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支援センター職員によるブログ

実践知の違いが生む、優先順位のズレ

2026/02/18

創業支援担当・北浦主事  おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・北浦です。

中小企業の現場には、稀に、通常であれば10年かけて習得するような技術を、わずか数年で身につけてしまう圧倒的な才能を持つ人がいます。 彼らは単に知識を詰め込んでいるのではなく「直観とひらめき」を武器に、実践の中で自らの感覚を研ぎ澄ませていくのです。

たとえば、マニュアルには書かれていない「微妙な音の違い」や「手の感触」、あるいは「空気の変化」を察知し、瞬時に判断を下す。そうした感覚的な判断は言語化が極めて難しく、本人の中でしか成立しない「生きた知識」として蓄積されていきます。

このような「生きた知識」は、「実践知」と呼ばれており、他者が短期間で真似できるものではありません。

こうした「実践知」を持つ人たちは、理屈ではなく感覚で現場を読み解く力を持っており、その判断はしばしばマニュアルを超える精度を発揮します。 しかし、そうした感覚は言語化が難しく、他者に伝えるのが困難であるため、現場内での理解の差や優先順位のズレに繋がることがあります。

この時、上司の度量が試されます。(最悪の場合は、将来有望な人財を喪失し、未来の競合他社を生み出す脅威となる可能性も否定できません。)

このズレは、特に改善活動に力を入れている「気づきの有る職場環境」と、改善活動そのものを行ったことがない「気づきの乏しい職場環境」の間では、その差が顕著に現れると数十年前から言われていますが、皆さんの職場ではいかがでしょうか。

項番 観点 気づきの有る職場環境 気づきの乏しい職場環境
観察力と意識の差 「なぜこうなっているのか?」と問いかけながら作業し、周囲の変化に敏感 作業をこなすことに集中し、周囲の微細な変化に気づきにくい
経験と成功体験 小さな改善が認められた経験があり、挑戦への自信がある 否定的な経験から提案を控えがちで、改善意識が育ちにくい
職場の文化と風土 改善提案が歓迎される環境で、自然と気づきの感度が高まる 提案が受け入れられない雰囲気で、発言や観察が消極的になる
学びの姿勢 他者のやり方を観察し、背景や理由を学ぼうとする 自分のやり方に固執し、他者から学ぶ姿勢が弱い
感覚の活用 音・振動・空気感など、言語化しにくい情報を頼りに判断する 数値や手順に頼り、感覚的な情報を見落としがち
優先順位の判断 状況に応じて臨機応変に対応し、トラブルの予兆を重視 手順通りの作業を優先し、変化への対応が遅れがち

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