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2010/10/29
おはようございます。
がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のマネージャー免出です。
江戸時代末期には、日本はエネルギー枯渇の危機に直面したようです。
養老孟司、竹村公太郎の共著「本質を見抜く力-環境・食料・エネルギー」(PHP新書)には、こう書いてあります。
「天竜川は徳川幕府にとっては重要な木材供給の河川でした。そのため天領にして
森林を管理しながら木材を供給していたのですが、その木材供給のピークがあって、
そこから下がってやがて木材供給は絶えてしまうのです。
天竜川流域 木材伐採量
1671-1688年 16億5,572万本
1688-1715年 33億4、640万本(木材供給ピーク)
1736-1763年 4億2、061万本
1768-1782年 8,954万本
------1853年に黒船が日本に来たときには日本中の山が荒廃していたのですから、ペリ-
の黒船との邂逅は、日本文明にとって蒸気機関と化石エネルギーとの邂逅でした」(竹村氏)
エネルギーの枯渇が国力の衰退につながるというのは、世界の長い歴史の中でごく普通に見られる現象です。明治維新は起こるべきして起ったと言えるかもしれません。その蒸気機関と化石燃料との出会いから、日本の人口が急増します。3千万人でピークを迎えていたところから、現在までの約150年間で1億2千万人にまで増えました。現在の日本経済は、ある意味では、化石燃料に依存して成り立っているともいえます。
いま私達は新たな局面に出会いつつあります。オイルピークが現実に理解され始めて来ました。いずれ私達は化石エネルギー枯渇の危機に直面する、ではどうすればそれを回避できるかということが、あちらこちらで論じられ始めました。その中の一つとしてエネルギーの地産地消が出てきています。
各地域で、森林を保護しながらバイオマスエネルギーを得ていく、燦々と降り注ぐ太陽光を電力や熱エネルギーに変えて活用する、小型の水力発電所を作る、地熱発電とか風力発電のような自然エネルギーをもっと取り入れるというようなことです。それらは、地域によって取り組み方が違ってきます。風力発電に取り組んだ私の経験からいいますと、風は北海道より北に豊富にあるといえます。一方、太陽光はどちらかというと南にたくさんあります。
地域毎に、エネルギー確保のあり方は変わって来ます。化石燃料が高騰しても、生活が支障なくできるように、省エネへの試みとともに地産地消への取り組みもしていく必要がこれからさらに出てきているといえるのではないでしょうか。