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支援センター職員によるブログ

「計画変更とプロジェクトリーダーの役目」

2010/12/02

kubo3.jpg おはようございます。がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のプロジェクト・マネージャーの久保です。


 今月は「計画変更とプロジェクトリーダーの役割」について考えてみましょう。


 プロジェクトリーダーの役割は、プロジェクトに与えられた種々の目標を計画通り、決められた日程で達成することにあります。プロジェクトに関連する種々の案件に常に目を配り、必要なアドバイスを与えたり解決行動を主導したりすることが仕事で、気の休まる暇もないことから"曲芸の皿回し"に例えられることもありますが、とにかく計画通りに仕事をすすめ目標を達成することが至上命令です。


 ところが現実のプロジェクトはすべてが順調に流れるということはまずありません。むしろプロジェクトの進行を阻害するような課題が、次から次へと生じることの方が多いのが現実でしょう。その場合にリーダーはどのような行動をとったら良いのでしょうか?


 プロジェクトを途中で変更せざるを得なくなる要因は種々ありますが、よく起こる典型的な事例がいくつかあります。今月はその2~3の事例についてみてみます。


 まずは強力なライバル商品の出現です。性能面でもデザイン面でも現在開発している自社の新商品より優れた商品が、自社の商品に先行して発売されてしまったというケースです。このような場合は、開発計画をそのまま進め自社商品を市場に投入しても、ライバル商品が既に市場を占有してしまい計画した販売量が見込めなくなることから、予定どおりの収益が確保できなくなります。

 
 あるいは、関連する法令に違反していることが開発途中で発覚するということが起こることも想定できないことではありません。確信的に法令を無視するような場合は論外ですが、法令を間違って解釈していたり、法令の変更を見逃していた、というような重大なミスが時には起こることがあります。


 これらの状況に直面した場合は、リーダーは関係者を集め早急に対応・改善策を検討し、タイミングや、計画の変更によって必要になる工数、費用/コスト等の影響をあきらかにしたうえで変更計画案にまとめ、速やかに経営陣に報告しこの承認をもって変更計画を実行に移します。


 しかし、場合によっては計画を変更するためには、膨大な費用、工数、期間を要するケースもあり、開発を継続する価値が見出せないというような最悪の場合もないわけではありません。この場合は計画中断の進言をする必要も出てくるでしょう。中小企業では、リーダー=経営者という場合が多いと思いますが、リーダーとしては、常にこのような状況に対応できるだけの心構えをしておくことが必要です。


 もう一つの典型的なケースを紹介しましょう。開発が進むにつれてその商品に対する愛着が日増しに高まって行くことは、開発の関係者であれば良く経験することですが、この思いが昂じるあまりに必要以上にデザインを変更したいと考えたり、仕様・設計を変更したいという誘惑にかられることがあります。商品力を少しでも上げたい、デザインをもっと良くしたいという気持ちで開発に当たることは大切ですが、これが昂じて趣味、道楽の領域に入ってしまうことは、ビジネスをするものにとっては禁物です。


 『お客様により良い商品を提供するのだ』という大義名分が引き合いに出されるので、必要以上のことだとしてこれを退けるのは並大抵のことではありませんが、変更によって起こるプロジェクトの混乱、コストアップによってもたらされる収益への圧迫を考えると必要以上の変更を止めることもリーダーの重要な仕事の一つといえます。リーダーとしてはプロジェクト推進のアクセルを踏むこととあわせて、状況によってはブレーキを上手に踏むことも必要になります。

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