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2026/08/19
おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当から経営革新担当に異動しました北浦です。
「長年、社内で使ってきたAccessで作ったデータベースを新しくしようと業者に見せたら、『無理です』と笑顔で拒否された」という悲惨な話を耳にすることがあります。
その会社の中では「10年以上の貴重な自社資産」と大切に扱っていた代物が、プロの目には「いつ爆発するか分からない危険物」に映るわけです。
なぜ業者は引き受けないのか?
その理由はプログラムの複雑さではありません。 最大の元凶は、人間が長年かけて気ままに溜め込んできた「表記のゆらぎ」という名の汚れまくったデータ群です。
たとえば「〇〇株式会社」という取引先ひとつ取っても、データベースの中はカオスを極めます。 「株式会社〇〇」が、「(株)〇〇(※全角の括弧)」、「(株)〇〇(※半角の括弧)」、「前後で全角半角が異なる括弧」、果ては株の表記すら略された姿。
日頃お付き合いのある担当者などの人から見れば「ああ、あの会社ね」と分かりますが、融通の利かないパソコンにとっては全員「全くの赤の他人」として処理されます。
これでは集計も検索もできたものではありません。 そして、この表記ゆらぎ界において最凶の恐怖を誇るのが、「スペースもフリガナもない人名データ」です。
たとえば、氏名欄にぽつんと入力された漢字5文字の『東海林太郎』というデータ。 フリガナがなく、苗字と名前の間にスペースすら置かれていない場合、後から見返した人間は深い絶望に包まれます。
これは「東海(トウカイ)さん」の「林太郎(リンタロウ)様」なのか? それとも「東海林(ショウジ)さん」の「太郎(タロウ)様」なのか......?

どちらも自然な人名として成立してしまうため、データを見ただけでは判断がつきません。結局、過去の紙の契約書等を探し回ったり、ご本人に確認の電話をかけるという「データベース化とは一体......?」な探偵業務が発生します。
世間で言われる「システム開発のデスマーチ」の正体は、天才プログラマーが難解なコードと戦うカッコいい姿ではありません。
その実体は、「過去の人間が残した『東海林太郎』の正体を解明する地獄の様な雑巾がけ(データクリーニング)」と、現場の凄惨な苦労も知らずに放たれる「え? データ移行なんてボタン1つで終わるでしょ? 期日には新システム動かしてね」という無責任な納期の押し付けによるものです。
そりゃあ業者も「うちでは受けられません」もしくは法外な見積額の提示で自衛するわけです。
どこかの会社の話とはいえ、本当に恐ろしい話です。
せめて、入力フォームの苗字と名前の間には、スペースをひとつ挟みフリガナを付ける優しさを持ちませんか?