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支援センター職員によるブログ

害獣対策

2020/10/14

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 

 私は海が見える里山近くに住んでいます。8月末のある日の夕方、愛犬と散歩の途中、川を挟んだ耕作放棄地の背丈の高い蔓(つる)が絡んだ草むらから突然イノシシ親子が飛び出してきて山を駆け上がっていきました。一瞬でしたが、あまりの迫力に立ち尽くしてしまいました。その後、9月末には、近くで防獣ネットと電気柵で囲った稲刈前の田んぼが写真のようにやられました。国内における農産物の害獣による被害総額は、今では年間約200億円といわれています。生態学のある研究者は、害獣対策のタイミングを逸すると生態系が不可逆的なダメージを受けると警告しています。そろそろ、その限界に近づいている気がします。

 
 イノシシの性格は、臆病で身を隠すところがあれば安心しますが、観察力が鋭く、一旦安全と判断したら大胆な行動をとるとされています。食性は植物性:動物性=9:1で主に植物の根や地下茎を食べるそうです。そんなイノシシの生活環境も大きく変化しました。昔の里山は、柴等の生活資源の宝庫として利用され、手入れが行き届いていました。そのため見通しがよく、臆病なイノシシは山から里山まで下りて来れず、緩衝地帯となっていました。ところが、石油・ガス・電気の普及に伴い、柴を求めて里山に入ることがなくなり、密林状態となりました。加えて里では米の減反政策等による耕作放棄地が増え、背丈の高い草が生い茂り、イノシシが人目に触れずに安心して山から里まで下りて来れるようになりました。

 
 それではどう対策すればよいのでしょうか。昔の生活スタイルに戻すのはもはや不可能です。考えられる対策は、次の4つを組み合わせ、地域ぐるみで取り組むことでしょうか。(1)イノシシの隠れ家をなくすため、里の耕作放棄地等の草を刈る。(2)守りたいところに柵をする。(3)その柵に至る前方に聴覚(超音波)、視覚(レーザ光)、触覚(地面にグレーチング)、味覚・臭覚(刺激物)等、異なった忌避装置を併設する。(4)捕獲する。地域毎にばらばらの対症療法では、イノシシが行ったり来たり大暴れして逆効果になるかも知れません。


 このような課題の解決に向け、この9月に広島県のひろしまサンドボックス実証プロジェクトでは、獣害対策を実施するために、AI&IoTを駆使した有益となる情報の収集、分析、可視化や、獣害対策の新技術を募集しました。採択されると尾道にある備後運動公園でフィールドによる実証試験を実施します。イノシシの大胆な行動を抑え込むための重要な情報が得られることを心から願っています。

 IMG_6932イノシシ.jpg

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