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2009/02/16
おはようございます。がんばる中小企業を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のプロジェクトマネージャー・久保です。
前稿では、開発プロセス(開発マスタープラン)をご紹介しましたが、これについてもう少しご説明しましょう。
(隠れた問題は命取り)
開発プロセスに記載する項目は、できるだけ細かいレベルまで深掘りすることが大切です。まだ取り掛かってもいない作業にそこまで頭を使っても仕方がない・・・と思うかもしれませんが、プロセスを組みたててゆく過程で潜在化している問題を事前に予測し排除することが可能です。あるいは将来起こりうる問題を事前に想定することが可能なので、その対応について予めケーススタディーをしておくこともできます。
さらには将来、万一問題が発生したとしてもこのフローチャートがあれば影響を最小限に食い止め迅速に復旧させ、対応策について漏れなく関連先へ周知徹底することもできるので、長い目で見ると結局はこれが一番の早道ということになります。
この開発プロセスを組むのは相当の時間とエネルギーを必要としますが、これをおろそかにすると、隠れた問題に気がつかないままに開発が進められるため、あとになって問題が方面化した時には非常に深刻な状況に見舞われることになります。
こうなると、問題を解決し全体計画を正常に復帰させるために大幅な後戻りが必要となったり、「人」「もの」「金」の大きなロスを生じることになります。
又運悪く、問題が隠れたまま販売されてしまい、問題がお客様の手に渡ってしまった後に表面化し市場品質問題(PL問題)を起こしたりすると、会社の命取りにもなりかねません。隠れた問題は、前もって徹底的に洗い出しておくことが大切です。
(基本に忠実に)
国内外の自動車会社ではこのレベルに到達しているところが少なからずあり、開発期間の大幅な短縮や、市場変化への迅速な対応、開発費の大幅削減を実現しています。
しかしこれは、オリンピックでいえば金メダル狙いのトップグループの世界の話で、開発経験が浅く技術蓄積の少ない、多くの中小企業では、この工程を省くことはまさに命取りになることを肝に銘じておいてください。
後戻り作業は極力排除しなければなりませんが、中小企業では「⑤評価・検証」の過程で必ずなにがしかの不具合や要改善項目が発見されることを前提に、その場合のフィードバックの工程をプロセスに組み込んでおく必要があります。
基本に忠実に、地道に、着実に・・・進めてゆくことが大切です。
〈以下次号〉