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支援センター職員によるブログ

山田錦に思うこと

2018/10/11

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 今年の中秋の名月は雨で残念でしたが、虫の音を聞きながらお月さんを眺め日本酒で一杯、そんな季節になりました。かく言う私は、あまりお酒は飲めませんが、おちょこで少しだけ味わうのが好きです。日本酒は、原料に米、水、麹、酵母を使い、米のでんぷんを麹で糖化しながら、酵母で糖をアルコールに発酵し、狙った香味に仕上げたものです。今回、酒造りの中でも最も重要な酒米について書いてみたいと思います。

 日本酒造りには我々主食としているうるち米とは違った性質が必要とされます。一つ目は、大粒米が好まれることです。米の主成分はでんぷんですが、表層に近いほど脂肪、灰分、タンパク質が多く含まれ雑味の原因となるため、精米によりできるだけ表面を削りとり芯の部分のみ使います。そのため、粒が大きいほど有利になります。二つ目は、うるち米とは正反対で、中心が白色の米が適していることです。芯にある白い部分は多孔質で吸水性がよく、麹をはたらきやすくするためです。これらの特性を満足する酒米の代表として、播磨でうまれた山田錦が知られています。

 約20年前に趣味が高じて酒米の山田錦と、うるち米のヒノヒカリ、コガネマサリを一緒に植え、その成長を比較したことがあります。山田錦は酒米としての性質に優れていますが、写真のようにうるち米に比べ背丈が100~200mm高く、粒が大きく穂が長くて重いため風で倒れ易い等、農家にとっては作りにくい品種であることがよく分かりました。そのような短所があっても、それ以上に酒米としての性質が優れているために酒造好適米の代表として位置づけられているのです。

 長所と短所が共存する場合は、短所を補うよりも長所を伸ばす方がよい成果が得られます。私は、企業時代に新製品の開発を数多く経験してきましたが、開発初期に存在した短所も、長所を伸ばすことにより、系全体がより単純化し、短所の要因も特定しやすくなり、長所を損ねず総合的に対策もすることも可能となります。このことは、長所と短所を併せ持つ山田錦と重なるところがあります。秋の夜長、日本酒を少しずつ頂きながらあれこれ思いをめぐらせてみたいと思っています。

山田錦提出版5.jpg

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