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2011/10/13
おはようございます。
がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のプロジェクト・マネージャーの久保です。
前号では、開発助成金事業はその制度の趣旨・狙いに応じて、申請書の内容の重点の置き方が違うということを書きました。
今回は、記載項目のうちの"スケジュール"を一例としてみてみましょう。創業支援の系統の補助金事業ではあまり詳細なスケジュールを要求されることはないようですが、研究開発、つまり「ものづくり」支援の場合はそれなりの内容が要求されるので、注意してください。ものづくりの世界では、種々の解決課題に対し、具体的な解決アクションが、タイムリーに行われ、期限内に必ず目標が達成されることが要求されます。「スケジュール」とは研究開発を進めて行くうえで重要な指標となるもので、実際に開発を進めるときに役に立つものでなければなりません。
中には、スケジュールの項目欄に「○○の研究開発」と書いて翌年3月までの長い矢印を一本描いて済ませているものを見た記憶がありますが、このような例は論外です。審査員がこのような「スケジュール」から受ける印象は、非常にネガティブなものになるので注意してください。
申請書に書く「スケジュール」には、次の内容が簡潔に整理された形にまとめられているかどうかよく確認してください。
1) 開発の目標とその実現のための課題(What)は適切か、優先化ができているか
2) 課題解決のための作業は実施方法・手段(How)、実施場所(Where)が明確か
3) その作業を誰が(Who)主体的に行うかが決まっているか。
4) 夫々の作業の開始・終了時期、実施期間(When)は適切か、前後の作業との関連がとられているか
5) 中間の進度確認と軌道修正の余地があるか
6) 開発目標達成度評価のやり方・タイミングは適切か 等
経験ある審査員であれば、申請書のスケジュールの部分を見ただけで提案されている研究開発が実際に実施可能かどうか、ひいてはその会社の技術的能力がどの程度であるかを大体推測することができます。決してスケジュールを疎かにしないで下さい。