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2021/06/30
おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。
梅雨に入り、木々の緑が一層深みを増してきており、生命力を感じさせてくれます。先日昼休みの散歩の途中に近くの草津新町第一公園で、下の写真の桜の木を見つけました。幹を見て、一瞬藤かなと思いましたが明らかに支柱に巻きついた桜の木です。
通常、桜の木の支柱には鳥居型が多く使われますが、今回見つけた桜の木は、苗木の頃に支柱として丸太を垂直に添えていたのだと思います。その支柱に桜の木が螺旋状に巻き付いています(右巻き※)。同公園には、同じように1本の支柱を垂直に添えたものがいくつかありますが、この螺旋状の木以外はどれも支柱に沿って真っ直ぐに伸びています。
今回、この螺旋状の桜の木の発生メカニズムについて考えてみました。ソメイヨシノ、ザクロ、トチノキ、マツ類等は、遺伝子情報により木が捩じれ、螺旋木理(木目)を形成し易いようです。ただ、どちらに捩じれるのかは幹の傾斜や風の向きに変わるとされていますが、サクラの場合は右向きに捩じれることが多く、左向きの約6倍との研究結果があります。それを念頭に、同公園の真っ直ぐに伸びた桜の木を再び見てみると、確かに外観は真っ直ぐですが、木自体、右向に捩じれていることが分かりました。この捩じれの性質に加え、周りの支持・拘束条件が重なれば、螺旋状に巻き付くことも考えられます。すなわち、支柱と接触して摩擦があり、なおかつ苗木が支柱よりも可撓性がある場合は、桜の木は支柱に対して螺旋状に巻き付き易い(図1)。逆に、苗木と支柱が非接触か接触しても摩擦が小さい場合や、摩擦が大きくても苗木に剛性がある場合(成長して幹が太い)は巻き付かずに木自体で捩じれるのでは(図2)?そういう意味で、螺旋状の桜の木は偶然でなく必然性が高いと考えています。
これらの考えを発展させると、螺旋状の桜の木を意図的に造りだすことも可能であり、螺旋状の桜の木の床柱として提供できるかも知れません。少し話が飛躍し過ぎていますが。
※)現在、巻き方向はねじによる定義が主流で、朝顔の蔓は右ねじと同じ方向に巻くので右巻き