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支援センター職員によるブログ

「イノベーションのジレンマ」とは

2022/02/09

おはようございます。がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・若本(わかもと)です。

 

若本コーディネータ.jpg

新型コロナによるパンデミックも3年目に入りました。飲食業や観光業だけでなく、世界的な需要の急変動によるサプライチェーンへのダメージや物価上昇などが、日本経済を痛めつけています。人々の行動変容も含めて"従来の延長線上では企業の成長は見込めない"という危機感と、事業モデルの変革が求められる時代です。この間、広島県出身の総理大臣が誕生し『新しい資本主義』を掲げて、企業にも変革や賃上げなども求めています。

 

 企業にとっての"変革"は、イノベーションという言葉に置き換えられ、デフレを脱却して日本を成長軌道に戻すための重要なキーワードとして知られています。しかし一方で「イノベーションのジレンマ」という言葉もあり、私はむしろ日本企業はこの病に罹ってしまっているのではないかと疑っています。特に日本を代表する大企業の多くがこのジレンマに陥り、変化への投資を決断できない罠にはまっているように感じます。

 

 この「イノベーションのジレンマ」で紹介される分かりやすい事例として、デジタルカメラが挙げられます。デジカメが登場した当初は、画質などが銀塩写真に比べて劣り、フィルムメーカーはこの技術に関心を持ちませんでした。デジタル化に遅れた世界的なフィルムメーカーのコダック社は破綻し、日本の富士フィルムは医療分野への多角化なども含め、イノベーションを成し遂げて、その結果に大きな差が生まれました。キャノンやニコンなど光学カメラの従来メーカーも、デジカメの技術革新と普及が業績に大きな影響を及ぼしました。しかしその後スマホの普及によって、デジカメ市場はあっという間に縮小、高価格だったSDカードなどの大容量記憶メディアも、収益の出ない事業に転げ落ちていきました。高品質を売り物としていた日本企業の凋落は、このような世界の変化のスピードに投資の意思決定が遅れ、すでに巨大投資してしまった生産設備を活かすために、イノベーションのジレンマに陥ってしまったことも大きいのでしょう。

 

 6千万年前の大型隕石の落下により、恐竜をはじめとした大型の動物は絶滅し、その激変した環境変化に順応した小動物が次第に繫栄したことは、激甚災害やパンデミックが次々起こる現代にも重なります。気候変動や人口動態のリスクも含め、ピンチをチャンスに変えるイノベーションは、稟議書を重ね無難な案しか採用できない大企業よりも、経営者個人が覚悟を持って部下の失敗を容認し、新しい時代を開拓する情熱を持つ「中小企業の経営者」や「新規創業のスタートアップ企業」が最もチャンスにあふれた時代です。我々支援機関もそのような熱い志を持つチャレンジ精神旺盛な中小企業を応援していきます。


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