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2012/06/14
おはようございます。
がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」 コーディネータの免出です。
「田舎の3年、京の昼寝」という諺があります。どちらかというと怠け者の私には、寝ながらいろんなことが学べるのかということで、好きな諺です。もちろん寝ていて学問ができる訳はないのですが。
しかし、時代が大きく動く時には、特にこの諺は意味をもちます。何故ならば、田舎では知りえない時代の動きが、京の都では見聞でき肌で感じることができるからです。
その時代の匂いを嗅ぎながら、人々は今の有様・今後の有様を考え実行して、次の時代に生き残って行きます。現在まで勝ち残っている会社の多くは、そのようなことを実際行って来ていると思います。
その時代の流れの一つに、長寿命社会の実現ということが現在謳われています。時代はもはや使い捨ての時代でなく、良いものを長く使うことによって、資源を無駄にしない、廃棄物を少なくする、今あるものをメンテナンスしながら長く使用し、子々孫々まで引き継いで行く、そうして地球への負担をなるべく小さくし、社会インフラコストを下げながら、よりよい社会を築いていく、という風に変わって来つつあるともいえます。
30年前の1982年に、私は米国の都市ヒューストンに居ました。現地の化学会社に訪問した折、そこで働いている従業員の方と雑談をしました。その人が言うには、「自分はトヨタのトラックをずいぶん長く使用している、メーターが一巡し、またゼロになったが、日本製の車は全く問題ないのでこのまま使い続けるつもりだ。」とのことです。
「車検はどうなのですか?」と思わず聞きました。その時その人がいうには、車検といってもタイヤとヘッドライトとブレーキを調べるくらいで、年一回10分かそこらで済み、15ドルくらいの費用で、簡単にパスするということです。それを聞いて、"う~む"と唸ったものです。良いものは長く使用できるということであり、社会もそれを応援しているということです。
これからの時代は、やはり良いものを作り、メンテナンスをしながら、長く使用していく時代になっていくのではないでしょうか。長く使用しても飽きが来ない自分の歴史が刻み込まれるような商品作り、一部部品のみの交換で不自由なく引き続き使用していける製品作り、年数が経つことにより価値が上がって行くような商品作り、リフォームする毎に新たな価値が盛り込まれるような商品作り等々、そんな取り組みをしている市内の企業が幾つかあります。
そのような企業の皆様を今後折にふれて紹介して行きたいと思います。