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支援センター職員によるブログ

新型コロナ感染と移動速度論

2020/06/10

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 新型コロナの緊急事態宣言は解除されたとはいえ、企業の皆様のご苦労はいかばかりかとお察し致します。感染が今後どうなっていくのか、一番知りたいところです。私は技術屋なので医療関係はよく分かりませんが、コロナの感染は工学で体系化されている移動速度論でもある程度考察できると思っています。

 

 ある空間でのある時間内の感染者が媒体となって、コロナウイルスが移動・発生・消滅しますが、それには次の4項とその収支を考えればよいと思います。すなわち、その空間内のウイルスの経時変化を示す非定常項①は、発生・消滅を示す生成項②と、空気の分子運動に伴う拡散により移動する拡散項③と、空気の流れや人の移動等媒体を介して移動する対流項④の3つの和となり、(1)式で表されます。(数式では各項適切な符合がつきます)1)

 

    ①非定常項=②生成項+③拡散項+④対流項 ・・・(1)

 

それぞれの項は、状態を示す従属変数である濃度(コロナウイルス濃度あるいは感染者割合)を基に算出されます。また、②の生成項においては、医療専門家の方で検討されていますが、ここでは反応速度的に扱い、濃度に対して指数関数的に発生し、濃度に比例して消滅すると考え、その限界濃度をCcとします。2)

 

 この式から、系外への感染を避け、①項の感染者をゼロに収束させるには、まず状態の正確な把握(感染検査)が前提となります。その上で、③と④項の活性なウイルスをばら撒かず、②項の感染者を生むCcを超える空間を作らないことです。Ccを超えることが避けられない医療機関においては、院内感染防止の管理が極めて重要です。

 

 具体的な対策は、②項に対応するワクチンの開発、医療用ガウンやフェイスシールドの十分な補充、③項のマスク着用、三密回避、ソーシャルディスタンス、④項の移動自粛・ステイホーム、室内換気等となります。ここで、④項の移動自粛・ステイホームと換気は、一見静と動で矛盾するように感じます。しかし、ウイルスは人によって感染移動しますが、換気により排気されるウイルスからは空気感染しないことから、④項の対策は対流項を巧妙に利用したものといえます。

 

 今年度は、このような考えをめぐらせながら、特にウイルス感染阻止のポイントとなる医療機器・保護具に関わる企業の方々に、タイムリーなニーズを紹介し、マッチングできればと思っています。また、新型コロナの影響を受けられている企業の皆様の売上回復のために、新製品開発の加速や用途拡大等のお手伝いをしていく考えです。

 

1)水谷ら訳、コンピュータによる熱移動と流れの数値解析、森北出版(1995.2)

2)例えば琴寄、セミョーノフの限界発火条件式、安全工学Vol.29No.3(1990)


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