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2020/02/12
おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。
お正月に娘が二歳の孫を連れて帰省したので、お年玉に立体パズルをプレゼントしました。大きなアンパンマンに切り欠いた〇△☐等の穴に、同じ形状のブロックを挿入していくものです。二歳児にとってはかなり難しそうで、結局、帰省中にはクリアできませんでした。
その約二週間後に動画が送られてきました。それを見ると、いとも簡単に形合わせができるようになっていて、親子ともに得意満面の笑顔が映っていました。わずか二週間で何度も試行錯誤して学習し、コツをつかんだのでしょう。
人間の脳を数理モデルにしたのがニューラルネットワーク(NN)です。そのため、NNのアルゴリズムや学習プロセスから、逆に人の学習はどうあるべきか、客観的に見えてきます。NNではネットワークの構成が決まれば、次に上層のニューロンから下層のニューロンへ信号を伝達するための重み係数を初期化するプロセスがあります。初期化のポイントは、全てのニューロンの対称性を破り、早く学習できるよう乱数を与えることです。そこから目的に合った適切なデータを使って深層学習がスタートします。
重み係数に乱数が入った直後の状態は、人にあてはめると赤ん坊に相当します。当然、入力と出力の間に秩序ができていません。そのため、赤ん坊におもちゃを握らせるとそのおもちゃを振り回し、時々自分の顔や頭を叩いて泣き出すこともあります。しかし、しばらくすると、次第に学習していき、知らないうちに上手に遊ぶようになっていることもよく理解できます。
難しいことは、幼児の予測できない行動に気をつけながら、偏りのないよい情報を与えることです。とはいえ、安全面だけを重視し過ぎて、情報を制約すると、偏ったニューロン結合となり、バランスのとれた思考ができなくなる可能性もあります。この時期には、幼児が今何を学ぼうとしているのか、よく見極めながら接してあげる必要があると思います。NNも幼児も学習する上で大事なことは啐啄同時ということでしょうか。