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支援センター職員によるブログ

リコールについて考えること

2010/02/18

  kubo3.jpg おはようございます。がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のプロジェクトマネージャー・久保です。

 

 国内最大手の自動車会社が、最近続けてリコールをしたことで話題になっていますが今回は市場品質問題について少し考えて見ましょう。


 商品の市場品質を確保するために、製造し出荷する前に検査・確認し、不具合を市場に出さないよう最大限の努力がはらわれていますが、それでも市場での不具合を完全にゼロにすることはできません。現実の問題としてリコールを避けて通ることは出来ないことです。


 リコールを行う意味は、欠陥が潜在している商品のユーザーに対して「重大な不具合が起こる危険性がある」ということを一早く知らせ顧客の安全を確保するとともに、「メーカーとしてどのように対策を実施するのか」を広く一般に告知することにあります。


 この場合、不具合が報告された時点からメーカーが具体的なアクションを取るまでの間にあまり時間を要すると、メーカーとして責任逃れをしているとの印象を与えてしまうため企業イメージが急速に損なわれ、その企業の存在意義そのものを問われる事態にまで容易に至ってしまうことは、これまでの例に枚挙のいとまがありません。


 従って、多くの企業では市場で品質問題が発生したときに、情報がいち早くフィードバックし、問題の発生→原因究明→対策案の検討→対策実施を可能な限り迅速に行えるようあらゆる事前の策を講じていますが、それでも今回のような問題は起こります。


 リコールを実施するかどうかの判断は、不具合の内容が生命・安全に直接かかわるようなものであったり、あるいは明らかな法規違反のようなものであれば容易ですが、今回一部に報道されたように「フィーリング上の違和感の問題だ」という捉え方があったとすると、リコールを実施するかどうかの判断は非常に難しいことだっただろうと想像されます。


 リコールは、企業にとっては起こしてはならないことです。開発、製造の実行部隊は、リコールは「絶対」に出さないとの固い決意で仕事をする必要があります。しかし不幸にして市場品質問題が起こった時には、経営者は「いかにして責任を回避するか」ではなく、「顧客満足最優先」の考え方を判断の拠り所とすべきです。よしんばそれで経営が立ち行かなくなったとしても、それが顧客第一主義を貫いた結果であるのと、社会的責任から逃げた結果であるのとでは天と地との差があります。経営者の見識と胆力が問われるところです。

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