さて、事業者のみなさまからコロナ禍で「普通でない状況」であることは、よくお聞きします。
 
 折角、数年前に新しい事業を始めて軌道に乗り始めたのに・・・、赤字体質から脱却を図ったのに・・・、インバウンドの事業を始めたのに・・・、など、コロナ禍でそれらを継続することが出来なくなったという悲痛な声をお聞きします。
 
 とはいえ、変異株も出てきていますし、感染症は全世界で広まると3年程度は収まらないと言われていますので、まだ今年いっぱいは我慢をしなければいけない状況が続くのだろうと推察します。

 みなさまも今のコロナ禍で「普通でない生活」「普通でない事業」をされていると思えば、私個人のことなど小さなことではありますが、別の課題で「普通でないこと」を経験して、事業者の苦悩にも共感させていただきました。

 
 今できることとして、コロナ禍で補助金などもでていますので、自身の事業が果たして、今後も継続していくことが出来るのかどうかを俯瞰して見て、それらの活用も考えてみてはいかがでしょうか。

 中小企業支援センターでもそのような相談を承っております。 

 
 コロナが終息、もしくは減少が継続し「普通」が取り戻せる日が来るまで一緒に戦いましょう。

要約筆記講座に通っています

2021/11/24

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

情報誌の編集やコピーライターとしてテープ起こしなどをしているうちに、いつのころからか話を聞きながら文字を打つことがそんなに苦ではなくなりました。議事録や講演録なども取れるようになってきたので、将来仕事をリタイアしたら、何か世の中に還元していく一つの方法として、聴覚障害のある方のための要約筆記ができるかも?と数年前から漠然と考えていました。

そんなとき、たまたま自宅から近い会場で県の要約筆記奉仕員養成講座が開催されることを知り、リタイアはまだ先の予定だけど、日曜日開催だし通えそう?と、深く考えず勢いで申し込んでしまいました。なんと、開講日にはNHKも取材に来てインタビューまでされてしまい、後には引けなくなり・・・。

いざやってみると専門的な知識やスキルが必要で、ただ早く打てればいい、というものではないと思い知らされる日々。来年2月にはなんと試験もあるそうです。ただでさえ忙しい日々ではありますが、新しいことを学ぶのはいろんな発見もあり、なんとかかんとか継続しています。

ICT技術の発達で、音声を即時に変換し字幕として表示させることは可能なんだろう、とは思いますが、話す分量をそのまま文字で起こすと、字幕としてはかなりのボリュームになってしまい、それを話すスピードと同時に読み込むのは難しい、だからこそ「要約」という作業が必要なんだ、ということもわかりました。AIが発達すれば、きっと要約も即時にやってくれるようになるのでしょうけれど、もうしばらくは人間の力も必要かなという気もします。

私自身の要約筆記者としてのデビューはまだまだ先になると思いますが(まずは8割の出席率をクリアせねば)、学んだ要約技術は仕事にも活かせそうです。

カーボンニュートラルに向けて

2021/10/27

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 2021年8月に発表されたIPCCの報告書では、「人間の影響が気候システムを温暖化させてきたのは、疑いの余地がない」とほぼ断定しています。また、その気候モデルの礎を築いた真鍋博士のノーベル賞の受賞が決まったことや、今月末にはCOP26も予定されており、世界はカーボンニュートラル(CN)に向けどんどん加速していくものと考えられます。このCNのポイントは、現状のエネルギー消費に対して、非化石燃料への転換と省エネルギーを推進することです。それでも残留するCO2は回収して有効利用したり貯蔵したりするCCUS※)の考えで、CO2の発生を実質ゼロにするというシナリオです。CNの中で個人にできることは、一つは省エネであり、もう一つは身近にある再生可能エネルギーを活用しながら、ライフスタイルを量から質へと転換することでしょうか。

 

 ここでは、CNのお手本となるCO2を出さずに自然エネルギーだけで220年間現役で動いている機械を紹介します。それは、下の写真に示した福岡県朝倉市の筑後平野にある朝倉の三連水車です(2006年8月14日筆者撮影)。この地区にはこれ以外に二連水車2基が稼働していますが、今回はこの三連水車の仕様を説明します。川から水田に向かって水を高さ2.5m、平均流量102L/sで汲み上げ、13.5ha(甲子園の3.5倍)の水田を潤しています。これを5月中旬から10月中頃まで約5か月間稼働させます。仮に、ポンプ効率65%、電動機効率90%の電動ポンプで仕事をすれば15,300kWh/年の電力量が必要で、6.8t/年のCO2の排出を伴います(電力会社の平均CO2排出係数で試算)。これは、家庭部門の世帯当たりの年間CO2排出量の約2.5倍に相当します。その分のCO2排出削減に貢献していることになります。また、水車の構造を見ると軸以外は木製で竹釘を使い、ライフサイクルコストを考えても優れた機械といえます。2017年7月の九州北部豪雨では流木等でこの水車も大きな被害を受けましたが、関係者の努力で短期間に復旧しました。そういう意味でもメンテナンス性にも配慮され、今までの生産性や効率最重視の機械に対してCN時代の物差しで評価すればトップレベルの立派お手本ではないかと考えています。

 

 200年余り前の良寛さんの句に「焚くほどは風がもてくる落葉かな」というのがあります。(私が庵で燃やして煮たきするくらいは、風が吹くたびに運んでくれる落ち葉で十分間に合うことだ。だから私にとっては、この山中での暮らしは物に乏しくとも満ち足りていることよ。)これが、2050年CN達成の一つの示唆ではないかと思います。

 

 奇しくも朝倉の三連水車が動き始めた頃と良寛さんが句を読んだ頃がほぼ同じ時期です。今から30年先の人達やさらにその先の子孫のためにも今まさに、英知を結集するときです。

 

 ※)CCUS:Carbon Capture, Utilization and Storage.  CO2回収・有効利用・貯蔵

 

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AIと新型コロナ

2021/09/01

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 コロナ禍が長引いており、心身共に不安な毎日を過ごしておられることと思います。
 今年の夏も猛暑かと思えば豪雨や長雨など、気が休まることもないですね。
 
 さて、今回のテーマ『AIと新型コロナ』としましたが、『google コロナ予測』と検索し『広島』を見ると、写真のよ

うなサイトが表示されます。

 

COVID19 Hiroshima  2021-08-30 .png

 左軸は「PCR検査陽性者数(予測)」、右軸は「入院治療を要する者」ですが、何も対策がされなければ、9月

 23日には陽性者数1,400人、入院を要する人数が8,500人程度になると予測されて

います。

 恐ろしい数字です。
 
 また、国の「内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室」でも「COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクト」として同じくAIを活用した感染対策を行なっていま

す。

 このように、コロナ禍においてAIの利活用が飛躍的に高まったと言えるのではないでしょうか。

 
 IT向け情報サイト「ZDNet Japan」ではこのようなことが書かれてい

内閣官房 2021-08-30 .png

ます。
 (https://japan.zdnet.com/article/35169071/)  『2020年は世界が混乱と不安に陥った1年だったが、人工知能(AI)の分野は着実に成長し、技術の探求も進んだ。それは新型コロナウイルスがもたらした危機のせいだったのか

しれない。・・・』
 
 課題はあるとはいえ、特に医療分野でAIを活用し、また、テレワークでZOOMなどのコミュニケーションツールがありますが、背景を消したり入れ替える技術もAIが活用されています。 
 もちろん、懸念点もあります。
 
 『コロナ禍で「AI規制」「ブロックチェーン停止」「クラウド停止」に注意すべき理由』
出所:TechTargetジャパン(https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2107/21/news01.html)のように『AIエンジンから偏見(バイアス)を取り除くにはどうすればよいか』というのが懸念の1つとしてあります。

 
 そうです、「AIもデータにより間違った結論を出す」のです。

 
 そう言う意味からも、最初の『google コロナ予測』が的中しないことを期待していますし、AIが減少することを予測していくようになれば、と思っています。
 
 中小企業支援センターも新型コロナ対策を継続して行なっておりますので、ご協力をお願いできればと思います。
 
 また、ご来所の皆様も、少しでも調子が悪い場合は遠慮せずにご連絡を頂ければと思います。
 
 早く、コロナ禍が終息し、日常が取り戻せるよう、願ってやみません。

肝いり政策効果

2021/07/21

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

エコ&オーガニックオタクの私は、電磁波が怖くて、長らくPHSを使っていました。

最初に持ったスマホはなんとPHSで通話し携帯電波でネットをするというデュアルモデル。しかし、世の流れには逆らえず、数年前にPHSが病院内以外では使えなくなり、泣く泣くPHSをあきらめました。(仕事で使っていた番号を変えたくなくて、今もPHS時代の番号を引き継いで使っています)

そのデュアルタイプのスマホから次に変えたのは、電話はガラケー、ネットはタブレット、という珍しいパターン。当時はそれが最安の組み合わせ。仕事で使うのに充電長持ちのガラケーは便利だし、タブレットの大きい画面はご相談業務の多い私には、検索したその場で画面を一緒に見るのにぴったり、ってことで重宝しました。(PayPayもおもむろにタブレットをかざして使う珍しい人でした。LINE電話がかかってきたときはタブレットで応答しなければならないなど困ったことも・・・)

しかし、菅政権の肝いり政策である携帯電話料金引き下げにより、この組み合わせよりもスマホ一本化のほうがコストダウンということになり、それならいっそ、とiPhoneを持つことに。世の中、iPhoneを持っていても機能を使いこなせていない「iPhoneの持ち腐れ」の人のほうが多いと常々思っていましたが、実際に持ってみるとやっぱり使わないものが多そうで、私も持ち腐れの仲間入りしそうです。

しかも・・・ふと見ると5Gアンテナが立ってるじゃないですか。まだまだ都会の話だと思っていたのに、少しずつ5Gアンテナも浸透しはじめているようです。あんなに電磁波を怖がってPHSを使ってたのに恐ろしや。ということで、肝いり政策効果でiPhoneとiPadの2台使いになり、エコオーガニックもどこへやら、SIMカードのAPN設定などでいろいろと苦労しながら少しずついろんなことを学んでいます。

螺旋状の桜の木

2021/06/30

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 梅雨に入り、木々の緑が一層深みを増してきており、生命力を感じさせてくれます。先日昼休みの散歩の途中に近くの草津新町第一公園で、下の写真の桜の木を見つけました。幹を見て、一瞬藤かなと思いましたが明らかに支柱に巻きついた桜の木です。

 

 通常、桜の木の支柱には鳥居型が多く使われますが、今回見つけた桜の木は、苗木の頃に支柱として丸太を垂直に添えていたのだと思います。その支柱に桜の木が螺旋状に巻き付いています(右巻き※)。同公園には、同じように1本の支柱を垂直に添えたものがいくつかありますが、この螺旋状の木以外はどれも支柱に沿って真っ直ぐに伸びています。

 

 今回、この螺旋状の桜の木の発生メカニズムについて考えてみました。ソメイヨシノ、ザクロ、トチノキ、マツ類等は、遺伝子情報により木が捩じれ、螺旋木理(木目)を形成し易いようです。ただ、どちらに捩じれるのかは幹の傾斜や風の向きに変わるとされていますが、サクラの場合は右向きに捩じれることが多く、左向きの約6倍との研究結果があります。それを念頭に、同公園の真っ直ぐに伸びた桜の木を再び見てみると、確かに外観は真っ直ぐですが、木自体、右向に捩じれていることが分かりました。この捩じれの性質に加え、周りの支持・拘束条件が重なれば、螺旋状に巻き付くことも考えられます。すなわち、支柱と接触して摩擦があり、なおかつ苗木が支柱よりも可撓性がある場合は、桜の木は支柱に対して螺旋状に巻き付き易い(図1)。逆に、苗木と支柱が非接触か接触しても摩擦が小さい場合や、摩擦が大きくても苗木に剛性がある場合(成長して幹が太い)は巻き付かずに木自体で捩じれるのでは(図2)?そういう意味で、螺旋状の桜の木は偶然でなく必然性が高いと考えています。

 

 これらの考えを発展させると、螺旋状の桜の木を意図的に造りだすことも可能であり、螺旋状の桜の木の床柱として提供できるかも知れません。少し話が飛躍し過ぎていますが。

 

※)現在、巻き方向はねじによる定義が主流で、朝顔の蔓は右ねじと同じ方向に巻くので右巻き

 

桜の木.jpg

サイバー攻撃の恐怖

2021/04/28

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 少し前のニュースで「JAXAなどにサイバー攻撃か、中国共産党員を書類送検」というのを見た方もいらっしゃるかと思います。

 
 しかし、「サイバー攻撃」と言われても何だかすごい攻撃だ、自分には関係ないかも・・・と思う方もいると思いますが、本当にそうでしょうか。
 
 サイバー攻撃は、別名「サイバーテロ」とも言われており、サーバやパソコンなどのコンピューターシステムに対し、ネットワークを通じて破壊活動やデータの窃取、改ざんなどを行うことを言います。
 
 実際には特定の組織や企業、個人を標的にする場合や、不特定多数を無差別に攻撃する場合があり、その目的もさまざまで、金銭目的のものもあれば、ただの愉快犯的な犯行も多くありますし、国家レベルで行なわれていることもあるため、やっかいなのです。

 
 その種類としては以下のように沢山の方法があります。
 ・・・「標的型攻撃」「ランサムウェア」「水飲み場型攻撃」「クリックジャッキング」「フィッシング詐欺」「サプライチェーン攻撃」「ビジネスメール詐欺」「キーロガー」「ガンブラー攻撃」「DDoS攻撃」・・・などなど、何だかおどろおどろしい名前が並んでいますが、全て「攻撃」です。
 
 では、それらの「攻撃」を受けないためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
 
 基本的にどのような形で仕掛けられるかわかりませんので、「攻撃を受けても最小限の被害にしかならないよう準備する」しかないのです。
 
 つまり「防御」や「自衛」をするだけなのです。
 
 もちろん、攻撃されたらやり返したいという話もありますが、国家レベルではそれもあるでしょうが、普通はそのようなことはできません。
 サイバー攻撃には「倍返し」は通用しません、「守る」しかないのです。
 
 時々、「セキュリティソフトを入れているから大丈夫」という方もいらっしゃいますが、セキュリティソフトには限界があり全てが守れないのです。

 では、どうすればよいでしょうか。
 
 できることとして「重要なデータは複数の安全な所へ保管(バックアップ)する」ことです。
 
 データを取られるのも、もちろん良いことではなく困ったことですが、そのデータが消えたり、破壊されることもありますので、そうなると業務が出来なくなります。
 しかし、元のデータさえあれば、できるだけ早く業務再開ができます。
 (原因追及はもちろん行なわなければいけませんが・・・) 
 
 とにかく、データはこまめにバックアップを取り、パソコンの動作など何かおかしいなと思ったら、直ぐに専門家に相談することをオススメします。
 

センサーよりも目ざとく!?

2021/02/17

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

                                                                         

 私は電車通勤していますが、最近気になることがあります。それは、駅ホームの軌道のコンクリート製まくらぎ1)の長手方向の端が、写真のように2本連続して白くなっていることです。これがトラブルの兆候なのか、それとも取るに足らない現象なのか少し考えてみることにしました。

 

 今回の現場のようなバラスト軌道の場合は、線路と固定されたまくらぎの下にバラストが敷き詰められており、通過する電車の荷重を分散したり、振動や騒音を抑え込んだりする機能があります。そのまくらぎの上にバラストが乗っていたとすれば、電車からの振動によりまくらぎとバラストが擦れたり、跳ねたり、衝突したりします。そのため、バラストより軟らかいコンクリートの表面が摩耗し、その粉で白くなったものと推定されます。ただ、まくらぎの上にバラストが乗っているもので、白いところはここ以外にありません。ということは、白いところは電車からの振動や騒音が減衰していないことになり、電車の乗り心地への悪影響や、周囲への騒音源になっている可能性もあります。

 

 振動に関しては自励振動や共振に繋がり予期せぬトラブルに移行することも考えられます。さらに、技術者として公益確保の責務もあることから、駅員さんに上記の内容を現場で説明しました。駅員さんも早急に関係者に連絡して調査するとのことで、数日後に保線の部署の方から連絡がありました。現場に出向き調査した結果、特に異常は認められなかったとのこと、一安心したところです。

 

 今では加速度計で振動を計測し、振動の経時変化を振動の周波数とその強さに変換し、異常であれば警報を出すようなIoT、クラウド、ビッグデータ、AIを組み合わせたシステムも普及しつつあります。とはいえシステムを過信せず、五感や経験に裏付けられた勘も併用し、いつもと違うところや、ここだけ周りと違うところを目ざとく見つけるのも安全意識の高揚に繋がります。今回の鉄道会社の内部の迅速な連携もすばらしく、安全に対する姿勢も立派だと思いました。ご安全に!

 

1)まくらぎ:枕木ですがコンクリート製なのでまくらぎと表記します。英語ではSLEEPERだそうです。枕木と訳した先人に感服です。

 

線路の写真.jpg

令和の産業革命?

2021/01/20

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

信じられないことが起きた2020年が終わり、状況はあまり変わらないままに2021年がスタートしました。

新型インフルエンザ(2009年)のとき、かかった方から講演の代打を頼まれたり(講演中止なんていう選択肢はなかった)、息子二人が早々に罹患したけど隔離もされずもちろん家族の自宅待機もなかったので、今回も最初は水際対策とか言っていてもそのうちなし崩しになるのでは、と1年前は考えていましたが、まったく収まる気配はありません。そして、世の中は大きく変わりました。

外出時はマスクが必須となり、昨年新たに出会った方は、マスクをつけないお顔を知らないままです。

おしゃれで機能的なマスクが続々と開発され、マスクで地元アピールするなどPRツールとしても活躍。

下駄が靴になりソックスが普及したときもこんな感じで新しい市場が生まれたのだろうと想像します。白や黒のビジネスソックスからスタートし、カラフルでおしゃれのワンポイントになる柄や色、洋服とのコーディネート、温かさや通気性、におい対策などなど。でもマスクは顔につけるので、アピール度はソックス以上ですね。

そして売れたもの、売れなくなったもの、伸びた業界、縮んだ業界もこの1年で様変わり。テレワークが広がると、通勤用といわれる洋服や靴、お化粧などはいらなくなるし、会社帰りのニーズ(居酒屋、ショッピング、習い事などなど)も消失。当然のように毎年繰り返されてきた社員研修や歓送迎会なども不要不急的扱いとなっています。感染症騒動が収まった時に、再び以前のような生活スタイルや市場が復活するのか、それとも新しい産業が生まれ育つのか、今年はその岐路の一年になりそうです。

昨年は事業者向けの支援策も急増し、支援機関も振り回された一年でしたが、次の予算編成でどうなるのか気になるところです。飲食店や観光業など直接的な打撃を受けた業界はもちろんですが、その周辺の業界(食材や備品納入業者、設備更新、広告宣伝、ミュージシャンやクリエイターなどなど)への波及も大きく、まさに産業革命といえるような大変革の時代と覚悟するしかないですね。

時間のない中矢継ぎ早に繰り出された支援策の実効性を検証しつつ、マスク市場のような成長産業をいかに伸ばしていくのか、民間の知恵と工夫(といってもポイント錬金術などではないし、委託先の焼け太りでもない)を最大限活かす政策を期待します。

デジタル化の大波

2020/12/09

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 さて、今年のユーキャン新語・流行語大賞が「3密」に決まりました。


 ノミネートはされていませんが「デジタル化」という言葉もよく聞いた気がします。
 首相が代わり公共・自治体のアナログ対応(紙)を改善するため、「デジタル庁」の創設と、それに連動した「印鑑廃止」が良く見聞きする内容ではないでしょうか。

 

 ところで、一般的にはデジタルと言えばカセットテープからCDのようなイメージではありますが、国が進めているのはデジタル化でもDXです。

 

 DXというと昭和時代の車のグレードで実は一番下の・・・ではなく、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。

 

 詳細は割愛しますが、意味を簡略に記載しますと、デジタル技術を浸透させて生活をより良いものへと変革することであり、そのためには今までの価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものということです。

 

 ですので、単なるデジタル化でもないのです。

 個人的には、デジタル化第三の波と呼んでいます。

 

 身近な話で言えば、例えば補助金や助成金などの申請は、いままで紙に記載し捺印し提出していたと思いますが、既に一部ではパソコンなどの電子機器とインターネットを活用したもので申請を行なっていくということが行なわれており、今後はマイナンバーカードを利用した認証で印鑑を廃したり、全てデジタル化となるという話があります。

 

 つまり、何をするにもパソコンとインターネットがなければ何も出来ないという時代が到来しているのです。

 

 皆様の周りにも「デジタル化」の大波が押し寄せてきていますので、パソコンが苦手だとか、紙でなければダメだということがないように準備を進めて行く必要があるのではないでしょうか。

害獣対策

2020/10/14

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 

 私は海が見える里山近くに住んでいます。8月末のある日の夕方、愛犬と散歩の途中、川を挟んだ耕作放棄地の背丈の高い蔓(つる)が絡んだ草むらから突然イノシシ親子が飛び出してきて山を駆け上がっていきました。一瞬でしたが、あまりの迫力に立ち尽くしてしまいました。その後、9月末には、近くで防獣ネットと電気柵で囲った稲刈前の田んぼが写真のようにやられました。国内における農産物の害獣による被害総額は、今では年間約200億円といわれています。生態学のある研究者は、害獣対策のタイミングを逸すると生態系が不可逆的なダメージを受けると警告しています。そろそろ、その限界に近づいている気がします。

 
 イノシシの性格は、臆病で身を隠すところがあれば安心しますが、観察力が鋭く、一旦安全と判断したら大胆な行動をとるとされています。食性は植物性:動物性=9:1で主に植物の根や地下茎を食べるそうです。そんなイノシシの生活環境も大きく変化しました。昔の里山は、柴等の生活資源の宝庫として利用され、手入れが行き届いていました。そのため見通しがよく、臆病なイノシシは山から里山まで下りて来れず、緩衝地帯となっていました。ところが、石油・ガス・電気の普及に伴い、柴を求めて里山に入ることがなくなり、密林状態となりました。加えて里では米の減反政策等による耕作放棄地が増え、背丈の高い草が生い茂り、イノシシが人目に触れずに安心して山から里まで下りて来れるようになりました。

 
 それではどう対策すればよいのでしょうか。昔の生活スタイルに戻すのはもはや不可能です。考えられる対策は、次の4つを組み合わせ、地域ぐるみで取り組むことでしょうか。(1)イノシシの隠れ家をなくすため、里の耕作放棄地等の草を刈る。(2)守りたいところに柵をする。(3)その柵に至る前方に聴覚(超音波)、視覚(レーザ光)、触覚(地面にグレーチング)、味覚・臭覚(刺激物)等、異なった忌避装置を併設する。(4)捕獲する。地域毎にばらばらの対症療法では、イノシシが行ったり来たり大暴れして逆効果になるかも知れません。


 このような課題の解決に向け、この9月に広島県のひろしまサンドボックス実証プロジェクトでは、獣害対策を実施するために、AI&IoTを駆使した有益となる情報の収集、分析、可視化や、獣害対策の新技術を募集しました。採択されると尾道にある備後運動公園でフィールドによる実証試験を実施します。イノシシの大胆な行動を抑え込むための重要な情報が得られることを心から願っています。

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起業のいろいろな形

2020/09/16

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

小規模企業白書や日本政策金融公庫の調査結果にも「趣味起業」という言葉が出てくるように、サラリーマンの副業やリタイアシニアの第二の人生、主婦のパート感覚での起業も近年増えている実感はあります。女性創業セミナーでも「扶養の範囲内で」という方がけっこうな割合でおられます。

 今年、コロナ支援で打ち出された持続化給付金は、確定申告の数字をベースに申請しますので、4月以降、「今まで確定申告してなかったんですが私は持続化給付金もらえますか?」というご相談が急激に増えました。お金をもらって事業をしていたことを申告していなかったという後ろめたさがあるのか、確定申告したらよっぽど税金を取られると思われているのか、びくびくされている方が多いのですが、申告しなくても大丈夫なくらいの売上の方が多く、むしろ、講師料など源泉されている収入がある方は申告すれば税金が還ってくる方もいるのでそんなに心配せずきちんと申告されたほうがいいですよ、とお伝えしています。そして無事に申告を済ませ、持続化給付金ももらえました!という報告をたくさんいただき、今回のコロナが、GDPには反映されず水面下で広がっていた趣味的起業の一端をあぶりだした、という面もあるのかな、と感じています。

一方で、自粛要請によって店をたたむしかない、という危機的状況で100万円の給付金では固定費にも到底足りない!という事業者も多い中で、生活のかかっていない主婦起業家にも50万円、60万円など昨年の売上分の給付金がきちんと支給されます。もちろん事業の継続のためにしっかり使っていただければ正しい税金の使い方だと思いますし、その方にとっては家計の中でも大きな役割を果たしていた収入がコロナで飛んでしまったという事実もあると思います。

最低賃金の議論のときに、学生や主婦など主として生計を担っていない人とそれで食べていかなければいけない人が同レベルで扱われ、生活保護レベルと比べられたりしますが、起業についても、生活がかかっていない主婦やシニアの方の事業計画は、損をしなければいいというのが基準になっていることもあり、家族を養わなければいけない人や、自分がちゃんとそれで食べていかないといけない人とまったくベースが違うので、それはメリットでもあるけれど、社会全体の仕組みとしてはどうなんだろうと、モヤモヤすることも。生活のかかっていない方がそのぶん安く料金設定をしてしまうと、それで食べていかないといけない人は競争力を失い、結果デフレを起こしてしまうという面も感じます。もちろん、みなさんの創意工夫で、これまで世の中になかった商品やサービスを気軽に享受できる、といういい面もたくさんあります。収入にはならなかったような趣味や特技をきちんとお金に換えることができる、という第一歩にもつながります。

これから、サラリーマンの副業解禁も進んでいくと思われます。たとえば、一定の収入が確保されたサラリーマンが、副業で伝統工芸の職人として修業し定年後は年金生活しながら職人としてやっていく、などの形であれば、食べていけるほどの収入にはつながらないかもしれないけれど途絶えさせるのはもったいない伝統技術の継承につながるかもしれません。

技術革新も含めて世の中が大きく変わり、人間がやらなければならない仕事も変わっていく中で、フリーランスや趣味的起業は減ることはないと思います。高度経済成長時代の旧態依然とした扶養の仕組みでやりたいことを制限しているのはもったいないと感じます。

「ニュー○○○○」 コロナ禍時代を生き抜くために

2020/08/12

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 雨ばかりの7月から一転、暑い8月になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 「コロナ禍」の話題ばかりですが、みなさまもどうか御自愛を頂ければと思います。

 さて、タイトルの「ニュー○○○○」ですが、今までだと直ぐに思い浮かぶのが「ニュータイプ」とか「ニューディール政策」とかですが、今だと「ニューノーマル(New Normal)」ですよね。


 「New Normal」の意味は「新たな常態・常識」「新常態」「新しい正常」と訳されていて、コロナ禍時代=新たな常態であるという意味で、再び、利用されています。

 実はコロナ禍で耳にするようになった、新しい言葉に聞こえる「ニューノーマル」ですが、2007年に起こった世界金融危機=リーマン・ショック時に金融上の状態を意味する表現として生まれた言葉のようです。


 つまり、一連の危機の前後で生じた、かつては異常とみなされていたような事態が非連続な構造的な変化が起きた結果として「新たな常態・常識」が生じているという認識の表現として使われています。


 ちなみに当時、アメリカでは流行語になっていたようで、その提唱者とされたのは、「パシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)」 代表のモハメド・エラリアン氏だそうです。


 それではコロナ禍による「ニューノーマル」で何が変わっていくのでしょうか。


 ビジネスで考えると、短期的な収益の追求よりも社会レベルでの感染拡大防止や感染予防が最優先されることとなります。


 具体的には「衛生管理の徹底」「ソーシャルディスタンスの尊重」「非接触(タッチレス)の実現」の3つが世界共通の主要キーワードとして追求されています。


 特に注目されているのはIT、ICTの更なる利活用ではないかと思います。


 その中でも「テレワーク」という言葉が一般的になりました。


 私自身は、10年以上前からテレワークを推奨していました。その時はあまり理解していただいていませんでしたが、まさか、このタイミングで普及するとは思ってもみませんでした。


 それまでは、それほど注目をされていなかったZOOMやTeamsなどの「インターネット(WEB)・ミーティング・ツール(以下、WEBミーティング)」が脚光を浴びています。


 今や、セミナーや講演会もインターネットを通して行なわれることが多くなりました。


 一番の実感として、WEBミーティングで地方と中央の格差が少なくなったことです。


 東京などに行かなくても、有名人の講演会を聞くことができる、打ち合わせができるなど、様々なメリットを感じています。


 もちろん、「集中できない」「雰囲気が判らない」「交流が出来ない」などデメリットもありますが、ニューノーマル時代として、ITやICT利用により、それらの格差がなくなれば、新しいビジネスも生まれるかもしれません。


 個人的には今後のキーワードは「展示会(見本市)」のIT、ICT化だと思います。


 これから、コロナ禍によるニューノーマル時代を生き抜くため、様々なサービスや商品も登場するでしょう。


 今までの常識にとらわれない、新しいビジネスが広島の地から生まれることを期待しております、と同時に、それらのご相談にも応じられるよう、常に最新動向と情報にアンテナを張っておこうと思っています。



アフターコロナ時代に選ばれる地方を目指して

2020/07/15

若本コーディネータ.jpg おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。

 

 令和2年の前半は、スポーツイベントやコンサート、展示会など世界中で予定されていた大規模イベントが、新型コロナ禍によってほぼ吹き飛ばされてしまいました。これまで経済的成功を求めて目指した"大規模化""集中""密集"が、図らずも新たな感染症によって脅威やリスクになることが露呈したのです。人が集まること、移動することを半強制的に止められ、大都市圏に住むメリットが、家賃の高さも含めリスクにさえ変わっていきました。アフターコロナの時代は、この5年間政府が音頭を取っても進まなかった「東京一極集中の是正」と「30年ぶりの地方移住ブーム」が加速化するのではないかと思われます。

 

 実は私は平成3年、地縁も血縁もない広島に、単身それまで住んでいた東京都内から移住しました。地価が高騰しバブル経済が崩壊、独身のうちに経済的にも精神的にもゆとりのある地方に移住しなければ、一生家族を持つことが出来ないだろうとの危機感もあったのです。その後日本の出生率は下がる一方、東京一極集中は加速化して、地方都市は"消滅可能性"までランキングされるような事態に陥ってしまいました。今回の感染症は、日本経済や日本人の生活様式に多大なダメージを与えましたが、他方で人口減少が進む地方で、大きなチャンスが与えられたとも考えられます。大切なのは、大都市圏からの移住者が「あの町に住んでみたい」と思えるような魅力を伝えられるか、選んでもらえる町をつくってきたかということが問われます。短期決戦ではないからこそ、選ばれる町・仕事・生活環境を私たち自身でつくっていきたいですね!

新型コロナ感染と移動速度論

2020/06/10

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 新型コロナの緊急事態宣言は解除されたとはいえ、企業の皆様のご苦労はいかばかりかとお察し致します。感染が今後どうなっていくのか、一番知りたいところです。私は技術屋なので医療関係はよく分かりませんが、コロナの感染は工学で体系化されている移動速度論でもある程度考察できると思っています。

 

 ある空間でのある時間内の感染者が媒体となって、コロナウイルスが移動・発生・消滅しますが、それには次の4項とその収支を考えればよいと思います。すなわち、その空間内のウイルスの経時変化を示す非定常項①は、発生・消滅を示す生成項②と、空気の分子運動に伴う拡散により移動する拡散項③と、空気の流れや人の移動等媒体を介して移動する対流項④の3つの和となり、(1)式で表されます。(数式では各項適切な符合がつきます)1)

 

    ①非定常項=②生成項+③拡散項+④対流項 ・・・(1)

 

それぞれの項は、状態を示す従属変数である濃度(コロナウイルス濃度あるいは感染者割合)を基に算出されます。また、②の生成項においては、医療専門家の方で検討されていますが、ここでは反応速度的に扱い、濃度に対して指数関数的に発生し、濃度に比例して消滅すると考え、その限界濃度をCcとします。2)

 

 この式から、系外への感染を避け、①項の感染者をゼロに収束させるには、まず状態の正確な把握(感染検査)が前提となります。その上で、③と④項の活性なウイルスをばら撒かず、②項の感染者を生むCcを超える空間を作らないことです。Ccを超えることが避けられない医療機関においては、院内感染防止の管理が極めて重要です。

 

 具体的な対策は、②項に対応するワクチンの開発、医療用ガウンやフェイスシールドの十分な補充、③項のマスク着用、三密回避、ソーシャルディスタンス、④項の移動自粛・ステイホーム、室内換気等となります。ここで、④項の移動自粛・ステイホームと換気は、一見静と動で矛盾するように感じます。しかし、ウイルスは人によって感染移動しますが、換気により排気されるウイルスからは空気感染しないことから、④項の対策は対流項を巧妙に利用したものといえます。

 

 今年度は、このような考えをめぐらせながら、特にウイルス感染阻止のポイントとなる医療機器・保護具に関わる企業の方々に、タイムリーなニーズを紹介し、マッチングできればと思っています。また、新型コロナの影響を受けられている企業の皆様の売上回復のために、新製品開発の加速や用途拡大等のお手伝いをしていく考えです。

 

1)水谷ら訳、コンピュータによる熱移動と流れの数値解析、森北出版(1995.2)

2)例えば琴寄、セミョーノフの限界発火条件式、安全工学Vol.29No.3(1990)

存在意義(レゾンデートル)

2020/05/13

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

以前取材した社長さんが「レゾンデートル(存在意義)がない会社は生き残れない」と言われた言葉をことあるごとに思い出します。私の存在意義ってなんだろう、と新しい仕事に取り組むときには考えるようにしています。

2年前、創業支援コーディネータとしての仕事がスタートしたとき、夢をかなえるために創業という道を選んだ方を後方支援できる仕事、創業者の皆さんの発展のどこかに少しでも私が役に立てるならこんな有意義な仕事はないな、と日々、商品開発や事業展開のご相談、補助金の申請サポート、営業のマッチング・・・と、自分なりに考え、動いてきました。

今回のコロナ危機で、そんな毎日がいきなり変わり、相談内容も資金繰りや目の前の支出を減らす、前に進むための補助金ではなく、雇用を守るための助成金や休業に対する協力金の申請、、、と、ゼロからプラスを生み出す仕事よりも、マイナスをゼロに近づける仕事が増えて、それがこんなにしんどいとは思いませんでした。

日々、皆さんの夢から力を与えてもらっていたんだなあ、と改めて感じます。夢をもって社会のため、誰かのために創業した事業がいきなり「不要不急」といわれることがどれだけつらいか。

創業のときに掲げた夢やみなさんの存在意義は決して「不要不急」ではないと信じ、今日もまたコーディネータ業務に励むのが私の存在意義、でしょうか。

ピンチをチャンスに

2020/03/11

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

今年はオリンピックイヤー、インバウンドもこのまま順調に伸びる、と思っていたところに年明け早々まさかのコロナ危機勃発。事業者の皆様も思わぬ影響を受けていることと思います。外国人だけでなく国内旅行も控える動きですし、イベントも軒並み中止。これだけグローバル化が進めば、全業種に何らかの影響があり、もちろん株価やGDPも悪影響が予想されます。

従業員の健康を守るために通勤方法や会議、出張などを見直す企業も多いでしょう。豪雨災害などと違って、全世界的な影響は今までなかったこと。まさに、広い意味でのBCP(事業継続計画)の必要性を感じています。

一方、中国での生産活動が止まっているため、「刺繍の加工3万点を急遽お願いできないか」などの問い合わせがあった、ともお聞きしました。中国産の農産物も供給が止まり、外食産業などが困っているそうです。今こそ、国産に切り替えるチャンス!?ここ数十年で国外へ流出してしまった市場を取り戻すことはできないのでしょうか。

いつ収束するのか、まったく先の見えない状況ですが、在宅勤務を試してみる、出張をやめてオンラインで会議してみる、など働き方改革につなげる機会にもできそうです。マスク以外にも免疫力をあげる食事や生活習慣など新しい市場も生まれるのではないでしょうか。

直接的に影響を受ける事業者の方も多い中でこんな呑気なことを書いている場合ではない!とはわかっているのですが、騒動が終わってみたら世の中がよくなっていた、という形になることを願っています。

ニューラルネットワークと幼児教育

2020/02/12

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 お正月に娘が二歳の孫を連れて帰省したので、お年玉に立体パズルをプレゼントしました。大きなアンパンマンに切り欠いた〇△☐等の穴に、同じ形状のブロックを挿入していくものです。二歳児にとってはかなり難しそうで、結局、帰省中にはクリアできませんでした。

 

 その約二週間後に動画が送られてきました。それを見ると、いとも簡単に形合わせができるようになっていて、親子ともに得意満面の笑顔が映っていました。わずか二週間で何度も試行錯誤して学習し、コツをつかんだのでしょう。

 

 人間の脳を数理モデルにしたのがニューラルネットワーク(NN)です。そのため、NNのアルゴリズムや学習プロセスから、逆に人の学習はどうあるべきか、客観的に見えてきます。NNではネットワークの構成が決まれば、次に上層のニューロンから下層のニューロンへ信号を伝達するための重み係数を初期化するプロセスがあります。初期化のポイントは、全てのニューロンの対称性を破り、早く学習できるよう乱数を与えることです。そこから目的に合った適切なデータを使って深層学習がスタートします。

 

 重み係数に乱数が入った直後の状態は、人にあてはめると赤ん坊に相当します。当然、入力と出力の間に秩序ができていません。そのため、赤ん坊におもちゃを握らせるとそのおもちゃを振り回し、時々自分の顔や頭を叩いて泣き出すこともあります。しかし、しばらくすると、次第に学習していき、知らないうちに上手に遊ぶようになっていることもよく理解できます。

 

 難しいことは、幼児の予測できない行動に気をつけながら、偏りのないよい情報を与えることです。とはいえ、安全面だけを重視し過ぎて、情報を制約すると、偏ったニューロン結合となり、バランスのとれた思考ができなくなる可能性もあります。この時期には、幼児が今何を学ぼうとしているのか、よく見極めながら接してあげる必要があると思います。NNも幼児も学習する上で大事なことは啐啄同時ということでしょうか。

 

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ITシステム「2025年の崖」

2020/01/22

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 経済産業省(以下、経産省)が2019年3月にレポートとして発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』(以下、DXレポート)がIT業界に衝撃を与えていますが、IT業界における「2025年の崖」とは何でしょうか。※DXレポートはこちらからご覧になれます。

 
 IT業界における「2025年の崖」とは、「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に想定される国際競争への遅れや我が国の経済の停滞となる」と定義されています。

 
2025年の崖

 

 つまり、2025年までに予想されるIT人材の引退やサポート終了などによるリスクの高まりなどにより経済全体が「停滞」を引きおこすということです。

 
 具体的には2025年に21年以上稼働しているレガシーシステム(時代遅れになってしまった古いコンピューターシステムのこと)がシステム全体の6割を占めると予測されていることから、今後、これらのシステムを刷新する必要があり、この刷新の波に乗り遅れた企業は多くの事業機会を失うことからこれを「崖」と呼んでいるのです。

 
 では「2025年の崖」が生まれた背景はなんでしょう。
 
 一番の原因は、企業のレガシーシステムの問題の本質として、自社システムの中身がブラックボックス化している、つまり、ユーザー企業は自社のシステムの内部構造が複雑化し、自分自身で修正できない状況に陥っている状態が原因と言われています。
 
既存システム問題点の背景

 
 それを解決する方法として、まずは「見える化」指標による診断と仕分けや「DX推進システムガイドライン」を踏まえたプランニングや体制構築、さらにはシステム刷新計画策定、共通プラットフォームの検討などの必要性を説いています。

 

 それをわかりやすく書いた本が『IT負債 基幹系システム「2025年の崖」を飛び越えろ』(室脇慶彦:著)ですので、是非、読んでみてください。
 

IT負債












 国としてもそれは「重大なこと」と捉えており、今年度もIT導入補助金などの政策でIT化を後押ししていくようですので、これからのシステム更新やITベンダーとの関わりが、果たしてこれで良いのか、今のうちに検証していく必要があると思います。

 当支援センターでも、ご相談に応じますので御利用ください。

ビジネスエコシステムと中小・ベンチャーの時代

2019/11/27

若本コーディネータ.jpg おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。

 

 最近、ITやベンチャー育成の分野で耳にするようになってきた『エコシステム』という言葉。概念はそれほど新しくはなく1990年代前半、シリコンバレーのスタートアップ企業が、ベンチャーキャピタルや他の起業家などの協力を得ながら、事業を立ち上げ成功していく環境に用いられていた言葉です。自然界の生態系(生育環境や生物多様性・食物連鎖等)をイメージすれば、ビジネスの世界で多くの企業体が複雑に絡み合いながら、継続的に生存・進化していく"生態系"は、人口減少が進む日本にとっても理想形です。

 

 この"エコシステム"と対立軸にある概念が、従来製造業を中心とした大企業で見られる"垂直統合"。製品の研究開発から製造・流通・販売まで、自社のグループ内で完結する「閉鎖系システム」です。日本の企業が、今や"ガラパゴス化している"と言われるのは、特定の地域やマーケットに特化した、独自の製品やシステムを、機密情報が守れるグループ企業内だけで開発し、結果的に他のエリアやマーケットへの汎用性がなく、コスト高となって、グローバル企業に比べて小さな市場にしかリーチできなくなってきたからだとも考えられます。つまり、少し環境が変わり、気候変動のような状況となれば、硬直化した大量生産型モデルでは、社会環境の変化や、非連続的なコスト競争力についていくことが困難になったということです。

 

 人口減少や技術の急速な変化は、地球環境の大変化の時代と同じく、小回りが利き、変化の兆しをキャッチして自らが柔軟に変わることが出来るベンチャーや中小企業にとっては大きなチャンスです。そのためには、環境変化に"耐える"のではなく、いち早く変化の兆しを感じ取る情報感度を高め、致命傷を負わない程度に具体的な行動に移していくことです。私たちも、広島市でこの「ビジネスエコシステム構築」のために、しっかりと情報収集・情報発信・企業支援をしていきます。

消費税増税とキャッシュレス

2019/10/16

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

いよいよ消費税増税がスタート。9月末の駆け込み買いだめ報道を見ていると、食料品の軽減税率や、キャッシュレス消費者還元事業、プレミアム商品券のことをよくわからず買い物されている方も多いのかも?そんなにあせらなくても10月以降のほうがお得な場合もあるのに。。。といいながら私も、10月以降に予定している出張のチケットや、眼鏡のレンズの入れ替えなど、小さな節約で少しばかり駆け込みました。


事業者側もいち早くキャッシュレスを導入し、ポイント還元対象事業者としてアプリにも9月中に登録されたところと、まったく意に介せず、というところと対応が分かれたようです。政府もあれだけ広報費や補助金を使って、実需的にどのくらいの効果があるのかははなはだ疑問です。が、これまで手数料がかかるから、とキャッシュレスを敬遠してきたお店にとってはいいきっかけになったようです。

私のご支援している事業者のみなさんも、各キャッシュレスサービス事業者のキャンペーンをうまく使って機器をお得に導入したり、ランチタイムに20%ポイント還元など自分の懐は痛まない販促につながったのではないでしょうか。自分でもQR決済を使ってみて、ポイント付与率もなのですが、クレジットのポイントなどと違って、タイムラグはあってもそのまま残高にポイントがチャージされるのは使いやすいと感じました。

あとは、このポイント還元が終わる来年6月以降に各事業者さんがどうするか、手数料を上回るメリットを感じられるか、本格的なキャッシュレス時代が来るかどうかの分かれ目ですね。

スーパーコンピュータ京と富岳

2019/09/26

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 今年の8月をもって理化学研究所のスーパーコンピュータ(以下、スパコン)京が運用を終了しました。私は計算機を使った数値解析やエネルギ機器に関わってきたこともあり、京とポスト京の富岳をエネルギの切り口から探ってみたいと思います。

 

 京の計算速度は、名前の通り浮動小数点の計算を1秒間に1京回こなす能力としてよく知られていますが、この計算に最大約1万3千kW(一般家庭の約3万世帯分相当)もの電力が使われていることはあまり知られていません。ここで消費した電力の殆どは中央演算装置CPUで熱に変換され、その発熱密度(単位面積当たりの発熱量)は、ホットプレートの約5倍に達しています。この環境から半導体を守るためには、パソコンのようなファンによる空冷では不十分であり、冷凍機を用いた水冷構造を採用してCPUの温度を30℃以下に抑えています。これらの電力供給と冷却は、主としてガスタービン発電機とその排熱を利用した吸収式冷凍機のコージェネレーションシステムによって支えられています。このように、京は電気電子の技術だけでなく、機械をはじめ土木建築等の各技術部門の粋を結集した巨大計算機工場といえます。(写真は2012年4月30日筆者撮影の京計算機建屋、正面オブジェの算盤玉は桁数を表し、下から順番に一、十、百・・・一番上が京)

 

 次期スパコンの富岳は、京のDNAを引き継ぎつつ、さらに消費電力の課題にも配慮しています。つまり、今までの単位時間当たりの計算能力(Flops)だけでなく、単位エネルギ当たりの計算能力(Flops/W)を重視した設計となっています。これを反映し、計算速度は京の約100倍ですが、消費電力は京の3倍程度の上昇に抑え、単位エネルギ当たりの計算能力は約30倍の向上となるそうです。これを実現するための詳細はよく分かりませんが、CPUの集積度と冷却能力の向上が技術ポイントだろうと思っています。

 

 スパコンの使用環境も時代とともにどんどん変化しています。いくら電力を使っても速ければ評価されるという時代は過去のこと。古い物差しを捨て、効率重視(持続可能な開発目標SDGsとも関連)の新しい物差しで開発した富岳の2021年運用開始を楽しみにしています。今度は心置きなく新しい物差しで1位を目指し、人々の幸せのために活用してほしいと思っています。

 

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機械装置が電子基板に置き換わる時代

2019/08/22

若本コーディネータ.jpg おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。

 
 広島市内の中心市街地に拡がるコインパーキングに少しずつ異変が訪れています。それはこれまでのような『ロック板』と呼ばれる車止めがなくなり、月ぎめ駐車場のように停車スペースの枠線だけが示されたコインパーキングの登場です。

 

 よく観察してみると、駐車スペースの後ろにポールが立っていて、カメラによるナンバーの認証がなされているようです。ロック板があることで発生していたトラブルが回避できるだけでなく、設置工事の時間やコストも圧縮でき、恐らく利回りも高くなるのでしょう。

ロック板レスコインパーキング

 

 ロック板自体は、複雑な構造ではないものの、それほど大量生産によってコストダウンできるほどの市場規模でもないでしょうから、機械装置は大手が扱うようなものではなく、人件費の安い海外でも十分生産可能だと思えます。時代は運搬も取り付けも大変な機械装置の設置から、次第にIoT化が進み、カメラと基板、そしてそれを取り付けるカバーだけで済む時代に進んでいます。ハードを製造するメーカーは、海外との競争だけでなく目の前から急に機械装置自体が不要な、電子制御・デジタルに置き換わり、市場自体が消えていく予測不能の時代になりました。

  

 コインパーキング自体も、その名の通りの「コインを投入する」精算機から、キャッシュレスに移行し、硬貨を回収することもなくなります。その分、これまで現金売上だったお金は、一部をキャッシュレス業者に奪われ、締め日と代金振り込みまでのタイムラグも、恐らくキャッシュレス業者の資金運用に使われるのでしょう。商売は正直で信頼が大切なことはいうまでもありませんが、先行きの見えない難しい時代になりました。未来予測は容易ではありませんが、目の前で起こっている現象を、ビジネスに置き換えて興味深く観察されることで、自分の業界で起こる未来のリスクとチャンスに備えることが出来るのではないでしょうか?

言葉の力

2019/08/13

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

日々、いろいろな事業者の方の商品・サービス、屋号などのキャッチフレーズやネーミングをお手伝いする機会がたくさんあります。ほんとに小さなことから、ネーミングによって印象はずいぶん変わるのを実感します。

日本には、漢字、カタカナ、ひらがな、アルファベットとバリエーションも多いため、ぴたっとくるものに巡り合うのは大変です。意外と、ストレートな漢字で表現するもののほうが、下手な横文字よりも伝わりやすい、ということは多く、またその言葉の選び方によって、ターゲットも自然と見えてくるのは不思議です。

さて、ここで気になるのが今年のカープのキャッチフレーズ「水金地火木ドッテンカープ」。三連覇中のキャッチフレーズは「真赤激~Burn it up!~」「カ舞吼!Kabuku」「℃℃℃(ドドドォー!!!)」です。漢字三文字を基本にリズム感のあるいいキャッチフレーズです。しかし、どう考えても、「ドッテン」は、勝負の運がひっくりかえりそう、と去年11月に発表されたときに感じたのですが、やはり予感的中!?ジェットコースターのように連勝と連敗を繰り返しています。

やっぱり言葉の力、言霊ってあるよね、と思う次第です。

機械の故障

2019/07/25

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 私は通勤に最寄りの駅から職場まで自転車を利用しています。最近この自転車の座り心地がよくないので調べてみると、サドルの後ろにある一対のコイルバネの片側が折損していました。今までに、何台もの自転車に乗ってきましたが、このようなサドルの損傷は初めてです。

 

 一般に、機械製品のライフサイクルにおける故障率を経時的にグラフ化すると、お風呂の浴槽の形をしていることからバスタブ曲線と呼ばれています。製品を購入してほんの僅かな時間使用しただけで故障する時期を「初期故障期間」といいます。この原因は設計ミスや製造時の欠陥等によるもので、ほとんどはメーカーの保証期間の1年以内に発生します。次いで故障率が次第に減少し、やがて一定値に近づきます。この時期を「偶発故障期間」といいます。最後に、劣化が始まるために故障率が経時的に上昇します。この時期を「摩耗故障期間」といいます。

 

 これらの故障を低減するには、次の方法が挙げられます。「初期故障」はメーカー側の責任として、新設計項目の設計検証や部品の品質管理を適切に行うことで低減できます。また、「偶発故障」や「摩耗故障」はユーザーが中心となりメーカーの知見を得ながら定期的な点検等により摩耗や老朽化している部品を取り換えていくことで低減でき、設備の長寿命化が可能となります。このように、機械の故障を低減することは、メーカー側にとっては顧客の信頼を得ることになり、ユーザー側にとっては設備の稼働率向上につながることから、収益拡大等の経営戦略的にも重要であるといえます。

 

 私の自転車は約5年使用しており、保証期間も過ぎていますのでメーカーの責任にはなりません。自転車の耐用年数は約10年と言われていることから、今回の故障は「偶発故障」に相当します。コイルバネをよく見ると錆も発生しており、疲労折損の起点となった可能性もあります。時々点検して錆止剤等を塗布しておけば、もう少し長寿命化できたかも知れません。

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久しぶりのマニュアルミッション車(MT)

2019/07/16

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 すごく個人的な話しですが、先日、久しぶりにマニュアルミッション車(MT)に乗る機会がありました。

 ・・・といっても借りたものですので、ほんの1時間程度です。


 その車はマツダCX-3でしたが、なんと6速MTでした。
 しかも、すごくギアの繋がりが良く、軽く操作できる素晴らしいMTで進化を実感しました。

 不思議なものでMT車に乗るとなぜか「車を操っている」感が強くなります。(決してスピードを出したいと言うことではありません)

 自身の車遍歴になりますが、免許を取得してから数年間はMT車で、その後、オートマ車ばかりでしたが、車好きが高じて同時に最大4台所有していたこともあります。
 その中の2台はMTで、それをレース仕様にしてB級ライセンスを取得し、週末はサーキットに走りに行っていたなど、今思えばバブルでした。(サーキットの狼の影響もありますが・・・)

 お陰様でほぼ毎年、車を買い換え、給料の大半を車に注いでいましたね。

 今は「動けば良い」「目的を果たせば良い」ということで全く執着はしていませんのでオートマ車ですが、不思議なことにゲート式ばかりを好んで購入しています。やはり潜在的にMTライクな操作が好きなのだと思います。

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 レース車も今はオートマ車が増えてきましたが、遊んでいる左手と左足を使いギアを切替えるのは、もしかしたら昨今の「踏み間違い事故」が減る可能性があるかもと思っています。

 つまり、MTはクラッチを切るという操作も出来ますので、もしかしたら高齢になるほどMTがよいかもしれないです。
 ※参考記事:MT車(マニュアル)とAT車(オートマ)の事故率はどちらが高いのか?

 全体的にはMTが壊滅状態のなかで、マツダ車がMTを残していることで、なんだか急に魅力的に思えてきました。
 次をどうするか・・・嬉しい(?)悩みが増えました。

会社自慢と社員自慢

2019/06/18

若本コーディネータ.jpg おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。

 
 TVの報道番組でサラリーマンへのインタビューを見ていると、新橋駅前の広場で酔っ払いサラリーマンが登場するシーンをよく目にします。ガード下の居酒屋で、会社や上司の悪口で盛り上がり、ストレスを発散するということは「昭和の時代」にはよく見られる、ごくありふれた風景でした。



 時代は平成となって、インターネットが普及し、個人がSNS等でつぶやきや写真、動画などを発信するようになると、居酒屋や井戸端で交わされていた"ヒソヒソ話"(声は大きくても、身内だけに通じるナイショ話)が、少しずつ外に漏れ始めました。平成の終わりには、アルバイトのいたずら投稿も増え、ネット上に流れる企業の内部情報は、称賛される「ポジティブ情報」よりも、企業リスクが生じる「ネガティブ情報」が圧倒的です。場合によってはネット上で炎上し、情報が拡散されて会社経営に大きな打撃を与えるケースも想定しなければならない時代です。

 

 ネットに限らず、このようなリスクへの対処方法として、社内ルールの徹底やマニュアル作成、社員教育などが行われますが、対処療法でしかなく根本解決にはなりません。それは会社に対する不満や悪いところが目に付くのが常態化し、会社の強みや良さに意識が向けられていないのも一因です。子供やスポーツ選手の育成も、出来ないことを叱るより、出来ていることを誉め、良さを伸ばすほうが自ら好きなことに取り組み、ポジティブ思考になることと同様です。

 
 私の知り合いの中小企業経営者が、社内会議で毎週「当社の強みは何か?」を問い続けました。最初は悪いところばかりしか出ない状態だったものの、40週を超えるころから次第に「ここがライバル他社に勝っている」とドンドン意見が出るようになり、会社自慢、社員自慢に気づくことで1年後には会社の雰囲気や業績が変わっていきました。皆さんも、意識して会社自慢、社員自慢を発表してみませんか?ネガティブ思考の人はそんな組織には居づらくなるでしょう。

ビジネスにおいて大切なこと

2019/06/06

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

私自身のキャリアの原点は、求人広告の営業として多種多様な経営者の方と接したことにあります。その後、主婦が育児サークルから立ち上げた会社で、管理職経験もないままに「副編集長」という立派すぎる肩書に振り回されながら、事業の成長とともにビジネスのイロハを学びました。今思うと、若気の至り?でいろんな失敗も重ねてきました。

そして今、創業支援担当として、どんな事業でも共通するビジネスの基本姿勢みたいなものが大切だと改めて感じる毎日です。例えば、メール一つにしても、お返事もなく届いたのかどうかすらわからない方。お返事はあっても、確認したいことが書かれてなくて何往復もやりとりしないと要件が終わらない方と、こちらから聞いていないことまで気を利かせて記載してくださる方。誰かをご紹介した場合、すぐにお礼とその後の進捗の報告がある方と、その後どうなったのかこちらから聞かないとわからない方・・・。

一人で事業を立ち上げるのは、本当に大きなチャレンジです。そんなとき、周りを味方にできるかどうかで大きく差がつきます。小さなことの積み重ねできちんと「信頼」を築けるかどうかは、専門的な知識やスキルと同じくらい大事なんだということを実感しています。創業者だからと大目に見てもらえることもあるかもしれませんが、やはり一人前のビジネスパーソンとしての振る舞いが会社員以上に大切ですよ、とまるでお母さんのようなお小言をいうこともコーディネータの役目のひとつになっています。(できればこのあたりはしっかり身に着けたうえで創業に挑んでほしいものです)

絵馬に学ぶ

2019/05/23

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 新年度となり、元号も改まりコーディネータの活動も新たな気持ちで取り組んでいます。先日、知人から三原市にある御調八幡宮にいろいろな絵馬が奉納されていると聞いて行ってみました。鳥居をくぐり八幡川にかかった屋根付橋と拝殿近くの神楽殿に、古くは1800年代の色褪せた講談のハイライトシーンから戦中や最近のものまで60点余りの絵馬が奉納されていました。

 

 その中で目を引いたのは、屋根付橋の梁に飾ってあった平成22年寅年の開運招福の絵馬です。この絵馬には写真のように、元気、本気、勇気、根気と書かれていました。確かにこれだけの「気」が揃えば何でもうまく行くような気がします。

 

 ところで、生産技術、品質管理等の継続的改善手法にPDCAサイクルがあります。これは、Plan(計画)⇒Do(実行)⇒Check(評価)⇒Action(改善)を繰り返すことで業務をどんどん改善していきDoの質を上げていく手法です。この繰り返しのことを螺旋状に旋回しながら上昇していくことからスパイラルアップと呼んでいます。

 

 このPDCAと御調八幡宮の絵馬の「元気」、「本気」、「勇気」、「根気」がよくマッチしているように思います。すなわち、元気を出して計画を立て、本気で実行し、それに勇気をもって評価し、根気よく改善していくというものです。PDCAの各局面の心構えとして適切な感じがします。ITAIの世の中ですが、このような言葉がスパイラルアップの「やる気」につながっていくと考えています。今年度はこの4つの「気」とPDCAで企業の皆様の課題解決のお手伝いをして行きたいと思っています。

 

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「サブスク」 大流行

2019/05/15

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 今年度も中小企業支援センターのコーディネータとして在籍しております。よろしくお願いいたします。

 さて、みなさまは「サブスク」という言葉をご存じでしょうか。

 サブスクは「サブスクリプション=Subscription」を略したもので、製品やサービスなどを一定期間利用する事に対して、代金を払うシステムのことをいい、身近には新聞購読サービスなどがあるかと思います。

 2019年2月2日号の「週刊ダイヤモンド」での特集記事は「トヨタ・パナ・ソニーも参戦 サブスク革命」でした。

 いま世界中で「サブスクリプション」が大流行していて、日本でも珈琲から自動車までさまざまな業界で広がってきています。

 具体的には音楽配信サービスとしてのAppleMusicやSpotifyなどが一番わかりやすいと思います。これらのサービスでは、どれだけ音楽を聴いても一定の料金となり、そのことで音楽を買うということがなくなり、生活そのものが変わったのではないかと思います。


 あと、一番大きいのはソフトウェアではないでしょうか。

 従来はCD-ROMなどといった媒体によって販売され、購入した利用者は、永続的に使用することができる「買い取り形式」でしたが、一時期に費用がかかることや、バージョンアップなど料金が発生し、そのため、いつも最新ソフトウェアを活用できないなどの問題がありました。

 サブスクリプションであれば、いつでも最新版を活用できるなどメリットが大きいです。

 例えば、マイクロソフトではOffice365というサービスでは月額使用料となり、何年かおきにあったOfficeソフトウェアのバージョンアップ費用が不要になりました。


 「所有する」から「使用する」流れはこれからも加速していきそうです。

広島のプロスポーツ球団に学ぶ中小企業の可能性

2019/04/11

若本コーディネータ.jpg おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。今年度、経営を担当させていただきます。宜しくお願いいたします

 

 新年度のスタートと共に、新元号『令和』も発表されました。平成の30年間は戦争のない平和な時代でしたが、一方で少子高齢化と人口減少社会に突入し、東京一極集中が加速化する中で、次第に地方の活力が失われてきたように感じます。

 

 幸い、ここ広島市では「モノづくり企業」が産業基盤として強固な経済活動を担っており、地元中小企業であっても域外や海外からもお金を稼ぐことができる競争力を有しています。そこが、人口や経済規模では大差をつけられたものの、都市圏に地元大企業や中小製造業のすそ野が弱い「博多(福岡市)」と比べて、将来性、潜在成長力の違いになると思います。

 

 つまり、人口規模や交通アクセスといった「マーケットとしての魅力」は、大都市圏の企業進出やアジア圏からの観光客のインバウンドなどは見込めても、そのお金の多くは域外に流出しているのです。地元資本の中小企業は事業撤退や買収などで大資本に組み込まれ、地元で成長した企業は東京に本社移転するなど、さらなる東京一極集中が進みます。
 
 広島市はスポーツ王国としても知られます。「広島東洋カープ」や「サンフレッチェ広島」は、地方球団として「お金」も「人材」も不足する中で、地道に選手を育成し、チーム力で大都市球団に勝てるようになってきました。この間、オールスターや全日本に選出されるように育った選手が、どれほど大都市球団に引き抜かれ、戦力ダウンを繰り返したことか・・・。

 

 しかし両球団は厳しい経営の中で、多額なお金を投じて他球団の有力選手を引き抜くような安易なことはせず、じっくりと若い人を育て、戦力や戦術の工夫を積み重ねることで、有力選手が移籍してもすぐに次の選手が穴埋めをして常に優勝を争う球団に成長しました。各選手を広島市内の中小企業に置き換えると、とても大きなポテンシャルを感じます。当支援センターでは、スカウト役やコーチ役など、広島市の中小企業活性化の裏方として、新時代の中小企業の育成と活躍を応援していきます。

 

次世代モバイル通信「5G(ファイブジー)」がやってくる

2019/03/19

姫野コーディネータ

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 このところ、新聞や雑誌、ネットニュースなどで報道され、聞き慣れてきた「5G(ファイブジー)」ですが、それが生活にどのような影響があるのか良くわからないという声がありますので、できるだけ簡単に説明したいと思います。

 まず、5Gというのはモバイル通信規格で「モバイルネットワーク第五世代技術」のことであり、現在は4G(LTE)という規格が普及しています。

 1Gはアナログ携帯電話、2Gでデジタル化とデータ通信が開始され、番号が増えていくたびに規格が進化していき、通信速度が高速になっていきました。

 ちなみに3Gで初めて世界標準規格となり、当初の開発目標だった2Mbpsの通信速度が20Mbpsクラスまで高速化されました。※bps=(ビット毎秒)通信速度のこと

 その後、更なる高速化技術「LTE(Long Term Evolution)」が開発されましたが、これは正確には3.9Gと呼ばれています。

 その後に標準化されたIMT-Advanced規格が4Gと呼ばれるもので、速度も100Mbps(理論値)まで高速化したお陰で「スマートフォン」が実用的になり、急速に普及したのです。

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 さて、それでは5Gはどのような規格なのでしょうか。
 一言で表すなら「2020年代の社会を支えるモバイルネットワークを目指した規格」といえます。

 4Gのおよそ20倍の20Gbpsクラスの超高速無線通信でありながら、多数(数万台)の端末が密集している場所で安定的に、そして遅延なく通信できるというもので、ロボットなどの遠隔操作や自動運転自動車、また、大多数の人があつまる大規模スポーツイベントなどの活用を想定しています。

 東京五輪・パラリンピックを迎える2020年に実用化を目指していますので、競技会場にいながらにして、双眼鏡ではなく、スマートフォンの画面で拡大映像やリプレーを見たりできるようになります。

 例えば、サッカーのゴールシーンを会場にいながらスマートフォンで確認したりするなど、新しい観戦スタイルができ、楽しみが増えそうで、待ち遠しいです。

激動の2019~2020年

2019/02/12

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

2019年がスタートしてあっという間に1か月がたちました。今年は、天皇陛下退位と即位で5月1日、10月22日が祝日となります。

経営者にとっては、まず最初の10連休、旅行やレジャーなどビジネスチャンスだ!という業界もあれば、社員みんな10連休だと5月の売り上げが成り立たない!という切羽詰まった事業者さんもあることでしょう。いずれにしても、年末年始でさえ10連休というのはなかなかありませんので、配送や人員のやりくり、営業日数減をどこで取り戻すのか、など頭の痛いところです。

そして5月から新元号元年ということで結婚などのイベントも増えるといわれています。10月には消費税があがり、ビジネス環境が大きく変わる1年となりそうです。さらに2020年は東京オリンピックに嵐の活動休止、と続きます(嵐ツアーのたびに周辺ホテルは満室という現象が起きていますから経済的影響も大でしょう)。我が家的には娘が大の嵐ファンだったため、嵐ロスの影響は計り知れません。

中小企業支援策も、軽減税率対策補助金、ポイントバック制度、キャッシュレス対応の機器や手数料に対する補助などこれまで以上のたくさんのものが出てくる見通しです。もちろん、小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金、事業承継補助金などのメニューも継続される予定ですから、これまでのやり方を変え新しいことにチャレンジする絶好のチャンスでもあります。我が家の娘も、嵐活動休止までは2年弱ありますから、きっとその間に新しい人生へと踏み出してくれることでしょう。

「コンビニの競争力」

2019/02/07

佐藤コーディネータ

おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・佐藤です。

 

私が利用するある2つのコンビニ店のこと。

1つは駅すぐ前のA店。もう一方は駅から少し離れたB店。それぞれ差別化を図っていますが、私が良く買う、「新聞」の品揃えに違いはなく、少しでも便利なA店を利用していました。

 

ところが、ある日を境にA店からB店にブランドスイッチをします。

A店で新聞を買った時のこと。私が1000円札を差し出すと、レジ係の彼女は私が握るお札を奪うように取り上げ、レジの中へ。そしてお釣りを持って行けとばかりに荒々しく私に差し出します。えっ、と思い彼女の顔を見ると、その視線は別にあり、目が合うこともニコリとすることもありません。

多少のことはどこの店でもあるので、特に気に留めることはありませんが、この日ばかりはあまりにショッキングで、決断に至りました。

 

コンビニは飽和時代を迎え、フィットネスジム、シェア自転車サービスの併設、更には顔認証による省力化など競争は激化しています。これからのサービスの枠組みを構築することは大切なことですが、今回のことは、足元のサービス低下により顧客離れを起こすことの象徴です。コンビニ業界に関わらず未来のサービスを提供する前に、顧客に離脱されないよう筋道をつくり上げることの必要を改めて感じました。

SDGs経営元年

2019/02/05

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 昨年12月に「SDGs(持続可能な開発目標)時代の環境と社会、そして未来へ」をテーマに東京ビッグサイトでエコプロ2018が開催され、見学する機会がありました。出展内容は大学サークルのリサイクル活動から大規模な火力発電プラントの排ガス中のCO2を回収するCCS(CO2回収貯留技術)まで、参加者も小学生の社会見学から企業や大学の専門家まで一堂に会した一大イベントでした。会場内の食事処も食材や容器等にエコを意識したもので、身近なところまでエコ活動が浸透しつつあることを感じました。


 その余韻も冷めやらぬある休日に、自宅で焼いたホットケーキを味わうことになりました。甘いのがいいということになり、家内が冷蔵庫から取り出してきたスプレー缶のノズルから簡単にふわふわしたホイップクリームを出しました。こんな便利なものがあるのだと驚きましたが、表示を見てまたびっくり。なんとスプレーガスに亜酸化窒素(N2O、別名笑気ガス)が使われていました。亜酸化窒素の地球温暖化係数はCO2の約300倍(メタン:25倍)あります。


 そこで、この欧州から輸入したスプレー缶のホイップクリームと、地元中国地方の生クリームを入手して自宅で泡立てた場合の2つのケースについて、輸送時と泡立時のCO2排出換算量を試算し、それにクリームの利便性を下の表1にまとめてみました。スプレー缶のホイップクリームのCO2排出換算量は688gとかなり高くなりますが、いつでもどこでも必要な量だけ利用でき利便性に優れています。一方、生クリームの場合はその逆で、CO2排出換算量は25g(スプレー缶タイプの約1/30)になりますが、調理に時間を要し、少量の使用に不向きで利便性に難があります。これらを見比べると、どちらを選択すればよいのか悩んでしまいます。


 温暖化対策は、このように本質を理解した上で、つくる責任つかう責任を念頭におき、消費者はかしこい選択を、生産者は持続可能性(社会・環境)と性能利便性(経済価値)の両立を目指すことが重要です。今年は「SDGs経営」の元年といわれています。

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変化を機会に~変わるスーツの買い方~

2018/12/11

佐藤コーディネータ

おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・佐藤です。


息子が新社会人になるにあたり、門出を祝うためスーツを見に行った時のこと。

スーツといえば「洋服の青山」かなと思いつつ、調べてみるとオーダースーツを革新的な価格で販売する店がいくつも誕生していました。例えばパターンオーダー2着合わせて48,000円(1着24,000円)とか、イタリア輸入の高級生地でも2着68,000円(1着34,000円)と驚きです。業界NO.1の青山では、客単価@28,000円といわれているので、既製品よりもお得な価格のものも少なくありません。


生地の大量直接仕入れ、縫製工場の内製化、在庫ロスの軽減、ネット広告での販促によりコストを落としつつ、顧客の好みやスタイルに合わせたスーツを仕立ててくれます。既製品ではパンツの裾の調整位ですが、あちこち採寸して上下とも体にフィットしたものに仕立ててくれるので息子も満足そうでした。

スーツを着る世代人口が減り、またクールビズなどカジュアル化が進むなどスーツの販売額はピーク時の70%減とも言われていますが、それを機会ととらえ新規参入するうねりが来ています。


購入者からするとより良い買い物ができる選択肢が増えているので、購入検討中の方は一度お調べになられると良いと思います。

ET & IoT Technology 2018に行きました

2018/12/10

姫野コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 2018年11月14日からパシフィコ横浜で開催された展示会に行ってきました。


 今回の全体テーマは「IoT新潮流のコア技術"エッジテクノロジー"がスマート社会を加速する」という内容であり、アジア最大規模と言うだけあって、6つのテーマゾーンに分かれて出展410社(団体)、820小間の規模でした。


 今回の展示会で多く見られ、興味を引いたのが「エッジコンピューティング」に関する技術や製品の展示でした。


 それは何?と思われた方もいるでしょうが、簡単に言えば「端末の近くにサーバーを分散配置する」というコンピュータ・ネットワークの技法です。

 つまり、最近流行の「クラウドコンピューテング」を端末に近いところに置くという考えで、特に複雑な処理が多くあるAI(人工知能)には有効であるようです。


 例えば、車の自動運転でインターネットを介して「クラウドコンピューテング」だけで処理を行うと、通信での遅延が発生するなど、実用的ではありません。

 そこで、「エッジコンピューティング」の技術を活用して遅延をなくし処理や判断を行います。


 その技術が一番進んでいると感じたのが、グラフィックボードで有名な
米国NVIDIA(エヌビディア)社の技術で、会場のあちこちで活用した製品や利用例が出されていました。


 それ以外にも、見るべき物が沢山ありましたが、また次回とさせて頂きます。

オンラインとオフライン

2018/12/07

姫野コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 「オンライン」と「オフライン」という言葉はよく使われていますが、元々はコンピュータ用語です。


 「オンライン」はコンピュータがネットワークに接続している状態、「オフライン」はネットワークなどで他のコンピュータに接続されていない状態です。


 コンピュータの歴史を振り返ると、元々「オンライン」で動作するのが「普通」でした。


 いわゆる大型コンピュータ(メインフレーム)では、操作や計算結果の表示などを行うのが「端末(ターミナル)」であり「オンライン」で接続されることで利用できましたが、当時のコンピュータは高額であり、大学や大企業などでシェア利用することから、利用時間などは限られていました。


 【写真:メインフレーム】
メインフレーム.jpg







 いつでもどこでも利用できる自分だけのコンピュータが欲しい、ということから生まれたのが、単体で「オフライン」で動作する、「パーソナルコンピュータ」つまりパソコンが誕生したのです。


 ここであれっ、と思ったかたもいらっしゃるかと思います。


 そうです、インターネットはコンピュータ同士が繋がっていることから、まさに「オンライン」です。


 つまり、世界中のサーバーやパソコンが接続された超大型コンピュータが「インターネット」であると考えても良いでしょう。


 そう言う意味では原点回帰かもしれません。


 結局、コンピュータは繋がることが、一番真価を発揮するということですね。

 

 

空のアート

2018/12/06

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 昼休みに散歩していると、思いもよらぬ光景に出くわすことがあります。115日(月)12時過ぎ、ミクシスビルの海側の上空にVの字をした飛行機雲が現れました。日本シリーズで破れたのにVはないだろうと思いつつ、滅多にみられない飛行機雲なので写真に収めました。「UFOの出現か!」とタイトルを付けたいところですが、そこは技術者の性で、なぜ?という疑問が湧いてきました。

 なぜ飛行機雲がVの字になっているのか?それは、1機の飛行機では折れ曲がったVの字は描けず、2機の飛行機の仕業でしょう。だとすれば、なぜ飛行機雲が途中で消えるのか?それは、エンジンから噴出した水蒸気を含んだ燃焼ガスが大気に放出され、この水蒸気が水滴や氷滴になる温度・圧力(状態)では飛行機雲ができ、透明な水蒸気のままでいられる状態では飛行機雲ができません。つまり、上空に状態の分布があるからでしょう。それでは、なぜVの字の角がくっ付いているのか?それは近い時刻に2機の飛行機がねじれの位置で交わり、観察者から見えるその交点が偶然にも水蒸気の相変化の状態閾値と一致したのだろうと推定しています。

 工業製品のトラブルや製造過程で問題が生じた場合の原因究明に、このような「なぜ?なぜ?」を繰り返しながらどんどん深堀し、真因に辿りつく手法があります。この手法は、過去の経験を組み合わせる帰納法であり、要因の中から原因を特定するのに有効です。

 今回のVの字の飛行機雲では、まず発生メカニズムに関心が向きましたが、ごく素直に自然と人工物が演出した空のアートとしての見方も加えながら、心豊かな昼休みのひとときを過ごしました。

(写真の左建物はLECTの海側、2018年11月5日(月)12時44分筆者撮影)

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平成最後の・・・

2018/12/05

姫野コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 いよいよ2019年4月30日に天皇陛下が退位され「平成」が終わります。

 翌5月1日に皇太子さまが新天皇に即位され新元号になりますが、その日が刻々と近づいてきております。

 
 新年号が何になるのか、今からとても楽しみですが、このところTVやラジオなどである言葉をよく耳にするようになりました。


 それは、「平成最後の・・・」という言葉です。


 例えば、「平成最後の秋」とか「平成最後の忘年会」とか、

何でも付けてしまいます。

 振り返ってみると、平成はバブル崩壊から何だか少々暗い

停滞の時代だったように思います。

 自然災害の猛威も多くありました。


 そのようなことから、特に中小企業にとっては暗く長い

トンネルのような時代であったかもしれません。

 
 それでも、平成という時代を生き抜いてきたのが、

日本の中小企業であると思います。

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 残り少ない平成を楽しみながら、新しい元号を迎えられたらと思います。


 皆様は平成最後の年・・・何をされますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AI、グローバルの時代

2018/11/29

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

   

先日、京都に住む大学生の娘に家電製品を購入するのに、中小企業支援センターのコーディネータとしては町の電気屋さんで買わねばと心が痛みましたがどうしても日中買い物に行く時間がなく、夜中に某大手ネット通販でぽちっとしました。

その後、指定した配送日時には娘が不在だとわかり、注文から3時間後の深夜1時くらいにカスタマーセンターへ配送日時変更がサイトからできないのか問い合わせのメールをしたところ、朝4時には返信がありました。しかし内容がこちらの意図と微妙にかみあっておらず、もしかしてAIによる返信?と疑って読み進めたところ、最後に「カスタマーセンター 胡(コ)」との署名が。その次のメールの署名は「カスタマーセンター 周(シュウ)」とあります。日本語の達者な外国人が、もしかして時差で日中の勤務時間となる海外のどこかから返信したのか、もしくは都会のコンビニのように深夜労働を担う主力はもはや外国人労働者なのかもしれない、と納得しました。

しかし、別に朝4時に返信してもらえなくても、消費者が配送業者の再配達問題を社会問題としてとらえ、できるだけ配送業者の負担を減らしたいと心を痛め、できるだけ早く配送日時を変更したいというこちらの意図を汲んだ対応をしてもらうほうが大事なわけです。それがいったん発注したら途中では止められないシステム、というのは、完璧に見える大手ネット通販サイトにも隙あり!?カスタマーセンターの返信内容からは、消費者は自分の損得しか考えていないのだからクレームがきたらとりあえずお詫びのポイント進呈しておこう、という杓子定規な対応になっているように感じました。

この違和感は、ネットだからこそ大切な部分のように思います。中小企業がどこまで世界的な大手に立ち向かえるかはかなりの難題ですが、わずかながらでも勝てる部分、というのは、消費者の細かい心情に寄り添った商売というところに残っているのかもしれません。

朔日参り

2018/10/18

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

  

 最近、若い人たちの間でも節目節目に神社にお参りしたり、盛り塩したり、満月や新月、二十四節気など季節の行事を大切にするという人が増えているように感じます。昔ながらの日本の知恵が受け継がれていくのはとてもいいことですね。

 広島に住んでいるといつでも行けるから、渋滞するから、人が多いから、と意外と行く機会もなかったりする宮島ですが、朔日参りに行かれたことはありますか?毎月一日は、時刻表にはありませんが朝五時半発のフェリーが無料で乗船できます。もちろん渋滞に巻き込まれることもありません。季節によっては朝日を浴びながら、また冬場は真っ暗な中を厳島神社や大願寺、大聖院へと参拝し、新しい月を新たな気持ちでスタートできます。近くに住んでいるからこそ、参拝後に普段通り仕事することも可能ですね。毎月一日にしか売られない「ついたち団子」などこの日、この時間だけの特別なメニューを出しているお店もあり、ひそかな観光資源になると感じています。一度早起きしてお参りしてみてはいかがでしょうか。

「就職協定 ルール廃止に思うこと」

2018/10/16

佐藤コーディネータ

おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・佐藤です。

経団連が2021年春から採用ルールを廃止する意向を示したと報道がありました。

永く採用の仕事に携わってきましたのでよもやま話を少し・・・

産業界、学生の双方にとって好ましい方向に踏み出したと感じています。大学生が勉強して専門性を磨き、企業はその到達度を評価するスタイルになることを期待してのことです。協定廃止にあたっては、就職活動の長期化により学生が学業に専念できなくなるとの懸念がありますが、杞憂だと思っています。

多くの学生は受験が終わると、勉強よりもバイトや部活に専念します。3年夏になると、バイトや部活での活動体験を武器に就職活動を始めます。企業もポテンシャル採用と称し、学業のことは殆ど問わず、人間性や行動特性を測ります。

学生の本分は学業です。専門性を磨き、それを活かす場を決めるのが就職です。専門性を磨くことが就職に有利に働くのであれば、多くの学生は協定に関係なく学業に専念できるはずです。

実はこの価値観や動きはすでに少なくない企業や学生の中では共有されています。

経団連会員外の人気のIT企業や外資系企業は、すでに舵を切っているのです。

自分の過去はすっかり棚に上げて(笑)、学生にはしっかり勉強して、未来を謳歌して欲しいと思っています。

山田錦に思うこと

2018/10/11

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 今年の中秋の名月は雨で残念でしたが、虫の音を聞きながらお月さんを眺め日本酒で一杯、そんな季節になりました。かく言う私は、あまりお酒は飲めませんが、おちょこで少しだけ味わうのが好きです。日本酒は、原料に米、水、麹、酵母を使い、米のでんぷんを麹で糖化しながら、酵母で糖をアルコールに発酵し、狙った香味に仕上げたものです。今回、酒造りの中でも最も重要な酒米について書いてみたいと思います。

 日本酒造りには我々主食としているうるち米とは違った性質が必要とされます。一つ目は、大粒米が好まれることです。米の主成分はでんぷんですが、表層に近いほど脂肪、灰分、タンパク質が多く含まれ雑味の原因となるため、精米によりできるだけ表面を削りとり芯の部分のみ使います。そのため、粒が大きいほど有利になります。二つ目は、うるち米とは正反対で、中心が白色の米が適していることです。芯にある白い部分は多孔質で吸水性がよく、麹をはたらきやすくするためです。これらの特性を満足する酒米の代表として、播磨でうまれた山田錦が知られています。

 約20年前に趣味が高じて酒米の山田錦と、うるち米のヒノヒカリ、コガネマサリを一緒に植え、その成長を比較したことがあります。山田錦は酒米としての性質に優れていますが、写真のようにうるち米に比べ背丈が100~200mm高く、粒が大きく穂が長くて重いため風で倒れ易い等、農家にとっては作りにくい品種であることがよく分かりました。そのような短所があっても、それ以上に酒米としての性質が優れているために酒造好適米の代表として位置づけられているのです。

 長所と短所が共存する場合は、短所を補うよりも長所を伸ばす方がよい成果が得られます。私は、企業時代に新製品の開発を数多く経験してきましたが、開発初期に存在した短所も、長所を伸ばすことにより、系全体がより単純化し、短所の要因も特定しやすくなり、長所を損ねず総合的に対策もすることも可能となります。このことは、長所と短所を併せ持つ山田錦と重なるところがあります。秋の夜長、日本酒を少しずつ頂きながらあれこれ思いをめぐらせてみたいと思っています。

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がんばろう広島

2018/08/23

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

  

当センターも広島市の関連施設なので8月6日はお休みでした。今年は豪雨災害から1か月ということもあり、改めて祈りの一日となりました。

生まれが福山なので、夏の始まりとともに「ハチロク」関連行事が大小数多く行われ、暮らしの中に溶け込んでいることに最初は驚きましたが、子どもたちにはそんな広島をきちんと継承させたいと娘が小学生のころ、8月6日の灯篭流しに行きました。私は「カープ優勝」と当時の市民の切なる願いを灯篭に書きましたが、わざわざ書くくらいに「優勝なんて夢のまた夢」という感覚だったことをよく覚えています。


それからまだ10年もたっていないのに、カープは三連覇をめざすほど強くなり、「この世界の片隅に」のロングランヒットなど広島が日本中から注目され、世界的にもトリップアドバイザーの人気観光地ランキング2位が平和記念資料館、3位が宮島となっています。いつのまにか、それが当たり前に思えていたかもしれませんが、実はすごい努力の積み重ねの結果だったのだと思います。


豪雨災害でたくさんの事業者の方々も被害を受け、瀬戸内エリアの観光地も客足が落ち込んでいますが、きっとカープとサンフレッチェが日本一となり、再び広島を元気づけてくれることでしょう。

私たち一人一人もできることを精いっぱいやって、地域の元気を支えていきたいですね。

「雨が降ったら傘をさすこと」

2018/08/21

佐藤コーディネータ

おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・佐藤です。

これは20代の時に当時の上司に勧められ読んだ松下幸之助さんの著書「経営のコツここなりと気づいた価値は百万両」にある最も印象深い一説です。

それ以降何度も読み返しましたが、今でもその大切さを感じることが尽きません。

その一説とは、

ある記者が経営の神様といわれていた幸之助氏に

「会社経営の秘訣はなんですか?」と聞いたところ

「そうですなあ。雨が降れば傘をさすことではないでしょうか」

との返事。

記者がきょとんとしていると

「周りをよく見てください。傘を持っているのにささずにずぶ濡れになっている人もいれば、頭の上にさせばよいのに、横に向いてさしている人もいる。なかなか難儀なんではないでしょうか」

とのこと。

つまり、当たり前を当たり前にやることこそ、実は難しく、とても大事だとのことです。

お客様の声に耳を傾ける。互いに協力し合う。責任をもって仕事をする。困った人を助ける。約束を守る。うそをつかない。人にやさしくする。いつも前向きに挑戦を続ける・・・

ニュースになるような不祥事や問題を見ていると、改めてこの言葉の重みを感じます。

あれから二十数年が経ちますが、心の葛藤があると、その度に幸之助さんの本を手に取ります。

本を読み返した数が、葛藤した回数だったのかもと思い出しながら、改めてその大事さを噛みしめています。

エアコンの省エネ

2018/08/16

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 この度の平成307月豪雨で犠牲になられた方にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方にお見舞い申し上げます。豪雨の後は一転して35℃を超える猛暑日が続いており、今時夏を元気に乗り切るためにはエアコンが必需品となっています。最近の天気予報では、「生命に危険を及ぼす暑さとなります。適切にエアコンを使いましょうという。」というコメントが流されるほどです。

 今回、家庭での夏場日中の消費電力の58%を占めるエアコンの省エネ対策について述べたいと思います。エアコンは、室内機と室外機の間を熱の運び屋である冷媒が循環し、圧縮凝縮と減圧蒸発を繰り返すことで、夏場は室内の熱を室外に汲み出し、冬場は室外の熱を部屋に汲み入れる「ヒートポンプ」です。ポンプですから熱を移動させるだけで、電熱ヒータのようにジュール熱を発生させるものではありません。したがって、ヒートポンプは、消費するエネルギーよりも大きなエネルギーを移動させることができ、工夫次第で省エネを追求することができます。

 ヒートポンプの省エネポイントは、第一に室外機と室内機の作動温度差が小さいこと、また窓からの熱の授受が少ないことです。この理屈から、冷房時には次の対策が有効です。

1.室内機と室外機の作動温度差低減と窓からの熱の授受抑制

(1)部屋の設定温度を上げる。

  ただし、快適性を維持し、我慢しない程度。設定温度を1℃上げると約10%節電。

(2)室外機への直射日光を遮り、風通しを良くする。
  我が家では、写真のように簾を使って日陰をつくっています。

(3)窓からの日射を遮断する。

  ブラインドやカーテンを利用する。我が家では、グリーンカーテンも併用。


 第二に、室内機や室外機の熱移動を促進することで作動温度差低減と等価の効果が得られます。これには、次の対策が挙げられます。

2.室内機や室外機の熱移動促進

(1)室外機の周りに風の流れの妨げになるものを置かない。

(2)室内機のフィルターを定期的に掃除する。

(3)室内機の送風ファンの流速を上げる。

  送風ファンの消費電力の上昇よりも、圧縮機の消費電力の低減効果が大きい。

 第三に、起動時と運転パターンの適正化です。エアコンは起動から約10分までの消費電力が最も大きいことが知られています。そのため、次の対策が有効です。

3.エアコン起動時と運転パターン

(1)起動前に、まず部屋にこもった熱を換気する。

(2)エアコンは断続運転より連続運転の方が省エネに有利。(断続運転条件による)

  例えば、30分運転、5分停止の繰り返しより、連続運転の方が約3割省エネ。電灯やテレビのように、こまめにスイッチを入切すれば節電できるのとは異なります。

 まだまだ残暑厳しい日々が続きそうです。エアコンを適切な条件で使用し、快適性を維持したまま省エネを実現してみてはいかがでしょうか。

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伸びる方の共通点

2018/06/28

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

  

凡人は賢者から学ぶ

愚者は賢者からも学ばない

賢者は愚者からも学ぶ

創業の夢や悩みをお聞かせいただき、市をはじめ公的支援策や私の経験からできることをお手伝いする、という毎日はとても充実しています。

日々多くの事業者様とお話しする中で、伸びている方には共通点を感じます。それは些細なことからもヒントを見出し自社の事業に反映させる応用力、できることからすぐに着手する実行力。

コーディネータは、料理も作れませんしプログラムも開発できません。各事業の専門性はご相談者の領域です。私たちは幅広くいろんな業種や支援機関の方と関わっているからこそ見える第三者として経営的な視点や消費者目線でご提案しますが、もちろん合わないこともあると思います。そのときに、「それはうちでは通用しない」と切り捨てるか、「うちではこうやればできるのでは」とアレンジいただけるのか、時には的外れな意見であっても素直に聞いていただける方は、愚者からもヒントを得る賢者ではないでしょうか。

「変わる組織マネジメント」に寄り添う

2018/06/26

佐藤コーディネータ

おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・佐藤です。

最近、経営者との話の中で出てくる話題の一つが、組織マネジメントのあり方についてです。

永く関わってきたテーマでもあるので、その背景や私の向き合い方について、しばしお付き合いください。

「もっと主体的に、活き活きと働いて欲しい」「もっと経営や事業運営に参加して欲しい」よく聞く、経営者の願いです。

変化が激しく、多様化する成熟マーケットに対応するためには、顧客接点を持つ従業員が変化を敏感に受信し、商品プロデュースする役割を担うことが欠かせません。

もはや経営者の一存で決めるリスクの方が大きくなっています。

しかし、従業員の意識を変え、経営参画を促すことは容易ではありません。

これまでの成長マーケットでは、トップの号令の下、指示されたことを正確に早く実行する従業員が求められ、副作用として多くの指示待ち族を生みました。

また他方で従業員に自由を許容することは、管理を軸にしてきたマネジメントから決別することを意味し、疑心暗鬼で踏み切れない経営者も少なくないようです。

組織としての規律を維持しながら、従業員の自由な発想や行動をいかに経営に取り込むのか。

一旦、従来のマネジメントを否定し再構築することが求められています。

何より経営者自身が変化することを余儀なくされています。

経営者は孤独なもの。こんな大事なことほど相談相手がいないものです。

そんな経営者に寄り添い、ありたい姿を実現できるようサポートをしていきたいと思っています!

鬼ヶ城山の登山

2018/06/21

向井コーディネータ(技術)

 おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 私は通勤時に新井口駅とミクシスビルの間を歩いていますが、いつも駅の北側にある山が気になっていました。地図によると、駅のすぐ上が鈴が峰、その鬼門の方向にあるのが鬼ヶ城山だそうです。

 ふと、周防大島出身の民族学者宮本常一氏のことを思い出しました。氏が郷里を離れて大阪に出向くときに、親から贈られた餞別の言葉の一つが、「見知らぬ土地に行ったなら、その土地で一番高いところに登りなさい。そうすれば、その土地の人々の暮らしがよく分かる。」という趣旨のことです。

 私も氏に倣い、五月連休の天気のよい日に、美鈴が丘団地から入り、鬼ヶ城山に登りました。20分程度で気軽に登れる割には、頂上は壮観で、センターのあるミクシスビルはもちろんのこと、広島市の中心部、シティタワー広島、太田川放水路や主要な河川、黄金山、似島が望めました。グーグルアースにはない、本物の広島市の中心地を自分の目で確かめることができ、私の仕事のフィールドであることに、気持ちを新たにしました。また、情報を得るためのプロセスを楽しみ、本物を見て感じるという、少し忘れかけていた人本来の営みを思い出したような気がしました。

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チャンス到来!中小企業こそIT利活用で効率化を!

2018/06/07

姫野コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 昨今は政府が目指している「働き方改革」に関しての話題が多く聞かれますが、その根底の1つとして中小企業の「業務改善」が進んでないことがあります。

 「業務改善」の解決策の1つとして「IT化」があります。

 ただ、IT化は中小企業にとってはハードルが高く、なかなか取り組めないことや、どうしても投資となるため、費用対効果を先に見通せないなど難しい事でもあります。

 しかし、昨今はクラウドシステムなど安価な使用料でIT化できる仕組みがあります。まさに中小企業の為にあるサービスだと思います。

 今年度も「IT導入補助金」という制度が始まっています。特に費用のかかる導入コストや操作説明などのソフト部分の費用が一部補助されます。
 ここでは詳細は記載しませんので、下記のサイトをご確認ください。

   「IT導入補助金サイト

 この機会をお見逃し無く、いまこそITを利活用して効率化を図ることを検討して業務改善を行い効率的な経営を目指すべきです。

 広島市中小企業支援センターでも、IT導入補助金の相談を承っております。


 特に「自社のどの部分をIT化すればよいか」「どのITツールを導入すれば良いか」など経営に直結したIT化は経営戦略と一体で考える必要がありますので、その部分から相談に応じています。お気軽にご相談ください。

創業というチャレンジを応援します!

2018/05/01

阿須賀コーディネータ(創業支援) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・阿須賀です。

  

本年4月より創業支援コーディネータを拝命しました。広島で創業に興味のある方、創業をめざす方、創業間もない方のお役に立てるようがんばります。

私自身も、18年前に夫の転勤という女性によくある理由で副編集長まで務めたタウン誌出版社を退職し、フリーランスとして独立。小学生と保育園児3人の子育てをしながら自宅で仕事をスタートし、事務所がほしいと岡山県のインキュベーション施設に入居したり、ビジネスプランコンテストで大賞をいただくなどで実績を積みました。その後、広島に拠点を移し、中小企業様の営業・販路開拓・広告宣伝・商品開発などのサポートをするなかで山口、福岡、三重、京都、静岡、島根、広島などで創業支援に携わることが増え、今に至っています。創業サポートで大事にしているのは、ご自身の強み、それまでの経験やスキルに想いや夢、アイデアを加え、競合のいないオリジナルのビジネスモデルを作ることです。ぜひお気軽にご相談ください。一緒に夢をかなえましょう。

スポーツクラブにはまっています!

2018/04/26

佐藤コーディネータ

おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・佐藤です。

本年4月よりこの役割を担うことになりましたので、よろしくお願いいたします。

私の人となりを知っていただくため、しばし独り言にお付き合いください。

ここ最近は、スポーツクラブ通いにはまっています!

健康診断でメタボ認定され、保健婦さんから短命宣告を受けたのがきっかけですが、すっかり日常のルーチンになり、

筋トレ+有酸素運動で週2回程度通っています。

当初は健康寿命を延ばす程度にと思っていましたが、のめり込みやすい性分も手伝い、いつの間にか隣の若者を意識しながら、汗を流すようになっています ^^

体に負荷をかけることで、ムダな脂肪が燃焼するには狙い通りだったのですが、プラスの副作用もあり、気持ちが若返り、ポジティブになりました!

なんでも筋トレにより成長ホルモンの分泌が促されるそうなのです!!

成長ホルモンの分泌は16歳がピークですが、代謝のため量は減るものの歳をとっても出続けるものだそうです。成長ホルモンは体にも脳にも作用するので、分泌量が増えることで気持ちも若返るというのがメカニズムと聞きました。

「いい歳なんだから・・・」と、旧友には冷やかされますが、心地よさが気に入っていて、もう少しこのマイブームは続きそうです^^

技術屋の屁理屈

2018/04/24

向井コーディネータ(技術)

 おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。今年度、技術を担当させていただきます。よろしくお願い致します。

 3月後半の休日に、道路で走って転んで手の平、両膝、右肩、右頬を擦りむき、メガネも曲がってしまった。奇しくも、労働安全コンサルタントの合格証が届いた日の出来事である。

 子どもの頃はよく転んだが、こんなにひどい怪我には繋がらなかったと思いつつ、一つ理屈がひらめいた。人間同じプロポーション(相似形)で大きくなった場合、体重は代表長さ(例えば身長)の3乗に比例し、体の表面積は代表長さの2乗に比例する。したがって、転んだときの面圧は代表長さに比例して大きくなり、大人の方が大きな怪我に繋がりやすいというもの。なかなかよくできた理屈である。

 早速家内に、大人になって転ぶとこれくらいの怪我は自然の道理にかなっているのだと得意に話したところ、一蹴されてしまった。そんな理屈よりも、単に太ったことに加え足腰が弱ったのだという。返す言葉が見当たらず、現実の世界に引き戻された。

 物事は一般的な見方だけでなく、それ固有の因子も考慮しないと本質的な原因を見誤る危険がある。これからコーディネータ活動に取り組みますが、課題に対してボトルネックとなる問題点を多面的かつ俯瞰的に探り、それに応じた適切な対策や支援を心掛けたい。こんな調子で、骨の髄まで技術屋です。技術的なことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。お待ちしております。

応援メッセージ

2018/03/08

橋口コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

 今月末で6年間に亘るコーディネータ(経営担当)業務を終えることになりました。

この間、40年振りに戻ってきた故郷ひろしまで、中小企業様の経営課題解決にお役に立ちたいという情熱を変わらず持ち続けて仕事をすることが出来たことは、とても幸せだったと思っています。

ブログについても、白書・本や講演会(含、講演者著書)からの「経営のヒント」となる情報がほとんどではありましたが、毎回「自分の視点」を大切にして心を込めて報告させて頂きました。
最終回は、まとめとして、これまでのブログを経営に関する5つのテーマごとに並べなおしてみました。これをもって皆様への最後の応援メッセージに代えさせて頂きます。


(1) 経営戦略(ビジネスモデル)
 ① CSV(CreatingSharedValue)経営(中小企業白書)(2014/9/4)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2014/09/04/index.html
 ② CSV(共有価値の創造)実践の事例紹介(2015/3/12)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2015/03/12/index.html
 ③ 御社は何型を目指しますか?(ものづくり白書)(2013/8/15)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2013/08/15/index.html
 ④ ものづくりを通じて価値づくりを進める(ものづくり白書)(2016/8/16)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2016/08/16/index.html
 ⑤ 安定ある成長を続けるために(2017/11/20)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2017/11/post-1152.html



(2) 経営革新(プロダクトイノベーション)
 ① 販路開拓でお悩みの皆さんへ(2013/2/14)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2013/02/14/index.html
 ② 革新的経営者による新事業創造パターン(2016/10/20)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2016/10/20/index.html

 ③ 超高齢化社会を支えるプロダクト・イノベーション(2017/2/28)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2017/02/28/index.html
 ④ デザイン思考(ものづくり白書)(2017/9/14)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2017/09/14/index.html


   
(3) 経営革新(IT及びIoT)
 ① IoTがものづくりを変える(ものづくり白書)(2015/10/22)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2015/10/22/index.html
 ② ソリューション起点でのデジタル技術の活用(ものづくり白書)(2017/8/17)

https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2017/08/201.html
 ③ 第4次産業革命で生産性向上を(2018/1/18)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2018/01/18/index.html



(4) 経営管理(経営力の強化)
 ① 財務の備えはありますか?(2013/10/15)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2013/10/15/index.html
 ② 経営のコツ(2015/1/15)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2015/01/15/index.html
 ③ 中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン(2015/6/23)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2015/06/23/index.html
 ④ 青山学院大学 原監督の成功の要因(2016/3/3)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2016/03/03/index.html
 ⑤ あなたは会社のことが見えていますか?(2016/6/21)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2016/06/21/index.html



(5) 創業(ベンチャー)
 ① 地域を元気にする起業を(2012/11/20、22)
https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2012/11/post-732.html

https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2012/11/22/index.html

 ② 情熱・忍耐そして仲間(ユーグレナ出雲充社長)(2013/12/19)

https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2013/12/19/index.html

 ③ 小さな会社の稼ぐ技術(2017/5/18)

https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/assistblog/2017/05/post-1105.html



終わりに
最近読んだ「定年バカ」(勢古 浩爾著)※が戒めるように、「達人ズラをした偽物たち」のアドバイスに出来るだけ惑わされないようにしながら、この一年で

「はじめての70歳」になる準備を、ゆっくりとしていきたいと思っています。

※お金・生きがい・健康・社交・定年不安・未練・終活の各項目ごとに達人たちのアドバイスに対する著者の想いが書かれています。


長い間ありがとうございました。

「共感力」について

2018/02/15

藤井コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

 

 永年の民間企業での営業の経験及び現在のコーディネータ業務で実に多くの名刺を頂戴しました。感謝の一言です。

この名刺のお陰で全国各地区に知人がいてお逢いするのも楽しみとなっています。
然し、名刺を見ても思い出せない人も多くいます。この記憶に有る・無いの違いは何だろうと考えてみました。これは「共感力」の違いだろうと考えます。

 共感力とは「相手の立場や視点に立って物事を判断する力。良好な人間関係を築くには欠かせない能力」といわれています。そういう意味では記憶にない人は名刺交換だけのビジネス優先のお付き合いだったのでしょう。

共感力は人間関係の鍵で

  • 1.共感能力は他人の気持ちがわかる。他人を思いやれる、周囲の人々の雰囲気を把握できる能力。
  • 2.相手の立場になりきる能力、相手の身になったらどうかを感じとり、それが辛いものならば辛さを軽減してあげようとする能力。
  • 3.お客様との会話から「真のニーズ」をくみ取る能力=共感力です。
  • 4.周囲に「共感」し、周囲から「共感」されることで、周囲との良好な人間関係を築くことができます。


SNS時代でもこの「人間関係の共感力」は不変で、この共感力は鍛えることができます。

 今年の大河ドラマの'西郷どん'が放映されています。低視聴率のスタートでしたが
これから面白くなるでしょう。このドラマを観てテーマは「共感力」と感じています。
皆様も共感力を高めていきましょう!

SNS利用だけの販促を考える(2)

2018/02/01

姫野コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
 
 前回、11月30日のブログではTwitterやFacebookなどのSNSが新しいメディアとして台頭している中、SNSのデメリットとして、それを広報に活用すると、必要としている潜在顧客に届くかどうかが分からない欠点も持ち合わせているという事で終わりました。


 ではSNSを既存メディアのように広く潜在顧客に届くようにするにはどのようにすればよいでしょうか?


 昔(といっても20年以上前)はインターネットが普及してなくネットショップという概念もない状態でした。

 その時代に新しい商売を始めて広告といえば、「電話帳広告」と「チラシ(新聞広告)」が大きな広告媒体でした。

 もちろん、それは費用がかかる有料広告であり、来店者が増えることでそこから口コミでも広がるという状況でした。


 そこから考えるとSNSはどのカテゴリでしょうか?それは、口コミだと考えられます。

 良く勘違いされるのはSNSが広報だと考えることですが、無料でのフォロワーを増やす間は口コミとなんら変わらないのです。


 例えば有名人や芸能人などは既に知っている人が多いためフォロワー数の増加で十分良い宣伝になるのです。しかし、一般の店舗ではSNSで口コミしても限界があります。

 つまり多少費用を掛けてSNSで広告を行うことや、フォロワーの方に自分の商売に対して記事を書いて貰うなど工夫により「潜在顧客」に届くということになります。

 
 まだ他にもありますが「無料」では限界がある事を認識して、広告や広報は商売の基本として必要であると考えたSNSの広報活用を考える必要があると思います。

第4次産業革命で生産性向上を

2018/01/18

橋口コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

 これから中小企業がさらに成長して行くためにはIoTやAIを駆使して第4次産業革命の波を上手く利用して行くことが必須です。コーディネータも、企業の皆さんと一緒に対応を考えて行くために、積極的に講演会や展示会に出かけて話を聞き、また実物を見て五感を使って情報を収集することが大切と思っています。

 以前著書を読んだことのある井上智洋 駒沢大学准教授の、昨秋の講演では、第4次産業革命に向けて企業のなすべきこととして、(1)AI化以前にまずIT化(基本はペーパレス化)を(2)クリエィティブな仕事に特化していく(3)文系のビジネスマンも一度はプログラミングをという3つの提言をされました。そして2030年以降に実現が予想される汎用AIの時代(※①)に人間に残される仕事の特徴を(1)クリエイティヴィティ(2)マネジメント(3)ホスピタリティとしてまとめられ印象深く聞きました。
このセミナー(※②)では同時にボッシュにおけるインダストリィ4.0の進め方の講演も聞くことが出来ました。
また、実例の見聞として、町工場でも成果の出るIoT「製造ライン遠隔モニタリングシステム」の講演(※③)を聞いたり、共創型ロボットや「ひろしま生産技術の会」(※④)のIoTへの取り組みなどの実物の展示を見、そして担当者から直接話もお聞きしました(※⑤)。


 ところで、1月1日付の「中小企業NEWS」(※⑥)の「中小企業の新たな時代の到来―第4次産業革命をどう活かすか」というテーマの座談会の中で、高田中小企業基盤整備機構理事長は、これからの人口減少時代には、1人当りの生産性を上げて付加価値を高め、全体のパイを大きくしなくてはならない。そのために中小企業の全体の8割以上を占める小規模事業者が実装できるAIやIoT技術をどう作っていくかが課題で、支援機関が組織的に支援していくことも必要と発言されています。


 今後、小規模事業者様に対して、公的支援制度のご紹介や申請支援は言うまでもなく、ものづくり企業とIT企業及び研究機関(含、大学)とのマッチングやひろしまIT融合フォーラムなどを利用した支援機関(含、行政機関)同士が連携した支援を強化していくことが、ますます重要になって来ると思います。


※① 2030年までは、ある目的に特化された「特化型AIの時代」と定義している

   参考図書:「人工知能と経済の未来」井上智洋著(文春新書)

※② 生産プロセス革新セミナー「第4次産業革命とインダストリィ4.0」

   (中国経済産業局他主催、2017/10/16)
※③ ものづくり連携倶楽部ひろしま 講演会

   (広島県中小企業団体中央会主催、2017/10/11)

※④ 正規活動メンバー21社(事務局株式会社ヒロテック内)
※⑤ 「ひろしまAI・IoT進化型ロボット展示会」(実行委員会主催、2017/12/14)
※⑥ 独立行政法人:中小企業基盤整備機構発行(月2回)
 

「きょうよう」と「きょういく」

2017/12/26

中島コーディネータ

おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。
 

 人は年をとってくると「きょうよう」と「きょういく」が大切という話を聞きました。

「教養と教育」ではありません。きょうよう=今日用、きょういく=今日行という意味で、毎日、朝起きたときに、「やるべきことがあること」、「今日行くところ」が、人には重要ということです。

仕事をしている時であれば、否応なく、「きょうよう」と「きょういく」はありますが、大抵の人には仕事をやめるときが来ます。将来に備えて、何か準備をされていますか? 私は5~6年前から、畑仕事(30数坪の菜園)をするようにしていますが、最近、「きょうよう」と「きょういく」を意識するようになりました。

 野菜作りのもともとの目的は新鮮な野菜を食べられることですが、それ以外にも ・種まき~収穫までが数か月で、成長が速く、日々 変化が楽しめる ・同時に多くの野菜を栽培できるので変化が多彩 ・「雨が降ったら野菜には恵みの雨」、「晴れれば成長が楽しみ」と天候の変化もうれしい などの大きなメリットがあります。

 最近、毎日新聞(10月25日)に、うれしい記事が載っていました。 農業ジャーナリストの青山浩子氏の「医療費削減に貢献する農業」という記事で、『農業に従事する人は、それ以外の仕事をする人に比べて、医療費が少ないという研究がある』『農業ほど医療費削減に貢献している産業は無いのでは』と言われています。同感です。

 農業の出来栄えは、畑に行く回数と時間に比例するといわれており、農業従事者は、畑に行く時間は結構多くなります。年をとっても元気なのは、毎日、「きょうよう」と「きょういく」があることが大きな要因であると思われます。また、自然相手なので、(人が相手の時のような)ストレスが発生しないことも、健康維持のポイントではないでしょうか

 誰にとっても健康は第一です。農業経験がまだの人は、家庭菜園にでもチャレンジしてみられたら如何でしょうか?

来年の大河ドラマ

2017/12/14

藤井コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

 

 師走となりました。皆さんのこの1年は如何だったでしょうか?慌ただしく悲喜こもごもだったのではないでしょうか。年末年始は少しゆっくりとしてください。

 さて今、TBS系ドラマ「陸王」にはまっていますが、NHK大河ドラマファンとしては来年の「西郷どん」は大変楽しみにしています。尊敬する人物は西郷隆盛で座右の銘も「敬天愛人」の自分としては平成30年が明治維新150年の節目になり放送を待っています。

 新刊本で西郷隆盛の曾孫にあたる西郷隆文氏の「西郷隆盛 十の訓え」を紹介します。
コンテンツは「人間としての器量の大きさ」です。その訓えは
1.迷ったときは、'損得'でなく'善悪'で判断せよ
2.'正道'を行い、それを楽しめ
3.'分をわきまえる
4.'勇気'だけは、誰にも負けてはならない
5.理不尽は理不尽のままでよい。自分が理不尽なことをせねばよい
6.'恩'は返せ。'恨み'は晴らせ
7.'当たり前'とは、不測の事態が起こること
8.自分を大事にしすぎるな。すべての悪事はそこから生じる
9.恥は堂々とかけばいい
10.'天'に問え

 どうですか?何か感じるものがあったでしょうか?歴史を直視することは未来に繋がることだと思います。

 ちなみに先日、広島平和記念公園内で鹿児島から消防関係の会合で来られた方のお話しを伺いました。現地でのロケは急ピッチでその方もエキストラで出演され写真も見せて貰いました。来年は久し振りに鹿児島を訪ねたくなりました。

SNS利用だけの販促を考える(1)

2017/11/30

姫野コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
 

 スマホや携帯通信の進化によりFacebookやTwitterなどインターネットを活用したソーシャル・ネットワーキング・サービス=SNS(以下、SNS)が花盛りとなっており、例えばTwitterの国内利用者数が4500万人を超えているなど日本国内でも半数以上が何らかのSNSを活用している状況です。

 最近ではトランプ大統領や、元SMAPの3人が72時間ホンネテレビでのSNS活用が話題となっているように、新たな情報発信にも広く活用されています。

 その中でSNSを広告として利用する場合について考察してみます。

 国内最初のSNSと言われている「GREE」や「mixi」が2004年からで18年近くの歴史があります。

 それ以前の主な広告媒体としては「チラシ」「新聞・雑誌」「TV・ラジオ」が3大媒体と言われていましたが、現在は「ホームページ」「SNS」「口コミ」というのを良く聴きます。


 違いとしては"見られる範囲=ターゲット顧客"が異なることです。


 チラシなどの媒体は地域など配布した範囲内で興味がある人のみ見ることになるためターゲット属性は「地域」であると考えられます。

 対してSNSの場合は主に友達申請など「シェア」している人が中心になるためターゲット属性は主に「知人」や「知人がシェアしている人」となります。イメージとしては口コミに近くネット上で交流している方に届くメリットはあります。
 
 ・・・ということはSNSを広報に活用すると、本当に必要としている潜在顧客に届くかどうかが分からないという欠点も持ち合わせていると言うことになります。


 それではどうすれば良いのでしょうか・・・それは次回以降にまた記載させて頂きます。

「安定ある成長」を続けるために(「現場から見上げる企業戦略論」から)

2017/11/20

橋口コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

 今回ご紹介する「現場から見上げる企業戦略論」藤本隆宏教授 角川新書は、現役の「実証」経営学者の著書です。30数年間で国内外の千数百ヶ所のモノづくりの「現場」を歩き、現場の調査や観察に基づく知見をとても大切にされています。

 6章からなる本書で、難しい戦略理論は止めて、成る程と思った分かりやすい文章を順番に取り上げました。

  • (1)「グローバル能力構築競争」の時代は、すでに始まっている。そのためにやるべきことは、まずもって「良い現場を国内に残す」ということに尽きる。それは地域とともに取り組んでこそ意義がある。
  • (2)世界に先駆けて人口が自然減少していく時代に突入した日本は、世界のどの国よりも、現場の付加価値生産性の向上に注力していかねばならない。
    優良現場が、親会社や本社から「存続すべき生産現場」として選ばれる力が「裏の競争力(生産性、品質、リードタイム、フレキシビリティ)」である(現場で生産された「もの」が製品市場で選ばれる力が「表の競争力」※①)。技術とともに裏の競争力を支えるものづくりの組織能力は、能力構築や人材育成を怠ればたちまち劣後する。
  • (3)悲観論に惑わされるな、潮目は変わっている。中国経済は2005年ごろに農村部からの未熟練労働力の無制限供給が限界に達したと思われる※②。五分の一の賃金差ならば物的生産性を五倍に高めることで労働コスト競争力は互角になる。その目標が十分達成可能なものであることは、苦闘の二十年の間にひたすら能力構築を続けてきた日本の多くの優良現場が証明している。
  • (4)産業版の「三方よし」(顧客満足、利益確保、雇用安定)は、日本の優良な現場や現場指向企業が持つ隠れたアドバンテージである。しかし、固有技術力に自信のある中小企業もこれらに安住せず、顧客と結びつく有効需要の創出のための能力構築が必要である。
  • (5) ・2010年代は「グローバル・デジタル化」が本格化する時代である。インターネットを含む「上空」の電子情報システム(ICT)と「地上」の電子制御システム(FA)との融合により、世界を覆う情報通信ネットワークと現場のモノが一体となって進化を遂げる局面を迎えたと言うことができる。
  • ドイツのインダストリ-4.0は、地道な自動化・ネットワーク化推進と並んで、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)による作業者や作業組織の異常対応や技能蓄積の支援あるいは中小企業の能力強化などの地道な取り組みで、ドイツの誇る中小企業が、ICTを制しているグーグルなどの下請けにならないことを目標としている。
  • 工場のインテリジェント化は、調整能力に長けた良い現場を持つ日本の企業には得意な領域であり、先を走ることも十分に可能であろう。結局、現場のICT-FA使いこなし能力で競争力が決まる。
  • (6)日本が安定ある成長を目指すためには、供給側の土台には、必ず「良い現場」やそれを大事にする「現場指向企業」が存在しなければならない。
    「明るい経済」には「明るい現場」が伴う必要がある。明るい現場とは、能力構築も、需要創造も、利益確保も、雇用確保も同時に目指す「良い現場」であって、しかも多くの人たちが、何年かあとにそこで元気にはたらく自分を想像できる、場所のことである。

  • これを見て本書を読んでみようと思われる方が居られれば幸いです。
    コーディネータは引き続きコンサルティング、マッチング等で中小企業様の能力構築のご支援を致します。

  • ①戦略構想力、ビジネスモデル創造力、プラットフォーム主導力、ブランド構築力アーキテクチャー改変力等本社・経営者の能力
  • ②2015年の一人当たりGDPは、中国約8,000ドル、日本約40,000ドル

プレゼンで成功するためのポイント その3

2017/10/31

中島コーディネータ

おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

これまで2回のブログでは、書籍「世界を動かすプレゼン力」(NHK出版)から、プレゼンの仕方について紹介しました。

ポイントは

①誰が聞き手か、聞きたいことは何かをまず考えること(7月4日)

②話す内容のストーリーを組み立てること(8月31日)でした。

今回は、パワーポイントの作り方です。


③パワーポイントの作り方

プレゼンには、パワーポイントがつきものですが、パワーポイント(ppt)なしの場合も、多くあります。 政治家や科学者、芸術家などが、一般の方に話す場合などで、定性的な話の内容になるときにはpptなしが多いですね。各種のあいさつや、訓示などの場合もpptは使いません。 一方、事業計画や生産計画など、具体的な数値が必要な場合では、エクセル表などを配布して使う方が良いケースもあります。商品の実物を見せながらのプレゼンもあります。

各方法は一長一短ですので、良い方法を各自選ぶ必要がありますが、一般的にはpptがあったほうが、プレゼンとしては楽ですよね。

さて、 上記書籍の著者であるニック・バーリーさんが「パワーポイントの作り方」で指摘されているのは下記の通りです。

〇ビジュアル(pptなど)は自分の主張を裏付け、強調するために使用するものであって、自分が言っていることを、スクリーンに文章で書いてはいけない。 文章を書くと、そちらを読むほうに気を取られて、自分(スピーカー)の話を聞かなくなる。

〇スクリーンに映っているもの(例えば数値)を読み上げてはいけない。数値が意味するものや、今後の見通しなどを口頭で行うべき。

〇一つのスライドに情報を盛り込みすぎないこと。一枚のスライドに一つの事象だけを記載する。いくつも並べてしまうと聞き手の関心が画面に行ってしまう。

〇スピーカーが一番伝えたいもの(アピールしたいもの)は何かが明確に伝わるようにする。

皆様、如何でしょうか?

このような視点を考えながら、いろいろなプレゼンをお聞きすると、かなり熟練した方のpptでも、課題が見えてくると思います。 プレゼンが上手な方も居られますので、双方を参考にして少しでも上達したいと思っています。

次回は、山中伸弥教授の「プレゼン力」(講談社)から、プレゼン術をご紹介したいと思っています。

商売の基礎

2017/10/12

藤井コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

 

 松下電器(現在のパナソニック)創設者の松下幸之助翁の「商売戦術30ケ条」を改めて読み直してみました。この本は1936年(昭和11年)に松下翁41歳の時に、販売店向けに商売の意義として説かれたものです。

紙面の都合上30ケ条の紹介は出来ませんが、81年経った今日でも些かも陳腐化してなく一読の価値は有ると思います。
一貫して商売の奉仕の精神が説かれています。その過程で「大きな生き甲斐と深い喜び」を感じることが良き心が通うといわれています。

 又、ある時に部下が「商売に携わる人が具える条件とは?」と質問したところ、3つのことを言われています。

1.商売の意義が分かっていなければならない
2.お客様の心が読めなければならない
3.相手より頭が下がっていなければならない

 どうです? 今日でも充分通用しますね!

 商売は『物とお金と人の心』の動きです。今日的にはこれに「情報」の動きが加わります。
日頃の商売は常に順風満帆とはいきません。何かつまずいたときは、一呼吸置き、こういう先人の訓えを考えてみることをお勧めします。

西日本最大級のIT展示会が広島で開催

2017/09/28

姫野コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

 

 企業にとってIT(情報技術)は欠かせないものとなっていますが、地方では情報収集が難しい部分があります。


 今回は最新のIT情報の取得に役立つ展示会として、2年に一度、広島市で開催されるITの祭典「ひろしまIT総合展2017 ~ITが切り拓く私たちの未来」についてのご案内です。

 期間は平成29年10月25日(水)~27日(金)ですので約1ヶ月後となりますが、既に公式サイトで内容が公開されています。


 150小間、116社が出展し、3日間の総入場数は2万人を見込んでいるなど首都圏以外ではかなり大規模な展示会となります。

 広島市産業振興センターも出展いたします。

 同時に講演やセミナーなども開催され、基調講演はあの「iモード」を考案した夏野 剛氏が「ITによって、私たちの生活やビジネスがどのように変わっていくのか」というタイトルで講演されるなど充実した内容で楽しみです。

 同時開催でITに関するイベントも沢山開催されます。

 まさにITウイークとなりますので忘れずに参加されてはと思います。

デザイン思考(2017年版ものづくり白書から その2)

2017/09/14

橋口コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

 今回も2017年版ものづくり白書からご紹介します。

 モノの所有以上にモノの利活用を通じた顧客ニーズの充足が、「顧客価値の実現」の差別化要因として重要となってきています。前回は、利活用方策であるソリューション(顧客の課題の解決力)提供のためのデジタル技術の活用について取り上げました。

同白書では、また、ソリューションへの対応のためには、「デザイン思考」が重要であると次のように述べています。※①

 顧客自身が気づいている課題、気づいていない課題を顕在化させ、その課題を解決するための提案がソリューションである。「デザイン」は、単に製品・サービスの外形を洗練させるもの(意匠)ではない。複雑化、潜在化したユーザーニーズを的確に捉えてコンセプトを設計し、最適な製品・サービスを生み出すための活動であると捉え直されている。すなわち、デザインを活用させる領域は、製品コンセプト、プロダクト設計、ユーザーエクスペリエンス(UX)※②、PR/ユーザーリレーションなどへと拡大している。※③
デザイン思考により、顧客起点で、場合によっては顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを発掘して、それに十分に応える製品やサービスを生むことができる。
 
 当中小企業支援センターは、技術振興部(技術振興室、材料・加工技術室、システム技術室、デザイン開発室)と連携し、商品開発・改良のためのご相談に対応します。

 最近の例では、医療機器改良のためにプロダクトデザイナーをご紹介しました。

 コーディネータに、お気軽にご相談ください。

 ※①第1章第3節 我が国製造業の変革の方向性(P96~P103
 ※②ユーザーエクスペリエンス(UserExperience)

  • 製品やサービスを使用することで得られる体験を指す。
    ユーザーの行動を導き、ユーザーがやりたいことを「楽しく、心地よく」実現するためにサービスや製品を設計することをUXデザインと呼ぶ。

 ※③デザイン領域の広がり 図132-2(P100

プレゼンで成功するためのポイント その2

2017/08/31

中島コーディネータ

おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

 

前回のブログの続きです。

今回のテーマは「② ストーリーを組み立てること」です。

2020年東京オリンピック招致団コンサルタントのニック・バ-リ-さんの書籍によると、東京にオリンピックを誘致するためには、「東京は他の立候補地よりも優れていますよ」と、IOC委員(115人)を説得することが必要でした。

ニックさんによれば、まず説得できる材料と、話すべき項目を組み立てたそうです。
例えば、
・日本は過去のオリンピックでドーピングが皆無
・オリンピック運動への協力、貢献実績
・治安の良さ、おもてなし精神
などが挙げられます。


次に、「誰が話すか」が非常に重要だったそうです。
話し手と順番(ストーリー)が変われば、全く違った印象ものになってしまうからです。


失敗例として、2013年のリオオリンピック招致の総会では、東京招致団がおこなったプレゼンは人数が多く、地位の高い政治家が多かったそうです。このことで、日本の印象は、かなりマイナスとなりました。
その反省から、2013年は、JOC委員長、お・も・て・な・しの滝川さん、パラリンピックアスリート、都知事、首相、皇族の方など8人の多彩なプレゼンターを選任しました。


最後に、「話す順番」です。
パラリンピックアスリートである佐藤真海さんが行った、最初のプレゼンでは強い印象を残しました。
それは、「骨肉腫で脚を失いながらスポーツに取り組むことで立ち直ったこと」等、スポーツの力についてアピールされたことが、プレゼンの成功に繋がりました。
他にも多彩なプレゼンターによるプレゼンがありました。
 
さて、企業や個人が行うプレゼンは通常1人で行いますが、その場合も、内容を分かってもらうために、ストーリーの組み立てが重要です。


よく言われることですが、人でも商品でも、必ずストーリーがあります。 
プレゼンの上手な方の話し方は、身近な話から入って、メインテーマ(主張したいこと)に展開して行きます。

次回は、③パワーポイントの作成方法について紹介したいと思います。

ソリューション起点でのデジタル技術の活用
(2017年版ものづくり白書から)

2017/08/17

橋口コーディネータ

 おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

 2017年版ものづくり白書では、IoTをはじめとする最新のデジタル技術で、顧客に最適な「ソリューション(課題の解決力)」を製品・サービスとして効果的・効率的に届け、直接的なユーザー価値の向上を図ること、そのために自社内でのデジタル技術の活用能力を高める取り組みで、生産性や付加価値の向上を図ることが重要であると述べています。※①

 直接的なユーザー価値向上のためのソリューションとして、「予知保全(顧客)」、「遠隔保守(顧客)」、「運用最適化(顧客)」、「全く新たなサービス提供」等の項目が挙げられています。
また、自社内の取り組みにおけるソリューションとして、「R&D支援」、「企画支援」、「設計支援」、「共同受注」、「生産最適化」、「多品種少量化」、「製造プロセス最適化」、「予知保全(社内)」、「遠隔保守(社内)」、「運用最適化(社内)」、「IoTカイゼン」、「技能継承(匠の技の継承)」、「物流最適化」、「販売予測」等の項目が挙げられています。

 次に製造業を産業タイプ(最終製品、部品・部材、素材、設備)別に分け、タイプ毎に取り組みの方向性と事例が示されています。
中小企業の多い部品・部材製造業の特徴的な取り組みも、下記をはじめとして数多くのソリューションの事例が紹介されています。

    • (1)部品・部材ユーザーへのサービス提供(P77~P80)。
      金型や工具にセンサーを取り付け、トレーサビリティや不良品発見などのサービスを展開等の「予知・予防保全(社内、顧客)」

    • (2)受発注を仲介するビジネスモデルの出現(P80~P81、P115)。
      ベンチャ-企業がプラットフォーマ-となり、リソース・技術などの情報をつなぎ
      受発注のマッチング、生産管理、契約などの事務手続きも担う「共同受注」。

    • (3)IoTの活用によるカイゼンノウハウのサービス提供(P81~P82)。
      企業によってIoT化の目的や業務プロセスは異なるため、市販のセンサーやモジュールを組み合わせてDIY型の見える化をして、その情報をもとにカイゼン活動に取り組む「IoTカイゼン」、及び自社の活用実績を踏まえ外販する取り組みの事例。

    • (4)ものづくりのデジタル化による製造プロセス最適化(P82~P84)。
      デジタルツール※②やITツール※③の活用によって、ものづくりの手段・方法の変革(プロセスイノベーション)に取り組み、下請け型ビジネスからのビジネスモデル変革(開発・試作サービスの提供)を目指す事例。 

    •  これらの事例を参考にしながら、まず自社のニーズを解決するという発想から最新のデジタル技術の活用に取り組まれては如何でしょうか?

         コーディネータは、このような
取り組みに対して、マッチング(企業、大学、専門家)、紹介(研究・支援機関、専門家)、情報提供(助成金、公的機関の支援制度)やアドバイスなどにより、継続してサポートを行って参ります。

           お気軽にご相談ください。


        「時間」について感じたこと

        2017/08/10

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

         

         先日、BSテレビの公開収録(歌謡番組)が有り、約10倍の競争率だったが入場券が当り、収録に行き感じたことを述べてみたいと思います。

        番組放送は1.5時間で公開収録は2時間の拘束でした。

        収録中は先頭席のフロアディレクターの手の動き(サイン)と舞台上の司会及びタレントの動きを見続けていました。
        本放送の日、その時の動きを思い出しながら放送を見ました。
        ものの見事な仕上がりでした。

        1.指定時間にキッチリ抑える
        2.放送日とのつじつまの合わない内容はカットされている
        3.番組作りのコンセプト(構成)は生かされている

         時間は「有限」といわれ、誰にも平等に与えられています。家庭生活でも仕事の面でも時間は常に付きまといます。時間を有効に使っている人には「キレ」が有り清々しさを感じます。
         
         時間を有効に使い「時は金なり」を肝に銘じて自分にも他人にも迷惑を掛けない時間管理を感じさせてくれた公開収録でした。

        ウェブやメールが9月19日以降できなくなる可能性

        2017/08/01

        姫野コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
         

         インターネットに関する重要な情報ですので注意喚起の意味でお知らせいたします。そのため少々専門的になりますがご容赦ください。


         インターネットを利用する際に一般的には「http://~」などのドメイン名を利用しますが、実際にウェブサイトなどへアクセスするには接続先のコンピュータに割り振られた数字のIPアドレスを利用します。(例:123.456.789.012など)


         このドメインとIPアドレスを変換する作業は「名前解決」と呼ばれ、DNS(ドメイン・ネーム・システム)がその役割を果たしています。


         現在、電子署名の正当性を検証するために使う暗号鍵の中で最上位となる鍵(ルートゾーンKSK)が2017年9月19日に初めての更新が始まります。


         そのため、インターネットなどのDNSサーバー運用者は9月19日までに必要な措置を講じる必要があるという事になります。


         通常、インターネットサービスプロバイダがこれらの作業を行うため、個人で特に何か行う必要はございませんが、独自のサーバーシステムやLANなどを構築しているのであれば業者などに確認する必要があります。


         対策しなければ、いきなり社内システムが止まった!メールが送受信できない!という事が起こり業務の支障となる可能性があります。


         尚、総務省からも注意喚起されていますのでご覧ください。こちら


         インターネットの技術は急速に変わっていきます。常に最新情報に気を配る必要があると思います。


        プレゼンで成功するためのポイント

        2017/07/04

        中島コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

        報告書、申請書などの文書作成には苦労しますが、プレゼン発表に悩む方も少なくないのではないでしょうか? 文書作成は校正が効きますが、プレゼンは一発勝負なので大変ですよね。プレゼンは、「社内の朝礼」のような身近なものから、「顧客への商品売り込み」や「企業や個人のその後を左右するようなもの」まで多様ですが、多くの方が苦手意識をもっていると思います。

        プレゼンといえば、2020年のオリンピックの招致を決めるIOC総会(2013年9月)での日本チームのプレゼンが、東京招致を決めたものとして、記憶に残っています。なかでも、滝川クリステルさんの「おもてなし」は印象に残るプレゼンでした。この招致チームに、最初の段階から加わって重要な役割を果たしたニック・バーリーさん(英国出身。2012年ロンドン、2016年リオのオリンピック誘致に成功した各招致団メンバーで、その後、東京オリンピック招致団のコンサルタント)が書いた本を読みました。

        ニックさんの「プレゼンで成功するためのポイント」を紹介したいと思います。

        オリンピック招致のプレゼンは数あるプレゼンの中でも最もスケールが大きいものの一つなので、一般の人が日頃行うプレゼンとは規模的には比較になりませんが、成功のための基本的なポイントは同じのように思います。

        バリーさんの指摘の要点は

        1.先ずは「誰が聞き手か」、「聞きたいことはなにか」を知ること

        「知りたいことに答えるのは当然のことでしょう」と思えますが、オリンピック招致のプレゼンにおいても、そうなっていないものもあったようです。バリー氏は「審査委員(IOC委員)が知りたいことに答えていない例が、オリンピック招致の最終プレゼンでもあった。審査委員は、開催都市がオリンピックをどのように開催していく考えか、オリンピックの発展にどのように貢献していきたいかを聞きたいのに、開催都市の自然や美観、歴史遺産を強調し、聞きたいことに十分こたえなかった都市(パリ、マドリード)があった。」とのことです。審査員の疑問に答えることが出来なければ、良い評価は得られません。

        これは、一般の方が行うプレゼンでも同じだと思います。

        社内向け、顧客向け、審査員向け、一般の方向けで、聞き手が知りたいことは変わります。「問われていることは何か」、「何を話すべきか」について、準備の最初に時間をかけて考えるべきだと思います。別の場面で使用したプレゼン資料を、忙しいので、一部だけ修正して使うケースもありますが、これでは、やはり好印象は得られないと思います。


        次回に続きます。

        家庭菜園から学ぶこと

        2017/06/08

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

         

         今回は約30年継続している趣味のひとつの「家庭菜園」について述べてみたいと 思います。

         家庭菜園の効果は「安全とセラピー効果」と言われます。安全は'新鮮で無農薬'だと思いますが、セラピー効果はいまひとつ良く判りません。確かに畑での作業中は'日に当たり風に当たり'無我の状態がセラピー効果なのだと思います。

         永年の野菜作りでも決して昨年と同様な収穫とはいきません。その年の「土の具合、 日照の状態、雨の状態、気温の状態」と自然を見ながら自分で工夫しながらの作業が必要です。

        初歩の時は、追い肥さえ充分に与えれば野菜は育つと思っていましたが、失敗でした。

        その頃は子供も小さい時で、教育と一緒だなと感じていました。やはり、「土起こし、まめな 草取り、適度な追い肥」とバランスが必要です。それが今の境地です。


         この家庭菜園は企業の経営にも通じるものが有ると考えています。現在の結論は

        1.こまめな心配りと丁寧な作業⇒事業計画の確実な実行

        2.自然を読んだ作業⇒トレンドを読む

        3.雑草と害虫との闘い⇒競合の排除は早い方が良い

          と考えます。


         とはいうものの、投資対効果を考えれば赤字と思います。<笑>

         数字に表れない「安全とセラピー効果」に期待し当分は麦わら帽子での作業は 続くでしょう!

        「ヒト・モノ・カネ」+「情報」

        2017/06/01

        姫野コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。


         今日から6月ですね。衣替えの季節ですが、当支援センターでは5月から「クールビス」を行っていますので実感が沸かないです。


         さて、今回のテーマは「ヒト・モノ・カネ・情報」について考察してみたいと思います。

        「時間」も加えて5つという考え方もありますが、ここでは4つで考えたいと思います。


         この4つは一言で言えば全て「経営資源」です。

         そして「ヒト・モノ・カネ・情報」という順序で必ず最初に「ヒト」きて、最後は「情報」で終わりますが、これにはちゃんと意味があるのです。


         「情報」を「情報技術(IT)」として考えて頂ければわかりやすくなります。

         情報技術(IT)が企業経営に適用されるようになったのは1980年代、つまりコンピュータが本格的に利用され始めたぐらいからです。そのため最後に記述されます。

         では「ヒト」が最初であるのはなぜでしょうか?


         「モノ・カネ」は「ヒト」が動かすことによって初めて意味をなす経営資源であるからです。


         「情報」に関しても単なる数値データを「役に立つ情報」に加工し判断するのは「ヒト」だからです。


         企業にとって大切な「ヒト・モノ・カネ」に「情報」=情報技術(IT)を加えた企業経営を目指して頂ければと思います。
         当センターではそのような相談にも応じておりますのでお気軽にご利用ください。

        小さな会社の稼ぐ技術

        2017/05/18

        橋口コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

        友人の薦めで買ってそのままになっていた「小さな会社の稼ぐ技術」栢野克己著を、連休中に読むことが出来ました。思っていた以上に面白くまた良書だったのでご紹介します。

        • 本書が説く、大企業とは逆をいく「弱者の戦略」のポイントを3つにまとめると次のようになります。
        • (1)差別化...強い会社と違うことをする。市場・地域・客層・営業方法を差別化する。
          どこにもない商品×どこにもない売り方が理想だが、どこにでもある商品×どこにもない売り方ならばハードルは低くなる。
        • (2)一点集中で小さな1位...あれこれせず1つに絞って、小規模1位、部分1位を目指す。
          商品や地域、客層で細分化すれば必ず誰にでも小さな1位がある。
        • (3)エンドユーザーに直接営業する。接近戦(=営業の差別化)。ライバルより常に一歩顧客に近づく。
        • 顧客が注文する理由は信用・信頼。本当の商品は心。

        これらを3つのケーススタディと50社の事例でわかりやすく説明しています。
        説得力のある事例が多く、小規模事業者や創業後間がない、あるいは創業を目指している方がたには特に一読の価値があると思います。

        • これまで私が当センターで支援させて頂いた経験から、特に参考になると思った箇所の幾つかです。
        • (1)まずは、他人がやっていること(例:手書きはがき、ニュースレター)をどんどんパクって(原文のまま)行きました。大事なのはとりあえず一歩前に進むこと。続けていると自分のスタイルが必ず出て来て馴染んできます。
        • (2)小さな会社は社長が現場の戦術ばかりをやるので一生懸命やっているのに結果が出ないになってしまいがちです。自社の「商品・地域・客層」を「自社・顧客・競争相手」の3方向から客観的に分析し「自社が勝てる部分=顧客から選ばれるポジション」がどこかを知る必要があります。
        • (3)優れた営業というのは、本業の商品を全然売っていません。顧客が抱えている困り事の解決のお手伝い、これが回り道のようで一番の近道であることがよくわかります。
        • (4)やずやの矢頭美世子会長は「経営計画書は魔法の書よ。でもほとんどの人は書かない。まずは1枚、書くといいのに」と1ページの人生計画書、経営計画書を作成する「ワンシート運動」を提唱しました。

        本書を取り上げた日経新聞の書評※①では、自分の仕事に置き換えて本書を読むと(誰にでも)新たな発見がありそうだと書かれています。

        今年2月には著者が当支援センター主催のセミナー※②で講師をされています。
        どうかお聞き逃しのないように当センターのホームページでセミナー開催情報をチェックし積極的にご参加いただくことをお薦めします。私たちコーディネータも、当センターの支援事業についての情報発信に漏れのないようにさらに努力して参ります。

        そして「一歩前に進む」ことを考えている方、すでにやっている方どなたでもコーディネータにお気軽にご相談ください。経営課題を一緒に考え継続して支援致します。


        ※①日本経済新聞2017年2月26日日曜版書評欄
        ※②経営者・管理者向けセミナー「小さな会社の成功事例100連発」

        弱いつながりの強み

        2017/04/27

        中島コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

         

        広島市中小企業支援センターは、平成29年度も、経営分野、技術分野の両面での業務拡大と進化を目指しています。その業務遂行の一翼を担うコーディネータ、昨年と同様の4名の体制ですが、昨年度1年間の経験を加えて、より効果の高いご支援ができるように努めてまいります。

        コーディネータの役割は以下の通りです。

        ・経営・技術、情報、販路等の専門知識と経験を有するコーディネータが、経営管理、生産管理、商品・技術開発、情報化、販路拡大など経営上の様々な課題の解決に向けて、継続してサポートします。

        ・経営支援アドバイザーや工業技術センターとも連携して課題解決にあたります。

        ・各種企業、大学、研究所、企業OB等を紹介しマッチングにつながるように努めます。

        広島市中小企業支援センターの各種支援策や国・県・市などの助成金等を紹介支援します。

        課題をお持ちの方はもちろん、課題を明確にしたい方、支援機関への相談は初めての方等 どなたでも結構です。

        「弱いつながりの強み」という言葉をご存知でしょうか? 米スタンフォード大学のマーク・グラノヴェッター博士が言われたことで「社会的つながりが緊密な人より、弱い社会的なつながりを持つ人の方が、有益で新規性の高い情報をもたらしてくれる可能性が高い」という意味で、下記のように解説されています。

        『強い絆で結ばれるコミュニティー(注)は同質性や類似性が高いため求心力ばかりが働きがち。そのため、コミュニティーは孤立し、新たな情報は入りにくい。「弱いつながり」は「強いつながり」同士をつなぐ機能を果たし、価値ある情報が伝わっていく上で、非常に重要な役割を果たす。』このことは、皆さんが感覚的には理解されていることではないでしょうか。 

        (注)社員同士、同業者、取り引き先、家族、親友など

        企業の業種、規模を問わず、競争がより厳しくなってきている中で、自社の力だけでは対応が難しい時代になってきており、外部との協力、連携が必須となってきています。 私ども広島市中小企業支援センターも、是非、協力、支援させて頂ければと思っています。
                                 

         ご相談の方は、お気軽に広島市中小企業支援センターまでご連絡ください。

        「素人発想」と「玄人実行」

        2017/03/28

        中島コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

         

         研究開発や商品開発、あるいは事業化を進める場合、目標を設定し、計画し、実行していく、その時々で、方向性などの判断を求められる時があります。うまく進めるための基準のようなものを、皆様はお持ちでしょうか? 研究の進め方についての面白い着眼点を記した本がありましたので紹介したいと思います。

         「素人のように考え、玄人として実行する」(金出武雄(かなでたけお)教授著、PHP研究所出版)という本です。著者は、コンピューターとロボット研究者で、自身のこれまでの経験と観察から得たものを『良い研究を行うための秘訣』としてまとめたものです。

         金出先生が言われた言葉を引用すると以下のとおりです。

        ・成功するアイデアとは、人が抱く想像や希望から生まれるため、単純かつ素直なものであることが多い。素直で自由な発想を邪魔するのは、なまじっかな知識である。


        ・知識があると思うと、物知り顔に「いや、それは難しい。そんなふうには考えないものだ。」という。専門家というものは「こういう時にはこうすればうまくいくはずだ。」というパターンを持っている。その分野を知っているだけに視野が狭くなってしまう。


        ・しかし、立派なアイデアがあるからといって、素人が成功できるわけではない。なぜならアイデアを実現するには、専門的な知識と技術が必要になるからだ。考え方が良くても下手に作ったものはうまく動かない。

         先生は大学の研究者ですが、以上の視点は、これから創業しようとされる方や経営全般にも、そのまま当てはまるように思います。


         「自由発想」がなくなると、人(企業)は方向性を間違います。場合によってはマイナスの方向に向かいます。一方、「玄人実行」ができないと、人・物・金をつぎ込んでも目的地まで到達できません。両方重要なのですが、両立はなかなか難しいです。

        大体は、どちらかが苦手なのではないでしょうか。皆様は如何でしょうか?

         企業として苦手な部分を補うために、当センターの窓口相談や専門家派遣などを活用したら如何でしょうか?

         ご相談の方は、お気軽に当センターまでご連絡ください。

        サイバー攻撃から組織を守るために

        2017/03/14

        姫野コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
         

         さて、今回のテーマは「サイバー攻撃から組織を守るために行うべきこと」です。


         現在、当たり前のようにインターネットを活用して便利な生活を享受出来ているのは世界中で繋がっているからです。


         反面、世界中で繋がっているからこそ、どこからどのように狙われるかわからない危険性があります。


         良く「セキュリティ対策をしているから大丈夫」「うちの企業なんか狙われんよ」など聞きますが、本当にそうでしょうか?


         今やコンピュータウイルスと言っても様々な種類や攻撃方法があり、ここで全ては記載できませんが、一番怖いのは「気がつかないうちに感染していた」ということです。


         正直、サイバー攻撃を100%防ぐことはできません。しかし、万一、サイバー攻撃を受けたときは、「ネットワークを切断する」などできるだけ早く対処を行う事、そしてその痕跡を探す(取得しているログ情報を分析する)など同じ手で攻撃されないように対策を行う事が必要です。


         専門的で難しい内容だと思いますので気になることがありましたらセキュリティの専門家にご相談されることをおすすめします。



        超高齢化社会を支えるプロダクト・イノベーション

        2017/02/28

        橋口コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         

         「人口と日本経済」吉川洋著(中央公論新書)では次のように述べられています。
        高度成長期(1955~1970年)の年平均経済成長率は9.6%だが、高度成長は労働力人口※ではなく労働生産性の伸び(9.6%-人口の伸び1.3%=8.3%)で

        もたらされたものである。
         労働生産性の上昇の最大の要因は、言うまでもなく労働者の頑張りや体力ではなく、高い需要の成長を促す新しいモノやサービスを生み出す広い意味の技術革新「プロダクト・イノベーション」である。そしてハードな技術進歩だけでなくノウハウや経営力などを含む総合的なソフト・パワーが重要である。


         すでに現実になりつつある超高齢社会において人々が「人間らしく」生きていくためには、今後なお膨大なプロダクト・イノベーションを必要としている。超高齢社会においては、医療・介護は言うまでもなく、住宅、交通、流通、さらに1本の筆記具から都市まで、全てが変わらざるを得ないからである。それは経済成長を通してのみ実現されるものである。


         問題は企業が潜在的な需要に応えるようなプロダクト・イノベーションを成しうるかである。所得水準が高く、マーケットのサイズが大きく、超高齢化社会のフロントランナーであり、品質に対して敏感な消費者を持つ日本は、イノベーションが起きるにふさわしく大きな可能性を秘めている。国内市場をこうした視点から見直してもらいたい。
         日本経済の将来は、日本企業がいかに「人口減少ペシミズム」を克服するか、にかかっているという言葉で結ばれています。

         先々週インテックス大阪で開催された関西医療機器 開発・製造展(MEDIX関西)では、広島広域都市圏ブースで4社が共同出展しました。広島市(担当:経済観光局産業振興部ものづくり支援課)が医療・福祉関連事業へ新規参入を目指す企業を募集し出展費用を負担したもので、うち1社は当支援センターの紹介によるものでした。

         出展企業の多さとともに、わずか社員6人の企業が、メーカーの信頼を勝ち取り医療機器装置の部品の設計・開発・製造まで行っていることなどを知り驚きました。

         皆さんの医療・福祉関連事業への参入(含、間接的参入)を積極的にサポートします。
         お気軽にコーディネータにご相談ください。
         
        ※労働力人口
         労働に適する15歳以上の人口で働く意思と能力を持つ人の総数
         (就業者(休業者含む)と完全失業者の合計)

        営業の質問力

        2017/02/14

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

         

        「営業の人は能弁(のうべん)ですよね」と良く言われます。
        多くの人が、トークが得意な人ほど営業成績が高いと思われている様です。ところがトークが苦手な訥弁(とつべん)な人でも、素晴らしい成績を出しています。
        そのことについて自分は長い営業経験を通して知っています。

        訥弁な人でも成績を上げる秘訣があります。今回はこのことを考えてみましょう。


        自分が良く使う言葉に「人間は口は一つで、耳は二つある」従って「一つを喋り二つを聞く」という「傾聴の精神」の営業活動が必要と思っています。

        この技に到達するには営業の質問力の向上が不可欠です。

          • 1.普段から心掛ける3つの目
          • (1) 鳥の目:大所高所から広い視野で物事全体を見つめる大局観を把握する目
          • (2) 虫の目:「現場・現物・現実」の三現主義で足元を見つめ直す目
            お客様との接触で自社の足元をとらえ直す視点
          • (3) 魚の目:トレンド(傾向)つまり、時代の変化を見逃さずビジネスチャンスに生かすための目

          • これらの目はどれかが優れても駄目で、3つの視点を同時に見つめることが必要と考えます。

        • 2.営業の質問力で大切な4つのポイント
        • (1)チャンスの時は徹底的に掘り下げる
          お客様が抱えている課題やニーズを話したいと感じた時は掘り下げた質問をしていく
        • (2)目の前の浅いニーズから深いニーズを類推する
          表面的なニーズから隠れたニーズを意識した質問をする
        • (3)お客様の価値向上の質問をする
          一方的な商品トークでなく価値提供に努める質問をする
        • (4)お客様のキーマン(発注権限者)を探り出す質問をする
          キーマンは誰でニーズは個人ニーズか会社ニーズかを見極める質問をする



        以上のことを実践できた営業は、成功を得ることができます。
        普段より自分を磨きお客様と自社内との橋渡しを行う営業は、仕事が楽しいはずです。
        素晴らしい営業人を目指してください。
        広島市中小企業支援センターは全力で応援します。

        カープ優勝のもう一つの価値

        2017/01/31

        中島コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

         

        最近はIOT、AI、IE、3D、BEMS等々、わかりにくい用語が多いですね。

        FAやEC、PET、KYなど、複数の意味があるものは余計わかりにくいので、できるだけネットで調べることにしています。FAには、Factory Automation、Financial Adviser、Free Agentなどの意味があるそうでが、ここでは、Free Agentについていて興味ある(うれしい)記事が載っていたので紹介します。

        Free Agent(FA)は、1993年に開始された制度で、「プロ野球球団所属の選手は、球団である年数が経過すれば、いずれの球団とも契約を結ぶことができる制度」のことです。

        ドラフト制度により戦力均衡が図られている中で、FAは、他球団の有力選手を獲得できるので、(FAで選手を獲得するためには、資金が必要ですが) 自軍を強化する近道です。

        当然ですが、資金に余裕のある球団が有利です。

        記事によれば、93年以降で、FA選手を最も多く獲得している球団は巨人で23人、次がソフトバンクの13人、阪神11人、DeNA 8人、中日6人、オリックス5人、ヤクルト4人、ロッテ&西部&楽天3人、日本ハム1人なのだそうです。


        では、カープは?

        セリーグの有力球団が、獲得数ランキングの上位を占めている中で、カープは"なんと0"でした。(逆に、他球団へのFAは、金本、江藤、新井、黒田(海外FA)等多いですよね!)

        FA獲得選手数が0人のカープが、ペナントレースで獲得数が最も多い巨人を破ったことは、特筆すべきことだと思います。カープの、人材獲得(ドラフト)戦略と選手育成システムは評価されて、大リーグの球団からも問い合わせが来ていると記載されていました。

        選手育成と言えば、広島県出身でサラリーマンだった原晋氏が、2004年に弱小の青山学院大学の駅伝監督になってから11年、2015年1月の箱根駅伝に見事に優勝。無名の高卒選手を集めて選手育成したとのことです。この1月に3連覇しました。こちらもすごいことです。

        カープや青山学院大学の姿は、頑張る中小企業に重なるように思います。

        本年も、よろしくお願いいたします。

        インターネットでも広告が必要です。

        2017/01/19

        姫野コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
         

         さて、今回のテーマは「インターネット広告」についてです。

         

         インターネットのウェブサイトやメールを使用し企業が製品やサービスのマーケティングのために行う宣伝活動のことで、「ネット広告」「オンライン広告」「ウェブ広告」などと呼ばれます。

         従来のマスメディア=チラシ、新聞、雑誌、TVなどとは異なりインターネット広告はユーザーの年齢、性別などの属性、行動履歴、地域などによって配信する内容を変える、また能動的にアクションできるなど深いコミュニケーションを取れる仕掛けが出来る事が特徴です。

         インターネット販売やサービスで苦戦しているというのをよく聞きますが、お店を作っても広告しなければ売れないように、インターネットという大海原で見てもらうために広告は必須だと考えて経営戦略や予算に入れておくことが必要です。


        「IT利活用による稼ぐ力のアップ」(2016年版中小企業白書から)

        2016/12/22

        橋口コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         2016年版中小企業白書では、人手不足等の構造的要因による課題を克服し「稼ぐ力を高めていく」ためにはITの活用が重要であると述べ、IT投資と企業業績の関係やソーシャルメディアサービスや電子商取引による効果を分析し、クラウドコンピューティングのメリット(運用コスト、専門知識、セキュリティ面)にも言及しています。(第2部第2章第2節116~132ページ)。

        そして、IT投資のプラス効果を低収益企業より高収益企業の方がより多く実感しており、その効果を、基幹系(業務効率化)システムでは「業務プロセス合理化・意思決定の迅速化」で、また業務支援系(付加価値向上)システムでは「売上拡大」「利益率・生産性の向上」「営業力・販売力の強化」で実感していると述べています。(第2部第2章第3節138~139ページ)

        次に、IT投資の前後に行った有意であった取り組みを比較した結果、高収益企業と低収益企業では下記の事項で実施状況(実績)に大きな違いがあったことが分かりました(第2部第2章第3節139~148ページ)。
         (1)IT導入に併せた業務プロセス・社内ルールの見直し
         (2)IT導入に対しての各事業部門、従業員からの声の収集
         (3)IT導入に向けての計画策定
         (4)IT・業務改善等についての社員教育・研修の実施
         (5)ITの段階的な導入・導入後のモニタリング
        従って、これらの成功要因をしっかりと意識したIT投資活動を行うことで、稼ぐ力を
        着実に高めていくことが大切と思います。

        現在、平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金などでIT投資を後押しする募集が行われています。応募申請を支援(事業計画の作成等)致しますのでコーディネータにお気軽にご相談ください。

        参考:「攻めのIT企業中小企業百選

        「今年の流行語大賞」

        2016/12/08

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

         

         今年も残すところ1ケ月を割りました。1年が早いですね。皆様はどのような1年でしたでしょうか?

         今年もユーキャンの新語・流行語大賞が発表されました。毎年の世相を反映させ年末には楽しみしている行事です。1年を振り返る意味でも「あれもあった!これもあった!」と思い出しています。
        30のノミネートから自分なりの寸評を加えてみます。

        • 「文春砲」
        • これが一番と感じました。文春発で色々なニュースを提供してくれました
        • 「EU離脱・トランプ現象」
        • これには驚きました。来年も話題は続く流行語ですね
        • 「都民ファースト」
        • 凄く当然なことですが、オリンピック会場のいざこざをみると大丈夫かなと感じてしまいます
        • 「神ってる」
        • 地元愛、CARP愛から一番に押したいですね
        • 「SMAP解散他」
        • 今年も芸能人絡みの流行語が多かったですね

         
         そしてご存じのように「神ってる」が今年の新語・流行語大賞に決まりました。
        思わず「ヤッター!」と叫びました。今年の6月から9月までの逆転勝利を思い出しました。2年連続でプロ野球界からの快挙に喜びひとしおは皆さんも同じではないでしょうか。

         来年も経済、観光、スポーツと「ひろしまファースト!」になるように頑張りましょう。
        当センターも全員で中小企業の皆様に寄り添います。あらゆるご相談にお応えします。

        ノーベル賞連続受賞

        2016/11/24

        中島コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。
         

         10月3日に、本年のノーベル医学生理学賞が発表され、大隅良典・東京工業大学名誉教授が受賞しました。日本人の受賞者はこれで3年連続となり、まことに喜ばしいことです。


         さて、ノーベル賞受賞者が、インタビューで答えられている内容を見てみます。
         大隅教授は「"はやり"を追いかけるのを止める。人がやらないことをやってみる。自分が面白いことをやる。1つ1つを自分で確かめる。」と言われています。
         これまでの受賞者でも、何人かは、同じようなお話をされています。
        一方、ビジネス書には、「自分の強い分野、勝てる分野で勝負すること。自分より良くできる人(企業)がいくらでも居るようであれば、あまりその職(事業)に長居してはいけない」と同様のことが書いてあります。
        ビジネスとの共通点ですね。


         次に、昨年の受賞者である大村智教授(生理学・医学分野)は「抗生物質の研究は、完全な共同研究の場である。菌を見つけるだけでなく、生化学者など共同して行かなければならない。」 また、梶田隆章教授も「スーパーカミオカンデですと100人を超えるチームが1つの目標に向かって共同で研究をして、成果を出していくようなプロジェクト。カミオカンデ研究グループが認められたと思う。」と言われています。
         お二人に共通するのは(大隅教授も同様ですが)、「自分が、自分が」というのが全く感じられないことです。これならば、チームの皆様も、喜んで協力しようと思うと感じました。
        "感謝の気持ちを、いつも言葉で表しているか?"、"自分が、自分が・・・になっていないか?"の点は、2人以上で仕事、生活するなどすべての場合に、心しなければならないと思いました。

        P.S
        追加ですが、ノーベル賞絡みで、面白い記事が載っていました。
        中国の方の意見ですが、「日本人から多数ノーベル賞が出る秘密は何か?」と問題提起。その答えは「日本人の財布の中に入っている」。心は・・・ご一読ください。

        第4次産業革命「インダストリー4.0」がやってきた。

        2016/11/15

        姫野コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。
         

         さて、今回のテーマは「インダストリー4.0」についてです。

         インダストリー4.0はドイツで2011年に発表した産官学共同で進めている国家プロジェクトです。日本語に訳すと「第4次産業革命」、つまり人類史上4回目の産業革命と言われています。
         そしてそのコンセプトは「スマートファクトリー」(考える工場)の実現です。

         スマートファクトリーとは工場内のそれぞれの工程に加えて各工場間をリアルタイムに連携し、少量多品種、高付加価値製品を生産することで、これを「マスカスタマイゼーション」といいます。

         そのための情報収集や制御などの為に「物のインターネット」と言われるIoTの活用が必要となるのです。

         さて、国内での取り組みはどうなっているでしょうか?
         日本政府として1つは今年5月に設立された「ロボット革命イニシアティブ協議会」ともう1つは日本機械学会で6月に設立されたIVI(インダストリー・バリューチェーン・イニシアティブ)があります。


         地方でもインダストリー4.0の波が直ぐそこまで来ています。

        革新的経営者による新事業創造パターン

        2016/10/20

        橋口コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         従来とは異質な切り口を持つ社会課題挑戦型のビジネスモデルを率いる革新的経営者たちを、様々な分野から探し出しネットワーク化しようとしているプロジェクト(注1)のリーダーによる1時間程の講演を聞く機会がありました。なるほどそうだなと思い当たることが多くあり、講演者の著書(注2)も取り寄せて読んでみました。これから起業しようとする方だけでなく新たな事業展開を考えられている方々にも参考となる革新的経営者の思考パターンやスキルを紹介します。

        • 1.あたりまえを疑う
        • 常識を学び、現状の合理性も何故変われないかの理由も全て認識した上で、それでもなお「あたりまえを疑い」新しい着眼点、突破口をしぶとく追求する。
        • eラーニングは「いつでもどこでも勉強出来る」ことに価値があると考えられているが、子供はいつでもどこでも勉強なんかしない。「ICTを使って学びに対するモチベーションを高めるもの」と再定義して、教室で学習用タブレットを用いてグループで競い合うやり方を発案(集計システム等のしくみを提供)。
        • eラーニング業界の新しいカテゴリーを生み出した。(eラーニングベンダー)
        • 「高齢化社会」という大前提を疑い「人口構造は変えられる」と考え、子育て世代の共働き夫婦を狙い撃ち(ターゲティング)したマーケティング戦略を実行。
        • 30代夫婦を中心に、人口を16%25千人増加させた。(千葉県流山市)

        • 2.Needsを探すのではなくWantsを創造する
        • Needs対応はコモディティになる。Wantsは表面的なNeedsの奥底にある潜在的な願望で、Wantsを洞察し創造することが新しい価値(マーケット)を作り出す。
        • 無類の本好きで多様な種類の本を知る本屋社長が「選書カルテ」により、お客が決して選ばないだろう本を選んで届ける「1万円選書」サービス
        • 北海道の小さな書店に全国から注文が殺到
        • 営業が顧客のボヤキをビデオに収めて持ち帰り、それをヒントに創造的な製品を開発する「ボヤキズム」という経営手法で、超顧客満足を目指す。
        • ゴーカートのような四駆の「草刈機まさお」を開発(作業機製造・販売メーカー)

        • 3.武器としてのTED(テクノロジ-、エンターテインメント、デザイン)を用いる
        • イノベーションの武器としてTEDを用いること。TEDは本質はそのままに、
          ユーザーの注目や認知や体験を劇的に変える力を持っている。
        • MRIの機器や轟音に泣き出してしまう子供達のために、機器や室内に宇宙旅行の漫画をペインティング(デザイン)しオペレーターに宇宙旅行の台本を手渡して、恐怖の検査をワクワクするような宇宙旅行体験に変えた。
          (医療機器製造販売メーカーの取り組み)
        • 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したデロリアン(同車種)を、ゴミ(使わなくなった衣料品)から精製したエネルギ-(バイオエタノール燃料)で動かすプロジェクトを立ち上げ、リサイクルにワクワク・ドキドキ(エンターテインメント)という要素を導入し多くの消費者の賛同を得、行動を加速した。
          (ごみをエネルギーや製品づくりの資源に変えるベンチャー企業の取り組み)

        その他、「面白いから始めて」社会課題につなげることや、自分の事業価値を、ユーザーの目線で「自然な言葉で語れる」ことの大切さや、「スピードが生命線」で完璧性は二の次が重要なことなどが語られています。
        ここでご紹介した事例は一部なので一度本に目を通されることをお薦めします。

        さて、私たちコーディネータも創業支援グループと連携しながら、創業をお考えの方や創業後一定期間経過した方の支援をしています。お気軽にご相談ください。


        • (注1)野村総合研究所2030年研究室のメンバーが、100人の革新的経営者を探し出しネットワーク化し、地方創生のための「イノベーション・プログラム」というしくみを開発し全国を回っている。
        • (注2)書名「日本の革新者たち」-100人の未来創造と地方創生への挑戦
          著者:齋藤義明 野村総合研究所 2030年研究室室長
          発行:ビー・エヌ・エヌ新社 2016年6月発行

        「モノ売り」から「コト売り」へ

        2016/10/11

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

         

         先日、テレビを見ていると中国からの観光客が爆買いから「体験旅行」になっている内容でした。寿司(手巻き、にぎり)つくりを体験し、その商材を購入し帰国後皆に振る舞うシーンでした。
        正にこれからのビジネスの形で日頃から考えていることの証明でした。

         インバウドだけの話しでなく、通常のビジネスでも「モノ売り」だけにこだわると、どうしても価格競争に陥り会社の体力は消耗します。
        売れている商品やサービスには物語(ストーリー)が有ります。コト発想は「お客様の都合」に合わせ、お客様がコトを実現するためにはどういう買い方が相応しいかを考え提供することです。モノを買う前に購入後の「意味ある体験」をお客様に「提案」してあげることで、お客様は「体験」を実現するためにその手段として「モノ」を買うのです。
        このことは個人向けでも企業向けでも同じです。ストーリーある商品、サービスは感動します。
        勝ち組の「ユニクロ」「コンビニ」「ダイソー」等々にはこの要素が備わっています。

         商品そのものの特徴や機能でなく、お客様にとっての価値を考えることが勝ち組グループに入れます。このことを「モノ売り」から「コト売り」へと言葉を変えました。


         このような課題解決に向けて当センターのコーディネータ、登録専門家、職員は全力で応援します。気軽にご利用ください。

        情報の共有化

        2016/09/27

        中島コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。
         

        「情報化社会」と言われているなかで、企業や組織にとって、「情報開示」、「情報漏洩」、「情報隠蔽」、「情報保護」等々は、業種や規模によらず、企業としての社会的責任として、しっかり管理されなければなりません。

         一方で、社内で情報を管理・活用する課題の一つとして『情報の共有化』があります。こちらは、問題があっても、社外からクレームを受けることは少ないですが、企業の強化のためには非常に重要です。 情報が共有されていないと、個々の社員がもつ情報がばらばらとなり、メンバー間での連携した活動が困難になります。

         さて、ある辞書によれば、「情報の共有化」とは「見聞や知識、ノウハウを、仲間に伝達し共有すること。組織やメンバーでお互いに伝達・共有しあうこと」と記載してあります。 具体的には、経営者→中間管理職→社員、関連部署間、チームの同僚間などでの伝達・共有になると思います。

        「なぜ日本企業では情報共有が進まないか(田坂広志著、東洋経済新報社)」によると、日本では、社員数の規模や職種によらず、情報の共有化に問題を抱えているとのことです。

        この本によれば、情報には、3種類あり、①データ(事実情報レベル)②ナレッジ(高付加価値の情報レベル)③ノウハウ(考え方まで含んだ情報レベル)のとのことです。 ① データはまずは必要です。このレベルはITシステム(電子メール、共有フォルダー、クラウド等のネットワークシステム)を導入することにより、かなり達成できるが、②、③のレベルでの情報が共有できていなければ、「情報は知っている」が「意味や目的、効果などをわかっていない」ことになります。

        皆様の企業では如何でしょうか?

        当センターでは、ITや経営の専門家による窓口相談専門家派遣を受け付けています。 情報の共有化について関心ある方、その他経営課題をお持ちの方は、ぜひ、一度ご相談いただきたいと思います。当センターまでご連絡ください。


        新しい資金調達の形 「クラウドファンディング」

        2016/09/08

        姫野コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

         さて、今回のテーマは最近良く耳にするようになった「クラウドファンディング」についてです。


         クラウドファンディングは英語で「CrowdFunding」つまり群衆(Crowd)と資金調達(Funding)を組み合わせた造語でインターネットを活用した新しい資金調達の仕組みのことです。


         主には製品・サービスの開発やアイデアの実現などの「何らかの目的達成」のためインターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募ることを行う場で、ソニーでは新製品の限定販売で活用されています。


         もちろん出展すれば必ず成果(資金)が得られるわけではなく、多くの人に価値があると認められなければ、目的達成ができません。


         商品やサービスの計画や見せ方が重要になるのは普通の資金調達と変わりませんが、うまく活用できれば新しい資金調達や市場調査の場となります。

        「ものづくりを通じて価値づくりを進める」(2016年版ものづくり白書から)

        2016/08/16

        橋口コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         2016年版ものづくり白書第1章第3節「市場の変化に応じて経営革新を進め始めた製造企業」では、行動を起こした企業とそうでない企業の経営力・業績には明らかな差が見られると前置きした上で次のようなレポートがされています。

        • (1)ビジネスモデル(儲ける仕組み)変革に対する意識
        • IoTの進展はモノとサービスの融合を促し、機能やスペックといった製品そのものではなく、どんな価値を提供するかという価値(コト)づくりが重要になって来ている。そのため、ものづくり企業は、ものづくりに価値をプラスする「ものづくり+(プラス)企業」になることが期待されているが、日本の企業ではこのビジネスモデル変革に対する危機意識はまだ低い※①

        • (2)強み・差別化要因の徹底的な把握
        • 人材、技術、組織力、顧客とのネットワークやブランドなどの、自社の競争力の源泉である製品以外の「知的資産」※②を幅広く正確に把握し、その強みを活かしたマーケティング戦略を組み立てることが「ものづくり+企業」への第一歩となる。(事例p132~136)

        • (3)強み領域に特化したビジネスモデル
        • 「ものづくり+企業」になるためのビジネスモデルの中で、「日本型」EMS※③事業者(高い信頼性と品質が求められる多品種少量生産の電子機器の受託生産者)が目指しているのは、現場力をサービスとして提供しつつ、製造から設計・生産設計及びアフターサービス領域へと拡大して付加価値を増していくモデルである。
          これはメカ領域における中小企業も目指すことの出来るモデルと言える。(参考事例等p138~147)

        • ※①「今後3年間でビジネスモデルが最も変革される経営の分野である」と答えた企業...日本14%、グローバル48%(KPMG「グローバルCEO調査2015」より)
        • ※②特許やノウハウなどの「知的財産」だけでなく、このように企業の強みとなる資産を幅広く捉える考え方が広まって来ている。
        • ※③EMS:ElectronicsManufacturingService電子機器の受託生産を行うサービス
          新興国を中心に安い労働力と大量生産をベースとしたモデルで、発注元メーカーが製品企画から設計まで行い、与えられた仕様に基づく製造のみが多い。


         平成28年7月「中小企業等経営強化法」が施行されました。この法律のもとで、事業分野別指針(該当なければ基本方針)に沿って作成した、生産性を高めるための「経営力向上計画」について国の認定を受けると、固定資産税の軽減やその他の金融支援を受けることが出来ます。また本計画は、現在検討されている追加支援施策(補助金等)の「パスポートの役割」となるとのことです。

        「経営力向上計画」申請のサポートをさせて頂きますので、是非早めにコーディネータにご相談ください。

        広島のブランディング

        2016/08/04

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

         

        6月に私用で10年振りに韓国を訪問して来ました。空港に出迎えてくれた方が、「食べて見て買ってください」と言われ今回は観光で来たわけでなく何か違和感を感じました。

        街は煙草のポイ捨ても少なくなって発展しているのは良く判りました。

        観光とは『その国(地域)の光を見る』と言われています。

        私は、広島のブランディングというのを考えてみました。

        マーケティングの世界では、ブランディングについて、①コンセプト、②ターゲティング、③ポジショニングを考えます。

        広島市の基本コンセプトは、市民が「世界に誇れる『まち』」です。

        広島は世界的に名が通っており、国内外から多くの方が訪れて来られます。

        オバマ効果もあり団体より個人客が多くなっている気がします。

        今後は今ある商品・サービスを進化させるのは勿論ですが、「文化」の発信でより多くの方に訪れていただくのも一つと思います。

        私の好きな『神楽』もそのひとつではないでしょうか?又、豪華客船も多数入港します。平和公園や宮島に来ていただくのは勿論ですが、多様化の提案を行い広島の再発見をして貰いましょう。

        帰りの機中でそんなことを考えて帰宅しました。

        ノーベル賞受賞を支える分析・計測

        2016/07/21

        中島コーディネータ

           おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

         平成28年度版科学技術白書の「特集 ノーベル賞を生み出した背景~これからも我が国からノーベル賞受賞者を輩出するために~」の記事によると、ノーベル賞を受賞するには、高い計測分析技術が必要であり、計測は「科学の母」と行っても過言ではないことについて記載されています。

         日本の過去のノーベル賞受賞者は、物理学賞(11名)、化学賞(7名)、生理学・医学賞(3名)、文学賞(2名)、平和賞(1名)ですが、その受賞対象の研究をみると、特に最近は、分析・計測がキーワードの様に思えます。

         113番目の元素(ニホニウム)の発見でも、極めて少量で、寿命の短い元素の分析技術が必要でした。


         身近なところでは、自動車の燃費測定、気象観測、ドーピング検査、地震予測、インフラ設備(コンクリート構造物等)の非破壊検査などがあり、最近脚光を浴びている3Dプリンター、ロボット、IOTなども、計測技術がベースになっています。


         「ものづくり補助金」の対象となる「特定ものづくり基盤技術11分野」にも、『測定計測に係る技術』が追加されました。

         技術分野でも経営分野でも、まずは、現状をしっかり分析、計測することが重要です。


        「ITコーディネータ」とは

        2016/07/07

        姫野コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。


         さて、今回のテーマは「ITコーディネータ」とは、です。

         私自身、ITコーディネータ資格を取得しておりますが、2001年に国家プロジェクトの一環で制度が設けられました。

        それまで国内でのIT化の失敗などによる企業損失が100億円超であったこと、企業の競争力強化にIT化による効率化が必要と判断されたことなどが背景にあります。

         ITと冠がつくために単にITに詳しい人材と思われがちですが、本質は経営とITの橋渡し役です。つまり、経営に役立つIT利活用に向けて経営者の立場に立った助言や支援を行い、IT経営を実現することで、経営革新、業務改革ニーズに合致するように戦略的なIT利活用を推進する役割を担います。

         企業の皆様もITコーディネータをうまく活用して企業のIT経営実現で効率的で攻める経営を目指して頂ければと思います。

        あなたは会社のことが「見えていますか?」

        2016/06/21

        橋口コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         先日ある新聞に掲載された冨山和彦 経営共創基盤CEOの「オピニオン」※1は、多数の企業の経営改革や成長支援に携わってきたプロフェッショナルの意見で、経営に携わる皆さんにとても参考になると思いました。そのポイントをご紹介します。

        • 1.ローカル(地域)経済圏の中小企業(特に非製造業、サービス業)は一般に生産性が低いと言われる。それは経営力の不足に起因している場合が多く、伸びシロ(伸びる可能性)を生かせる企業はたくさん存在する。

        • 2.収益実態の「見える化」「分ける化」を踏まえて、選択と集中、オペレーション、改善、組織・財務改革などの打つ手を定め、確実に実行すれば目に見えて効果は表れてくる。

        • 3.留意すべきは業種や業界の特性に応じた有効な取り組みであること。
          自らの絶対優位・比較優位は何なのかを見極めた上で、その打ち手をしっかりと地に足を着けてやりきることである。

        • 4.企業の再生や再成長で重要なのは地味な取り組みの積み重ねで、緻密に地道にPDCAのサイクルを回し続けることで業績を大幅に改善出来る。
        • いきなりオンリーワンやイノベーションを追い求めたり、域外に進出を試みることではない。

        これを富山氏の著作※2で少し補ってみます。

        • 1.労働生産性(=付加価値額/総労働時間)が高ければ労働の対価をしっかり支払うことが出来、前向きな投資もしやすくなり事業継続が容易になる。また深刻化する人出不足に対する対応策にもなる。

        • 2.「見える化」とは、どこ(何)で儲かっていて、どこ(何)で儲かっていないのかを探し問題構造の見える化をすること(顧客別、製品別、チャネル別等)。

        • 3.「分ける化」とは、事業や製品や顧客などをコア/ノンコア、GOOD/BADの4タイプに分ける「選択と捨象(取捨)マトリックス」で事業としての位置づけを整理すること。言い換えると事業性について市場の魅力度、製品・サービスおよび事業の市場ニーズへの適合性、競争優位の持続性、収益性や投資採算性等で稼ぐ力を評価すること。

        • 4.改善の打ち手が決まったら、それぞれの利益インパクトを(目標値まで)積み上げるグラフを作成し、実行段階ではその効果測定をしつつPDCAを回していくこと。

         当支援センターの専門家派遣制度を利用して、伸びシロを生かして確実な業績改善を目指しませんか?
        コーディネータが継続してサポートします。

          • ※1・2016年6月7日(火)中国新聞朝刊6面「今を読む」欄 
          • ・冨山和彦 産業再生機構COOを経て現在経営共創基盤代表取締役
          • ※2・「ローカル企業復活のリアル・ノウハウ」PHPビジネス新書

         その他参考図書

           ・「何故ローカル経済から日本は甦るのか」PHPビジネス新書

          

        古書を読み返して

        2016/06/07

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

         

         先日、古い書籍を読み返し、新たな感動を覚えたので感想と共にご紹介します。
         1999年に発行された書籍「経営学:小倉昌男氏著」です。

         「クロネコヤマトの宅急便♪」で有名なヤマト運輸の、宅急便システムを作り上げた小倉氏が、経営者の資質について述べています。

         以下、太文字が引用、☆印が藤井の意見です。

        • (1)論理的思考を持つ : 経営者に一番必要な条件は論理的に考える力を持つこと。
        • 日常のビジネスの世界では様々な試行錯誤が起ります。論理的思考が無いと場当たり的対応となり、会社の進むべき方向を間違います。ブレない経営。

        • (2)時代の風を読む : 風を読み違えると大きなダメージを受ける。
        • 風(トレンド)を読む手法としては「街に出て空気を吸う」、「本屋の店頭で今流の本陳列を眺め感じること」このことを実践しています。

        • (3)戦略的思考を持つ : 戦術的思考でなく戦略的思考に取り組む。
        • 戦略とは事業計画書(中期・長期計画書)とも考えられます。「戦略」、「戦術」、「目標」を整理し、PDCAを廻すこと。

        • (4)攻めの姿勢が必要 : ライバルは必ず現れ攻めがないとジリ貧になる。
        • 常に攻めの姿勢があるとヒントが生まれ需要が作り出せる。

        • (5)明るくて謙虚な姿勢が必要 : 成功している経営者は明るい人が多い。
        • 明るく謙虚な人には人が集うからではないでしょうか?プラス思考が出来るから明るくなれるのでしょう。

         如何でしょうか?17年前とは思えない新鮮さを感じます。やはり成功された方は重さが違いますよね。でも、この成功は誰にもチャンスは有ります。
         日々、精進して夢を叶えましょう!

        コーディネータの役割

        2016/05/25

        中島コーディネータ

           おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

           当広島市中小企業支援センターの情報部門のコーディネータが、4月より濱田氏から姫野氏に代わりました。橋口氏、藤井氏、中島のコーディネータ3名は、今年度も引き続きとなります。昨年度と同じコーディネータ4名体制ですが、より効果の高いご支援ができるように、努めてまいります。

         

        コーディネータの役割は以下の通りです。

         

        ◆経営・技術、情報、販路等の専門知識と経験を有するコーディネータが、経営管理、生産管理、商品・技術開発、情報化、販路拡大など経営上の様々な課題の解決に向けて、継続してサポートします。

        経営支援アドバイザー工業技術センターとも連携して課題解決にあたります。

        ◆企業、大学、研究所、企業OB等を紹介し、マッチングにつながるように努めます。

        ◆当中小企業支援センターの各種支援策や国・県などの助成金等を紹介、支援します。

         

         その他、「ものづくり現場」に係る諸々の課題(品質管理・生産性向上・省エネ化・ISO等)についてのご相談にも対応します。

         私は、本年は特に、省エネルギー化に関する課題の発掘に努めたいと思っています。

         

         企業の業種、規模を問わず、競争がより厳しくなってきている中で、自社の力だけでは対応が難しい時代になってきており、外部との協力、連携が必須となってきています。

         私ども中小企業支援センターも、貴社のネットワークに加えていただき、協力、支援させていただければと思っています。

         

         初めての方は特に歓迎です。お気軽に、当センターまでご連絡ください。

        IoT(アイオーティ)について

        2016/05/10

        姫野コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・姫野です。

        本年4月から当センターに配属となりました。

         IT課題、経営課題など中小企業の方が気軽に相談いただけるように心がけております。今後ともよろしくお願いいたします。

         

         さて、最初のテーマは今話題の「IoT(アイオーティ)」です。

         IoTはInternet of Things(インターネットオブシングス)の略で「物のインターネット」のことです。さまざまな「物」がインターネットに接続され、相互に情報と制御する仕組みと解釈して頂ければと思います。

         実はIoTは15年前に登場していました。しかし、当時は「ユビキタス」という言葉が使われてなじみがありませんでしたが、その進化形として「さまざまな機器をあらゆるところ、いたるところで利用するコンピュータネットワーク」としてIoTが表舞台に出てきたのです。スマートフォンなどだけでなく自動車、家、家電から時計やアクセサリ、メガネなど今まではネットワークとは無縁と思っていたのがインターネットなどにつながる機器(デバイス)がIoTの本質と考えて頂ければと思います。 

         IoTをIT戦略に取り入れられれば企業の効率向上などの効果が期待できます。

        「営業」とは!

        2016/03/24

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

         3月は一般的には年度末であり、たくさんの別れと出会いの季節でもあります。
        街中では引越し用のトラックも見かけるようになりました。
        又、多くの新営業マンが誕生することでしよう。日頃、企業廻りしている時に、'営業には向いていない、営業は難しい'とお聞きすることが有ります。40年の営業経験を振り返りながら、自分の営業の考え方を述べてみます。少なからず参考になれば幸せです。

        ●営業の資質

         営業だからといって特別なことではないのですが、

        何にでも興味を持ち、自分で体感したくなる人・・・広く浅く知識を高める
        自分の知らないことを通り過ぎず、納得するまで調べてみる
        世の中のことを肯定的に考える
        人の痛みが判る人
        自社及び自分を信頼して貰えるように誠実が一番・・・下心は他人からは観える
        ●営業の折衝術
        商品知識を高め、2つのフレーズで説明できるようにする・・・2つの方が顧客はイメージしやすくなる
        商品を渇望する顧客は誰なのか?何に困っているのか?を感じ取り顧客が受け取る価値を高める
        より商品価値を高めるために「共感を生み出す」・・・心理戦でもある
        常にシナリオを描き、いかようにも対応出来る力を付ける
        顧客の会社及び相手先を調べ良いところを見つけ好きになること


         どうでしょうか?営業が楽しくなりませんか?仕事を通じて人格形成に努めましょう!

        人工知能を活用したウイルス対策製品を紹介します

        2016/03/15

        濵田コーディネータ

         おはようございます。がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ(情報担当) 濵田文男です。

         私が注目している人工知能を活用したウイルス対策製品を紹介します。まず最初に人工知能の研究の歴史を追ってみます。1956年のダートマス会議で人工知能(Artificial Intelligence)という言葉が使われました。このあと2回のブームと2回の冬の時代を経て現在3回目のブームとなっており、人工知能の一分野である機械学習に加えてディープラーニングが誕生しています。

         今回は、この機械学習を応用した製品を紹介します。

         ところで、従来のウイルス対策製品ではシグネチャやパターンファイルなどを使用しています。したがって、毎日のように更新が行われ、その更新中はパソコンの性能低下となりイライラ感が募っています。

         紹介する製品では、シグネチャやパターンファイルなどを使用せず、4つのヒューリスティックエンジンに加え機械学習エンジンの計5つのエンジンによりウイルスの特徴を様々な角度から分析し、未知の脅威に対して高い精度で攻撃を検知・防御しています。特に、機械学習エンジンには、サイバー攻撃対策の研究開発を目的として収集した膨大なマルウェアの解析結果(振る舞い)をビッグデータとして蓄積し、それに機械学習技術を適用して分析することで、人間が見つけ出すことが困難な特徴を検出するロジックが搭載されています。

         その成果として、様々な脆弱性攻撃・未知マルウェアを防御した実績が豊富に挙げられています。また、製品を更新するタイミングは毎日ではなく検出ロジックの改版が行われる間隔です。

        日本発の製品であり、検討に値すると思います。

        参照サイトは、http://www.ffri.jp/special/5th_engine.htm です。

         

        青山学院大学 原監督の成功の要因

        2016/03/03

        橋口コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         先日、青山学院大学陸上競技部 原監督の講話をお聞きする機会がありました。自らの成長の軌跡、組織づくりや人材育成の秘訣等について、多くの心に残るお話がありましたが、その中のいくつかのキーワードをご紹介します。

        覚悟:元の職場復帰(出向)という退路を断ち、何としても結果を出すという覚悟を持って監督業に挑戦(3年間は青山学院大学の嘱託職員)。
        土壌を耕す:第一歩は、規則正しい生活(起床、就寝、全員で食事・清掃)の徹底。
        チーム作り:ステージ(成熟度)に合った指導法の実践(ティーチング→コーチング)。
        自主性:選手自身が作成した「目標管理シート」による、自ら考え実行する力の醸成。
        人間力:社会人になっても役立つことを、陸上競技を通して教えることが指導方針。

        いくつもの挫折を味わいながら、それを糧にし、「負けずぎらいな性格」で乗り越えて来られたからこそ、現在の監督としての成功があることを知ることができましたが、その原点は、やはり自ら覚悟を持って入った世羅高校でのしつけの厳しい高校(陸上部)生活だったに違いないとも思いました。

        当支援センターの専門家派遣制度を利用して、今一度基本に戻ってチーム作りをしてみませんか。コーディネータまでご相談ください。

        省エネ関係助成金

        2016/02/23

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。中島コーディネータ

          

         毎年、2月~6月頃には、各種の助成金が公募されますが、貴社の事業計画への組み込みは検討されているでしょうか?
        中小企業対象の補助金は、1件当たり、数千万円~数万円までさまざまです。その中で、最近では、「金額の大きさ」と「採択率の高さ」で、関心が高いのは『ものづくり補助金』だと思います。その次は、個人的には『省エネ補助金』と考えていますが、認知度は今少しの様です。

         省エネ補助金は、経産省、環境省、国交省などありますが、やはり大きいのは経産省関係です。経産省からはH27年度補正予算による補助金:「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業」(442億円)が3月末に公募予定です。(「一般社団法人環境共創イニシアチブ」のHP参照)
         昨年度のH26年度補正予算の補助金(929億円)のA類型に類似のものです。昨年度は先着順で、早い時点で予算額に到達したので、申請できなかった方も多いと思います。昨年度との違いは、「一定期間公募し、省エネ効果を審査して評価の高いものから採択」となるとのことです。(H27年度補正は、環境省、国交省はありません)

        経産省のH28年度の省エネ補助金(515億円)は、5~6月頃に公募の予定です。環境省(CO2削減補助事業)、国交省(建築物の省エネ)の補助金は、4月~6月に公募される予定になっています。

        省エネ助成金申請についても、他の助成金申請と同じように、時間をかけて準備することが必要です。早めの着手をお願いします。
        助成金につきましても、ご相談のある方は、当センターまでご連絡ください。

        今年(申年)の想い

        2016/01/26

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

        年始は暖かく日の出も見事で勇気を貰った一年のスタートとなりました。
        今年の成人式での若者のコメントをお聞きすると、りっぱなコメントで自分たちの時代と違うなと感じました。情報化時代がなせる技かなと感心しました。

        今、NHKのドラマにハマっています。ひとつは朝ドラの「あさが来た」です。女性の
        活躍の先駆けです。ドラマでは五代友厚に主人公の白岡あさ(実在は広岡浅子)が「ファースト・ペンギン」の絵を送られるシーンが有りました。このペンギンは群れで行動する中、魚を取るために一番先に海に飛び込みます。氷の下のシャチやトド、オットセイを恐れず海の安全性を他のペンギンに示す勇気ある行動です。ファースト・ペンギンはハイリスクハイリターンの行動です。企業でもイノベーション企業、ベンチャー企業の参考になるのではないでしょうか。
        もうひとつは、大河ドラマ「真田丸」です。視聴率19.9%のスタートで軍師官兵衛のように大台(20%)は越えるでしょう。この真田三代四将(幸隆、昌幸、信之、幸村)の物語は余りに有名で説明は必要ないところです。
        真田の歴史を考える時に思い出すのは、「ランチェスター法則」です。環境変化、物量の差などの逆境を乗り越え、持続的な繁栄を勝ち取るために小が大に勝つ弱者の戦略です。
        ロマンや美を感じます。
        ドラマを見ながら中小企業経営のヒントは満載だと思います。
        昨年ヒットした「下町ロケット」と同様、自社の経営を考えながらドラマを見ることを
        お勧めします。今年の干支のように知恵猿になりましょう。

        平成27年度補正予算案の概要からサイバーセキュリティ事業を紹介します

        2016/01/12

        濵田コーディネータ

         明けましておめでとうございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         今年最初の話題は、サイバーセキュリティです。

        昨年末に平成27年度補正予算案の概要(平成27年12月)が経済産業省から提示されています。その中で3つのサイバーセキュリティ事業(下記の①②③)が挙がっていますので、紹介します。
        Ⅰ.「総合的なTPP関連政策大綱」関連
        2.TPPを通じた「強い経済」の実現
        (1)TPPによる貿易・投資の拡大を国内の経済再生に直結させる方策 の中に
        ①国民・企業のサイバーセキュリティ対策加速化事業(4.5億円)
        ②重要インフラ等のサイバーセキュリティ対策強化推進事業(4.0億円)
        ③独法等の監視に係るシステム構築事業(74.9億円) が挙がっています。
        Ⅱ.「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連
        2. 投資促進・生産性革命の実現 の中に
        上記の①②③を再掲しています。なお、①②③とも、(独)情報処理推進機構(IPA)への交付金です。


         ①の成果物は、(a)近時の標的型攻撃対策の分析と対処マニュアルの策定等
        (b)セキュリティを担うIT人材の育成・確保のための知識・技術習得プログラムの構築等
        (c)ホワイトハッカーの育成 です。
        ②の成果物は、(d)重要インフラ等のサイバーセキュリティ対策の強化を推進する仕組みの構築 です。
        ③の成果物は、(e)内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の指示の下、IPAによる監視センターの構築です。 その機能は、リアルタイム横断的監視(24時間対応)、警告・助言(的確・迅速な情報共有による独法等の対応力強化)、不正プログラムの分析・各種脅威情報の収集 です。


         中小企業のみなさんにとっては、①の(a)により人間系と情報システム系の対策ができると思います。また、サイバーセキュリティに強い興味がある個人にとっては、①の(b)(c)によりスキル向上の動機付けができると思います。

        展示会の効用

        2015/12/17

        橋口コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

        秋は展示会のシーズン、広島でも例年多数開催されますが、私たちコーディネータも出来るだけ多くの展示会に行き、新製品・新技術の勉強による支援力強化や新たな企業様との出会いを目指します。今年も企業訪問・支援の合間をぬって、ひろしまIT総合展(2年に一度開催)、エコ・イノベーションメッセinひろしま、広島県信用金庫合同ビジネスフェアなどに行きましたが、主催者側の工夫もあり多くの新たな発見や出会いをすることができました。これからも出展される企業様へ積極的にお声かけをさせて頂きますので、どうぞ宜しくお願いします。

        また、11月下旬には東京ビッグサイトで行われた第11回中小企業総合展に行くことが出来ました。昨年から「新価値創造展」と名称が変わり、今年は「生きる」(医療機器、介護・福祉、予防・診断等)「暮らす」(環境、エネルギ-、住宅、建材、防災等)「つなぐ」(部品、加工、機械、ロボット等)の3テーマに分けて展示されており、製造業とサービス業の垣根を取り払った新サービス登場の期待が強く感じられる展示会でした。
        IoT(注)により、ものづくりのビジネスモデルそのものの変革が起きつつあると言われています。特にものづくり企業様が、このような総合展で広く全体の方向性や先進的な取り組みを肌で感じ取られることはとても有益ではないかと思いました。

        広島では来年2月初旬に第14回 ビジネスフェア中四国2016が開催されます。是非ご覧いただくことをお薦めします。


        (注)IoT(ものづくり白書他から引用)

        Internet of Thingsの略称。全てのモノがインターネットでつながるという概念。一般的には、身の回りにあるモノにセンサーが組み込まれて、直接インターネットにつながり、モノ同士、あるいはモノと人が相互に通信できるようになる仕組みと説明される。

        センサー技術やバッテリー技術の高度化によってあらゆるものにセンサーを張り巡らせることが可能となり大量のデータが集められるようになったこと、そして大量のデータを処理するプロセッサーの小型化、高速化、また、センサーから得られるデータの送受信が大容量通信やWifi等無線通信技術の普及によりネットワーク化され、それらを蓄積し集計するクラウドが普及したという技術的な進展を背景として進んできている。

        申請書では分かり易い文章を(3)

        2015/12/08

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。中島コーディネータ

          

        分かり易い文章の書き方のポイントについて、今回は第3回目です。

        〇目的に合った図表の作成
         図表をうまく活用すると、一見しただけで理解してもらえることが沢山ありますので、多くの場合は図表を使用します。ただ、他の目的に作成された図表を転用などすると、焦点がぼけて、判りにくくなりがちです。図表は、その目的のために、新たに作成しましょう。

        〇審査項目に対応した項目の記載
         補助金では、大体は審査項目が公表されています。例えば、新規性、優位性、成長性、実現可能性(実施能力)などです。申請書の読者は資料を読んだ後、審査項目に沿った評価を行います。審査項目に対応した項目を織り込めば分かりやすい文章になるはずです。

        〇文章作成には時間をかけて
         申請書は構想を固めて、その後で文章作成となりますので、文章作成は時間切れになりがちですが、判りやすい文章作成には、繰り返し校正することが必須条件です。補助金の公募の時期は、毎年ほぼ決まっているので、公募を見越して早めに着手しましょう。

        補助金の公募期間は、毎年、2月~5月が多いです。 今の時期から準備を始めましょう。
        研究開発、商品開発、事業化、設備投資、創業、省エネなど、補助金についての問い合わせは当センターまでご連絡ください。

        ひろしまの魅力

        2015/11/17

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

        今年も(株)ブランド総合研究所から国内の県別・市町村別の魅力度が発表されました。

        毎年、この結果を自分なりに分析するのが好きです。

        47都道府県で広島県は昨年の21位から15位にUP。1000市町村では広島市は
        昨年の94位から90位にUP。又、外国人が「行って良かった!」では昨年と同様に
        広島平和記念公園が2位、厳島神社が3位となりました。宮島の弥山が番外から20位に
        ランクアップ。
        北海道及び函館市は連続1位でブランドランキングは定着した感が有ります。
        ランキングの変更では、新幹線開業の富山県、オリンピックが開催される東京都、サミットが開催される三重県がランクアップしています。
        何かのイベントが有るところがUPしています。この辺にヒントが有るのではないでしょうか?来年には広島で外相会議が開催されます。

        ひろしまは'海・山・川'と恵まれ人情豊かな地域です。これは「売り」ではないでしょうか?
        国内外から多くの人に来て戴ければ経済・観光に貢献します。
        でも、影響力が有るCARPには来年は是非「優勝」して欲しいと皆様が願っていることではないでしょうか。

        ひろしまIT総合展2015 「サイバー犯罪の現状と対策」を聴講しました

        2015/11/05

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         先日開催された"ひろしまIT総合展2015"で「サイバー犯罪の現状と対策」を聴講しました。講師は広島県警察サイバー犯罪対策課の方でした。同時に、広島県警察サイバー防犯ボランティア(大学生)の方による"なりすまし"などの実演がありました。


         インターネットの利用は当たり前ですが、その中で犯罪や事故に合わないために日頃やっておくべきことに改めて気づいた次第です。


         平成27年8月犯罪情報官速報として情報提示されていましたので引用し紹介します。
        "偽サイトに注意!~代金を払っても商品が届かない~"
        【偽サイトの特徴】
        ①価格が極端に安い
        ②実在するサイトのデザインを丸ごとコピーしたり、企業名を流用し、真偽の区別がつきにくいよう偽装している。
        ③日本語表記が所々おかしい。
        ④振込先口座名が、外国人の個人名となっていることが多い。
        ⑤会社の住所や電話番号の記載がなく、連絡方法がメールのみとなっている。
        ⑥住所などが記載されていても、実在する他社のものを勝手に引用している場合がある。
        【対策】
        ①取引前に、振込口座、日本語表記、連絡先などに不自然な点がないかチェックする。
        ②上記の特徴に一つでも当てはまる場合は、インターネット検索エンジンや消費者庁ホームページを利用して、サイトの評判を調べる。
        ③ウイルス対策ソフトを導入し、最新の状態に更新する。

        詳しくは、広島県警察 サイバー犯罪対策課のホームページを参照ください。
        http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police3/

        IoTがものづくりを変える(2015年版ものづくり白書から)

        2015/10/22

        橋口コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

        2015年版ものづくり白書では、IoT(※)により、従来のような工場内の省人化や省エネ化といった生産効率の改善を超え、ものづくりのビジネスモデルそのものの変革が起きつつある。製造業は競争上の新たな機会と脅威にさらされていると指摘しています。

        そして白書では、IoTによるものづくりのあり方の変化を次の10項目に区分した上で、項目ごとに具体化されてきている事例を紹介しています。

        (1)工場稼働率の向上や省エネルギー化

        (2)アフターサービスの高度化

        (3)熟練技能の継承

        (4)受発注情報や顧客情報の解析による業務効率化

        (5)変種変量生産への対応

        (6)設計のリードタイム削減

        (7)サプライチェーンの最適管理

        (8)予知保全

        (9)製品の売り手から、ソリューションサービスの提供者へ

        (10)製品の売り手から、当該製品の運用受託者へ


        いずれの事例(P168~180コラム欄)も大変参考になると思いますが、特に(2)では「中小企業にも広がる設備稼働状況の遠隔監視・メンテナンス効率化の動き」として、自動販売機の稼働状況の自動収集のしくみ構築で稼働率や顧客満足度の向上を達成した事例が取り上げられています。

        積極的にIoTのもたらすメリットを享受し、さらなる発展につなげるために何をすればよいか、いっしょに学びながら支援内容を考えて行きたいと思っています。お気軽にコーディネータまでご相談ください。



        (※)IoT(ものづくり白書他から引用)
         Internet of Thingsの略称。全てのモノがインターネットでつながるという概念。一般的には、身の回りにあるモノにセンサーが組み込まれて、直接インターネットにつながり、モノ同士、あるいはモノと人が相互に通信できるようになる仕組みと説明される。
         センサー技術やバッテリー技術の高度化によってあらゆるものにセンサーを張り巡らせることが可能となり大量のデータが集められるようになったこと、そして大量のデータを処理するプロセッサーの小型化、高速化、また、センサーから得られるデータの送受信が大容量通信やWifi等無線通信技術の普及によりネットワーク化され、それらを蓄積し集計するクラウドが普及したという技術的な進展を背景として進んできている。


        申請書では分かり易い文章を(2)

        2015/10/13

        中島コーディネータおはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

          

        前回(8月11日)は、申請書の「分り易い文章」の書き方の、私なりのポイントを書かせていただきました。今回は、第2回目です。

        〇表題と要約
        表題(或いは事業計画名等)を見るだけで、内容が判ることが望ましい。また要約、概要等を書く欄がある場合には、事業の目的と実施内容が判るように書きます。結論(実施内容)が把握できたうえで読むと、判り易くなります。

        〇起承転結と一気通貫
        応募用紙によっては、申請者が書きやすいように、見出しが、(親切に)書いてあるものがあります。その場合にはその順序の通りに書きます。見出しがほとんど書いてない場合には、起承転結を意識し、『結』意識して、そこに結びつく文章構成にしましょう。

        〇読みやすい文章
        一回読んだだけで、理解してもらうためのポイントがあります。例えば、「文章は短くする」、「主語と述語/修飾語と被修飾語は近くに」、「句読点、接続詞を正確に」「下線、太線の活用」等です。なお、同じ業務をしていない方に読んでもらうことは非常に有効です。

        次回に続きます。

        モノあまり時代の営業

        2015/09/24

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

         突然ですが、皆さんは今何か欲しいモノ、買いたいモノは有りますか?
        自分は最低限の生活ですが、何も欲しいモノは有りません。車・家電・家具等、今は長持ちしますよね!
        故障の際は購入するでしょうが・・・
        このように、今の時代はモノ余りで営業は相当な努力が必要です。

        よく'差別化の営業'と聞きますが、その視点はどこも考えます。これからの営業は「お客様との関係づくり」が必要と思います。消費財でも飲食でも同じです。昨今の言葉では'きずな'です。お客様といかに関係性を構築するかではないでしょうか!
        自分の好きな言葉は、西郷隆盛の「敬天愛人」です。
        *敬天愛人:'天を敬い人を愛する'と理解しています。
        究極は「人とのつながり」ではないでしょうか! お客様がモノの顔が浮かぶのでなくヒトの顔が浮かぶ営業は最高です。
        生涯の関係が築かれるでしょう。

        このようにお客様との関係性構築を当センターのコーディネータがお手伝いします。
        ご一報下さい。

        Web解析について学びましょう!!

        2015/09/01

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         現在では、ホームページを開設していることは当たり前になっています。企業について知りたいとき、先ずその企業のホームページを見ます。さらに、ネットショップによる販売も多くの企業が始めています。最近ではO2O(オンラインツウオフライン)の動きがあり、ネット上の店舗と実店舗との連動を考慮した施策が検討・実施されています。

          

         ところが、上記のWebサイト(ホームページ、ネットショップ)の現在の状況を具体的に把握している、さらには、事業計画に貢献するようにWebサイトを継続的に改善する施策を検討し実施している、というようにWeb解析を実践している企業は少ないと思われます。

         

         そこで、企業の方には体系的にWeb解析を学び、それを実践できるようになって頂きたいと思います。

        その最初の教科書として"初級ウェブ解析士 認定試験公式テキスト 第6版"(一般社団法人ウェブ解析士協会)を挙げたいと思います。

         

         まず、Web解析を学ぶことで知識レベルを一定程度向上しましょう。

        さらに、PDCAを回しながらWeb解析を実践することで事業に貢献しましょう。

        イノベーションへの取り組み(2015年版中小企業白書の指摘から)

        2015/08/20

        橋口コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         2015年版中小企業白書は、我が国のイノベーション(注1)実現企業の割合が、欧州各国と比較して著しく低いという調査結果(注2)を示し、「成長の源泉」であるイノベーションに積極的に取り組み、競争力を高めていく必要があると述べています。

        そこで、イノベーションを考えていく上で参考になる読みやすい2冊をご紹介します。

        「世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?」安西洋之著は、欧米の元気な中小・ベンチャー企業のトップに「企業成長の鍵」をヒヤリングし、在伊20数年の著者ならではの考察が加えられています。

        多くのトップが人材・ビジョン・事業集中を挙げる中で、ブルネロ・クチネ(ッ)リ氏の「(他人への)敬意・(自らを肯定する)尊厳が責任感を生み、創造力を発揮させる条件になる」は著者と同様に私も、あらためて噛み締めてみる価値のある言葉だと思いました。

        「繁盛したければ、やらないことを決めなさい」坂本啓一著は、やらないことをまず決めることで、革新性や独創性が見えて来ると主張しています。そして「自社の提供価値を蒸留しよう」、「世界感を持とう」、「ケースから抜き取る力を鍛える」、「タッチポイントを最大化しょう」、「自らビジネスのハンドルを握ろう」などのテーマで、イノベーション実行の切り口をわかりやすく示してくれています。


        イノベーションへの取り組みについて、当支援センターのコーディネータへお気軽にご相談ください。



        (注1)イノベーション(「全国イノベーション調査」:2015年版中小企業白書129ページ)  
        一般には新しい技術の発明を指す言葉と誤解されているが、それだけではなく新しいアイデアから価値を創造し、社会に変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。

        ■OECD(経済協力開発機構)の「オスロ・マニュアル」による区分
        a.プロダクト・イノベーション 新製品・サービスの市場への投入
        b.プロセス・イノベーション 製品・サービスを生産・配送する新しい方法の導入
        c.組織イノベーション 業務慣行・職場組織・対外関係に新しい方法の導入
        d.マーケティング・イノベーション 製品の外見を新しくすることや販促/販路/価格 設定に関する新しい方法の導入


        (注2)調査結果(「イノベーションの実現企業割合」:2015年版中小企業白書131ページ)
        a.プロダクト・イノベーション :独42%、伊29%、英26%、仏24%、日本16%
        b.プロセス・イノベーション :独30%、伊28%、仏23%、日本16%、英15%
        c.組織イノベーション :独46%、仏37%、伊32%、英31%、日本28%
        d.マーケティング・イノベーション :独46%、伊28%、仏26%、日本23%、英国18%

        申請書では分かり易い文章を

        2015/08/11

        中島コーディネータおはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

         

         報告書、計画書、申請書等、文書作成には苦労されていることと思います。助成金は欲しいけど、文章作成がいやで、申請されない方もおられる様です。
        文書の種類によって、文章の書き方はそれぞれでしょうが、「申請書」の場合には、『分かり易いこと』が第一です。そのための、私なりのポイントを挙げてみます。

         

        ○文章構想は、先ずは箇条書きから
         最初から文章を書き始める方が居られますが、それでは、構想がまとまらなかったり、本論に関係ないことを書きすぎたりして、先に進まなくなってしまいます。構想を、箇条書きにし、筋書が起承転結・首尾一貫していることを確認しましょう。
        ○だれが読者かを考えて書く
         自分と同じ専門分野の人が読者の様な書き方の文章があります。同業誌ならばそれでよいのですが、申請書では、読者は、その分野(技術)は初めて聞くと言う方かもしれません。平易な文章にし、専門用語には注釈をつけるなど、配慮が必要です。
        ○文書(段落)記号と見出し
         すーっと読んでもらうためには「文書(段落)記号」は意外と重要です。文書記号で、読者は、文章全体の(起承転結の)どこにいるかがわかります。また、本文の内容を、予測できる見出しが書いてあると、文章は更に読みやすくなります。

        ・・・・・次回につづきます。

         

        営業について

        2015/07/09

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

        ものづくり(技術)と営業はどちらが重要かと質問される時が、たまに有ります。

        勿論、どちらも重要で、上下の関係はありません。更に企業経営では財務(経理)も重要な位置を占めます。

        営業とは何でしょうか? 

        単に'ものを売る'だけでしょうか?永年の営業経験でそうではないと確信しています。

        一言で言うならば「お客様の事業の最大化(成功)」のお手伝いが営業の価値と思います。お客様とつながる重要なチャネルと位置づけて下さい。

        ものを売り、現場で感じた市場の変化、消費者の嗜好の変化、チャンスの芽となる気付きを社内にフィードバックして価値を生み出すことです。

        まとめるならば「商品やサービスを通じて。お客様の願望を叶えること。

        その結果として対価を受け取り、自社に貢献」することだと思います。

        営業は苦しいが楽しみはそれ以上のものがあります。

        皆様がシナリオ営業を通じて笑顔になれることを願っています。

        当支援センターではそういう企業さまの羅針盤として、コーディネータ登録専門家職員が全力でお手伝いします。ご利用して下さい。

        マイナンバー(社会保障・税番号)制度への適応を検討しましょう。

        2015/07/02

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         マイナンバー(社会保障・税番号)制度による個人番号の通知が10月から始まります。

        個人番号は、特定個人情報であり、その収集~保管~利用~廃棄のライフサイクルについてルール作りが必要となります。

         個人情報保護法に関して、個人情報取扱事業者に該当する事業者は個人情報保護方針の策定と業務運用ルールに基づき業務運用を行っています。したがって、マイナンバー(社会保障・税番号)制度の適用にあたっては、部門を特定して、現状の業務運用に新たなルールを追加すればよいと思います。しかし、個人情報取扱事業者ではない事業者には、個人情報保護法に適応するルールがないことが多いと思われます。

         マイナンバー(社会保障・税番号)制度は、すべての事業者に適用されますから、適応するルールが必要です。

        適応するルール策定の検討を始めましょう。

        検討に当たってはセミナー受講や専門家に助言を求めるのが早道です。

        当センターではセミナーを計画しています。受講をご検討ください。
        https://cms.assist.ipc.city.hiroshima.jp/seminar/index.html

        「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」のご紹介

        2015/06/23

        橋口コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         経済産業省が発表した「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」では、生産性向上に取り組むための2つの方向性と10の手法及びその内容が説明されています。

        1.付加価値の向上...提供するサービスの価値を増大させる(売上拡大)
        (1)誰に:

        ①新規顧客層への展開

        ②商圏の拡大


        (2)何を:

        ③独自性・独創性の発揮

        ④ブランド力の強化

        ⑤顧客満足度の向上

        ⑥価値や品質の見える化(付加価値向上に繋がる利活用)

        (3)どうやって:

        ⑦機能分化・連携

        ⑧IT利活用

        2.効率の向上...時間や工程の短縮(コスト削減)

        ⑨サービス提供プロセスの改善

        ⑩IT利活用(効率の向上に繋がる利活用)




        又、同時に10の手法について、具体的な取り組み事例を45事例にわたり紹介しています。


        しかし、生産性の向上に取り組むにあたっては、まず自社が何を目的とする会社かという理念に立ち返り、その理念に基づいて、誰に、何(どのような価値)を、どのように提供したいのかというコンセプトを確立し、そのコンセプトに合った手法を選択することが大切と強調しています。

        これらの考え方は、ものづくりにも十分参考になると思います。サービス・ものづくりを問わず、生産性向上の実現方法について、お気軽にコーディネータにご相談ください。

        コーディネータを活用ください

        2015/06/11

        中島コーディネータおはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。


        当広島市中小企業支援センターは、平成27年度も、経営分野、技術分野の両面での業務拡大と進化を目指しています。その業務遂行の一翼を担うコーディネータは、昨年と同様の4名の体制ですが、昨年度1年間の経験を加えて、より効果の高いご支援ができるように努めてまいります。
         
        コーディネータの役割は以下の通りです。
        経営・技術、情報、販路等の専門知識と経験を有するコーディネータが、経営管理、生産管理、商品・技術開発、情報化、販路拡大など経営上の様々な課題の解決に向けて、継続してサポートします。
        経営支援アドバイザー工業技術センターとも連携して課題解決にあたります。
        各種企業、大学、研究所、企業OB等を紹介しマッチングにつながるように努めます。
        当中小企業支援センターの各種支援策や国・県・市などの助成金等を紹介、支援します。課題をお持ちの方はもちろん、課題を明確にしたい方、支援機関への相談は初めての方等 どなたでも結構です。
         
        企業の業種、規模を問わず、競争がより厳しくなってきている中で、自社の力だけでは対応が難しい時代になってきており、外部との協力、連携が必須となってきています。
        がんばる中小企業は、自社努力と共に、外部の力も有効に活用されています。
        私ども中小企業支援センターも、是非、協力、支援させて頂ければと思っています。

        少し気になるクラウドに関する話題です。

        2015/03/24

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。


         今回は、少し気になるクラウドに関する話題です。

        クラウドには、cloudとcrowdがあります。

        良く知られているのがクラウドコンピューティング(cloud computing)であり、そのサービス形態によりSaaS,PaaS,IaaSと呼ばれています。

        一方、最近よく耳にする言葉がクラウドソーシング(crowd sourcing)とクラウドファンディング(crowd funding)です。
         前者は、インターネットにより世界中の企業と個人が直接つながり仕事の受注・発注を行うITサービスであり、いくつかのマッチングサイトがあります。

        仕事の種類には開発/デザイン/ライティング/ハードウエア設計/写真・動画/事務などがあります。

        また、発注方式には3種類あり仕事にあった方式を選びます。既に活用事例はたくさんあるようです。

        現在、活用を支援する組織「クラウドソーシング・プロデューサー」が各地域で活動を始めるところですのでお知らせいたします。

        https://crowdsourcing.jp/producer_list.html )


         後者は、インターネットにより世界中の人から小口資金の提供や協力などを募る資金調達の仕組みのことです。

        見返りを求めない「寄付型」と、対価として商品やサービスを送る「購入型」が浸透しはじめています。

        そして、資金調達の成功要因には共通点があるようです。

        "その人にとっての価値"や"共感できる"などが挙げられます。

        CSV(共有価値の創造)実践の事例紹介

        2015/03/12

        橋口コーディネータ

        おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

        昨年9月4日の職員ブログで、今後目指すべき経営フレームワークの一つとして、企業の事業を通じて社会的な課題を解決しようとする「CSV(共有価値の創造)」についてご紹介しました。今回この実践事例として、米穀製造・販売企業による「米粉を使用した商品による農業地域活性化の支援」事業をご紹介します。

        これは米穀製造・販売企業が、米生産農家を中心とした農業地域の、米粉を使用した新商品を製造・販売する事業の立ち上げを、企画書作成、商品開発から販売促進(例:商品開発用設備・販促ツール提供)に至るまで各ステップに応じてサポートを行い、最終的には農業地域の活性化と当企業の米粉の販路拡大及び米の安定的仕入先確保を目指すものです。


        本支援センターでは平成24年度より現在まで、経営革新計画の作成・申請、営業活動計画の作成・実行等を経営支援アドバイザー派遣制度等でサポートして来ました。
        まだまだ息の長い活動が必要ですが、社会的な課題をビジネスの視点から解決を図ろうとする本取組みが、出来るだけ早く企業利益の増大と地域の活性化につながるように効果的な支援に取り組んでいます。


        このようなビジネスモデルの構想をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

        何歳まで働きたいですか?

        2015/03/03

        中島コーディネータ おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

        あるサービス会社が、「あなたは何歳まで働きたいですか? 何歳まで働く必要があると考えますか?」の質問を、世界23か国の約20万人を対象に実施したところ、アジア諸国からの回答の平均は54.3歳と57.8歳、欧州圏からの回答は59.6歳と65.5歳で、何れも「リタイアしたい年齢」が、「働く必要がある年齢」より5歳前後早くなっていました。

         一方、日本では62歳と60歳で、23か国の中では唯一、必要とされる年齢より長く働きたいとの結果になっていました。

        働くこと自体に意義を見出している人が他国よりも多いということだと考えらえます。

        20数年前の話ですが、1990年代にペルーの大統領を務めた、熊本出身のフジモリさんが最初の選挙立候補時にかかげたスローガンは、「勤勉・正直・技術力」でした。

        これは、フジモリ氏の母のしつけの基本で、日系移民の精神を表すものだったそうです。

        高度成長の中で、働くことに生きがいを見出した多くの日本人の価値観にも重なっていたように思います。
        最近では、この様な価値観は、否定的にとられる場合もあり希薄になってきていますが、調査結果を見ると、まだまだ忘れられてはいないように思いました。(^o^)

         

        今年(羊年)の想い(3)

        2015/02/05

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

        羊年も早や1ケ月が経過し、皆様にはどんな年になっているでしょうか?

        私の周りには羊年の人が少なくて良く判らないのですが、ある本によると「押しが弱く消極的な人といったイメージがあるが、本当は芯が強く負けず嫌いの頑張り屋さん」と書いてありました。

        今年の大河ドラマ「花燃ゆ」が始まりました。松陰先生の言葉は色々有りますが、草莽崛起(そうもうくっき)が思い出されます。誰かをあてにするのでなく、一人ひとりが立ち上がれと本に書いてあります。主人公の文(ふみ)を通して激動の時代を真心を持って生き抜く姿のドラマだろうと楽しみにしています。このことは企業経営にも当てはまると思います。

        今年の経済環境は「事業承継・事業譲渡」と「企業連携」の流れが来るのではと予想しています。当センターのコーディネータは皆様のお役にたつように松陰先生の言葉を肝に銘じご支援します。お気軽にご利用ください。

        今年、考慮しておくべき情報関係のお話です。

        2015/01/27

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         

         今年の最初は、情報関係の話題3つです。

        1.情報セキュリティ分野で、昨年11月「サイバーセキュリティ基本法」が成立しました。今年春には司令塔となる「サイバーセキュリティ戦略本部」が設けられる予定です。企業は、情報感度を高くして自社の情報セキュリティポリシーとの整合性について検討が必要です。

        2.社会保障・税番号制度により今年10月から、個人番号(12桁)の通知、および法人番号(13桁)の通知・公表が行われます。企業は、スケジュールの確認と対処方法の検討が必要です。

        3.今年7月にサーバOS Windows Server 2003のサポートが終了します。終了以降にサーバの脆弱性が見つかった場合の対策がされません。従って、使用している企業は、期限までの対応が必須となります。


        最後に、上記の話題と並行して「事業継続計画(BCP)」策定も考慮しましょう。

         

         

         

        経営のコツ

        2015/01/15

        橋口コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         日経新聞「私の履歴書」の11月は建設・鉱山機械メーカーコマツの坂根元会長(広島市出身)でしたが、その中で強く記憶に残った言葉がありました。

        (1)「会社を良くするのには時間と労力がかかるが、悪くなる時はあっという間」
         →この教訓から経営の基本として踏襲してもらいたい理念を冊子にまとめて(マネジメント編、ものづくり編)全社員に浸透を図られ「代を重ねるごとに強くなる企業」を目指されています。

        (2)「弱みよりも強みを磨こう」「捨てるべきは捨てて、強みを磨く」
         →新機種開発は、最初に何を犠牲にするか決めさせることで突き抜けた商品提案を出し易くし、この考え方をサービス、ソリューション分野にも展開しています。

         その他に「報告の順番はバッドニュースが先」という原則もあります。
        これらは、長年現場の様々な問題に真摯に向き合って来られた方だからこその「経営のコツ」と言えるもので、組織の大小に関らず参考になると思いご紹介しました。

        体力と思考力

        2014/12/25

        中島コーディネータ おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

          スポーツで重要な要素を簡潔に表す言葉として「心技体」がありますが、順番はどうでしょうか? 柔道の父・加納治五郎は、

        一、身体の発育 
        二、勝負術の鍛錬
        三、精神の修練

        と言っているそうです。プロゴルファーの青木功選手も、同じく、体・技・心の順番と言っています。そして、スポーツの素人にとっても、重要度はその順番と思います。

          一方、研究・開発に於いては、成果=①能力×②努力×③思考(方向)と表し、そして、③が最も重要なのだそうです。理由は①、②は0~10で示せるが、③は-1~10と表せ、思考を正しく持たないと「-」となり、成果がマイナスになってしまうからです。

          仕事においてはどうでしょうか? 心/技/体/能力/努力/思考のすべてが必要ですが、私としては、重要度が高いのは、「体」と「思考」と考えます。そして、その違いは「体の強化は自分だけでもできる」が、「思考の方は自分だけでは足りないこと」でしょうか。

         皆さまの課題について、コーディネータが一緒に考える機会を持てればと思います。

        広島の魅力(3)

        2014/11/27

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

        今年の広島は8月20日未明の大規模土砂災害で74名の方が亡くなられ、改めて安心安全で活力ある街づくりの大切さを認識されたのは共通の思いではないでしょうか。

         

         さて、今年も「地域ブランド調査2014」が10月に発表されました。特徴を挙げると

        魅力度ランキングで広島は21位(47都道府県)でした。昨年度は19位。中国地方ではトップです。

        市区町村では函館市が1位で10位以内に北海道が4市入っています。従って都道府県では北海道が1位でした。残念ながら広島市は番外です。

        富岡市(群馬県)が6月の「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録の効果で大きく伸びています。
        食品購入意欲度では北海道、沖縄に次いで広島県は堂々と3位になりました。
        牡蠣好き(世帯当りの購入額)では広島県が2位の岡山県を押さえ4269円/年で圧倒的な1位です。
        産品購入意欲度(食品以外)では今治市の今治タオルが伸びています。取組み手法を学んでみたいと思います。


         以上のデータより学ぶべきは学び伸ばすべきは伸ばし、広島市を皆が訪れたい街にするように努力したいと思います。

         

        出典:(株)ブランド総合研究所

        「i コンピテンシ ディクショナリ」が公表されています。

        2014/11/18

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         

         2014年7月31日に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)からスキル標準の最新版「i コンピテンシ・ディクショナリ」(試用版)が公開されました。これは、昨今のクラウド・コンピューティングの普及の動きなどからIT関連企業やIT活用企業のIT人材に新たな視点が求められていることに対応したものです。

         

        「i コンピテンシ・ディクショナリ」(試用版)は、従来の「共通キャリア・スキルフレームワーク(第一版・追補版)」(CCSF追補版)をベースにタスク、人材、スキルを軸に整理・体系化したもので、「タスクディクショナリ」と「スキルディクショナリ」で構成されています。


        「タスクディクショナリ」は、IT人材育成の推進において最も重要な位置づけとなっています。企業の経営戦略を実現するタスク(仕事)を網羅的に挙げていますので、この中から自社のタスクを選択することができます。
        この際にタスクプロフィール(タスクを理解するための参考情報)を参考にしますが、自社のビジネス形態や業務プロセスを加味することがとても
        重要です。

        次回は、「スキルディクショナリ」を紹介します。

        リフレッシュ法

        2014/11/13

        橋口コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         先日ウィーン・ブィルトゥオーゼンのコンサートに行って来ました。ウィ-ン・フィルの首席奏者たちを中心に弦楽器5人木管楽器5人の10名編成で「リゴレット幻想曲」「ワルツ春の声」など親しみやすい名曲ばかり。私のような全くの素人でも、その澄んで広がりのある音色と音の重厚さに圧倒されてしまいました。

        10月には東儀秀樹×古澤巌×coba全国ツアーにも誘われて行きました。ソチ五輪で有名になった「パリの散歩道」など同じく親しみやすい曲を、各々雅楽管楽器、バイオリン、アコーディオンの名演奏者が、一人ひとりの力も十分に活かしながらハーモニーさせ楽しい演奏会でした。左脳や交感神経を酷使しがちな日々で蓄積したストレスを発散させ、まさにリフレッシュするには格好の方法の1つと改めて思いました。

        あえて付け加えれば、一人ひとりの高い技術の融合がより美しい音楽を奏でるという「再発見」は、「ものづくり白書」(122頁「図 131-22 産業集積が直面した環境変化と変化への対応の方向性」から124頁迄)で提唱している「各社の得意分野を持ち寄って連携効果で受注量を増やす取組み」を思い起こさせる機会でもありました。

        オープン・イノベーション

        2014/10/28

        中島コーディネータ おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

         「オープン・イノベーション」という考え方があります。

         この考えは、自社、或いは付き合いのある取引先、連携先、大学などとの協力だけでは解決できない課題に対して、外部の技術、アイデアなどを活用することで、効率的に解決策を見出そうという考えです。

        「やりたいこと」と「やれること」のギャップが多様化し、拡大する中では、企業の業種や規模にかかわらず、この考えかたが重要になってきています。


         この考え方にもとづいた、「マッチングプラザ」と言うサイトがあります。 新しい技術や製品を探している企業と、提供したい企業とのビジネスマッチングを行うサイトです。
         ご興味のある方は、当センターまでご連絡ください。ニーズ、シーズ登録からマッチングまで、コーディネータが支援させて頂きます。 

        経営理念(3)

        2014/09/25

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。
         

        このコーナーでも経営理念の重要性を2回ご報告しました。改めて「経営理念」構築のお話をします。

        同じような言葉に'社是、社訓、信条'が有りますが、経営理念とは「事業遂行における基本的価値観、目的意識」です。全ての始まりです。絶対に必要なことです。

        このスタートから'ビジョン⇒ロードマップ'と落とし込み事業遂行がなされるわけです。いくら歴史が変わろうと隆々と発展している企業には色あせない経営理念が有ります。理念のない会社経営には社員、お客様の拠り所が見当たりません。

        ある本からの抜粋ですが「経営は戦略がなければやっていけない。理念がなければやる資格がない、実践しなければ何も生まれない」と書いて有りました。是非、経営理念を構築して下さい。コーディネータは皆さんの応援を全面的にバックアップします。

        エネルギー関係技術開発ロードマップイメージが公表されました

        2014/09/16

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         

         エネルギー政策基本法(2002年公布・施行)に基づいて、第4次エネルギー基本計画が、今年4月11日に閣議決定されています。その中で、『エネルギー関係技術の開発に当たっては、どのような課題を克服するための取り組みなのか、まずその目標を定めるとともに、開発を実現する時間軸と社会に実装化させていくための方策を合わせて明確化することが重要であり、そうした様々な技術開発プロジェクトを全体として整合的に進めていくための戦略をロードマップとして、「環境エネルギー技術革新計画(2013年9月総合科学技術会議決定)」等も踏まえつつ、本年夏までに策定する。』と明記されています。

         これを受けて経済産業省では、8月19日の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第14回会合で資料5としてロードマップイメージを公表しています。その構成は、(1)我が国におけるエネルギー技術開発に関するこれまでの取り組み(2)国際的視点を踏まえた技術開発戦略のあり方(各国の技術開発戦略の整理)(3)主要技術課題のロードマップ となっています。
         特に、(3)についてそのイメージを提示しています。主要な技術項目(案)のうち次の19項目を挙げています。1.高効率石炭火力発電 2.高効率天然ガス火力発電 3.風力発電 4.太陽エネルギー利用(太陽光発電) 5.再生可能エネルギー熱利用 6.海洋エネルギー利用 7.地熱発電 8.バイオマス利活用 9.二酸化炭素回収・貯留(CCS) 10.人工光合成 11.次世代自動車(HV・PHV・EV・クリーンディーゼル車等) 12.次世代自動車(燃料電池自動車) 13.エネルギーマネジメントシステム 14.省エネ住宅・ビル 15.水素製造 16.水素輸送・貯蔵 17.水素利用 18.高性能電力貯蔵 19.メタンハイドレート 
         各技術項目のロードマップは、【当該技術を必要とする背景】【当該技術の概要及び我が国の技術開発の動向】【導入に当たっての制度的制約等の社会的課題】【技術ロードマップ】【備考(海外動向、他の機関における取り組み)】の観点でまとめられています。

        是非、興味ある技術項目について参考にしていただきたいと思います。

        中小企業白書2014年度版から

        2014/09/04

        橋口コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

        今年の中小企業白書は、「小規模事業者への応援歌」というサブタイトルで、小規模事業者に焦点を当てその実態や課題を分析しています。他方、「新しい潮流」というテーマで課題のブレークスルーのための新たな動きも紹介しています。


        その一つとして取り上げられているのが「CSV※(共有価値の創造)」という考え方です。

        企業の事業を通じて社会的な課題を解決する「社会価値」と「企業価値」とを両立させる、すなわち様々な社会的な課題をビジネスの視点から解決を図ろうとする考え方で、中小企業や小規模事業者の新たなビジネスモデルの一つと成り得る可能性があると述べています。


        CSV実践が、「地域活性化」と「企業利益の増大」の好循環を生み出し、持続的な事業活動を実現していく、中小企業・小規模事業者の一つの「生きる道」にもつながることを具体例を示しながら訴えています。

        私たちコーディネータも皆様のこのような取り組みを積極的に支援致しますので、是非ご相談ください。



        ※CSV : Creating Shared Value

        『質問力』

        2014/08/26

        中島コーディネータ おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

        前回のブログで、品質工学研究会で「質問力=問題を見出す力」について聞いたお話をしました。

        「質問」とは、「問い質(ただ)す」という意味として知っていましたが、"質問力"とは、初めて聞く言葉なので、インターネットで調べてみました。

        ・質問力とは、「コミュニケーションを図りながら、真理・解決策などを探し求める能力」のこと
        ・コミュニケーションの極意は相手の話を聞くこと。相手が話したくなる内容の質問をすること。話を聞いてほしくない人は居ない。
        ・質問を考える(疑問や不満に思う部分を考える)ことは新しいアイデアを生む。一人で考えるだけでは限界がある。等々の説明でした。


        雄弁は銀、沈黙は金と言われますが、質問する/話す ことはダイヤモンドの様です。

        仕事でも、仕事以外でも、共通することだと思いました。

        本当の『課題』

        2014/07/29

        中島コーディネータ おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。
         

        先日、広島市工業技術センターの品質工学研究会主催の講演会に出席しました。

        講師の先生のお話は、「技術改善に取り組む場合に、『発生した問題(そのもの)を解決しようとする』ことが多い。そうではなく『問題を発生させる本当の課題を探り出して、それをテーマ(切り口)とする』が重要とのことでした。 

        また、技術力を高めるためには、

        ①質問力(問題をみいだす力)、
        ②観察力(生データを見る力)、
        ③社外の人との関わり 

        が重要とのお話でした。

        「How to」だけではなく、「Why」の姿勢と、「What」の視点が必要ということでしょう。

        課題があると、即 対策に走ってしまいがちな習性を反省させられました。

        商売(笑売)の心得(4)

        2014/07/22

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

         

        先日、当財団主催のセミナーに参加しました。その時に行列の出来る繁盛店の講師の方から「大量行動の原則」という言葉が有りました。

         

        このことは、'希望を持って行動しつづける'の意味ですが、これはどなたもやられていることです。

        でも差が出来るのはなぜでしょう?

         

        これには仕組みが必要です。現在はモノ不足からモノ余りの時代です。モノ売りから「コト売り」に転換することです。自社の都合でなく、顧客の都合(付加価値)提供です。

         

        マーケティング用語では'プロダクト・アウト'から'マーケット・イン'です。

        「マーケット(消費者)のウオンツを十分にくみあげて、それを製品・サービスという

        カタチにして市場に出す」ことです。

         

        もう一歩、考えに考え踏み出しましょう!ご一緒に悩み考動しましょう。

        ※考動とは、常に考えながら動くという意味。

        失敗を「見える化」する

        2014/07/10

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         

         個人や組織で失敗することは有ります。その際、同じ失敗をしないように、また、大きな失敗に至らないようにするために、失敗を「見える化」する事が重要です。

         

         新聞記事によると、失敗の原因は、(1) 無知(2)不注意(3)手順の不順守(4)誤判断(5)調査・検討不足(6)制約条件の変化(7)企画不良(8)価値観不良(9)組織運営不良の9つあり、このうち(1) ~(5)が個人レベルで多く、(6)~(9)が組織レベルで多い失敗原因ということです。

         

         失敗を「見える化」するとは、失敗が起った原因や過程を"脈絡をつけて"記述することです。記述の仕方は、6ステップに分けて記述します。①事象をまとめる。②経過を書く。③前述の9個の原因を参照して原因を推定する。④対処を書く。⑤総括する。⑥知識化する。

         

         最終的に知識化することにより、同じ失敗を繰り返すことは避けられます。また、知識化をデータにすることにより、組織として情報共有できると共に、失敗への耐性を高める効果があります。

         

        「経営革新計画」の承認を受けましょう(続き)

        2014/07/01

        hashiguchi

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         私の前回ブログ(4/24)で、「経営革新計画」に関するアンケートで、承認を受けて良かった点として、計画の立案・実行力向上など経営全般への効果を挙げる企業からの声が多かったとレポートしました。しかし同じアンケート(平成24/10~25/9の期間中に、承認から1年以上2年未満の95社)の中で、付加価値額及び経常利益ともに基準(年間伸び率3%及び1%)を達成したと回答した企業は3割に過ぎませんでした。

         たとえ施策を実行しても計画どおり企業業績の改善に反映されなければ、承認された意味が半減してしまいます。ある公的支援機関のコーディネータは、その原因の一つは、作成を外部者に頼り過ぎ、経営者自身が十分に練り上げた計画になっていないからではないだろうかという疑問を呈されていました。

         経営者のみなさん、一緒に考え一緒に悩み、業績改善に必ず結びつく「経営革新計画」の作成を支援致します。是非、中小企業支援センターのコーディネータにご相談ください。

        商売(笑売)の心得(3)

        2014/05/22

        藤井コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・藤井です。

         

          時に企業さんから「こんなに良い商品なのになぜか売れない」とお聞きします。

        売れないのは理由が有ります。 この打開策として

        (1)商品の再点検・・・川下から川上を眺める。作るから売れる商品作り

          ①新規性:従来にない新しい要素がある商品か?

          ②優秀性:従来品と比較して、優れているいる点、利便になる点は?

          ③市場性:販売見込みが有り、市場に十分対応しうるか?


         以上を考えます。新商品も10年すると陳腐化すると言われています。

         次に「顧客への価値の提供」を考えます。


        (2)マーケティングの基本原理

          ①ベネフィツト:顧客にとっての価値

          ②差別化・強み:顧客にとって競合より高い価値は何なのか

          ③セグメンテーション・ターゲッティング:提供する価値をより高く評価してくれ

            る顧客はどこなのか

          ④4P(製品、価格、広告、販路):競合と差別化し、顧客に価値を提供出来る

            仕組み作り


         以上を踏まえて、当センターでは頑張る中小企業を全力で応援します。

         お気軽にご相談ください。


         私は、3回/週はスポーツジムに通っています。体重・体脂肪率は一進一退ですが、飽くなき挑戦を続けます。ご一緒に頑張りましょう!

          

         

        業務システムを更改する際の考え方

        2014/05/13

        濵田コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ 濵田文男です。

         

        業務システムを更改する際に考えることは,次のような事項です。

        ①課題を抽出する。 

        ②それぞれの課題に対して対応策を検討する。

        ③各対応策の費用を見積もる。

        ④優先順位と予算により実施すべき対応策を決定する。

        ここで留意すべきことは、業務システムが実現している業務が、無理なく正しく行われているのかの視点です。業務上の課題を抽出・検討し、業務改善を行うことを考えます。さらに、業務上の課題は、何に基づいて抽出するのでしょうか。それは、経営戦略、および、その上位にあるビジョンです。ビジョンから経営戦略、経営戦略を実現する業務、業務を支援する業務システムという連鎖になります。

        最近、ある企業で基幹業務の更改の話がありました。上記の考え方で進めながら、川上の概念に気づいていただくことが重要です。川下から川上へたどり、そして、川上から川下へたどることで、妥当性を確認することができると考えます。

         

         

        「経営革新計画」を作成し承認を受けましょう

        2014/04/24

        橋口コーディネータ

         おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。

         中小企業の皆さんが経営革新(新たな取り組みによる経営の向上)活動計画をまとめて、「経営革新計画申請書」として窓口(広島県商工労働局経営革新課)に提出し、審査会の承認を受けると政府系金融機関による低利融資制度などの支援措置を受ける資格を得ることが出来ます。

         アンケート(上記機関実施)によると、計画承認を受けて良かった点として、多くの企業が計画の立案・実行力の向上、社内意識の向上など経営全般への効果や金融機関への信用力向上をあげています。

         また国の平成25年度補正予算中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新(補助金)事業のサービス分野では、申請書に経営革新計画の承認を受けていますかという質問項目があり審査時の優位性が推測されます。

         当支援センターは経営革新計画作成にあたっての相談窓口として位置づけられており、コーディネータは、基本計画作成から申請、実行まで登録専門家と協力しながらきめ細かなご支援をいたします。どうかお気軽にご相談ください。


        コーディネータによるトータルサポート

        2014/04/17

        中島コーディネータ おはようございます。 がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・中島です。

         当センターは、本年度は、昨年度以上に業務を拡大し進化を目指しています。その業務遂行の一翼を担うコーディネータ4名は、お陰様で、昨年度 多くの企業を訪問し、武器である「ネットワーク」を拡大し、スキルもアップできたと思っています。

         コーディネータの業務は以下の通りです。
          ・企業の経営・技術・情報・販路などの課題解決を一緒に考えます。
          ・当センターの各種支援策、各種助成金などを紹介、サポートします。
          ・各種企業、大学、技術センターを紹介、マッチングに繋がるように努めます。

        解決すべき課題をお持ちの方はもちろん、課題を明確化したい方、各種支援センターに相談経験のない方、どなたでも歓迎です。ぜひ一度、当センターまでご連絡ください。

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