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2013/02/14
おはようございます。
がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・橋口です。
企業や個人事業主の方々から、販路開拓でお悩みの声を多数お聞きします。私たちコーディネータは、販路開拓担当は言うまでもありませんが、全員が、登録専門家と連携しながら、このようなご相談にも応えられるよう努力しています。
ところで、売上が伸びないのは販路が少ないからだという思いは、特に商品力に自信を持たれている多くの皆さん共通の思いだと思います。しかし本当にそれだけでしょうか。
今回は、昨年11月に当支援センターが共催し、ご好評いただいた流通革新研究会の講師小阪裕司氏の最新刊 ※ から、講演でもお話しいただいた解決策の良いヒントになると思う事項を2,3ご紹介します。
(1)消費社会の大きな変化
消費者の欲求は、モノに直結した「Having(所有するもの)」から「Being(いかに充実して生きるか)」へと、スペンド・シフト(消費行動の転換)が起きている。
今日の消費者は「心の豊かさ」を求め、毎日の生活を精神的に充実させ楽しみたいというたった一つの欲求 ―この新しい動機― が、人々を新しい消費行動へ転換させている。
例として、「ル・クルーゼ(鍋)」、「ダウニー(柔軟剤)」、「ライブナチュラル(床材)」などの商品名が挙げられています。これら商品名をご存知でしたか? なぜ売れているのか具体的理由をご存知ですか?
(2)感性価値(商品力)
今日、商品の機能、品質や価格以外に依る「力」があり、それは「感性価値」と呼ばれるもので、このような新たな価値が商品に求められている。
例として「ジャガーの最新型のイグニッションキー:心臓の鼓動に似た光(音)」や「ラパン(軽自動車)」が挙げられています。
しかし、新しい商品を開発しなければだめなのかというとそうではなく、既存商品の持つ「感性価値」を見出す事で商品力をアップさせることができる。
例として「ライブナチュラルのバークポケット(天然木の材面に現れるある種の特徴)」が挙げられています。
(3)価値創造活動
お客様の心の中に価値を生み、購買動機や来店動機を喚起する営みで、「心を豊かにする商品」にはとても重要な需要創造の活動である。消費者の買いたい・必要だという気持ちを生み出す活動で、感性に働きかけが行える情報に整理して発信する(行動する理由を与える)活動とも言える。顧客の感性という脳の働きに効果的にアプローチする(スイッチを押す)こと、顧客の立場から価値が語られることが重要である。
例としてハ-レ-ダビッドソンの「ハ-レ-ライフ(ハ-レ-のある生活)」が、「今の消費者にバイクを売ろうと思ったらバイクを売ってはいけない。売るべきものはハーレーライフだ」という元社長の言葉とともに挙げられています。
また、講演の中では、サプライチェ-ン全体(卸会社や商社を含む)での価値創造の取り組みの重要性を指摘されていました。その他のことも含めて、さらに多くの具体例を示しながらとてもわかり易い語り口で、ご教示いただきました。
さて、小阪氏の指摘されている消費者の欲求の変化を理解し、あらたな価値の観点から商品を見直し、そして感性に効果的な働きかけをする売り方になっていますか?一度チェックしてみては如何でしょうか。売上を増やすためには、このような視点を含む真の商品力アップや販売方法の革新こそ大切なのではないでしょうか。
私たちコーディネータが、総合的な視点からアドバイスさせていただきます。是非ご相談ください。また、今後の当支援センターのセミナーにも注目していただき、積極的にご参加されることをお薦め致します。
※ 「心の時代」にモノを売る方法 (角川ONEテーマ21新書、2012年11月)