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2019/11/27
おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。
最近、ITやベンチャー育成の分野で耳にするようになってきた『エコシステム』という言葉。概念はそれほど新しくはなく1990年代前半、シリコンバレーのスタートアップ企業が、ベンチャーキャピタルや他の起業家などの協力を得ながら、事業を立ち上げ成功していく環境に用いられていた言葉です。自然界の生態系(生育環境や生物多様性・食物連鎖等)をイメージすれば、ビジネスの世界で多くの企業体が複雑に絡み合いながら、継続的に生存・進化していく"生態系"は、人口減少が進む日本にとっても理想形です。
この"エコシステム"と対立軸にある概念が、従来製造業を中心とした大企業で見られる"垂直統合"。製品の研究開発から製造・流通・販売まで、自社のグループ内で完結する「閉鎖系システム」です。日本の企業が、今や"ガラパゴス化している"と言われるのは、特定の地域やマーケットに特化した、独自の製品やシステムを、機密情報が守れるグループ企業内だけで開発し、結果的に他のエリアやマーケットへの汎用性がなく、コスト高となって、グローバル企業に比べて小さな市場にしかリーチできなくなってきたからだとも考えられます。つまり、少し環境が変わり、気候変動のような状況となれば、硬直化した大量生産型モデルでは、社会環境の変化や、非連続的なコスト競争力についていくことが困難になったということです。
人口減少や技術の急速な変化は、地球環境の大変化の時代と同じく、小回りが利き、変化の兆しをキャッチして自らが柔軟に変わることが出来るベンチャーや中小企業にとっては大きなチャンスです。そのためには、環境変化に"耐える"のではなく、いち早く変化の兆しを感じ取る情報感度を高め、致命傷を負わない程度に具体的な行動に移していくことです。私たちも、広島市でこの「ビジネスエコシステム構築」のために、しっかりと情報収集・情報発信・企業支援をしていきます。