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支援センター職員によるブログ

相続により店舗、工場などの敷地を承継した場合には(小規模宅地等の特例)

2024/06/12

創業支援担当・児玉主査

 おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・児玉です。

 事業承継に関して活用できる相続税・贈与税の制度について、以前のブログ(「事業継承に係る贈与税・相続税の優遇措置について」、「相続税、贈与税の改正について」)でも取り上げたところですが、今回は小規模宅地等の特例について見てみます。

 先代(被相続人)の所有していた事業用建物等(店舗、事務所、工場、賃貸用建物など)の敷地(注1)の承継については、小規模宅地等の特例が設けられており、この特例が適用できれば、相続税額計算の際、適用する敷地について評価額の80%(または50%)が減額され、納付すべき相続税額が減少することになります。
 なお、この特例を適用した場合には、当該宅地等を引き継いだ者の相続税額だけでなく、他の相続人等についても相続税額が減少することが期待できます。(注2)

注1 土地の他、借地権なども含みます。
注2 相続税額の計算は、相続財産の総額(各相続人等の取得した財産、未分割財産の合計額。みなし相続財産も含まれます)に基づいて相続税の総額を算出し、その後、その相続税の総額を各相続人等の取得額等に基づき按分して計算します。(按分した後、各人ごとに加算・控除を行い、それぞれの納付すべき税額が算出されます。)
 この計算方法と税率(超過累進税率)の関係で、多くの場合、他の相続人等についても税額が減少します。また、特例適用により相続財産の総額が基礎控除額以下になった場合には、相続人等全員について相続税の納付額はありません。(基礎控除額以下になる場合でも、特例の適用のためには相続税の申告が必要です。)

 事業に関して、この特例の適用対象である敷地は次のもので、一定の要件を満たす場合、特例を適用することができます。
〇特定事業用宅地等(不動産貸付業等に係るものを除く)
  被相続人が営んでいた事業の事務所や工場などの敷地
 被相続人と同一生計の親族の営んでいる事業の事務所や工場などの敷地
〇特定同族会社事業用宅地等(不動産貸付業等に係るものを除く)
 被相続人とその親族等で保有する株式(出資)の割合が50%超の会社の事務所や工場などの敷地(その同族会社に有償で貸し付けているもの)
〇貸付事業用宅地等(不動産貸付業等に係る宅地等)
 被相続人の営んでいた不動産貸付業等に係る建物などの敷地
 被相続人と同一生計の親族の営んでいる不動産貸付業等に係る建物などの敷地
※上記の特定同族会社の不動産貸付業等に係る建物などの敷地(その同族会社に有償で貸し付けているもの)については、貸付事業用宅地等に該当します

 上記の他、被相続人等の自宅の敷地についても、一定の要件を満たせば特例の適用があります。事業に関係ない財産でも上記の財産と同様に、相続財産の総額に算入する価額を減額すると相続税額を減らすことが期待でき、事業承継に有利に働きます。

 ここでは細かな適用要件については説明を省いています。また、その敷地を承継したのは誰か、敷地上の建物等の所有者は誰か、敷地の貸借が無償か有償か、その敷地で行っている事業の開始時期など、個別の事情によっては特例が適用できない、あるいは減額率が異なる場合があります。
 適用できる敷地の面積には限度があり、適用可能な敷地が複数ある場合には、どの敷地に適用するかという話も出てきます。相続財産の中に、この特例が適用できそうな敷地がある場合には、「特例の適用が可能か否か」、「特例を適用するための条件」、「どの敷地について適用させるか」などについて、税理士や税務署に相談・確認されるのがよいと思います。

 なお、この特例は相続(又は遺贈)により取得した敷地に関する特例です。生前贈与加算や相続時精算課税(注3)の規定により、贈与によって取得した敷地の価額が相続税額の計算に算入される場合もありますが、その際にはこの特例は適用されません。贈与による事業承継をお考えの場合には、このことにも留意する必要があります。

注3 生前贈与加算や相続時精算課税については、以前のブログ「相続税、贈与税の改正について」をご参照ください。

 当センターでは税理士など各分野の専門家が、皆様の個別の事情に応じてご相談にお答えします。ご利用をお待ちしています。

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※以上の内容は令和6年4月1日現在の法令に基づき記載しています。

 

 

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