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2012/03/07
おはようございます。
がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のマネージャー免出です。
日本は温暖な湿潤地帯で、多くの沼地からありとあらゆるものが豊かに生まれてくる命溢れる国です。
そんな日本は、古事記や日本書記によれば、「豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)」と呼ばれました。
沼地等の湿地帯が日本全国に広がっており、葦もあちらこちらにありました。
それがいつしか稲穂のたわわに垂れる田園風景に変わって行きました。
稲作は、耕地面積の割には、収穫量が高く、人口をたくさん養えます。
それゆえに、東アジア、東南アジアそしてインドには、世界全体の面積がわずか15%に過ぎないのに、およそ半分近くの人口を有しています。
そしてこの地域がこれからの世界を引っ張っていくとも言われています。
すなわち稲作地帯が、これからの時代の中心になっていくということにもなります。
稲が実り、米が取れますが、米を収穫したあとにはもみ殻が残ります。
このもみ殻は、かさ比重も0.1ととても軽く、水を吸収せず、田に撒いても土にかえるのに何年もかかります。
また燃料に使うこともありますが、かさ張るため扱いにくいものでした。
このため、あまり役立つものと受け取られていませんでした。
そのもみ殻を粉砕し、かさ比重を増し吸収性を大幅に改善し、苗床マットや牛舎敷料にしたり、固形化燃料にしてより有用な資源として再生させようという取り組みを行っている(有)クロスワークという企業があります。
そのクロスワークは、今年度、(財)広島市産業振興センターの平成23年度共同研究開発助成金の交付決定を受けて、【もみ殻を利用した育苗培土の製造システムの研究開発】というテーマで研究開発を行っています。
今年中に成果が得られるように目指しています。
現在、苗床マットや固形化燃料だけでなく、保水性を活かしてイチゴ栽培用の培土にしたり、軽量性を活かして屋上緑化用の培土に活用したり、様々な用途開発が見えてきました。
今まで厄介者として扱われてきたものが有用なものに転換するということはよくあることですが、もみ殻も、クロスワークによって、その価値を転換してくれる可能性が見えてきたようにも思います。